木工一覧

紺屋の白袴 2

一階の作業場に機械が増えたこともあって、整理棚を2台作っていました。

横切り盤のそばの棚は、カラーボックスですましておりましたが、矢張りこれはいけません。作業場とはいえ妙にテンションが下がってしまいます。自分で作るより、これほど安いものはないんですが・・・・・・・・。

Dsc_00190001_1 ”紺屋の白袴”で手間も材料もかからないように、しかし見栄えはそこそこ、これが案外難しいのです。

今回、木工家の作る、簡易棚の決定的な工法を考え出しました。残念ながら日曜大工では、道具いりますし、技術的にも不可能です。

  1. 1、裏板と棚板は、厚さ7mm前後のムク板を使います。棚板は鉋をかけると刃物がちびますので、鉋をかけなくてもいいです。厚さもまちまちでも結構です。

2、ボンドをつけて、棚板と裏板をハタガネでとめておきます。10分ほどで十分。

3、側板は5mmほどのベニアを使い、裏板と底板にボンドをつけて、、仕上げ釘打ち機でとめていきます。その際、ムクの裏板は長くて薄いので、反っているかもしれませんが、ベニア側に沿わして下さい。

これで、簡単、割と丈夫な棚が出来ます。釘が効くように、片方にムク材を使うのがミソです。ハタガネが裏板1枚に2本いりますので、ボンドが乾く間に、他の仕事をするのがコツでしょうか。ボンドはもちろんたっぷり付けてください。はみ出しても怒られませんから。


桑原の角鑿盤

Dsc_00100002_1_2 昨日の続きです。いきなり本題に入ります。

十年以上お世話になった、篠田の角鑿盤より2回りくらい小さいです。台をすけました。

凛とした佇まいですね。

最大の特徴は、レバーにスプリングがなく、どの位置でも止まります。最近、この機能が欲しくて、なんとか工夫できないもんかと考えていたところでした。

レバーは重さがある割に、ごくスムーズに動きます。

後ろの分銅が邪魔ですが、階段部分にうまく逃せました。

Dsc_00130003_2 もう一つ変わっているのはこの部分。このネジ、結構遊びがあるのに、最後は真綿で首を絞めるように効きます。しかも、加減できます。刃物のカネを出すのがすぐです。この方法なら構造も簡単なのに各社真似できないのは、秘密があるのでしょう。ただ、長年使っていると傷むらしいです。刃物の筒の挿入も超精密と思いきや意外にも緩いです。

Dsc_00150004_2 スパナ1本で押さえが外せます。頻繁に脱着する私には嬉しいことです。ハンドルは動きが軽く、慣性でシュルシュル回ります。小さいのに異様にストロークが長いです。材料の締込みも絶妙です。

Dsc_00170005_2 搬入を手伝いに来てくれた、元建具職人はここの造りが凄いと言っていました。私にはわかりませんが、テーブルは恐ろしく軽く昇降します。

Dsc_00030001_2_2 この、ナットの美しさを見よ!!

ボルト類は、小さいのもまで全部ハイスだと思います。

Dsc_00050001_1_2 無造作に掘ってみました。軽い。

ホゾ穴ってこんなに綺麗だったんだ。

「ホゾ穴さん、こんにちは。」って感じ。

ナマクラが正宗に変わった。刃物は同じなのに。

篠田の角鑿のどこがいけなかったのでしょう?角鑿仕事が好きになりそうです。

この機械には、ちゃんと生年月日が刻まれていて、私が4歳の時に誕生しています。44年前。なんかタイムスリップしてきたみたい。現在の桑原より作り込みに凄みを感じます。余談ですが、オイル給油カップが16箇所もあります。ギネス級です。

ほとんど使ってなかったそうです。昨日、床の間に飾りたいと書きましたが、神棚に上げたいくらいです。初めての掘り出し物でした。全国の木工ファンの妬みを買いそうです。


恐喝する。

クラフト展の出品作、本日夕方、発送しました。木工で痩せたのははじめてです。疲れました。

Dsc_00350003_2 ところで、今回はマイナーな木工のなかでも、さらにマニアックな機械メーカーの話です。

桑原といいます。技術力が突出していまして、正確で使いやすい機械です。(値段も突出しています)

他社の営業マンが「ウチのは桑原タイプですから」なんて胸を張って言うくらいですから。

ここの鋳物は数年間、屋外に放置して、狂いを出し切って、加工されます。デルタ等、アメリカ製の機械のガタが10とすれば、国産機は3くらい、桑原は1でしょうか。しかも鋳物の質が良くて、長年使っても磨耗しにくいです。安全対策にも気を使っています。

そんな桑原も、不況のあおりを受けて、数年前に廃業してしまいました。日本のものづくりの原点のような会社がなくなるのは残念なことです。

桑原の製品は中古市場でも引っ張りだこで、私も手押し鉋盤と自動鉋盤を使っています。ちなみに自動の定価は380万だそうです。

先日、出入りの機械屋が来て話し込んでいると「桑原の角鑿盤(四角い穴を開けるドリル盤のようなもの)が出たので、大工のところに持っていく」とポロッと言ったんです。

「ハア~? ウチの桑原あんたが入れたんやろ~。何考えてんの、その大工ととウチとどっちが大事なんじゃい!」とまで言った覚えはありませんが、先方との話は煮詰まってなかったらしく、早速現物を見に行きました。

それが、実に驚くべきマシンでした。しかも8万でいいと。下取りして、5万だって~!!

