木工家専用一覧

テーブルトップの仕上げ

今日はなんか疲れて、一日中読書をしていました。

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もう、国内の需要には見切りをつけ、中国での商売を考えています・・・・・ちゅーのはウソです・・・・・・・本当は考えたいのですが、まだまだ日本のわび・さびが理解できるほど中国も成熟してないしな・・・・・てか、世界中で理解出来る人は殆どいない。

この本はタイトルはダイレクトですが、池田信夫のクソ本に比べると、内容は非常にまともないい本です。

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ここからは、つまらない木工家専用です。

4枚矧ぎのタモの天板ですが、いい感じに1枚板風の中杢となっています。

鉛筆の線は、鉋で目違いを取ってから引いたもの。手鉋は兼房の逆目止め刃を使います。

筆圧で僅かに凹んでいますから、この線を目安に回転サンダーを当てれば、鉋盤のナイフマークを取ることが出来ます。

この天板はオイル仕上げですから、特別神経質にならなくてもいいけど、拭き漆の場合は、念入りにしとかないと、3回目あたりでナイフマークが浮き上がってくる時があります。そうなると悲惨です。

なるべく、漆の場合は手鉋か超仕上げをかけるようにしています。


製材残酷物語

降って湧いたようなTPP問題。妙に解せん。

本日の高知新聞には、震災後、官邸周辺の半分以上の人は「震災は丁度いい。震災復興の話でTTPは議論できない。ギリギリに話を出して強行突破すればいい。絶好の状態」と言ったそうだ。

そもそも、犬並みの知能しかない政治家に判断出来ることなのか?

TTPは農業に大打撃を与える。食いもんは大事やろ~。しかし、反対している政治家も、票田のことしか、頭にないのが恐ろしい。

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昨日は幅30センチ、厚さ10センチの朴の盤をリョービのバンドソーで製材していました。

出た出た!カミキリ虫の穴。もったいないので埋木して使います。

お客様が馴染みの場合は、電話して 「スゲー、かっくいいカミキリ虫の穴が出たんだけど、そのままでいいよね。」とか言うと、半分くらいはOKしてくれます。チョロイもんだな。

漆で固めるといい表情が出ますよ。

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皮を取っていなかったために、白太の部分にも小型のカミキリ虫が入っています。

→のように赤身も安全ではありません。

何匹か挽き殺しましたが、カダフィー映像よりショッキングなので載せられません。

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やっぱり皮はすぐに取り外さないといけません。

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断面はこうなっております。これほど多いと、切り捨てる以外に方法はありません。

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釘も入っておりました。幸い事前に発見出来ましたが、気付かないと刃物をダメにしてしまいます。

*厚い盤で乾燥させて、用途に応じて自分で製材するやり方は、面白いし、有効です。しかし、使えるまでに数年を要します。


ムク材は扱いにくい。

今日は涼しいというより、肌寒いです。そんなに早く秋が来るのも困ります。仕事ははかどりますが。

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つまらない、木工家専用です。

箱2つの蓋と底を接着しています。柱に載せるとハタガネが上手くかかります。

しかし、もっといい方法がありました。大型機械の常磐の上に置き、平面の出た分厚い板を載せてから重しをするとずっと楽だし、正確です。

あくまで、各部が正確に仕上がってないといけませんが。

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蓋がこんなに反ってしまいました。というか、縮んだんだな。材はナラ。

柾目だし、空調が効いているから大丈夫だと思ったんですが、本日の湿度は50%以下。2、3日前の屋外の湿度は100%だったんで無理もないでしょうか。

これからは、小箱のような精密なものは絶乾をしようと思います。絶対乾燥すると動きは少なくなります。絶乾後は養生が必要です。強度は少し落ちると言われています。木工はめんどくさいな。

この薄板は虎杢が出て貴重なので、縁を削ってやり直します。


木工2題。

本日は気温もさほど上がらず、過ごし良い一日でした。今日は、つまらない木工家専用です。

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反った天板で作っている楕円テーブルのアリ溝に苦労しました。先に基準面を作ってから、アリ溝を掘り込みます。治具を考案するのに丸一日かかりました。

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バカげた苦労ですが、ネジ留めだと強度も出ないし、日曜大工みたいですから。2ヶ所のアリ溝を同一平面上に作るのが大変でした。大きな常盤はないですし。

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便利に使ってきたテフロンコーティングスプレーですが、機械によって向き不向きがあるようです。

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手押し鉋の刃口付近は材が当たるせいか、剥離して段差が出来てしまい、精度が出なくなったので、削り落しました。

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超仕上げ鉋も同様です。ラッカースプレーと同様に塗膜を作るので、精密加工には向きません。また、使用頻度の高い機械も剥がれるのでダメです。自動鉋もきれいに削り取りました。

