今日から、自社ショールームで個展です。見る人も少ないので、母親の生けた花を紹介します。
お客さんは少なかったのですが、開店前と閉店直後にお得意様がきて、何とか初日の売上を恰好がつくようにしてくれました。有難いこっちゃ。
明日は、一杯お客さんの入っている映像をUPしたいですが、そりゃ無理やな。今日もショールームの外では近所の婆さん達が、入れ歯の話題で盛り上がっていました。
昨夜は、高級居酒屋で、当社のお得意様のK社長に御馳走になった。こういうのは、貧乏木工家の役得やね。しかし、どうも場末の赤ちょうちんに慣れ親しんでいる者には、居心地が悪く、遠慮もあって・・・・・・・いっぱい飲みました。
6時から飲み始めて、社長と別れて、一人で「ノア」に顔を出して家に帰ったのは2時だったような。明日はまた6時から花見だ。
お得意様から靴べらを頼まれた。このところやる気がないし、二日酔いなんで、ちょっと、新しいことにチャレンジする。
椿の木を半割にして作る。椿なら柄を相当細くできる。
作り始めると、もとよりそのまま請求するつもりはないが、面倒で「こりゃー高くつくわ」
しかし、そこはプロ、3本目に取り掛かると、ツボが分かってきて、意外に商売になるかも。
普通の板材でもできるかもしれない。柄の部分に旋盤が使えたら楽だな。
しかし、どうも本格的な革靴に縁のない私は、ちょっとピンとこないのである。
でも、違いのわかるビジネスマンが、匠の技なる靴べらでピカピカの革靴をセットし、今日の戦場に出発する。クゥ~!イイカモ、イイカモ。
普通の人は、何のことかわからないと思いますが、文机の脚が天板に4枚の貫通ホゾで組まれています。
これがちょっと失敗でした。5枚は必要ないと4枚にしたのですが、強度的には問題ないのでしょうが、見た目、どうも間延びした印象です。
結局、正直なところ5枚は面倒だったのです。ア~、手抜きはいけません。反省。
全体の手間から見れば、微々たる労力です。アリ組みの組み手の数も、手間を考えて決めてはいけません。一番いいバランスの数にしなくてはなりません。
これは、使い切った漆のチューブを解体して、残った漆を取り出しているところです。
お頭を切り離して、胴体は背開きにして立てます。これで殆ど無駄なく回収できます。
漆は粘度があるようで、水のようにサラサラしています。刷毛で塗るのにも、拭き漆で伸ばすにも、拭き取るのも非常に作業性がいいです。あまり知られていませんが、これが漆が優秀な塗料である一つの理由です。
実際は、本日から漆塗りに入ってるんですが、
文机の脚の形はこうなりました。何気ないようで、実は末広がり、写真の末すぼまり、それに、それぞれに円弧状のふくらみを持たしたもの、カットの入ったもの2種。計6種類を試しました。
このような、カットは仏法臭いと言って嫌う人もいますし、確かにない方が素朴で力強いかもしれません。ただ、あまりにも素朴でありすぎるので、そこに意匠を注入するのは業師としては意義のあることだと考えます。
ずーっと、素朴でいるより次のステップアップにつながるというか、虎穴に入らずんば虎子を得ず・・・・・ちょっと違うか。まあ、失敗すればぶち壊しになりますのであながち大げさではないです。
でも、お客様がきて
「これ貰うわ。でもカットなしで仕上げて」
とおっしゃったら、当然・・・・
「御意!私もかねがね、何もしない方がいいと思ってたんです」
と言うでしょうけど。
左は角が腐っていましたの接ぎ木しました。木目は見事に合ってますが、色が違いました。
右はカミキリムシの穴に埋木しました。普段は楕円にしますが、初めて四角にしました。これもいいな。
どちらも、鋸目の傷も付けるという凝りようです。
初めて、Photoshop Elementsで組写真に挑戦してみました。
次は何を作ろうかな、やる気が今一起らんな・・・・・・という時に、銘木屋の岡崎木材さんが以前より頼んでいた材を持ってきてくれた。
ケヤキの薄板で反ってカップが出来たものだ。薄板は、厚い盤を所定の厚みに挽き直したり、虫食いなどの傷を取ろうと、少しずつ薄くしていく時に出ます。そのまま器にするのもいいですが、今回のはちょっと反りが少ないので、文机を作ることにした。幅が45㎝位のを2枚頂いたので、2台作ります。脚やら貫は在庫の中から見つけた。ストックがものをいいます。
