木工家専用一覧

3つの殺し文句

このところ、本当に注文がなくて、いよいよ廃業かと思っていた矢先、バタバタと発注があった。も~、お客さん困りますよ、遠慮なく注文して下さいね。当工房はいつでも暇ですよ。

ただ、木工家は大工さんと違って、注文がなくても作り貯めたり、新製品の開発が出来るところが有難いです。

ところで、純粋無垢の私のような木工家であっても、長年、営業マンも兼ねて、仕事をしてきているのですから、そこそこ商売上手にはなります。ここで、悪徳木工家の3つの殺し文句をこっそり教えます。

まずは「孫子の代まで使えます」です。最近は私のように一人者も多いのですが、天涯孤独の紋次郎のように、全く身寄りのない人はいないでしょうから、きっと誰かに譲られてゆくでしょう。これと類似したものに「一生使えます」があるのですが、80歳のお年寄りには、逆効果かもしれません。

次は、ダイニングテーブル等の販売で「毎日旨いビールが飲めますよ!日割にすれば安いもんです」これは大して効果がないような気がします。

3つ目は、当工房は女性のお客様が多いので「服代から比べれば、安いもんでしょう!」です。実際、ご婦人方は高額な服を買って、一度も袖を通さずに、タンスの肥やしになっていることも多々あるのではないでしょうか?これは、少し効果があります。

まあ、はっきり言って、どれも大した効き目はなく“殺し文句”とは名ばかりです。

最後に、番外編で、最近使い始めたやつです。「きっと値上がりしまっせ!」です。これは私のような“面の皮の厚い”人間でないと、なかなか使えないかもしれません。親しいお客様でないと、馬鹿かと思われるかもしれません。どっちにしろ、本気で受け取っては貰えません。

しかし、自慢じゃないが、もうちょっと長生きすれば、あながち可能性のないことじゃないかもしれません。注文するなら今のうちです。


困難なウィンザーチェアー

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今回も、木工旋盤でよく棒を挽きました。5脚分で70本。何だそれだけかって感じです。木工旋盤は奥が深く、もう10年以上、数千本は挽いているのに新たな発見、進歩があります。

ちゅーことは、まだまだヒヨッコということなのか。

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これは、釜でホゾ先を絶対乾燥をしているところ。材料によっては必要ですが、木殺しと絶乾は併用しなくてもいいと思います。もろくなるしな。

写真は、木殺ししてもイマイチきつかったので、絶乾で微調整をする裏技です。寸法精度は葉書の3分の1の厚さ、+-0,1mm位です。結構、神業ですね。

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なんとか、下半分が完成。ウィンザーチェアーは微妙な勘所が多く、困難な製作になります。これ一本で生計を立てている方もいらっしゃるくらいですから。

私の場合、パソコンに記録しているとはいえ、毎回振り出しに戻るようで脳が悲鳴をあげます。かといって、製作物のジャンルを絞ると飯が食えないような気もするし・・・・・・。

木工は、ほんとに難儀な上に身入りの少ない職業です。まあ、楽しくはあるけど。

来世では映画監督を目指します。


子根付きホゾの伝説

本日のブログは木工上級コースのお話しです。一般の方にはわからないし、また解説もしていませんので、全く理解できません。悪しからず。

Dsc_0002 下駄箱は実は今日完成したんですが、話は少しバックします。

これは扉の框組みなんですが、ホゾ幅が短く、普通なら子根を入れたいところではないでしょうか。

残念ながら、私の木工は自己流なので常識を知りません。

Dsc_00026 しかし、余程幅が広いダイニングテーブルのような組手ならともかく、ちょっとの子根が効くような気はしません。実際やってみてそう思います。それよりもホゾを正確に作ることが重要ではないでしょうか。

もし、このような小さな框に子根を掘る場合は、ホゾ穴の流れで角鑿盤で突くのはいけません。正確でないし、ズボズボです。底を整えるにも手間がかかります。年中手道具を使ってる人は楽勝かもしれませんが。

ルーターマシンでホゾ幅よりわずかに狭く、溝を突いてやると決まります。楽だし正確です。でも、そこまでしなくてもいいような気がします。


エアコンとリフターテーブルは必須。

今日は完全に、木工家専用のブログです。

今年の夏は、流石に皆さん暑さと湿気に参っていて、木工仲間のブログにも再三取り上げられています。でも、北国や日本海、アルプスなんかは基本的に違うみたいですね。

当工房では、試験的に、この一ヶ月24時間エアコンをたきっぱなしにしていました。設定温度は25℃で、本体を設置してある2階の20坪が23℃、階下の20坪が27℃くらいでしょうか。