テフロンスプレーは滑りはいいのですが、このような機械は、シリコンスプレーがいいと思います。もっといいものがあるかも。

糸鋸盤や、バンドソーの常盤にはテフロンスプレーが向いていると思います。


半自動

地震なかなか“しわい”(しつこい・根がつむ)ですね。現地の方はしんどいな。

福島第一原発は50分ほど全ての電源が失われて、危機的状況でした。

ホントに“原発”は安全ですね。「うん、絶対安全じゃ!」「また、新たな勉強になった」「これで、更なる安全対策が進む」・・・・・・という風にやらないと原発村の学者さんの間では村八分だそうです。

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通い盆の在庫がなくなったので、また作ります。倣い加工機を組み立てました。

スライドシャフトはホームセンターで買った薄いパイプです。今回横軸だけでも高精度のものに換え、ベアリング付きの軸受けを付ける予定でしたが、間に合いませんでした。知らないだけで、便利なものが一杯あります。

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セッティングが大変ですが、一度決まるとそこそこ正確に動いてくれます。

“そこそこ”ちゅーのがポイントで、なんちゃって手作り風な、いい味出します。

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通い盆、ゾロゾロ。今回は型を僅かに改良してあります。

オークションにコンパクトな2軸のNCが100万で出ていますが、欲しいけど買えない。2m四方の専有面積も問題です。だいいち、そんなに仕事がネ~もんな。

でも欲しいな。複雑な3次曲面なんかはどうやって入力するのかな?


糸鋸木工 2

原発事故はシリアスな状態が続いていますが、木工ネタもどんどんたまるので、ボチボチUPしてゆきます。

保安院のオッサンは、「海に流出する放射能は海流で拡散し希釈するから問題ない」と言っていますが、だからヤバいんじゃないでしょうか?西海岸でも観測されています。

国家の機関が、上祐被告みたいな詭弁を使うとは信じられません。まあ、政治家は毎度のことですが。

ここからは木工家専用です。

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私は、比較的安全な糸鋸盤を積極的に木工に取り入れようと考えています。

繊維に平行なラインは、墨付けが面倒なので、横切り盤を使っていますが、直交するラインは糸鋸です。上からハンドルーターで加工するより精度はいいです。

小ロットならルーターマシンより速いです。現物合わせだから失敗も少ないし。

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ホゾ穴も、角鑿みたいに両側から突く必要がありません。特殊なサイズや形状でもOK牧場。隙間があるのは、私がいい加減だからです。

当然、切り屑は最小限ですので、作業場も空気も汚れません。

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いい感じです。

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ボンドを付けて仕上げれば、完璧じゃ。

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本日納めたデスクに付属の本棚は、殆ど糸鋸で作りました。 中学の授業で作ったような気がします。切断面が綺麗なので、Rの部分は、ペーパーで適当にこすって終わりです。

しかし、糸鋸木工はシロートでも出来るので、オマンマの食い上げになるかも!?

まっ、難しい部分もあるんですが・・・・・・・というのはウソで、アホでも出来ます。


悩み事

本日は、難解な木工家専用です。

7,8年前に大量に買い込んでいた、シベリアタモの柾板の寸5厚がついに底をついた。寸1はまだ十分あります。

寸5は椅子の座板にも使うし、挽き割って使うこともあるので、用途が多いのでしょう。

シベリアタモは板目に挽くと、ショボイのですが、柾目だと上品だし、剥ぎ合わせてもつなぎが目立ちません。特に魅力はないのですが、使いやすいのです。

当時は、ロシアも大変な時期で、タモは比較的安かったのですが、ガス油田の開発の成功やら何やらで、経済が立ち直ってきた現在、関税が8割もかかるようになりました。“アムール虎の生息地域の保全”とかいう、もっともらしい理由を付けて、伐採も制限しているらしいのです。

ほんで、不景気にもかかわらず、随分と高値になっています。

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馴染みのA製材所に行くと、20年も前に買ったという、国産タモの4m丸太の半割りがありました。

これを柾挽きするかな。余計高くつくだろうな。でも、国産材は魅力だな。

今年は収入が激減しそうな気がするので、僅かな虎の子に手を付けたくなかったんですが、しょうがねぇーかな?木工はビタイチ金になりませんね。

なんか話が暗くなりました。先ほど、友人から連絡があって、高知の野鳥から、やっぱり“鳥インフル”が検出されたそうです・・・・・・すみません、明るい話題がなくて。


大掃除

本日は、プールが最終日だったため、泳ぎ納めをしてきました。来年は7日からだそう。お役所は呑気でいいわ。人に言えた義理ではないですが。

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工房の天井の清掃が完了しました。実は、築20年以上になろうと思いますが、初めての掃除です。

鉄骨部分に、木くずが、厚いところは1センチも堆積しておりました。普通の人なら卒倒します。

例えば、長材が蛍光灯に当たると、滝のように粉塵が落ちてきていました。

横着な私でも、いきなりエアガンを使うわけにもいかず、最初に、あらかた掃除機で吸い取りました。

ほんで、風の強い日に、東西の窓を全開にして扇風機も回して、吹き飛ばしました。風下は道路を隔てて、工場ですので問題ありません。

しかし、粉塵が再度床に堆積するほどの凄まじさでした。密閉型の工房の欠点ですが、空調は効くし、一長一短ですね。

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日立の掃除機は、延長ホースの付いたものを選んでおいて正解でした。ところで、どこのメーカーもそうですが、なんでスイッチがこんなにも使い辛いのでしょう?

