2008年02月一覧

製材する。

Dsc_00100001 今日は、昨日と違って朝から大忙しだった。

11時まで仕事をして、近所の杉本神社の春の大祭に詣でる。

次に。その隣にある、町営・ギャラリーコパの若手紙漉き職人の展示会を覗く。毎年、”貧者の一灯”で買い物をする。今年は折りよく、照明用の和紙をもらう。しかし、和紙業界もなんとかならんもんかね。木工より厳しいかも。

昼飯を食べて、先日買った、ホウと栗の製材に出発じゃ~!! 今日は、お昼寝はなし。

Dsc_00250002 初めての双名林業、3人がかりで、積み込みまでやってくれて、超楽チンでした。

ここの製材機は、帯鋸の横に、コントロールパネルがあるタイプですが、私はやっぱり、移動する台車の後端に、運転席のあるタイプが好きです。一長一短ありそうですが、銘木の加工には向いていると思います。第一カッコいい。

今回の、製材量は1,5立方で、楽々車に載りました。ハイエーススーパーロングは1トン位載せても、ビュンビュン走るし、ブレーキも効きます。よく働くわ。

Dsc_00370003 幸い、腰の調子はいい。桟積ではなく立て掛けて乾燥させる事にした。しかし、一人では辛い。写真はホウ。

今回、実験的な製材をしているのですが、今は秘密です。(見ればわかるんですけど)

段取りよろしく、たった半日で済んでしまった。

昼寝をしなくても働けるもんですね。


プロトタイプ

本日は、昨夜、御呼ばれした”駅前酒場”で飲みすぎて、二日酔いだった。だいたい、一昨日も飲みすぎて、軽くお付き合いするつもりが、そうでもなかったようだ。不思議だ。個展も差し迫っているのに、たるんでいる。

しかしまあ、高知大丸の個展は15回目ですので、それなりに抜かりはないのですが。

Dsc_00460002 ところで、私の作っているのは家具ですから、そうそう、新作も出来ず、楽しい会場作りには、いつも頭を悩まします。

今回は、いの町特産の手漉き和紙を使った照明を考えてみました・・・・・・・・ちょっと、ひどいですね~。プッと噴出した方もいらっしゃるでしょう。そうです、本来ならプロとしてお見せできないレベルなんですが、ブログですからあえて、出してみました。

でも、仕事のやり方としては、とりあえず最後までやってみるというのは間違っていません。

1㎝前後の小径木を組合したもので、デザインのポイントにもなっている球を握って持ち運べます。

反省点は、1、まだまだ、木が太過ぎ。

2、あんまり幼稚で、正直な形。球がポイントですよ~って、わかり過ぎるじゃろ~が!!もう少し、別の見せ場がいる。

4、白のコードはいけません。等等。

それから、我々は、芸術品を作っているわけではないので、作り方が、確立していて、1日に何個かコンスタントに出来、採算が取れるものでないといけません。大変じゃ~。この手のモノは、イサムノグチの照明とも競合するので、一品物、作家物と言ってもせいぜい¥1~2万がいいとこ、単価的にも難しいのです。

でも、なんとか、プロとして恥ずかしくないものを完成させて、UPします。


原木市場

本日は、久々に原木市場に丸太を買いに出かけた。

Dsc_00330001 本当ならば、何度か下見をして作戦を立てておかないとと失敗するのだが、今回は、情報も入っているし、ちょっとだけしか買わないので、今朝出かけた。

丸太を買えるようになるには、最低5年はかかるだろう。いや10年か?私も駆け出しの頃は、買う金がなくても、顔だけでも覚えてもらうために、必ず市の立つ日には出かけたものだ。いろいろの駆け引きがあるので、木を知ることは勿論だが、人も知らなくてはならない。

旗を持っているのが売り子で、客を笑わせながら、時に脅迫しながら売っていく。ユーモアのセンスと、場を読む力がなければ務まらない。雑木は若手が担当し、高額商品は熟練者の出番だ。行司みたいなもん?