わりと快適です。連続運転すると急激に室温が変化しないので体にも多少やさしいし、電気代もさほどかかりません。夜は空転していることが多いようです。電気代は動力で、他の機械も入れて9900円でした。仕事の能率と、安全性を考えると安いものです。

Dsc_001156 梅雨時の、拭き漆の作業では、エアコンがないと、急激に乾いて、拭き取れなくなります。

不思議と、梅雨時はエアコンの中でも漆は普通に乾きます。

何より、エアコンがないと塗装面に汗が落ちて大変です。あんまり扇風機は使えないし。

23℃でも時々、体を冷やしながらの作業になります。ただ、気を張ってないと風邪をひいたりするし、どうしても疲れはたまります。

写真のスイッチの汚れは全部漆によるものです。

Dsc_001234 かなりでかい本体です。

年一回、カバーを外して、掃除するので、分解する場所を、マジックで書き入れています。

もう、日本の夏はエアコンなしに肉体労働はできない気候になっています。

これからの木工家にはエアコンとリフターテブルは必須アイテムだとおもいます。

Dsc_001564 ベンチは遅れています。今日から作業再開です。

いいんです、あんまり早く出来たら、お金もらいにくいし。

ところで、今夜は湿度もなく、涼しいんですよ、今年の夏で初めてかな。秋は早いかも?まあ、すべて今年は異常だからな。もう一遍、梅雨が来るかもしれません。

今日は、まとまりのない文章ですが許してください。


木工の小さな話 2つ

Dsc_0036 木工家の皆さんは集塵機のゴミをどうやってゴミ袋に移しているでしょうか?

私は腰が悪いのに、本当に滑稽な姿勢で直接ゴミ袋に移していました。こぼれるし、埃は舞うし。

苦節17年!今日やっと画期的な方法を編み出しました。それは、集塵機のタンクを裏返しにして、ドサッと床にぶちまけ、塵取りですくってゴミ袋に入れるというやり方です。これは楽じゃ。どうせ、こぼれて塵取りは使わんといかんしね。なんで今まで気が付かなかったのか。

一部のマニアには値千金の情報だと思うのですが。

Dsc_0003231 これまたレアな話です。

デワルトのビスケットジョイナーのケースがちょうどよい大きさで、カッコ良かったんで、素潜り道具の収納に使っていたんです。

ところが、一度使って先日取出してみると、TUSAのシリコンゴーグルが赤く染まっていた・・・・・シリコンて反応するのか?こんなことは初めてだ。別に人体に影響があるのかどうかわからないけど、気味が悪いな。

我々、いろんなものを安くゲットしているけど、すごくリスキーな世界にいるんじゃないでしょうか?恐ろしいですね。


木工パテ

今日は、家で養生していました。ジジイじゃ。印画紙にプリントする詳細な写真資料や文章ををレイアウトする練習をしていました。イラストレーターでもフォトショップでも似たように出来るんですね。ゆっくりですが、進歩はあります。いやだけど、まあ、やらんといかんやろうね。

Dsc_0010 一般の方には、何の意味もありませんが、私の使っている木工パテです。

割合このタイプは、お店になっかたりするもんですから、まとめて注文しました。5年はもちそうです。

強度はないし、小さな傷にしか使えないけれど、漆や他の塗料とも馴染みがいいです。

何より乾燥が早くて便利です。ただ、そのためキャップを掃除してないとすぐ固まってしまいます。木工家には、お薦めの一品です。


ミツトヨのデジタルノギス

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シェーカースタイルの椅子は大分出来てきました。本当に手間がかかるというか、単に仕事が遅いだけというか。

今日は、木工の旋盤加工の棒削りについてで、内容が理解でき、参考になる人は日本に数人と思われるマイナーな話です。

Dsc_0026様子を見ていた、背もたれのスピンドルの仕上げをしました。通常一気に仕上げますが、今回試みに、2回に分けました。仕上げでサンドペーパを使うため、ずっと防塵マスクをしているのがいやだったからです。

