木工一覧

木工旋盤が上手くなっても、

Dsc_0002 ベンチの脚を挽きました。細長いスピンドルに比べると全然楽です。

先端のホゾの直径は計りますけど、後は目分量です。

下端の太い方は直径60㎜ほどですが、測定すると±0,5㎜に収まっていました。

やるもんやな。もう、数千本は挽いたからな。

でも、上手くなっても、金にもならん、自慢も出来ないところが木工のむごい所だな。

前にも書いたと思いますが、このなだらかな円錐形は意外に高難度で、エンファシスは簡単です。

いずれにしろ、手前の刃物(スキューチゼル)がよく砥げてないとうまくいきません。楠は比較的柔らかいので、奥の薄刃のオーバルタイプを使いました。良く切れますが、危険なチゼルの中でも、より神経質な刃物で最初は恐ろしいです。なかなか手が伸びません。

●手慣れたように見えても、昨日はせっかく取り付けた脚の先端を、短く切り過ぎるという大失敗をしてしまいました。

計画通りだったんですが、座ってみるとやたら低い。こりゃいかんわ。脚を根元から切り落とし、直径30㎜の穴を32㎜のドリルでボーリングしました。うまくリカバリー出来ましたが、えらいロスや。焚き木が増えた。

実は切り取る部分が5㎝以上の長さがあり、「切るな!」という楠の声を聞いたような気がしました。段階的に切り取ろうかと考えが、一瞬、頭をよぎりましたが、重いベンチを何度も裏返すのは大変です・・・・・・夏だしな・・・・・・悪魔の声に負けてしまいました。

木工をやってる皆さん、作り直すのはやっぱり何倍も大変ですよ~!「急がば回れ」ですよ~!夏は特に・・・・・。

夏に仕事は無理です。ここんとこ膝も痛いし、毎日3時間ぐらいしか働いていません。読書三昧です。


呪釘か。

Dsc_0019 今日、楠木からベンチ用の脚を木取っていたら、チップソーがチン!と音をたてた。

「ありゃ~、また散弾か~?」でも、どちらも同じ形だし、鉛なら音はしない。釘と推測された。

Dsc_0022 ドライバーでほじくって、ペンチで抜きました。

直径80㎝ほどの楠の表面から10㎝の所でした。やっぱり釘の頭は表皮側にありました。

そう、古いものではなさそうです。人家の近くの木でしょうね。

ひょっとしたら呪釘か?だったら今夜あたり・・・・・・・・・・・・酔っ払うかもしれないな。

以下は、木工家のためのオマケです。

Dsc_001164 脚のホゾ穴を開けるのには、リフターテーブルとラジアルボール盤を使います。

台湾製?のボール盤は最低の作りで、いちいち頭にきますが、手持ちで開けるよりは、ずっと楽です。

このボール盤は3年に一度活躍します。


李朝一人膳出来ました。

Dsc_0003 一人膳出来ました。大分前に出来てましたが、ホームページと同時にと思い、UPするのが遅くなりました。

Dsc_0016 なんとなく、オブジェのようでもあります。反り具合とか、全体の成型もそれぞれ個性があります。(ものは言いようです)

構想から足掛け6年。ナチュラルベンディングを利用した初めての商品です。世界で最初かも。

Dsc_0013 全然、話が変わりますが、図書館の貸し出しが4冊から6冊に増えました。雑誌や絵本なんか借りるのに便利です。

今日、展示場でイスが売れました。めずらしいこともあるもんです。有難うございました。


木の塵箱

最近、お客さんは多いのですが、ボランティアみたいな仕事の依頼とか、HPのアクセスアップをしませんかとか、こっちに実入りはなく、持ってかれることが多いような気がします。時間も潰れるし・・・・・・経済が末期になるとこうなるのでしょうか。

Dsc_00103 お客様から頼まれて、木の塵箱を作っていました。ついでに何点か試みました。

先日のお箱と同時期に頼まれたのはラッキーでした。

小さいのは高さが20㎝ちょっとで、文机の横に置けばオシャレです。しかし、需要はあるかな?

今時、座業で執筆する人なんて日本にいるかな?そうなると世界中にいないしな。

“輪島屋”さんも注文で作ったことはあるそうですが、私のように余分に作ったものは高くて売れなかったそうです。商売は難しいよな。100円ショップで売ってるしな。

アクセントの指をかける穴は、ヘグナーの糸鋸があるので気持ちよく切れます。


一人膳の木地完成。

今日は、良く寝て、仕事もした。寝られるっていうのは、膝のダメージも関係しているのか?夏バテか?飲み過ぎか?全部(複合)か?

拭き漆の合間に、ホームページの”ショールーム”の改良もしました。見て下さい。ほんとにデジカメはきれいに撮れるな。実物見たらがっかりだろうな。

Dsc_0005 一人膳の木地出来ました。といっても、実際は塗りの最終段階に入ってます。

一度に10枚というのは、手作り木工家にとっては、ちょっと苦痛ですね。我慢の限界かもしれない。チョビットだと効率的でないしな。

数の問題は頭を悩まします。

Dsc_0024 反りが効いてて、意外にいいんですよ。

盆にも膳にもなります。軽いし、手が入るし。呪文を唱えると飛行します。

カタカタする可能性もありますが、安定のため4本脚を採用しています。

湿度をかけて漆を乾かしていきますが、さほど狂うこともないようです。


一人膳の製作2

今日は休日だというのに、仕事をしていた・・・・と言っても半日ほど・・・・しかし、普段も半日くらいしかしてないような気がする・・・・・夏だからな。

休日に仕事をするのは、あまりいいことではない。生活のリズムが狂い、メリハリなく、結局平日の仕事の能率が上がらないことが多い。でも最近は別の理由がある。不景気のせいで、休日に仕事をすると、平日の仕事がなくなちゃうんだ~!

