2008年12月一覧

仕事納め。

本日も仕事していました。今月は大分休んだため。というか、年末年始はすることもないし。大掃除もすんだし。

Dsc_00071 群馬県のお客様に頼まれていたテレビ台出来ました。

なんてことのないデザインですが、まあいいかな。

中にも小さな足があるのは、液晶テレビが意外に重く、垂れてくるのを防ぐためです。もっとも、私が乗ってもビクともしないんですが。

次世代のテレビはうんと軽いか、壁掛けですので、外れるようネジ止めにしています。

Dsc_0009 目込みのタモでしたので、2回塗りで漆を500gも吸い込みました。

うちの拭き漆は2回塗りと6回塗りがあるんですが、2回だと、枯れた感じで、木製品の好きな方から御指定を受けることが多いです。

楽は楽ですがムラになり易く、技術的には難易度が高いです。木地への漆の吸い込みは2回で止まります。後は、表面に重ねていくことになります。

今回は、棚の間を塗るのに専用のヘラを作りました。それでもやっぱり二の腕がかぶれてカイカイになりました。

白磁と粉引の杯は九州の小川哲男先生の作です。わたしも、これから友人宅へ飲み納めに出かけます。皆様、よいお年を。


車中泊は貧乏くさいか。

最近、軽四キャンパーも登場して、車中泊が市民権を得てきたようだ。ハウツー本もたくさん出ています。本来、夜行列車などに使われた言葉と思いますが、今回の“車中泊”は宿泊費を浮かすために自家用車で寝ることを言います。

結論から言いますと、車中泊は貧乏くさくないけれど、やってる本人は間違いなく貧乏だと思います。しかし、新年をネットカフェで迎える人から見れば、お大尽じゃわな。複雑な気持ちになりますね。

私は、大きな箱バンのハイエーススーパーロングに家具を積んで、全国あちこちで個展をします。荷物を降ろすと3畳位の空間が出来ますので、宿代を浮かすためにそこで寝るのです。

バス、トイレはありませんが快適さはホテルと変わりません。トイレについては、最近はどこにでもコンビニがありますし、郊外に出れば大自然がやさしく包み込んでくれます。

岡山で個展をした時、駅のすぐ近くの安ホテルに一泊してみたんですが、飲みに行くには便利なものの、窓の外は隣のビルで本当に貧乏くさかったです。

都心で飲んで、仕方なく品川プリンスに泊った時も、15,000円も払って薄汚い部屋でした。外国なら値引きか、部屋替えを強要するところですが、酔っていたし泣き寝入りしました。

そんな訳で、なまじっかのホテルより快適な車中泊は、新しい旅のスタイルになりつつあると思います。貧乏なだけで、貧乏くさくは全くありません・・・・・・でも、本当にいい旅の宿には泊まりたいな。

それから、車の中で、カップラーメンすすったり、コンビニの食材とカップ酒なんてのは、貧乏臭過ぎです。土地土地の旨いもんを食って、後は寝るだけにしたいものです。


兼房のラフィングビット

すみません、今日も木工家用の専門的なブログです。

だいぶ前に買った、兼房のラフィングビットのインプレッションです。話は前後しますが、テレビ台のアリ組に使いました。

Dsc_0021_2 写真では、わかりにくいのですが、三枚刃のスパイラルです。更に、そこにギザギザの刃が付いています。ちなみに、ストレートビットのこのタイプもあります。

Dsc_0017 自作のジグでアリ組の雄を切り出した様子。高さは16㎜。この作業のためだけに購入しました。

スムーズさは、普通のスパイラルの2,3倍でしょうか。これなら25㎜位までなら一発で削れそうです。2万円もしますが、プロユースでは十分元がとれそうです。

段差は0,05㎜位で、アリ組の場合修正の必要はありません。倣い加工でも、仕上げに手鉋をかければ問題ないでしょう。切れないビットで材料を叩いてしまった場合より、ずっと楽だと思います。