先ほど、その機械屋から電話があり、「整備したら、すごくいいので、色を付けてくれ」ですと。OK!OK!でもアンタ見る目ないね~。

今度、そのインプレッションを書きます。

しかし、木工関係者以外には、ただの汚い鉄の塊です。私は床の間に飾っておきたいくらいですが。


ほぼ完成。

例の、クラフト展に向けての製品、ほぼ完成しました。

あと一回、拭き漆をするだけです。

私は、漆に強いほうではなく、棚の奥まで塗っていると、必然あちこちに付着しますので、今はカイカイです。もちろん使い捨ての二トリル手袋をはめていますが、多少は付いてしまいます。

Dsc_00190001 ここまでしか、今は見せられません。

そう、螺旋構造になっているんです。

かつてないデザインだと思います。

使いにくいし。

昨夜、念のため「螺旋」「棚」で検索しますと、楽天の安物家具にあったんですよ。はっきり言って、血の気が引きました。この1ヵ月の苦労はなんだったのか!!

恐る恐るページを進むと、セーフ!普通の螺旋階段状の棚でした。「螺旋CDケース」もありましたが、これも大丈夫・・・・・・・・・・先に調べとけ~!

無修正の生写真が見られるのは来月になりそうです。


クランプ

例のクラフト展に向けた製作続いています。今回はクランプ。引っ張るな~。一般の方には面白くないかも。

Dsc_00100002 用意した自作のクランプです。

反っているのは全体にトルクをかけるためです。また、段々になっているのは、貫通ホゾの先端を逃げるためです。

先日、鍛金をやってる友人にバイトで来てもらって、組み立てました。

二人でボンドを付けながら、クランプしてゆく。阿吽の呼吸で、3時間ほどであらかた組み上がりました。意外に早かったな~。でも、あんまり冗談言ってる余裕はありませんでした。

実は、棚を作っているんです。しかし、模型ではそうでもなかったのに、予想以上に背が高くて、かわいくない・・・・・・・・・・・一時間ほど悩んだ末、のこぎりで、ズコズコ切断。

ホゾ穴を掘り返し、棚に直接ホゾを刻んだ。リフター作業台がなかったら出来ませんでした。

半日をロスしたが、直して良かったな。

次の段階の写真をここで入れようかと思いましたが、全部わかってしまうので今日はここでおしまい。とてもつまらないブログだったと思います。御免なさい。


焦る。

公募展に向けた制作、進行中です。今、こんな状態。

Dsc_00030001

しかし、締め切りまで、後1週間。

「間に合うんかい!!」

木工の場合、下ごしらえが終わると、急速に進行することが多いのですが、今回は未知の部分が多過ぎます。

漆で、仕上げようと思っていますので、上手くいって、ギリギリ。

最悪、大阪まで、自分で搬入しようかとも思いましたが、当てにならないもんに金も手間もそんなにかけられません。

一応、模型では確認済みですが、組みあがるまでどうなるかわかりません。初めて箱物に挑戦するような気分です。失敗したら今年は諦めます。

今日も、大失敗があったのですが、まずお茶を入れて、気持ちを落ち着けてから、ネバーギブアップの精神で、なんとか最小限の損害で食い止めました。

そんな訳で、今夜の水泳はお休みです。でも、酒は別です。今夜は屋台で軽くやって、緊張をときほぐすことにします。では・・・・・・・・・。

*写真の番号は深い意味があるのではなく、単に順序を間違えただけです。


テレビ台できました。

Dsc_00300003 昨年より頼まれていた、テレビ台が出来て、宅急便で送りました。便利な世の中ですね。

今日、お客様からお礼の電話がありました。

木工家は貧乏だけど御代を貰って、お礼まで頂いて、わりといい商売かもしれん。

このテレビ台、横幅は1600で、板厚18mmですけど、頑丈な組み手を使ってあるので、私がのっても大丈夫でした。一応、ソットのりました。

このところ、テレビ台の注文があります。といっても、一昨年より4件目。そのうち、フィルムみたいなテレビになるでしょうから、こんな使い回しの出来るものを勧めています。

