Yチェア張替え一覧

Yチェア張り替え・よもやま。

今日も少し仕事をした。世間様に申し訳がない。
 
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先日、35年前に買ったというYチェア4脚が持ち込まれた。
アームを支えるポストが異常に細い。オリジナルはこんなにも細いのか?北欧には100キロを超える方がざらにいるだろうから、破損が起きて段々太くなったのだろうか?断面も正円じゃなく手作りの形跡がありました。
 
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別のYチェア。奥様が張り替えてみたそうです。スゲー!通常直径4ミリほどのペーペーコードですがこれは2ミリ。うどんからソーメンへ。気の遠くなるような作業ですね。
 
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でも、こちらは案外座れる。
 
一般の方が自分で張り替える場合、カナコ編みの方が確実かも。ただ、前後と左右の貫が同じ高さでないので工夫が必要です。
 
Yチェアの張り替えは、暇で学究的にチャレンジしてみたい方にはお勧めしますが、単に節約で試みるのは時間の無駄です。

料簡の狭い、

風邪が治らないのでグズグズしています。でも夜は元気になって飲みに出たりするのでよけい治らないのだと思います。藤沢周平の「密謀」を半分まで読んだ。長いは。
 
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先日、貰ったというYチェアの張り替えをしていました。
 
ストリップにして長期保管していたのだという。しかし、ペーパーコードを巻くフレームに大きな節が・・・・これはいかんやろ~。矢印の方向に力がかかるからな。
 
完全に検品ミスですね。珍しい事例。
 
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しかし、貫にシロート修理の跡が。これでは解体出来ないし、ここにネジを打っても強度的にも意味はありません。
 
こういういわくのある椅子は“ドツボ”にはまることが多い。
 
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今まで
使っていたのだから何とかなるだろうと、お客様の了解もとって、無事張替え終了。
試し座りしたら、「バキッ!」と。でも何とか使えそう。
 
「お代は払いますので完全に修理して下さい。」とのこと。
 
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なんか嫌な感じですね。新品を切るのは。
 
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貫を新しく制作。難しくはないが簡単でもない。
 
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ここから、張り替えアゲイン。
 
折れた時点で、ダメ元でメーカーに問い合わせてみたら、「補償は出来ません。」聞いてもないのに「パーツの販売はしません。
」だって。陰険ですね。
 
以前「日経デザイン
」からYチェアの解体依頼があった時、「メーカーにお願いしてください。」と断ったのですが、わざわざ高知までおいでになった。
理由を聞くと「最後に原稿をチェックさせてくれ。」と言われたそうです。そりゃ~面白い記事は書けないよな。木工業界料簡が狭いですね。所詮は零細だからな。
その下で稼がせて貰っている私も大きいことは言えませんが。

スーパーレジェーラの張り替え 後編

10月半ばだというのにへそ出して寝れる。洗濯してしまった、タオルケットをまた出した。
 
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カッシーナの修理では籐を刃物で取り除いたらしく、フレームに痛々しい傷が出来ていた。取りきれてないし。
 
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フレームを洗剤で洗っていたら、籐の
接着剤がドンドン落ちる。
膠なのか?
 
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ここに隙間が出来ていたが、かなり初期からのものらしい。全然がたつきはなし。
かなり複雑な組手となっている。
極細のステープルを使っているので、切れたもの多し。後先考えない修理をしたようです。
 
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ストリップの美しさにしばし見とれる。1日眺めていた。
 
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くびれ!ちょっとした細工ですが・・・・・・。
 
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布テープに厚みがあるので一つ飛ばしにしてみたが、失敗だったか・・・失敗でした。
内部に硬質ウレタンを挟む。
 
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昔作った道具が役に立ちます。
 
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まあ、籐編みよりはダサいけど、くびれの効果も出ているな。
 
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これよりはましやろ!
 