連動コンセントは必要ですが、業務用掃除機で、強弱の切り替えを使う人なんかいるんだろうか?防塵カバーがあるせいで、押すのに力が要るしな。掃除機の誤動作で怪我をすることはないだろうから、テッペンにデカイ押しボタンがあればいいと思う。

どこも掃除機はイモだな。背中に背負うのが案外いいかも。


ナイス・リカバリー!

まだ、波乗りの疲れが残っていて、体が捻じれない。

ところで、今日も、一部の木工家には大変参考になる話ですが、一般の方には意味が分からないし、使い道もありません。

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先日の山桜ですが、3分割すると、幾分予想はしていましたが、中央の板目の部分が、ビィヨョーンと反ってしまった。6㎜だった反りが、何と10㎜に!内部応力のバランスが崩れたんですね。

これでは、仕上がりの厚さが28ミリほどになってしまう。お客さんには、仕上がりは薄くなると言ってあるもの、40ミリの1枚板を見せているので、、「ウソツキ、詐欺師、人でなし!」と言われても仕方がない。

それに、銘木のテーブルが、あんまり薄いのはどうかな。凸面が表なら、裏は凹んだまま残すという裏技が使えるんですが、今回は逆だしな。

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そこで、木工仲間の近藤さんのブログを思い出しました。試してみる価値はあるぞ、加熱曲げ!

慌てていたので、作業中の写真がありません。濡らしたバスタオルを巻いて、アルミホイルでカバーし、長さ120センチの部分をアイロンの2台がけで30分ほど過熱しました。幅は27センチですが、別に直角に曲げるわけではないので、十分可能ではないかと・・・・。

写真は曲げた時の様子を再現したもの。実際はアルミホイルは巻いたままです。また、かました板は、3センチ厚を中央に1枚。

それを、強力バイスで両側が定番の縁に着くまで締め上げます。

最初は、両側を木のブロックに載せて、糸鋸機やら、自分やらが乗ってみたんですが、大して曲がりませんでした。このやり方だと200キロは必要かと思います。

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上面をアイロンで加熱中は、下面に、この園芸用ヒーターを敷きます。ほんで裏返して、同じことをします。 このヒーターは、漆ムロ用です。別になくても出来そうですよ。

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どうじゃー!ここまで修正できれば大成功じゃ!やってみるもんじゃね~。

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僅かに、3ミリほどの隙間はあるけど、十分じゃ。その気になれば、限りなくゼロに近付けられるでしょう。面倒だからな。

昔から、炙ってタメル方法はあったけど、40ミリはな。

銘木や、ここぞという時、4枚剥ぎのうち、1枚が反っていて、余分がない時などに活躍するでしょう。

近藤さん、講師の徳永先生、どうもありがとうございました。


難しい判断

やっと涼しくなったと思ったら、朝夕は寒くて、なんか非常に損した気分ですね。

今日は、木工家上級コースですので、一般の方は理解出来ません。

先日、ダイニングテーブル・デラックスは仕上がったのですが、今日から山桜のテーブルが始まりました。重量級の製作が続き、腰が痛いです。

本来、薄くて軽い材料で、経費を浮かせて、お金を一杯もらうのが私の木工のスタイルですが、そうもいかん時もあります。

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問題なのは、この板、長手方向(2m)で、6㎜反っており、幅方向(85㎝)で4㎜反っていることです。全体に凹んだ感じです。

本来、山桜はもっと過激に反るものですが、大木は応力が抜けているのか、おとなしいです。

当初、2000分の6は無視して、幅方向の歪みを取るだけにしようと考えていました。その際、垂れた印象になるのを防ぐため、凸面を上にするのが一般的です。

しかし、凸面には、一部焼けが発生していて、強度的には問題ないのですが、漆を塗るとムラになりそうです。杢も凹面の方がいいしな。

少々垂れててもいいと思いましたが、思い切って3分割して仕上げて、再度張り合わすことにしました。

山桜の最大クラスに鋸を入れるのは気が引けますが、元々、一枚なので、剥ぎ合わすと、僅かに杢目はずれますが、プロが見ても分かりません。

でも、なるべく無駄が出ないように、作業は慎重に行わなければなりません。

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アウトラインを仕上げた状態です。板の耳は半分くらい残しています。

My乾燥釜を持っていれば、正確に桟木をかまし、2トンほどの重しをすれば、完全に平面に仕上がったのでしょうが、大きな釜に相乗りで突っ込んでもらっているので、文句は言えません。しかし、平面を出すために、鉋屑に消える分も結構なな金額です。

乾燥場のお兄ちゃんに夜の接待をして、無理を聞いてもらった方が、そろばん勘定は合うかな。でも、2軒目はおねーちゃんのいる店に連れていかんと効果ないじゃろーし。

木工は、作るだけじゃなく、いろいろ難義が多いです。