2008年08月一覧

仏壇の憂鬱 (4)

昔は、「お盆のときは、地獄の釜の蓋が開くので、川で泳いじゃならん」と年寄りに言われたもんですが、今はどうなっとんじゃい!

仏壇の製作は佳境に入っていますが、仏具もやっていますので、時間がかかっています。本日は高杯の製作中に刃物がロックしてバラバラに飛び散るというアクシデントがありました。クワバラ、クワバラ。老眼も挽き物には具合が悪いです。

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ところで、今回の仏壇、側板と天板、底板がブックマチングです。ブックマッチは、片面は木目が左右対称になるんですが、反対側は模様は合いません。座卓などの場合は、当然、表面が左右対称になるようにします。

そこで、今回の場合、ご先祖様や御本尊が主役なら内側にブックマッチングの面が来るようにしなくてはなりません。しかし、彼等が本当にお盆に帰ってくるかわからないし、現生の我々からすれば、目につく外装が美しい方がいいわけです。仏壇をマジマジと覗き込んで「内側にブックマッチングの手法が使われてますねー!渋いっすね~!!」なんて言う人は万が一もおりません。

今回の場合、和室の仏壇用のくぼみに収納されるので、内側にブックマッチングをもってきました。これとて、50年後には、どこに移されるかわからないので、正解なのかどうか・・・・?仏壇作りはいろいろと頭を悩ますことが多いのです。でも、わりと興味を持って製作できるのは、年取ったせいでしょうね。

*この仏壇シリーズは、ものがものだけに、施主様の了解を取って連載しております。


ルータービット私見

Dsc_00620002 今日は現代の木工に欠かせない、しかし、一般の方には馴染みのないルータービットのメーカーについての専門的なブログです。

KERV・・・・オフコーポという会社は、私とはトラブルが多くてあまり好きではないのだが、ここで売っている、台湾製?のビットは値段も安く、上等に切れる。しかし、数本買った12㎜→6㎜用のアダプタースリーブは経年変化で収縮し、もうハマらないし、装着していたものは、びくとも抜けなくなった。高くとも、品質向上を求めたい。

兼房・・・・特注ビットやスパイラルを使っているが値段の割には大して切れない。天下の兼房なのに!! どうやらNC用の高速スパイラルとか金属用とか、そっちに力が入っていると思う。でも、替刃式の目地払いビット(45°)はいいです。24面もあるので一生使えます。

大日商・・・・切れない。大工さんの使う一昔前のビット。檜用か?

Freud・・・・フロイトと読むらしい。10年ほど前、カナダの職人の店で買ったが、異常に切れる。どこかで安く売ってないでしょうか?それともアメリカに行った時、まとめ買いする? 税関で「ビットは3本までですよ!」なんて言われないか!? KERVの製品の形状はここのコピーだと思います。

* 気のせいかもしれないが、各社、同じ製品でもロットによって、切れ味にばらつきがあるように思う。以上、あくまでも私見でした。

Dsc_0055 この写真は、ルーターマシンRAO-151で削った状態です。12mmのストレートビット。材は栃。バリが全然出ません。刃物も新しいのですが、切屑も規則的です。

でも、調子にのって、切削量を多くすると、恐ろしいことになるのは同じです。   


栃の仏壇 (3)

Dsc_0005_2 栃の仏壇の木地がなんとか仕上がりました。扉は外した状態です。お盆に間に合わせる、ユルイ約束でしたが、非常に微妙な状況です。

この後、表面を研磨し、拭き漆と金具の製作をしなくてはなりません。経机と高杯なども共木で製作するのですが、間に合わせるには、それは後回しにしなくてはなりません。

私は、もともと納期のシビアな仕事はしませんし、(百年もつものに、そんなに焦ってもらっては困ります)段取りも良く、仕事は早いんですが、今回は特別です。

1、何といっても暑すぎる。コンマ数ミリの箱モノの仕事をするには不向きです。凡ミスが相次ぎました。これほど温暖化が進むと、夏場は、頭を使わなくてもよい仕事をかまえなくてはなりません。

2、ミスして、新たに材料を構える場合、栃は狂うので、荒取りして2,3日様子を見なければならないので、すぐの話じゃないんです。10㎝幅の板を、半分5㎝に割っただけで双方変形してしまうのには閉口しました。乾燥が不十分というわけではなく、応力のバランスが崩れるようです。

3、袴の部分が四方転びで、そこに引出が付くという複雑な構造を敢えてとったのも、遅れた理由。でも、こんな仕事は、我から望んで困難に立ち向かうような性格でないと上達はありません。「もっと、いじめて~!!」・・・・・・・まあ、そっちの方は普通です。

4、本体だけなら間に合うかもしれませんが、経机や高杯も同時に作った方がバランスが取りやすいです。

そんな訳で、お盆に間に合いそうにないのです。すみません。


雨降りが好き。

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このところの暑さは、どうも年寄りが、日中サーフィン出来るようなものではない。よって、雨の日を選んで木曜の午後から入野の浜に出かけた。2週間ぶりだ。

波は全然良くありません。でもやっぱりサーフィンはいいな~。スコールの中、海に漕ぎ出して行くのも気持ちいい。ほんまに日本も亜熱帯や。

Dsc_0060 この夜は、地元サーファーS君と「8の字」で飲む。ローカルサーファーとも、もう20年以上の付き合いになってしまった。

調子に乗って、スナック「茶蘭花」に初めて入った。うらびれた外観とは違い、ママは明るくていい店だ。贔屓にしたいが「波乗りに来て、そんなに夜の部を充実させてどうすんじゃ~!!」

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車中泊は大雨。翌朝、波はサイズアップしたものの折れかたは良くない。でも3時間もする。帰りに、農協がやってる、「ニコニコ市」で、今夜の酒の肴にカツオを買う。家にはブドウ。

最近、大方町には、この手の町民持ち寄りの直販所が、3つぐらいあり、のぞくだけでも面白い。海外でマーケットをのぞいてるみたいです。写真はメダカ。いいセンスだと思いますが・・・・・・売れるんか~?