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しかし、相当きつく張ったつもりですが。真田紐は伸びるので座面の落ち込みはある。実用の椅子では真田紐編みの座面はあり得ないと思います。
むしろアクリルテープやペーパーコードの方が伸びは少ない。
ただ、緩んできた場合の増締めは比較的容易に出来ます。
 
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お客さんには喜んで貰えた。ここで酷使すれば結果が出ます。
でも、この椅子カッシーナでは現在¥28万もするんですけど。
 
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折角だからお昼を食べて帰る。
新ショウガの天ぷらがピリピリして美味しかった。

Yチェア張り替えの不思議

今日も蒸し暑かった。朝6時に短パン・ランニングでお散歩して汗をかく。
 
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Yチェアの張り替えは集中する傾向がある。しかも暇な時に依頼があるので有難いです。
 
不思議なのは発注元が近所だったりすること。世田谷区から3件も続いたり。別に連絡を取ったりしていないのでしょうが。
 
同じ苗字の方が続いたのも2回あります。“五郎丸”とか特殊な苗字ではありませんが。
 
椅子のコンディションにしてもボロボロのが入って来ると続きますよね~。修理に往生します。
 
これは、神秘な自然の節理なのか、はたまた大宇宙の不可思議な法則性なのか?解き明かせば競馬で大穴を当てることも可能でしょう。ノーベル賞なんて目じゃなくて世界を支配することも可能です。
いつも話がデカくてすみません。
 
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完璧じゃがな。「豚もおだてりゃ木に登る。」の典型です?
 
これをパートのオバサンにやらせてピンハネしたら儲かると思うのですが、100脚目には100脚目の、500脚目には500脚目の難しさがあってきりがないのです。まあ、だから続くのでしょう。
 
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犬・モモちゃんに代わってユキちゃんが仕事場をウロウロするようになった。
 

スーパーレジェーラの張り替え 前編

秋の空が拝めるのは10月下旬になるそうですね。勘弁してほしいです。
 
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お客さんが数年前張り替えてもらったスーパーレジェーラ。
 
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落ち込み防止のネットあありますが、最初から腰が沈んだらしいです。それで張り替えを頼まれました。いずれにしろ美しくない。
 
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なんじゃこりゃ?シロートかよ。
 
非常に硬い木に高さ10ミリのステープルで打ち込んでいた。外すのに2時間かかりました。こんだけ打つのでしたらもっと短い脚で
十分です。
 
スーパーレジェーラ
をガンガン実用で使う人もいないので
、修理するのもやけくそだったのでしょう。眺めとけよ!とでも言いたかったのでしょう。
 
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上面のステープルを外すのはもう嫌じゃな。
 
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簡単にYチェアと同じやり方で張り替えられると思って安請け合いしたのですが、この形状では無理。カナコ編みでも段が出来そう。布テープで張るしかないか。
 
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裏側は結構いい加減に出来ていますが、かなりしっかりしています。
 

忙しいのは、

来年上半期分の倉庫の家賃を払わなくてはと思っていたら、同級生の大家さんから電話がかかってきた。これも以心伝心なのか?

「もう来年でいいわ。」と言われましたが、それも気持ち悪いので済ませました。

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Yチェアーの張替えは不思議と集中します。ありがたいけど、今回は異常。

この真っ黒いのは長く屋外の倉庫で保管されていたらしい。12脚あるのだという。

奥の綺麗なのは、「探したら8脚ありました。」だって。よく分からん。

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とりあえず今回分、洗浄して地道に張り替える。

ロボットを考案するかな。

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汚れていたのもここまで綺麗になりました。

Yチェアーの張替えは1脚1脚真剣勝負なので不思議と飽きませんが、このままでは副業と言えなくなるな。困ったな。

飽きませんけど、肘が腱鞘炎にはなります。


スプレーガン

本日はデスクワーク。

5月に湘南で7年振りに個展をするのでDMのデザインを考え、午後はシェルチェアーの脚の取り付け位置や角度を図面で検討しました。

たまにデスクワークをすると、ちっともはかどらないし疲れます。

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Yチェア張替えのお客様から厄介な注文。

引っ越して、部屋の雰囲気が変わるので塗り替えてくれとのこと。塗料は用意するという。

「そりゃ、うんと高く付きますぜ!」・・・・・・でも、やってくれとのこと。

パテ埋めして、洗浄・研磨が終わる。

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スプレーガンはオブジェの製作で使っていましたが、もう15年も触ってない。