Dsc_0006 欠点かどうかはわかりませんが、細かい切片はフリースから、なかなか取れません。ナイロンのアウターを着て作業してください。勿論、マスクも。

世の中、いろいろ便利な道具があるんじゃね~。

ルーター作業は危険なので、少しでも安全に貢献できる、こういう刃物は積極的に導入したいです。


仕事もしています。

よく更新するなー。くせになってるなー。リバウンドがきそう。

Dsc_00111 テレビ台の仮組をしました。”李朝飾棚”とでも呼んだ方がお客さんからお金を一杯貰えるかな。

拭き漆で仕上げるんですが、見てのとおり、隙間が狭いので、組む前に、部品の状態で(接着面にはマスキングして)塗装を済ませておく計画でした。普通、パーツの状態で拭き漆する方が圧倒的に楽です。

でも、こりゃ~後で側面を面一に組み上げる方がもっと大変そうじゃ。

2222 結局、組んでしまいました。

箱を組むのは道具もいるし、秘伝の技も使わなくてはならないんでっせ。どこがじゃ~!!

あ~、この棚の間に拭き漆していると、袖がめくれて、手首に漆が付いてカイカイになるんじゃろーなー。

ちょっと憂鬱だが、それも仕事だ。


唐招提寺

昨日読み終えた、井上靖著「天平の甍」は鑑真和上が苦難の末に日本に渡るまでの話だが、和上ゆかりの寺が唐招提寺です。

そんなことを知る前から、私は唐招提寺が大好きで、一日中ゴロゴロしていたいくらいです。奈良時代の創建当時から変わってない伽藍がそういう気分にさせるのかもしれません。美大生なんてのは頭は粗末なものだが、鼻は利くのだ。(ちなみに頭はアルツハイマーで鼻は蓄膿というのが日本の政治家です)

ところで私が一昨年訪れた時、金堂はまだ解体修理中で、観光客はその様子を見ることが出来た。そこで気になったのは、作業している大工たちの緊張感のなさで、なんか”棟梁・西岡常一“の話と大分違うやんけー!!と思いました。プレハブ大工の方がまだましじゃ。生活かかっとるからな。

宮大工なんて、予算と時間がたっぷりあるだけなんかい?まあ、全部が全部じゃないでしょうが、がっかりでした。

過日、BSデジタルで唐招提寺を特集していた。実にしょうもない内容だった。登場したスタッフも妙に頼りなかったしな。屋根に新たに補強を入れたらしいけど大丈夫かな。


余分なストロークの意味。

今日は、先日の続きで、木工家にしかわからないDsc_00191 専門的なブログです。

私は、直角に接ぐ時は、剣ホゾのような、伝統的な仕口も使う一方、特に薄板の場合、ビスケットジョインターも多用します。強度は十分ですから。

初めは、デワルトを使ってやっていたんですが、「アリャ?」

齋田さんのブログで「マキタはスライドに余分なストロークがあって、どうも・・・・」と書かれていたのを思い出しました。その時、ストロークを長くとれば剛性の問題も出てきて、そんな不合理なことをわざわざマキタがするのか不思議に思ったのでした。

12 つまり、こういうことと思います。

ビスケットの位置を示す墨線がデワルトでは非常に見にくいのです。一番手前の印で合わせばいいかもしれませんが、誤差が心配ですし、ちょっと手間がかかります。

Dsc_00162 このように、マキタの場合は角度もつけて、この部分を薄くしています。この作業では、マキタの勝ちですな。

しかし、マキタはフェンスが取り外し式のため段取り良くやらないとあわてます。デワルトは内蔵式ですので、端面に加工する位置が記憶されていて、やり残しが見つかっても安心です。

2台あると割と便利です。


格調の低い今日のブログ。

Dsc_0010クリスマス会は無事終了しました。開催日の決定が面倒なので、来年からは、本日「天皇誕生日」に固定します。

Dsc_00371 子供達は、やっぱりパソコンと携帯が大好きですな~。

Dsc_00382 ペース配分を誤るとこうなります。なぜか、モモが添い寝。オメーも疲れたか。

Dsc_0044 だんだんと、耐久レースの様相を呈するのでした。

今年もしまりのないクリスマスでした。まだやけど。


今日はクリスマス会。

本日は、波乗り“伊野チーム”クリスマス会の準備を朝からしていました。まあ、大掃除も兼ねているのですが。毎年のことです。

Dsc_0026 まだまだやることがあるので、これでお仕舞い。


デワルト対マキタ (ビスケットジョイナー)

