木工一覧

新李朝、下駄箱出来た

Dsc_0038 出来ました。久々の大作?でしたので少し疲れました。

こういう製品を作るときは植木屋さんじゃないけれど、一気に作るんじゃなく、休み休み様子を見ながら作ります。

ちょとセクシーやね。

Dsc_0041 内部はシンプルなヒノキの棚板がくぎ打ちで付いています。

中央が垂れてくるのを裏板で防ぐ構造です。

もう少しワックス分の多いオイルを使った方が艶が出てメリハリがついたかもしれません。

Dsc_0051 十字は一か所くらい傾いていたりして遊びがあっても良かったかな。

でも、まあ成功していると思います。

Dsc_0048 アリ組も美しいです。

桂はやさしい感じで、艶を上げると、ちょっと“お水”っぽくなって、私の好みかもしれません。

今回で、この材料もわずかになり、もう小さなものしか作れません。


下駄箱、大分出来た。

3333 本日も比較的真面目に仕事をしました。下駄箱本体の下にすける、袴の製作です。

”止め”の補強は、いろいろなやり方があると思いますが、今回は外から見えないよう、サネを入れることにしました。

Dsc_001831 完璧じゃ。ちょっと薄いので、材は丈夫な山桜を使いました。

横切り盤は”大日”のを新品で導入したのですが、イマイチ精度が出ないので、桑原の中古に代えてもらうよう交渉中です。でも、相手の爺さんが、もう仕事もしていないのに手放してくれないそうです。

Dsc_0021 角度を付けるために切り落とした木片は、捨てないでクランピングに使います。

PIボンドを使いましたが、このボンドは粘土が高いので、サネは緩めにしておきます。

Dsc_002655 もう一息です。この下駄箱は家より長持ちすると思うので、孫子の代ではキャビネットとして使えるようにしました。

自分としては、失敗や~、と思う所が2ヶ所あるんですが、わからんやろうな。


旅の準備

18th_dm4 中野区の友人宅での個展、段々近づいて来ました。ちゅーか、明日積み込みをします。

12時間の運転はやっぱりしんどいじゃろーな。2年前の湘南より遠いぞ。

高速降りても、環八、下手したら2,3時間かかるとか。10キロそこそこなのにね。

Dsc_0011 荷造りは何度やってもかったるい。宇和島の梱包がそのままだから、随分と楽ですが。

考えてみれば、小さな“引っ越し”をしているようなものですから、仕方ないでのすが。

九州の「西岡大秦」さんなんかは、クレーンが要るような家具を作っていますから、個展は5年に一度のイベントだそうです。最近は、助っ人の村人に声をかけても蜘蛛の子を散らすようにいなくなるのだとか。

ところで、今回は友人宅だからいいようなものの、都会は自家用車で乗り込むには不向きだと思います。でも、やるしかないのだ。プロだもの。


商売のわるい話

今日の話は、気分悪くなりますので、読まないほうがいいと思います………そう書くと120%人が読むと思うけど。

先の宇和島での個展の最中にメールをもらった。神戸の女性のお客様で「ホームページにあるケヤキベンチ頂きたいのだが、¥15万を¥10万にしてもらえないか?しかも送料無料の着払いで。家のしつらえに丁度いいのですが」とか書かれていた。ちと、強引と思ったが、そのベンチは唯一の在庫(売れ残っている)で、私の製品にしては重い感じがして、自分としては気に入らないものなのです。こういうご時世だし、渡りに船だと思いました。なんとか年が越せるかな、ウッシッシ!

ただ、どういう訳か私のモバイルパソコンは受信が出来ても、送信が出来ず返事が出せませんでした。画廊のパソコンを使わしてもらうほどのこととも思いませんでした。着払いか…………代引きは手続きが面倒なのでやってないし、どうすればいいかな、なんて能天気に考えて過ごしました。

3日ほどして、家に戻ると6件の留守電があり、最初の3件は“伊野署”からのものでした。実は、個展の直前、万引き2人組を捕まえてしまい、その調書のことでした。後の3件はそのお客さまからの催促でした。今思えば、ちょっといやな感じがしないでもなかったです。

翌朝「その条件でOKです。念のためベンチの写真を何点か撮って送ります」と返事をしました。その返答がこれです。(原文のまま)

       

メールお頂きましてありがとうございました。

直接にお話して決めようと思っていたのですが、急拠Panasinicのマッサージソファを購入することに決めました。

お騒がせいたし、申し訳ありませんでした。       ☆●●●●☆

………………殺す。  これほど、神経を逆撫でする断り方ってあるのかな?パナソニックはわざわざ英字変換しているし、綴り間違ってるしな、しかも名前の両側に☆だぜ!?

