2008年06月26日一覧

泣いた話、二つ。

昨夜、テレビをつけるとBSでジャニス・ジョップリンの回顧番組をやっていた。話はすでに佳境に入っていたし、ヤク中で死んだ女の物語なんてどうでもいいやと、芸能人が温泉を訪ねて美味しいものを食べる番組に替えた。

萩、津和野の旅が終わったところで、気になってチャンネルを戻した。5人程の年配の男どもが語り合っているが、どうやら全部元彼らしい。話を聞いていると、やっぱり泣けてくる。ジャニスは感性豊かで、さびしがり屋だったんでしょう。

大好きだった歌が、「メルセデスベンツ」という曲名で、「みんながポルシェに乗ってるから、私はベンツで迎えにきて~!! 同じのは嫌なの」っていう、しょうもない歌詞だったことを初めて知って、またなんか泣けた。年取ると涙腺が緩くなるんです。

この人は、最初に私が聴いた頃には、とうに死んでいましたが、現役のシンガーのように思っていました。それは今も同じです。

ここで話はガラッと変わるんですが、先日読み終えた、藤沢周平の「海坂藩大全 下」は面白かった。

藤沢周平は池波正太郎と比較すると、どうも湿っぽいところが厭で、途中で読むのを止めてしまうこともあるのだが、この本は切れがあり楽しい。

海坂藩とは架空の北の小国だそうだが、当然作家の故郷山形県を元にしているのでしょう。その海坂藩にまつわる短編を、作家の死後、再編集したようだ。大分、すでに読んだものもあり、よって上下といっても話が続いているわけはない。

藤沢周平の短編は何となくタラ~っと終ってしまうものもあり、それも嫌いじゃないんですが、この、”下”は起承転結のはっきりした秀作ぞろいじゃ。泣けるぜ!!

図書館で借りてきてるんで、出版社も作家も泣けるぜ。