木工道具・機械一覧

トラブル

今日は一般の人には分からない木工機械編です。

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この自動鉋は重量が1トン近くあります。

厚い材を押し込んだら、ガコガコいうので送材スピードを遅くしようと、つまみに触れたら電源が落ちてしまいました。

一度ブレイカーを切っても復帰しません。製造元に電話すると「サイドの扉の中にサーマルスイッチがあるので、押せば復帰する。」とのこと。

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そんなものねえ。

桑原の機械はどれもモーターが巨大です。

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フロントパネルを開けたら右下にありました。ここはクリーンルームになっています。

電気系統は意外にハイテクですね。整然としてカッコいいわ。

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これは何か分かりませんが、色がキレイ。33秒で爆発することはありません。まあ一生触れることはないでしょう。

サーマルスイッチはモータに負荷がかかり過ぎて温度が上がると切れる仕組みだそうです。

この機械は最終型の無段変速ですが、一つ前の型の3段変速の方がデザイン的にも凄味があって完成されているように思います。


ミシン鋸

糸鋸盤は別名「ミシン鋸」と呼ばれている。

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高さ140センチほどの棚、2棹を製作していますが、今回ホゾの加工の殆どを糸鋸ですることにしました。

縦の切り込みは横切り盤で入れました。

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切れ端は積み木になりそうです。

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この機械はソレノイドモーターを利用した自動チャックです。

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アームは“材料押さ”えじゃなくて、チャッキング穴へ誘導するためのもの。起動するとと引っ込みます。

確かに、穴を沢山開ける場合は非常に便利です。

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カットラインを引くのが大変なので治具を製作。シャーペンでケガキます。

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メス穴だけで120ヶ所もありますから大変です。

しかし、ミシン鋸と言うだけに危険は少なく、地味に仕事をしていれば、いつかは完成するでしょう。


シェルチェアー

また暑くなって来ました。しかも蒸せます。

たまには木工の話。

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シェルチェアーの製作中。

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ひとまず改良モデル、6脚完成しました。

比較的簡単に出来るはずのシェルチェアーですが、標準化するための型紙とか治具を作っていたら時間がかかりました。

やっぱり楽な椅子作りはありません。3Dプリンターみたいにスイッチ入れるだけを目指したいものです。

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四方転び20度の時の貫の開き角度は図面で割出します。

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新たに作った治具。

あんまり真面目に作っても、新しいのが必要になったりして、徒労に終わることが多く、意味がありません。

しかし、昨今の政治経済を見ていると、こんなことして意味あるんじゃろーか?と考えてしまいます。


エポキシは本当に強力なの?

円安とか金融緩和だとか言ってるけど、ガソリンも値上がりして、結局貧乏人から富裕層に富が移行するだけのことじゃないのかな。

安部の言動もなんだかきな臭いけど、正真正銘の“馬鹿”だけに余計恐ろしいですね。なんだか大戦前みたいになってきたな。

ここからは木工家専用です。

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エポキシ接着剤は硬過ぎて、本来金属とか陶器用だと思います。ほんで、殆ど使いません。

感覚的に馴染まないような気がします。

しかし、写真のような細い貫の場合、木殺ししたホゾを水性ボンドを付けて挿入するとビクとも動かず修正が効きません。そこですぐには固まらずヌルヌル回るエポキシを使っていました。

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今回、試しに座板との接合にもエポキシを使ってみました。座板厚は20ミリで耐久性は少し心配です。

グルラインが確認出来ます。

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水性のPIボンドの場合、木殺ししてはみ出たボンドをぬぐうと、まるで生えてきたように密着しています。

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グルラインは見えません。

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エポキシを使った椅子を前後にガキガキ揺すって耐久試験をしていたら・・・・・・取れた!