2年前にも、これと殆ど同じパターンのメールのやり取りがありました。まあ、こういう人達は、これまでも、これからもそういう人生を送っていくんだろうけど、人を巻き込むなよな。流石の私も、こういう人達に文句を言うのは控えます。


商売のいい話。

こういう、世の中になれば『木工商売』も作ることより売ることに力を入れないとやっていけないような気がします。所詮、木工なんて4本の手足があれば、誰でも出来ますから。実際、デパートでの個展の時も、じっと品定めしている母ちゃんの横で、旦那が「俺が作ってやるから」と、ささやいているのを何度も聞いています。

以下は、ちょっと自慢話。今年の5月のグループ展『名古屋の木工家ウイーク』での販売は、何のツテもなく、バンバン売れるという噂とは逆に、最悪の事態も予想されました。そこで、地元高知のお客様の1人が名古屋出身であることを思い出し、図々しいとは思いながらも、無沙汰を詫びて、友人知人にDMを送ってくれまいかと頼みに行きました。

Aちゃんは快諾してくれたが、結局誰も来なかったので、絶対に忘れていたのだと思います。ま、そんなわけで、予想通り売り上げゼロを達成したのでした。名古屋には、飲みに行ったんですからいいんですが。

でも、その時の営業のお陰か、先月Aちゃんはスプーンの補充に寄ってくれました。今月は玄関周りを改装したとかで、バンダジやら何やら買ってくれました。更に、そこに置いてある下駄箱を「こりゃ~、ひでーわ」なんて言っていると、新しいのを注文してくれました。ただし「すぐ作ってくれ~」と言って、土間で大の字になって手足をバタバタさせるので、東京の個展に持って行く予定だった“曲面バンダジ”はお預けです。金具のデザインを考える余裕が出来てかえってよかったかもしれません。

でも、下駄箱は1週間やそこらで出来るのかな?あんまり早いとお金貰いにくいしな。困ったな。今日はパソコンでデザインしながら、桂の木の荒木取りをしていました。同時進行でやらないと間に合いません。桂は直径1m以上の大径木で、急ぎの仕事でも狂いがなく、使えます。

成果のなかった名古屋のグループ展が意外な形で注文に結び付きました。商売も、努力すれば報われることもあるんですね。これから、しがない木工家は、やれることは全部やって、何とか生きていけるっ、ちゅー世の中になると思います。明日は、逆に、悲惨な商売のお話をしてみたいと思います。


デザインは疲れる。

Dsc_00095 久々に仕事に復帰していました。でも、どうも最近仕事がはかどらないんです。年というもんじゃろーか?

反った板を使ったバンダジ、塗装が終わりました。2台いっぺんに作っています。

Dsc_0022 いつものことながら、金具のデザインに苦労しています。

今回は、せっかくモダンな感じに出来てきたので、李朝らしくない、シンプルな意匠も考えています。(写真はクラシックなもの)

本来、意匠のデザインは時間もかかり、単独の仕事として請け負えば、相当のデザイン料が貰えます。

そこを、私どもはタダでやらなくてはなりません。まあ、凄い意匠を思い付けば、使い回すことも可能ですので、頑張り所ではあるのですが・・・・・・実作業でへとへとになり、いつ思いつくともわからない、意匠デザインのために机に向うのはしんどいですね。

酒も飲まずに、夜なべすればいいんでしょうが、それもつらいな。でも、金具で出来が決まるからな。そう思うと、余計億劫になるな。


李朝、曲面バンダジ

Dsc_0054今月は、反った板を使ったバンダジを作っている。

前回の曲面を使った棚に、扉が付くわけで、困難を極めている。

長さ方向にも、幅方向にも曲がっているので達が悪い。

しかも、全部がセットになっているので、失敗は許されない。でも何とか出来そう。

Dsc_0058_2

これは、貫通ホゾノ出っ張りを避けて、クランプするための治具。

ルーターマシンがあるとホントに便利だ。機械の精度がいいので、切れるビットとそうでないのがすぐわかる。見てのとうり、バリも出ません。使ったのは普通のストレートビットです。