市場の事を話せば、本一冊軽く出来てしまうだろう。

今日は、ホウを1本のみの予定だったが、病気が出て、栗も買ってしまった。丸太買いは、デパートの買い物とは違います。商品を小脇に挟んでルンルンで家路を急ぐわけにいかない。

輸送代など大したことはないが、製材での賃挽料がかかります。勿論これには立ち会わなくてはならないし、(それが楽しいのですが)持って帰れば、乾燥の為の桟積みの重労働が待っている。大きな盤だとユニックや人手が必要だ。後々、ず~っと手間がかかるんです。

そんだもんで、ウ~ンと高い木を買っておいたほうが、手間は同じなんで得なんです。昨年ルーターマシンを買わなかったら・・・・・・・・・いや朝日クラフト展でグランプリ獲っていたら、絶対・・・・・・・手前の兄さんが座っているケヤキを買っていたのにな~。

以前は、ケヤキのいいものは千万単位だったのですが最近は安くなっています。


お越し下さい。

Koten2008 個展の案内状出来ました。

場所は高知大丸です。葉書をコピーして張り込んであるので、あまり綺麗じゃありません。

吉良修の文字組みが、よくありません。いつも、DM製作の頃はバタバタしているので、毎年修正するのを忘れてしまいます。まあ、業界人にしかわかりませんが。

正解は・・・・(吉と良が離れ過ぎ、もしくは良と修がくっつき過ぎ)

ところで、最近、空気が乾いているので、直径10センチの集塵機のホースで仕事場を掃除していると、おが屑が流れるせいでしょうか、強力な静電気が発生して、靴に付いた塵なんかが逆立ってきます。機械に触ると、スタンガン状態です。

本日は、指先と機械の5センチの空間に幅2ミリの、紫色の稲妻が走りました。御茶ノ水博士によると、10万ボルトは出ているそうです。(そりゃ~10万馬力じゃろ~)

怖くて掃除が出来ません。なんとかならないでしょうか?


残念な報告

残念な報告です。しかし、”他人の不幸は蜜の味”といいますし、当ブログの落とし所としては、順当かもしれません。

先日の、朝日クラフト展の結果は、「入選」でした。必勝を期して臨んだのに、あてが外れました。入選というのは、出品料や送料が無駄になるばかりか、他の公募展にもう出せませんし、秋まで返ってこないので、3月と4月の自分の個展にも出せません。最悪です。

Dsc_00200002 しかし、考えてみるに、これは明らかに自分のディレクション不足というか、失敗です。相性が悪かったんですね。

先に、朝日クラフト展は”地味な公募展”と書きましたが、今だから、悔しいし~、はっきり言いますと、審査員が知らない人ばかりなんです。

告知も、自前の新聞紙上に出すだけです。最近は新聞広告が取れないので、スペースは一杯あるんです。つまり、非常に安上がりなんです。文化の香りがしないのは、実はこのためです。新聞社なんてものは、所詮、ブン屋なんでしょうか?文化芸術に関してはさっぱり駄目ですね。そんだもんで、1等賞金200万を目玉にしているのです。それに釣られる馬鹿もいるわけです。

これに対して、ハンズ大賞なんかは、審査委員長の栄久庵憲司をはじめ、写真家の浅井愼平とか、そうそうたるメンバーです。しかも、20年間メンバーが殆ど変わってないのも凄い。

ハンズの場合、営業戦略を兼ねているので当然といえば当然ですが、お金がかかっています。つまり、全体の経費に比べれば、賞金の額なんて微々たるもんです。

まあ、このくらいにしておきましょう。年とると、嬉しいことは素直に喜べますが、失敗からの立ち直りも早くなります。公募展より目の前のお客様を大事にしなければ。

しかし、いずれNew Styleの作品を集めてニューヨークで個展をしてみたい。5年以内に。頑張るぞー!! (すいません。本当はそんなに頑張るつもりは毛頭ありません)

200万貰ったら、iMacの20型を買って、海外旅行にも行くつもりでした。残念じゃ~!!