Dsc_0075 昼食は「レストラン三木」で以前にも紹介したカツカレーで〆。

さっぱりしたルーで、夏に合います。このお店、もっと人気があってもいいようなものですが、結局、ほんとに味のわかる人が少ないんでしょうね~。

またまた、充実した休日でした。


2つの不満。

Dsc_0010 一昨日の日曜日は、いの町の花火大会だった。仁淀川の河原と違って、蚊もいないので、我が家の屋上に波乗り仲間が集まることが恒例になっている。

この不景気でも、花火大会はやれるもんだと感心するが、ここ数年来、打ち上がる花火は、どれもいびつな形やスカスカで、B級工房製なのか、見習いが作ったのか、美しい日本の花火じゃな~い。ヒナーレでやっとまともな花火が打ち上がる。

花火が終わると、当然、階下で飲みなおす。当屋は、一応朝から掃除をしたり、屋上に水をまいたり忙しい。しかし、以前は宴会が終わると、1週間分くらいの酒や食い物が残っており、それなりに旨味があったのだが、最近は残らないというか、酒が切れた時点でお開きになるというか。「おめーら、血も涙もないんか~!!」

犬・モモは、最近は雷と花火と受難続きで、現在も私の足元でハーハーいいながら、ブルブル震えています。でも、食べることは出来ます。


トチ狂う。 (2)

Dsc_0011 先日、輪島屋善仁の山下さんが営業に寄ってくれた。輪島屋善仁は、いまだに行商がメインの最も優れた漆器の製造、販売会社だ。

今回は、金もなく、無駄足を踏ませてしまった。ゴメ~ン!!

山下さんに、「現在製作している、栃の仏壇の木地が狂う」と愚痴っていると「そりゃ~、トチ狂うと言いますでしょう」とのこと。そうだったのか~!

Dsc_0009 栃では、座卓のような分厚いものを作ることが多かったので、あんまり実感がなかったのですね。

この栃、2寸に製材して、天日で2年、倉庫で4年保管していたものだが、人工乾燥していたら、もっと狂わなかったのでしょうか?

おかげで、荒取りから、仕上げまで3度に分けて様子を見ながら削っていくという手間を強いられています。写真のように組んでしまえば、大きく動くことはありません。しかし、裏板用に15ミリで製材していた材は、反って使い物にならなくなり20㎜でやり直しました。

漆で仕上げると、少し派手かましれません。かなり、おとなしく、上品な杢を選んでいますが。

Dsc_0011_edited1 ところで組立機、なにやかやと重宝しています。仮組にも便利です。出来れば、分解機も欲しいです。今はジャッキを使ったりしています。

写真は本番です。私の場合、あり組の箱は、しばらくしてから、クランプは外して放置します。クランプするとどうしても板が内側に反ってしまうので正確な直角が測れないし、妙な力がかかってしまう恐れがあります。

プレス機なら問題ないでしょう。すぐにクランプを外しても、あり組の場合はさほど問題もなく、ガチガチに組み上がります。


一泊旅行

昨夜は、このところ大したイベントもなかったので、また日中真面目に働いたので、夕方7時から一泊旅行に出かけた。

まず、土佐和紙工芸村の薬湯に入って汗を流した後、居酒屋「山吹」を目指す。ここは、至極交通の不便な場所にあるため、初めて一人で訪れる今夜は車でキャンプすることになる。Dsc_0069_2

翌朝の写真だが「 山吹」から上流を望む。なんでこんなところに居酒屋があるかわからない。

8時過ぎに着くと、常連さんが4,5人いた。全然気兼ねがなくて嬉しい。適当に料理を見繕ってもらう。

Dsc_0050 マグロのスキミ。こういう店なので予約を入れておかないとお刺身は期待出来ないが、これは上等じゃ!枝豆とパスタ風のチーズが添えてあるなんて、一人でブラッと来た者には有難い。

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次に出てきたのは、牛肉を鰹のタタキ風にしたもの。おいしかった。(写真が悪くてすみません。やっぱり恥ずかしくてストロボ焚かずに撮りました)

ビールに日本酒、ワインに焼酎とやって最後の口直しにイタドリの炒めもので¥2,800は安過ぎる。

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路側帯には清水が流れていて、ポリタンに補給。

翌朝5時起床。ジジイみたい。散歩中の黒のレトリバーに遊んでもらう。蚊も全然いなくてグッスリ眠れました。下の渓流で泳ぐにはちと寒いような。20分のドライブで帰宅。

う~ん。このイベントは頑張って?続けていきたい。