Dsc_0062 こんな風にして使います。曲がって全体に圧がかかる。逆に普通の平らな板の場合は、治具を曲げて作っておきます。

しかし、こりゃー華奢に作り過ぎた。たたかないと、センターが入って行かなかった。

もう一息ですが、新しいものを作るのは、カッタルイもんですね。切り損ねたら終わりやし。木工の難儀な部分です。


木材人工乾燥場

今日は、昔からのお客さんが来てスプーン10本と盆を買ってくれた。それから大物も買ってもらえそう。滅多にないことだ、有難い。まあ、いつまでも霞を食って生きていられないしな。諦めていた、新しいサーフボードを注文しようかな。

Dsc_003465_2 火曜日に木材乾燥場に”虫のお住みになっている”山桜を持ち込みました。

以前はよく利用していましたが、ここ数年ご無沙汰でした。

今回は、乾燥ではなく、温度を上げて虫を殺す釜に入れてもらいます。ちょうど“相乗り”出来る釜がありました。検疫の厳しいアメリカなんかに輸出する材を入れるそうです。

Dsc_0029 このように、レールが引かれていて台車にホークで積み込めるようになっています。

時々、ボクサーも利用するそうです。減量は出来ますが命もありません。

Dsc_0027 途中、仁淀川の河口をチェックしました。

平日の朝の10時に40人もサーフしていました。みんな、どんな仕事してるんでしょうね?

人のことは言えんけど。


銘木解体 3

急に寒くなってきて、なんだか秋がないような、いやな感じだ。

Dsc_0007 銘木解体も佳境に入る。今日は、腐りの入っていた両端をさばいた。なんとか一人で持てる重さです。

Dsc_0009昔、やたら外国製の機械をほめそやす人がいたけど、挽き割は国産バンドソーの独壇場だ。高速、正確でスムーズに仕事が進む。

写真の材の濃い部分が“焼け”で、菌が入ってスカスカになっています。

Dsc_000631 これが残った材。全体の3割以下。

今年は、高価な薪が出来ました。現金燃してるようなもんですね。

Dsc_001333 でも、残った材には杢が出ています。

これで、茶箱やらなんやら、細工物を作るんですが、そう売れるもんじゃないしな。でも作っといても場所を取らないのがせめてもの救いです。

Dsc_0020 例えば、この材なら刳り物の箱が出来ます。写真で見てもわかるように、杢が出るのは表面から5㎝位の深さまでです。

3日かかって、解体は終わりました。この作業は頭も使うので疲れます。

虫を殺すための乾燥釜の手配も済んで一段落です。


銘木解体 2

Dsc_00023125 台風一過の空。

なんか全然大したことなかったな。伊勢湾台風と比べるなよな。

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一昨日の山桜を車から降ろして、皮を除いたり、使い方の算段をしていました。

工房で見ると流石に大きいです。

Dsc_0031 虫くいがあり、しかも、まだ生きている・・・ちゅうか、成虫になって飛び出していない。

早めに樹皮を取り除かなかったのも原因の一つです。

そのうち清げなカミキリ虫が出現するのですが、作り手にとっては厄介です。

人工乾燥で殺すしかないと思う。せっかく、自然乾燥で仕上がっているのに仕方がないだろうな。

丸々テーブルトップとして使えるのは、4枚のうち2枚かな。この買い物は失敗じゃった。でもいいんです。ギャンブルみたいなもんで、大穴を当てたこともあり ますから。

Dsc_0015 ちょっと変わった”杢”も発生しています。

”ミミズ杢“ ”血管浮き出た杢”・・・・じゃあ高く売れないので“ヒマラヤの気高き峰々杢”とでもしましょうか。

Dsc_0034

普段なら発表しませんが、今日は50歳の誕生日です。信長じゃないけど50年は生きた。

お客さんがケーキを持って来てくれた。60歳ならなんとも思わないでしょうが、50歳は複雑やな。

酒飲みですが、最後に甘いもので仕上げるのは好きです。

昨日までは”栗の渋皮煮”でしたが今日はケーキじゃ。最近、食いもんには困らんな。