材は山桜ですが、個体によって挽きやすさがまったく違います。

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両端の直径は、切削しながら、ノギスで測ります。回転中、引っかからないよう先を丸めています。旋盤専用です。2台を養生テープで連結しておけばなお便利です。

右のパスは羽ネジでゆるみ止めをしていますが、当てにならず、ホゾには使いません。大まかな外形を測る時に使います。

時々、デジタルノギスで寸法を確認します。プロユースでは“ミツトヨ”以外のメーカーは”銭失い”になりますので気を付けてください。デジタルノギスは一度使うと止めれません。オークションにも出ています。


椅子の脚を組む。

Dsc_000111 やっと座板が完成しました。ここからは大分楽です。一枚失敗したので2枚追加して、計7脚の完成を目指します。

背もたれのスピンドルは座面の大型化に伴い、一本多くしましたが、どうなることやら。普通なら一脚試作するところですが、今回はぶっつけ本番です。

Dsc_0011_2 これは、脚のほぞ先のみ絶対乾燥させる装置です。中に投光機が入っています。

最近は使わないことも多いのですが、脚を加工して、すぐ組む時は必要です。 平気で0.3~0.5ミリも痩せてスポスポになります。この脚には、貫きを入れる穴を開けるのでほぞ先のみの乾燥となります。絶乾後は割れやすいので先に木殺しを済ませておきます。

貫の付いた脚の場合、ほぞは少し緩めです。でないと組み込めません。手で簡単に入り、逆さにしても落ちないくらいがベストです。

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試しに一脚組んでみました。完璧でした。

椅子の製作もも、だんだん冶具も増えて、上手く、速くなっていきますが、体力は下降線をたどり、頭はぼけてくるので、これからどうなるんじゃろ~?心配です。

やっぱり、製作する品物の種類を絞るべきでしょうか。


木工の集塵。

Dsc_0007 本日は面白くもない、木工家専用のブログです。

以前にも書いたと思いますが、失敗したところを、キズが取れるまで削ってゆくと、全体のバランスが悪くなり、ドツボにはまります。無視して進めると、最後には殆ど気にならなくなります。

どうしても目立つ場合は、丸刀でさらって、そこに別でさらった木片を張り付けるといいです・・・・・俺はそんな面倒なことしたことないですけど。お客さんに「これが手作りの味なんです!」と言う方が楽です。別に不誠実じゃなくて、ホゾの精度とか、他に手間をかけるべき重要なポイントがありますから。また、あんまりチマチマやっていと品物も委縮した印象になってしまいます。勢いも大事です。(ものは言い様ですね)

Dsc_0015 今回、逆目がきつく、鉋を使わずに、ディスクグラインダーに積層ペーパーをつけて最初の削りをしました。こっちの方が楽みたい。

ただし、粉塵がすごいので、集塵機を回しました。とてもいいようです。ダンボールなどで覆いをすると、もっと効果が上がると思います。穴の沢山開いた、集塵テーブルを作ればいいんでしょうが、そこまでは中々・・・・・いや、リフターテーブルだと高さが変えられるし、簡単に出来そう・・・・今度やってみるか。

栗の板目は、冬目と春目の堅さが違いすぎて、ペーパをかけるだけでボコボコになってしまい厄介です。座刳りには樹種を問わず素直な、目の込んだ柾板が一番です。


パソコンでデザイン (7)

今日は、集中的にウインドウズ版イラストレータをやっておりました。忙しさにかまけて、いつまでも放っておくのは、もったいないですから。

Butu_2 こんな感じ。仏壇の金具のデザイン、大きさ、レイアウトにかなり使えます。デザインは、パスの使い方に習熟がいり、一朝一夕には出来ませんが、ごまかしながらもなんとか。

蝶番は厚紙に実物大でプリントすればそのまま型紙に使えて便利でした。最後の取り付けの位置決めも、こりゃ楽じゃ。

着色は簡単ですから、お客様に見せるときは重宝しそう。私は、そんなにまめじゃないけど。それに、ちょっと安っぽいか?

パソコンはオタクのものだったのが、安くなったし、使い勝手も良くなり、だんだん元を取れるようになってきました。それでも出来ればやりたくないが。

*Vistaは悪評が高かったけど、私のような素人には使いやすかったです。今の機械なら遅くもありません。Officeも使いやすいと感じました。