今日は面白くもない、木工関係者用のお話です。一般の方には分りません。

先日、 齋田さんのブログでデワルトのビスケットジョイナーがマキタより大分優れているという話を聞き、新しい物好きの私は欲しくなりました。

私は、マキタ製を持っていますが、板剥ぎに多用するのでいいものなら元が取れると思い、きすべーさんの海外通販に入れてもらいました。

インプレッションです。

Dsc_00851、 フェンスはデワルトが完全に平行に上下するのだが、固定が小さなネジ式なっていて、強く回さないと使用中ずれる。マキタは、平行を出すために工夫が必要だが、固定はレバー式で確実。

2、スイッチはデワルトがバイクのアクセルのように自由自在だが、かえって押し込むと同時にONにしてしまい、不安定になる。慣れると思うけど。ロックボタンは尻尾のところにあり、とても使えない。マキタのは、どんくさいが確実。

3、フェンス、定盤の精度はどちらも変わらず、マキタの方が小さいが、こちらの方が汎用性があるように思える。初心者にはデワルトが使いやすいだろう。

4、グリップ感はデワルトが上。

私は、マキタの方が少しいいように感じましたが、それはもう10年以上使ってきたからでしょう。米木工誌の評価ではデワルトが少し上です。

これから買われる方は、円高でデワルトがかなり安く買えるのでお薦めでしょう。マキタを使っている方は、買い替える必要は全くありません。目違いも同じように起こります。

なんで、目違いが起こるのか少し研究したいです。なほ、デワルトのカッターは新品のためかは0,2㎜ほど厚く、ユルユルでマキタの予備の刃に交換しました。

左のドミノカッターは、ハイエンドのアマチュア、途上のプロ、特定の加工をする人には有効でしょうが、角鑿を持っていれば、さほど必要とは思いません。本当に目違いが出ないのなら、そのためだけに買っても惜しくはないと思うのですが。

とりあえず金もないので、ビスケットジョイナーで目違いゼロを目指します。

*波乗り”いのチーム”のクリスマスは明日7時からです。屋上で流しそうめんをします。


土門拳の「古寺巡礼」

古寺巡礼のマイブームは続いていて、昨日は図書館で井上靖の「天平の甍」を借りてきました。

ところで、家にあった土門拳の「古寺巡礼」全5巻は、昭和59年発行のA4強の大きさのものですが、「なんだかな~!」って感じで、ずっとちぐはぐなものを感じていました。

図書館に行くと、でか過ぎて書棚に横にした「古寺巡礼」があって、家のは”廉価盤”と分かっていましたから、こりゃー豪華本じゃと、何気なく開くと全然違っていました。

まず、写真の数が倍くらいあって、家のはダイジェスト版とわかりました。しかも、ダイジェスト版は時代が新しいだけシャープですが、オリジナルは本人が念入りに校正しただけあって絵画的な雰囲気です。同じ写真でも「ヒィー!!こういうことやったんじゃー!!」てな感じです。土門は、プリントによる展覧会より出版に力を入れていたのです。正解じゃ。

家のは、彼が最後の昏睡状態に入っている時に出版されたもので、印刷技術が上がっているだけで、ひどいもんだったんです。

オリジナルを見ると納得できるし、一冊が一つの作品であることが良くわかります。居ながらにして奈良京都にいるようです。落ち着くわ。皆さんも図書館に行かれたら是非見て下さい。重いですけど。目方が。

それでも印刷されているのは、ごく一部なんでしょうが、撮りに撮ったりで、土門が「納得がいかん~!」と、一週間もたたないうちに、助手をひきつれて、寺に顔を出すと和尚さんは棒でも飲んだような顔になったそうです。

きつくて嫌な奴のイメージがありましたが、大変情熱家で面倒見も良かったそうです。凄い勉強家でもあったようです。随筆も出てますから、私もしばらく勉強できます。文章がとても平明な言葉で書かれているのも好感が持てます。

私の作ったお玉は、土門拳がその昔、奈良の骨董屋で買ってきたのを複製したものです。

*ちょっとネットで調べてみましたが、図書館にあったのも4色印刷の普及版で、オリジナルは8色印刷で桐箱に入って、当時の金額で一巻¥40万もしたそうです。売れなくて困ったらしいです。