天板は厚みが1㎝位ですが、65キロの重しを載せても大丈夫でした。俺のことさ。
鋸目を削ってしまったら本当に薄くなるので、このまま漆を塗ります。
こんな材料使う奴はそういないだろうな。ここだけの話、これが案外売れるんよ。ヒッヒッヒ。
でも、軽くて強度は十分なんで案外実用的なんです。
この天板にホゾ穴を開けるのには、ヘグナーの糸鋸がいいようです。反ってる上に厚みも一定でないので、表裏から墨付けするのは困難です。
ルータマシンも試しました。RAO-151のバルブを絞ってヘッドをゆっくり降ろすと穴が開き、そのまま加工できます。定番も広くていいのですが、所詮角は丸い。
角をノミでさらうには、一か所に2回、ハンマーを打ちおろさなくてはならない。四隅で8回、表裏で16回、天板8穴と脚6穴で224回、2台で448回。糸鋸作業も楽ではないが、今のところ一番いいようです。
丸鋸だとすぐですが、糸鋸で指を切断するには、余程忍耐が要りますし。ね。念のため補足すると、糸鋸は比較的安全なんですね。
久々に、シェーカラックを作りました。タオルや洗濯物をかけたり、作業の補助に使うものです。形がシンプルで面白いので数年前に試しに3台作りました。売れないと思っていたら、意外に人気でした。ただ、作るのに”意外に”手間がかかります。金儲けは、うまくいかんの~。
前回は、手持ちの材料の都合で、アレンジして作りましたが、今度のは藤門弘さんの「シェーカー家具」に出ている資料にほぼ忠実に作りました。
なかなかいいわ。でも、著作権はどうなるんじゃろか?カエデを使いましたが、実際は松が使われることが多いそうです。
シェーカの家具は無駄を削ぎ落とした機能的なデザインなんですが、まったく無駄だらけに見える、李朝家具と不思議に共通点を感じます。
材がやや薄いのが似ていますが、どちらも面白く、人間味が豊かだと思います。奥深い所に遊び心があるというか。
私の作る洋家具はシェーカーを手本にしたものが多いです。
*木の芽どきは、やっぱり体調がすぐれんですな~。去年のブログをみると同じ状況のようです。まあ、今はそうも言ってられんけど。
今日は、輪島屋善仁の営業の山下さんがみえられた。新作の小鉢を買った。
漆器のコレクションも増えてきたが、私の場合研究も兼ねているので、数をそろえることはしない。だから、宴会の場合はそれぞれの器が違うという妙なことになる。
金もないのに、どうすんじゃろね。実は半年も前から3万円のミニノートパソコンが欲しいのに、決断出来てない。贅沢品を買うには恐ろしくセコイが、製作に関係する工芸品、資料、機械、材料は借金してでも買ってしまう。自分でも怖い。ん~・・・・そいでも今までは何とかなったもんですが、これからはそうもいくまいね。自粛せんと。
左は、山下さんのお土産のゆべし。(これに負けたか) 台は自作の高杯。うちの製品も最近は一寸輪島屋さんを唸らせるようになりました。
今日も、木工家専用ブログです。
うちの近所には「障子を止めホゾにしたのは俺が最初。ここから全国に広まったのよ!」という建具屋さんがいて、一代で工務店に成長したのを見ると、あながちウソではないような気がします。そういえば、通しホゾの古い障子を見たような気がします。
一般の方に説明しますと”止めホゾ” とは、メスの材に、ホゾが貫通してない接合です。下の写真は通しホゾです。
これは李朝風の文机で、天板の厚みが1㎝強しかないので、クサビ状の通しホゾにしていますが、私も普段通しホゾは使いません。
通しホゾの欠点は、
1、2~3倍の手間がかかる。
2、どうしても段差が出来る。椅子の座板の場合、長年の使用でも小口面は減らないので、ますます出てくる。
3、ホゾ先の小口面が出るので、外気の変化を受けやすい。
メリットは、手作りぽくってカッコいいことでしょうか。
貫通ホゾは、接着材や木材の乾燥が十分でなかった頃の技法だと思います。しかし、別に否定するわけないんですよ。効果的に使えば、売上UPになりましょう。でもあんまりこれ見よがしのものは好きではないです。
*打ち込み式の椅子の場合、座板厚が30㎜もあれば、ホゾが直径25㎜で、転び角があっても十分止めホゾでもちます。それなりに精密さが必要ですが。