水性ボンドは無事でした。

エポキシのシェルチェアーの脚を全部切断して、当木をしてハンマーで叩いたら幸か不幸か全部外れました。接着面を確認すると、ホゾ、ホゾ穴双方にエポキシを塗ったのですが、木殺しをした部分が密着していませんでした。やっぱり接着には密着が大切なようです。

もうエポキシは止めよう。細い貫の接着も治具を考案して水性ボンドで問題なく、速く、確実に組めるようになりました。

しかし、「図解木工技術」にもエポキシは強力と書いてありますから、使い方次第なのでしょう。ホゾで使うなら木殺しはせずに高精度で組むのがいいのでしょう。

ちなみに、エポキシで剥ぎ合わせ板を“アイロン曲げ木”にかけると、ポロっと外れてしまいます。硬過ぎて伸縮に対応出来ないのでしょう。


バンドソーのトラブル その1

本日は木工家専用です。

今日はシェーズロング・本番のヒノキ材を半割りにして、曲げ木まで済ますつもりでした。

しかし、バンドソーの鋸刃が思いの外調子が悪く、無節、幅450、長さ3メートルの材をオシャカにしてしまいました。しかも、予備はない。

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問題の鋸刃。リョービ製。

目立て屋が鋸刃を取り違えたせいで数年前2セット買いました。最初から鳴くし、軌道が安定しません。

道具屋に「なんじゃこりゃ~!メーカーに文句言って来い!」と言うと、またこのボケ、難しいこと言ってる、という不満げな顔で帰って行きました。

数日して、「いやー、吉良さんの言う通りで酷く不評のようです。」

鋸刃に黒いラインが入っていますね。これはメンテナンス不要にするための焼きです。だから、どうも神経質な動きをします。目立て屋も腰の調整が出来ずに困っているそうです。

「目立てをやり直したから、使ってみてくれ。」と置いて行きました。新品なのにな。目立てを一回すればステレイトは相当減る。まあ、大分ましになりました。

切れ止んだ時、縫う(軌道がずれる)のも急激なようです。以後気を付けよう。でも、本日は数万円の損失。疲れました。

木材団地の目立て屋はつもチィーチィー音をたてて仕事をしていましたが、最近は静まり返っていることも多いです。柱も袋に入って工場から届くからな。俺らの商売どうなるんじゃろな。


穴人生

高梨沙羅選手凄いですね。全盛期の舟木みたいですね。零戦みたい。明日はどうなるでしょうか。

本日は久々に真面目な木工家専用で、一般の方は理解出来ません。

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ドリルの刃もなんだかんだと沢山要ります。これは、まだ一部。

でも、最近は100円ショップで売ってたりします。

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ボチボチそろってきたハイス製。穴はツルツルです。貫通させる場合でも裏側にテープを貼っとけばメクレは殆どありません。手前は3/4インチ。

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ホームセンターで見つけたもの。手持ちで押し込んでも結構いけます。刃先にネジを切っているタイプより使い良いです。もっと早く登場して欲しかったです。

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鉄鋼ドリルも必要です。錐(キリ)がありません・・・・・あっ、いい感じ。

ところで、座板への脚の穴開けは25㎜位が一般的と思います。

最近私は貫がある場合、22とか23mmを使うことが多いです。しかし、海外の資料を見るとウィンザーチェアーは3/4インチ(19㎜)が多いようです。ベンチで5/8(16㎜弱)なんてのもあってどうなんじゃろね?まあ、衝撃が加わらなければ大丈夫でしょうが。

現在、3/4インチを試しているところです。


桑原の軸傾斜横切り盤 その後

平凡な毎日で楽しい話題がありません。

安部は上機嫌ですが、時計の針は止まることなく時を刻んでおります。

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全く誰のためにもならない、昨年導入した桑原の横切り盤のインプレッションです。

忙しい時に無理して入れた機械ですがやっぱり良かった。

1、直角がピシピシ出るので、箱物を組み立てた時、ズレが出ないし直角の修正をしなくても良い。定規を使っての挽き割でも平行が完璧。

2、振れがないのか?材が跳ねることが殆どない。ただ、切断面が綺麗過ぎて基準面が判らなくなります。

3、固定テーブルが広いのはやっぱり便利。その分工房は狭くなりました。

4、桑原の機械は全部ブレーキを踏むと電源も切れるのですが安全で便利です。ことに横切りはスイッチが変な所に付いていますから。ただ、ブレーキパッドの交換に往生したので、なるだけブレーキはかけないようにしています。

5、昇降盤がないので左の定規も有難いです。(逃げ角のせい?で材は焼ける。)

6、カッコいいので気持ちがいい。

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オークションで軸径16ミリのスパイラルビットもゲットしました。やっぱりビットは剛性が大事です。役に立ってくれるでしょう。

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ハイエースのタイヤは3万キロで外側がボーズになり、今回噂の激安タイヤを通販で買いました。ブリヂストン一本で4本買えます。一応丸いです。

これについては後ほどリポートします。生きていればな。


マスキング

この3日間は良く働いたな。やれば出来るじゃないか。

仕事があればちゃんと働くんです!ないから困っているんです!