ホームページも見て下さい。


紺屋の白袴 2

一階の作業場に機械が増えたこともあって、整理棚を2台作っていました。

横切り盤のそばの棚は、カラーボックスですましておりましたが、矢張りこれはいけません。作業場とはいえ妙にテンションが下がってしまいます。自分で作るより、これほど安いものはないんですが・・・・・・・・。

Dsc_00190001_1 ”紺屋の白袴”で手間も材料もかからないように、しかし見栄えはそこそこ、これが案外難しいのです。

今回、木工家の作る、簡易棚の決定的な工法を考え出しました。残念ながら日曜大工では、道具いりますし、技術的にも不可能です。

  1. 1、裏板と棚板は、厚さ7mm前後のムク板を使います。棚板は鉋をかけると刃物がちびますので、鉋をかけなくてもいいです。厚さもまちまちでも結構です。

2、ボンドをつけて、棚板と裏板をハタガネでとめておきます。10分ほどで十分。

3、側板は5mmほどのベニアを使い、裏板と底板にボンドをつけて、、仕上げ釘打ち機でとめていきます。その際、ムクの裏板は長くて薄いので、反っているかもしれませんが、ベニア側に沿わして下さい。

これで、簡単、割と丈夫な棚が出来ます。釘が効くように、片方にムク材を使うのがミソです。ハタガネが裏板1枚に2本いりますので、ボンドが乾く間に、他の仕事をするのがコツでしょうか。ボンドはもちろんたっぷり付けてください。はみ出しても怒られませんから。


DMを作る

今日は、来月の高知大丸の個展のDMを作っていました。

私はデザインは出来ますが、Macで版下を作る程、パソコンが得意じゃないので、操作はプロにやってもらいます。

でも、今回で15回目ですから、デザインのスタイルは、大体決まっていて、写真と日付を入れ替えるだけです。とはいっても、写真の修整やら、ロゴの拡大縮小とか、私とMac使いの長年の経験がものをいうわけで、そんなには簡単じゃないです。

それから、写真は3年前までは、友人のスタジオに、わざわざ持ち込んで撮影してもらっていたのですが、最近はデジカメの発達で、マイスタジオで済ませても遜色なくなりました。(完全な白バックの撮影などは無理ですが)今回はベニア板にキャンプ用のアルミシートを貼ってレフ板を作りました。昨年より、カメラはニコンD40です。軽くて安くて、性能も私には十分です。

物撮りも、何回もやってますと、上手くなって来ます。でも、ちゃんとした写真を撮るとなると、これはこれで大変で、時間もかかります。それでも、ポジフィルムで撮っていた頃を考えると、労力と経費はは5分の1くらいでしょうか。

印刷屋へ版下を送るのも、以前はポジフィルムを同封していたのが、すぐにディスクのみとなり、今は電話回線で送れます。便利じゃ~。

パソコン関係の投資も、私の場合、結構元を取るようになって来ました。


OK牧場

気付きませんでしたが、ブログをはじめて一周年と成りました。別に目出度くもありませんが。

実は、ここ2,3日、風邪気味で寝込んでおりました。ブログを見ると、昨年も同じ。まさか、毎年同じパーターンを繰り返しているんじゃないだろーな?俺は植物か!

ところで、先日の角鑿盤の後日談なんですが、機械屋にその出所についてたずねると、「そこは、角鑿なんか、めったに使う仕事じゃないから、機械の状態は本当にいいです」と妙なことを言うもんで、

「じゃ~何屋さんで~?」と聞いても、のらりくらりかわすので問い詰めると、「棺桶屋」っだって。「なんだ~」  全然OK牧場!!

ウチのスポンサーがよく言ってました、「職に貴賎はない」って。私だって頼まれれば作りますよ。でも、ホームページには載せにくいな。松竹梅ありますなんて・・・・・・・。

誰だって、一度はお世話になるもんですし・・・・・・・でも、一度使った棺桶を、「テーブルに作りなおしてくれ~」なんて言われたら嫌だな。(あり得ないか?)