ところで、うちのアナログハイビジョンテレビは10年目となりましたが、昨年末でNHKのアナログハイビジョン放送が、地上アナログ放送に先駆けて終わったので、仕方なくチューナー付きレコーダーを買いました。NHKは一体何を考えているのやら・・・・・・。でも、BS-iで高知県仁淀村出身の吉田類の「酒場放浪記」が見られるようになって嬉しい。番組録画予約も簡単になったし。

本も読まなくてはならないし、テレビも見なくてはいけませんので、本業の木工はどうなるのでしょう。


重さ

昨日、薪ストーブにドンゴロスから取り出した、昨年の端材を燃していると、懐かしい材が出てきた。Dsc_00050001

直径30cm強、ケヤキの円盤だ。

写真では、わかりにくいですが、うまい具合に反っていて、通い盆でも作ろうと木取ったものだ。

安く仕入れた薄板から2,3枚取ったと思う。

でも、重かったんですよ。

それほど目の粗いケヤキじゃないけれど、重い。これで、盆を作っても使えない。

日本の、用のものは押しなべて軽く作られています。私もあんまり重い材は好きじゃないし。

こんな、商売長いことやっていると、重さには敏感になります。漆器を手に取っただけで、生地につかってある材の種類や、塗りの厚さまでだいたいわかります。怖いですね~。

そんな訳で、この円盤はこれから燃します。さようなら。最後にブログに出てよかったね。


オットセイ届く。

Dsc_00250001 年の瀬も押し詰まった昨日、なんかオットセイみたいなマシンが届いた。

これは、美女をテーブルの上に載せると、ブラシが回転しながらくすぐる・・・・・・・・・・・・・機械ではないが・・・・・・・・・・・・・・・・・機会があればやってみたい。

でもなんかそんな感じに見えるな~。怪しげ。

本当は、ルーターマシンといって、削る機械です。ブラシは集塵するためのカバーでその奥に刃物があります。実は用途も相当多目的というか、私もよくわかりません。

前から興味があったのですが、デカイのと形が異様なので二の足を踏んでいました。こいつは、比較的新しい機械なので、近未来的に異様なのですが、古い機械は、”天空の城、ラピュタ”に出てくるロボットみたいにやっぱり異様です。

なんか、作業場の雰囲気壊れそう。

半日がかりで、設置しましたが、やっぱりうちの機械で一番ででかかったです。まあ、頑張って仕事をしてもらはなくてはなりません。

インターネットで買いました。遠方の、見ず知らずの業者の中古機械を写真だけで判断するのは危険ですが、中古機を買うのは、多かれ少なかれそういうリスクはあるでしょう。

ネットを見ただけで私の家具を買う人は、相当クレイジーと思っていたのですが、私も似たようなもんでした。


やっと終わり。

Kitagawamuraonnsenn 本日も、専門的なブログです。でも今日で終わりです。

やっと、イスもほぼ出来ました。12脚を拭き漆すると、1回、1日かかります。ヘラがあまり使えないので、3日もやると、手と腕が腫上ります。

飽きっぽい私が、それでも頑張れるのは、わりと面白いからなんでしょう。でも、もう嫌です。多分、1年分くらい拭き漆しました。

Dsc_00230004 分解したまま拭き漆をするのが、塗るには楽なんですが、接着面はボンドがくっつくようにマスキングしなくてはいけないし、塗りあがった部材のの置き方にも工夫がいります。そこで、今回は背板だけ別にした折衷案としました。

12脚もあると、簡易の漆ムロを組むにも少し工夫が必要です。

Dsc_00030001_1 後は、このように脱水機に1分かけた、湿った布で覆って、漆を乾かします。

布が、なぜ大漁旗なのかは、謎です。「ゲッ、うちのスポンサーの名前が出てる」

ところで、1ヶ月強で、材料を仕入れてきて、テーブル6、イス12、しかも、イスは図面を挽いて試作を一脚作ってます。それで、漆仕上げ。う~ん、我ながら仕事が速いな~。残業もしてないし。でも、後半は、流石に酒を控えました。寝る前と、朝、布団の中で仕事の段取りを考えます。

しかし、こんなペースがずっと続くのなら、あっさり木工を止めるでしょう。そんなに未練はございません。でも、続かないので大丈夫で~す。

本日は、大掃除を兼ねた、クリスマスパーティの準備。料理の材料の買出し。それから、ずっと気になっていた、夏物をしまわなければ・・・・・・・と言っても、私の衣類は厳選されていて、上の棚に移すだけですが。

しかし、このごろユニクロが多いな~。昔は下着もパタゴニアだったのにな~。貧乏はいやだな~。

もうちょっと、温暖化が進めば、衣替えがいらなくなるな~。でもそうなると、夏は脱ぐものが無くなって、困るな~。でも、ちょっとうれしいかも。