安部も麻生も働かなくていい身分だから暇つぶしに政治家やってるんですね。下々のことが分かるわけないよな。しかもバカときてるからから始末に負えないですね。お腹が痛くなって辞めた人が、国防戦なんてチャンチャラ可笑しいと夕刊にも書かれていましたね。

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小箪笥は塗装の段階に入っています。

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大体、内部は塗装しないようです。自己流だから理由は知りません。

棚の上部はオープンで使うことも考慮に入れて塗装しました。まあ、マスキングが面倒だったせいもあるけど。

しかし、このマスキングも場数を踏めば上手になるんですよ。デパートで働けるかも。

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アリ組も完璧。

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念願だった刃先が15度傾いた鋸刃を導入しました。これは便利じゃ。実は長野のOさんのブログで知りました。有難うございます。うちの機械屋は人はいいのですが、技術的なアドバイスは皆無です。

後はスクローラー糸鋸で切り落とせば完成です。手鑿より正確で簡単!切断面もツルツルだしな。ただ、鋸刃が消耗してくると軌道が安定しなくなります。

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夕方から“エビ”の試作をしました。


ダブテイルマシン

モモちゃんの白内障の目薬を冷蔵庫から取り出して、入れようとしたらワサビのチューブでした。俺もボケが進行しているな。

本日は木工家の中でも、アリ組をする人にしか理解出来ない専門的なブログです。

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小箪笥の製作も佳境に入りました。

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15年ほど前に買ってから滅多に使わないダブテイルマシンを出して来ました。

引き出しの製作に使います。たまに使わないと忘れてしまいます。

この機械は、習熟するのに3年はかかります。引き出しを沢山作る人にしかお薦めできません。また、厚板は無理だと思います。私は小箱の男木を作る時に使うくらいです。その時は取説にない特殊な使い方をします。

工芸的な製作では、アリを細くしたいところですが、ビットの形状から女木の加工が出来ません。

固定ハンドルの調整にも一々ポイントがあり簡単ではありません。

今回も、思い出すのと、微調整に丸一日かかってしまいました。

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しかし、一度セットが完了したら、加工は1時間ほどで済んでしまいます。量産する場合は威力を発揮するのですが。

ただし、きちんと板がセットされているか絶えず注意が必要です。現物合わせの方が気楽でいいです。

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ルーターの送り方向を工夫すれば欠けもバリも出ません。

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必ず仮組してチェックします。底板の溝の位置をチョークで記入します。

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今回予算が限られているので、底板はべニアの予定でしたが、それは出来んかった。

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ダブテイルが正面に来るようデザインしましたが、やっぱり側面が良かったかな?

明日は下の引き戸を作ります。

実は真面目に働いていることが良く分かりますね。


製図歴30年

昨夜はA社長の新築祝いに呼ばれていました。

今夜は近所のお得意様で牡蠣パーティーです。御馳走になって注文ももらえて有難いのですが、連チャンはきついな。どうしようかな。

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小箪笥の図面です。お客様に見せるラフ案で線を2重にしたりして立体感を出しています。

細かい寸法は気にしません。ただ、板厚は正確なプロポーションで記入します。

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こんなのを3枚くらい描いて打ち合わせをします。

ラフ図面はイラストレーターよりドラフターで手描きする方が早いかもしれません。

ただ、イラストや漫画と同じで、年季が入ってないと生きた線は出ません。まあ、このへんが造形歴35年の重みでしょうか?

材料がもったいないのと、作るのが大変になるので、なるべく小さく提案しますが、大体お客様は大きく作りたがる傾向があります。

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出来上がったフローリングでくつろぐモモ。