元の持ち主は、80過ぎたお爺さんで、棺桶もスチレンボードみたいな味気ない素材に代わったので、とうに仕事はやめて、隠居していたらしいが、道具を手放すのが寂しく、ボチボチ、なんか作っていたらしい。わかるな~。でも、足腰がおぼつかなくなったんで、とうとう、処分したそうだ。頭はシャッキというから一度尋ねてみたいな。


桑原の角鑿盤

Dsc_00100002_1_2 昨日の続きです。いきなり本題に入ります。

十年以上お世話になった、篠田の角鑿盤より2回りくらい小さいです。台をすけました。

凛とした佇まいですね。

最大の特徴は、レバーにスプリングがなく、どの位置でも止まります。最近、この機能が欲しくて、なんとか工夫できないもんかと考えていたところでした。

レバーは重さがある割に、ごくスムーズに動きます。

後ろの分銅が邪魔ですが、階段部分にうまく逃せました。

Dsc_00130003_2 もう一つ変わっているのはこの部分。このネジ、結構遊びがあるのに、最後は真綿で首を絞めるように効きます。しかも、加減できます。刃物のカネを出すのがすぐです。この方法なら構造も簡単なのに各社真似できないのは、秘密があるのでしょう。ただ、長年使っていると傷むらしいです。刃物の筒の挿入も超精密と思いきや意外にも緩いです。

Dsc_00150004_2 スパナ1本で押さえが外せます。頻繁に脱着する私には嬉しいことです。ハンドルは動きが軽く、慣性でシュルシュル回ります。小さいのに異様にストロークが長いです。材料の締込みも絶妙です。

Dsc_00170005_2 搬入を手伝いに来てくれた、元建具職人はここの造りが凄いと言っていました。私にはわかりませんが、テーブルは恐ろしく軽く昇降します。

Dsc_00030001_2_2 この、ナットの美しさを見よ!!

ボルト類は、小さいのもまで全部ハイスだと思います。

Dsc_00050001_1_2 無造作に掘ってみました。軽い。

ホゾ穴ってこんなに綺麗だったんだ。

「ホゾ穴さん、こんにちは。」って感じ。

ナマクラが正宗に変わった。刃物は同じなのに。

篠田の角鑿のどこがいけなかったのでしょう?角鑿仕事が好きになりそうです。

この機械には、ちゃんと生年月日が刻まれていて、私が4歳の時に誕生しています。44年前。なんかタイムスリップしてきたみたい。現在の桑原より作り込みに凄みを感じます。余談ですが、オイル給油カップが16箇所もあります。ギネス級です。

ほとんど使ってなかったそうです。昨日、床の間に飾りたいと書きましたが、神棚に上げたいくらいです。初めての掘り出し物でした。全国の木工ファンの妬みを買いそうです。


恐喝する。

クラフト展の出品作、本日夕方、発送しました。木工で痩せたのははじめてです。疲れました。

Dsc_00350003_2 ところで、今回はマイナーな木工のなかでも、さらにマニアックな機械メーカーの話です。

桑原といいます。技術力が突出していまして、正確で使いやすい機械です。(値段も突出しています)

他社の営業マンが「ウチのは桑原タイプですから」なんて胸を張って言うくらいですから。

ここの鋳物は数年間、屋外に放置して、狂いを出し切って、加工されます。デルタ等、アメリカ製の機械のガタが10とすれば、国産機は3くらい、桑原は1でしょうか。しかも鋳物の質が良くて、長年使っても磨耗しにくいです。安全対策にも気を使っています。

そんな桑原も、不況のあおりを受けて、数年前に廃業してしまいました。日本のものづくりの原点のような会社がなくなるのは残念なことです。

桑原の製品は中古市場でも引っ張りだこで、私も手押し鉋盤と自動鉋盤を使っています。ちなみに自動の定価は380万だそうです。

先日、出入りの機械屋が来て話し込んでいると「桑原の角鑿盤(四角い穴を開けるドリル盤のようなもの)が出たので、大工のところに持っていく」とポロッと言ったんです。

「ハア~? ウチの桑原あんたが入れたんやろ~。何考えてんの、その大工ととウチとどっちが大事なんじゃい!」とまで言った覚えはありませんが、先方との話は煮詰まってなかったらしく、早速現物を見に行きました。

それが、実に驚くべきマシンでした。しかも8万でいいと。下取りして、5万だって~!!

先ほど、その機械屋から電話があり、「整備したら、すごくいいので、色を付けてくれ」ですと。OK!OK!でもアンタ見る目ないね~。

今度、そのインプレッションを書きます。

しかし、木工関係者以外には、ただの汚い鉄の塊です。私は床の間に飾っておきたいくらいですが。