しかし、下手に外に遊びに行くよりも、家で木工でもしてた方が面白いし、金もかからない。ひょっとして作ったものが売れるかもしれないし・・・・・お寒いけど、そうなんです。でもまあ、これはこれで商売のスタイルとしてはいいのではないでしょうか。

その点、大工さんや建具屋さんは勝手に家を建てることは出来ないので、苦しいですね。

Dsc_000423 仕上がった一人膳の天板の様子です。見事に反ってます。ピザの生地みたいです。

これはこれで、難しいのよ、と言っておきます。(そうじゃないと金にならんしな)

Dsc_001233 旋盤で挽いた左の棒から、4本の脚を削り出します。今回は10枚なので40本。最近は本当に根が続きません。

天板が薄いので本来なら貫通ホゾにしたいところですが“お茶”っぽく仕上げたいので止めホゾです。貫通ホゾではガンダムっぽくなります。

洗面器を2つ用意して、1工程終わるごとに、移していきます。

なかなか前に進みませんが、ここまでくれば、木地はあと一息です。

年取ってパワーはなくなったけど、相手のすきを突くというか、じんわり真綿で首を絞めるような戦い方は出来るようになった気がします。

木工は持久戦じゃね。(決まったかも)


裏方の仕事

たまには本業の木工も取り上げなければいけない。ちゃんと仕事もしてますよ。それほどでもないけど・・・・・・・あんまり真面目にやると仕事がなくなるしな。

Dsc_0003 器を収める木箱を作っていた。本来なら、外注したい仕事だが、御指名だし、昨今の厳しい状況、背に腹は代えられない。有難いことです。

通常、寸法が湿度によってほとんど変化しない桐を使うが、私の手持ちは丸太のままの乾燥材だ。これは、いずれそのまま面白い使い方をする予定なので解体はしません。Dsc_001221

よって、今回はヌカ目のシオジを使った。これとて、もう手に入らない貴重な材だ。いろいろな樹種の在庫があるので助かる。倉庫に家賃払ってるもんな。

木箱では珍しくアリで組んでます。しかし、桐箱専門の業者なら、あらかじめ広い板を作っておいて木取りするんでしょうが、こっちは在庫に限りがあるので、パズルみたい剥ぎ合わせていきます。難儀でした。

今日納品してきましたが、予算のことも事前に打ち合わせてなく、言い値で払っていただいたんですが、お箱には付加価値もなく、相場の金額しか請求できませんでした。もっと、ぼろい、悪どい商売がしたいです。それがビジネスちゅう気がします。


座椅子完成!

Dsc_0078 やっと座椅子出来ました。

この座椅子は、わが社ではスプーンと並んで、お客様満足度の高い商品です。座の生活をする人はすぐ元が取れます。

私自身、10年近く前から毎日愛用しています。初期型からは、座面の凹みの形状の改良、背もたれを2㎝高くするなど、ちょっとずつ完成度を高めています。

しかし、自分へのご褒美と称して、1台(脚?はないが)だけ購入される方が多く、はけません。1年に2台くらいか。だから、次に作るのは3年後でしょうか。その頃には、折角思い出した勘所を忘れているという按配です。テレビの前のあなたが買って下されば話は別なんですよ。

Dsc_0038 今回、拭き漆のときは、暑くても長袖を着なくてはならないことを忘れて、Tシャツで作業していて、手首の柔らかい部分に漆がベッタリ付きました。すぐに灯油で拭き取りましたが、いけません。

かぶれなくなったといっても、限界があります。腫れて、1週間は痒いです。

座椅子6台を仕上げるには1kg程の生漆が必要です。通常6回塗りですが、いやになって5回で止めました。いいんです、イス類はどうせ使っているとマッタリ、ピカピカになります。


生まれ変われるなら。

Dsc_000831 やっと座椅子6台の木地が出来上がりました。

なんか、だんだん根が続かなくなってきました。年じゃし、単純作業だし。

背もたれは一本一本、鉋でナグリ仕上げして、ペーパーで磨いています。全部で42本・・・大したことないか?

明日から、これに漆をかけていきます。また、指がつるな。あ~、木工はほんまに儲からん上に、地味な仕事じゃ。でも、リストラされる人よりはましかも。

来世はグラビアアイドルに生まれ変わって、南の島で服を脱ぐだけの商売がしてみたいです。


雨で乾く。

Dsc_0007132 昨日は、栗の板を雨にさらしてアクを抜く乾し台を作っていました。

栗は表面にシミが出来ていることからもわかりますが、タンニンという成分が多く含まれていて、これが、塗装後もシミになったり、漆を乾きにくくします。

ただ、腐りにくいので家の土台にはいいです。昔は鉄道の枕木はクリでした。

Dsc_000533 横から見ると、軒から外れていることがわかります。

小さな板で実験しましたが、本当は川などの流水に浸けておくのが一番いいです。しかし、このような材を浸けておくような場所は近所にはありません。

雨にあてると意外なようですが早く乾きます。多少痛みますが、味の内と考えます。

干している板は、ごく薄く挽いていますので、反っています。これを私は”ナチュラルベンディング”と呼び、この反りをそのまま生かした製品を作るつもりです。

左に並んでいる板は、世話してくれた銘木屋さんが「なんちゅうことをする!!」と止めに入って、自分としても自信がなく、通常どうりに挽いたものです。

この、乾し台は1年も前から計画していたのですが、腰が重く、でもやってみたら半日で出来ました。「案ずるより産むが易し」の典型でした。