相手が細いので手前のスプレーガンを新調した。マイクロタイプ。

なんと調色して送られてきた塗料は水性タイプ。最近、プロユースでも環境にやさしく、施工者にもダメージの少ない水性塗料は注目されているらしい。実際、ホームセンターで売られているペンキは今や水性タイプが殆どです。

でも、粘度が高くてガン拭きは厄介です。メーカーに聞くと薄めないで下さいと言うが、そのままだとノズルに塗料が全く降りません。

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薄め過ぎると塗料は垂れるし、口径の細いマイクロタイプは無駄じゃったか。

2度拭きして、何とか純白のプライマー塗装完了。

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上塗りはもっと塗りやすかった。これも2度塗りして完璧や。

しばし、リビングに運んでで眺めました。

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ボロボロだった椅子が新品同様に。

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もう2脚はベージュに。わがままなお客さんだな。

こんなことしている場合じゃないのですが。

水性塗料はガンの洗浄に使うのがシンナーじゃなくて水でいいのですから確かに楽な部分はありますね。シンナー吸う人にはガッカリな塗料ですけど。

でも耐久性は不明です。

Yチェア張替えはこちらをクリック!

 


アルバイトも楽じゃない。

相変わらずYチェアは送られてきます。

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「なんで板座に代えられたんですか?」

「猫がペーパーコードであんまり爪を研ぐものですから。」3匹看取ったから、元に戻して欲しいとのこと。

しかし、Yチェアはペーパーコードが内側に引き締めることで強度を得ている部分もありますから、この改造は良くはないです。同様にコードがあんまり緩々になったまま、使うのもいけません。

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やっぱりホゾは緩んでいてバラバラになりました。

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こういう素人修理が一番厄介です。接着剤が溜まっています。

このままではホゾが奥まで入りません。

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慎重にドリルで掘って、最後は手作業です。

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組み立てます。

手間も時間もかかるのにお客さんからは「(料金が)高い!」って言われます・・・・・・まあ、言われたことはありませんが、多分そう思っている。

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その後、洗浄、オイル仕上げして、やっと、ここから張替えが始まります。


Yチェアの塗り替え

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先月から預かっていたYチェア。もう、処分しようかと思っていたそうです。

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6脚の内、5脚がお犬様にかじられていた。

通常、解体して新たに貫を削り出しますが、こんなのに限って、ホゾはビクともしません。

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しょうがないのでロックのポリパテで補修しました。

オブジェを作っていた頃、習熟したポリパテ。硬化は5分と短いですが、使うのにはコツが必要です。

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完全に硬化する前に、ナイフで荒取りをしておきます。

それでも、3回くらいは付けたり削ったり。

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キレイになるもんやね。

元々、全部クリアーラッカー仕上げだったようです。

クリアー仕上げは、目止めが効いて、汚れが浸み込みにくいようです。

嫌な仕事じゃないけど、ウ~ン・・・・・・・困ったな。


役得

明日からまた雨だそうです。

おかげで暑さはさほどでもないが、湿度はメーター振り切れてます。工房は除湿連続運転です。

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Yチェアを張り替えた岡山のお客さんから特産のマスカットを頂いた。

6脚張ったら色々やり取りもあるので、情もわくのでしょう。花火大会の時、皆で美味しく頂きました。

以前はヨックモックのシガーロールを頂いた。この時は返却の梱包材をしばらくそのままにしておいたので、一ヶ月も気が付かず。お菓子でよかった。お刺身だったら大変なことになっていただろう。

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これはCH47というタイプ。基本的にYチェア以外張り替えませんが、近所の方に頼まれれば致し方ありません。まだ4脚あるというので「おいおい、やりましょう。」と。

不景気な折、仕事があるのは有難いことですが、本当は家具製作が本業ですので、よろしくお願いします。

張り替えのお客様が家具販売に繋がったことはまだありません。でも、「近くで個展の折には是非連絡を。」と言われたことはあります。