木工一覧

アセチレンを充填する

Dsc_00180001 金具のロウ付けをするのに、プロパンバーナーでは、やはり温度が上がらず、久々に酸素とアセチレンを充填した。

アセチレンはなんと15年ぶりだった。こんなユーザーいない。以前は、金属彫刻をやっていたので、頻繁に使っていたのですが。

使ってみると、やっぱり使いやすい。さっさと充填するべきだった。

ただ、アセチレンと酸素は、ボンベの開閉に中々厄介な決まりがあり、特に私の場合、ボンベは1階、火口は2階にあるので余計大変だ。しかも、妙に危険そうだし。(実際はプロパンガスも十分危険ですが)そんな訳で縁遠くなっていたのだ。

今回より、面倒なので作業期間中は元栓を締めないようにした。本当はいけませんが。

Dsc_00190002_2 ところで、いつも不思議に思うのは、酸素は土佐酸素、アセチレンは高知溶材と別会社になっていることだ。

同じ敷地で、一軒の社屋なのに、壁で仕切られていて、支払いも領収書も別々です。

何か、混ざり合っては不吉であると言うようなジンクスでもあるのでしょうかね。合コンも禁止だったりして。他府県も同じようなシステムでしょうか?

政治家やら防衛省やら業者やら、どろどろに交じり合ってますが。


帯鋸仕上げ

Dsc_00450003 どうも日本人は、「だれがそこまでやれと言うた!」というくらい、精度を上げてしまう悲しい性があるようです。

特に職人は。

だから、いざ出来上がって、三歩下がって見てみると、込み込んでやった割には、面白くナイジャン!てなことになるわけです。

(まあ、原子炉や宇宙ステーションの部品作りには、そちらのほうが向いているのですが)

そこで、今回の帯鋸仕上げ。自分で製材したまま、鉋をかけずに組んでみました。だから、多少曲がっています。まあ、まあいいかな?でも、やっぱり日本人だよな~。ちゃんとしてるよな~。

しかし、こういうチャレンジは続けなくてはなりません。やるべし。

Dsc_00040001_1 ところで、今回使用したホウの木。出来上がって、よく見ると、鈍い光が!散弾です。20年くらい前のものでしょうか。

朴は、葉っぱの大きな木で、「人恋しい木」ともいいまして、人里近くに生えるといわれている。そこに、キジでも出て来たんでしょうか。実際は深い山中でも見かけるのですが。

製材の人は、神社のケヤキとか挽くので、呪い釘はわりに出てくるそうです。

金とかダイヤモンドとか出てこないもんですかね。木工家にとってはボーナス代わりになると思うのですが。実際は、石をかんでいて、鋸の目立て代に1万円ほどかかったりします。貧しいものには鞭で応えるのか!!!

横長棚のHPへのリンクはこちら


今度の客

今度の客は両親である。注文はベットだ。Dsc_01100001

先日、母屋の耐震診断が、倒壊とでた。屋根が重い上に、耐震金物が使われてない等、いろいろ問題があるようだ。ある年を境に対策がとられるようになっているらしい。

そこで、いざというとき、この二つのベットの隙間に転げ落ちて、難を逃れるつもりらしい、一体いつまで生きるつもりか・・・・・恐ろしい。

ところで、これで、母屋の家具は、作り付けの物以外、殆ど私の作となった。
「なんて息子思いの両親!」と思われるかもしれないが、さにあらず、当初は、高い高い、と見向きもしなかったのである。

それが座卓をひとつ入れたあたりから、「以外にいいじゃん」となって、棚、ダイニングセット、ワーキングデスクと広がっていった。親父がパソコンをやるためのデスクも、安物だったが、結局具合が悪く廃棄してしまった。あんまり安い家具は部屋の雰囲気まで悪くしますぞ。いい家具を置くと、その周りから段々いい感じになって来ますよ。本当です。

Dsc_01220001  鈍感な両親でさえ、客になるのですから、営業しだいでもっと売れると思うんですが。なかなか営業は難しいですね。

ところで、親にいくら請求しようかな。まだまだ借金があるので頭が上がりません。

*このベットはスノコにも大量の木材を使っているので、調湿作用があり健康にもいいです。デリシャスなベットでもスノコ部分はベニアのものがありますが、あれは、あんまり良くありませんよ。結露することもあるし。


ナンチャッテ錠前

Dsc_00110001 李朝風の置床のような製品の金物を制作しているのですが、蝶番なんか作っていると、どうも錠前が欲しくなってきた。

しかし手持ちにちょうどの錠前はない。

1、韓国で100円程度で売られているものは、ブリキのオモチャだし、
2、和錠はよく出来ているが、面白みがない。
3、朝鮮のからくり錠は高価だし、数がない。

いずれにせよ、ちょうどの大きさ、デザインの錠前は作るしかない。三日ほど格闘して、何とか目鼻がついた。木工に比べれば楽なもんさ。先日、導入したコンターマシンが活躍しました。

残念ながら鍵の構造はありません。鍵は難しくはないのですが、錠前屋ではありませんので、今回はデザインに力を入れてみたいと思います。でも開錠にはコツがいるかも。だから多少は鍵の役目は果たします。

Dsc_00060001 作業場は殆ど金工室の状態。使う道具造りから始めなくてはなりません。また道具がチッコイのでどこにいったか、すぐわからなくなります。

でも、木工とは別の面白さがあります。やっぱり、こっちが向いているかも。材料は店に行けば売ってるし。丸太を買ったら5年も寝かせなければならない木工とは大分違います。

* 数年前、台湾の骨董屋で、おそらく朝鮮の、からくり錠前を手に入れた。ごく小さなものだが、タガネで線画が施されています。でもヤスリの跡は平気で残しているのです。この辺が和錠にはない味わいです。複雑な工程を踏まないと、開錠出来ない。本人も忘れてしまうくらい・・・・・でも強く引っ張ると抜けるんですね~。う~ん。やっぱり朝鮮のものは、大好きです。


金具の製作

Dscn0717 多摩美の彫刻を卒業してからも、一番熱心にやっていたのは金属彫刻で、金具の付いた家具の制作をやっと始められた時には、本領発揮!と喜び勇んだのだった。

しかし、これが大変なことで、何が大変といっても、デザインを考えなければいけないことだ。本当は、それが楽しみだったのだが・・・・・・・・・・・つまり、汗水垂らして働くのではなく、クーラーの効いた部屋で、たまには頭脳労働をと・・・・・・・ところが、

1、長いこと、素材を生かした自然な造形を心がけてきたので、金物のように人間の意図でどうにでもなる意匠というか図案を考えるのは異質で、脳が拒絶する。

2、金具の取り付けは一発勝負だし、品物の良し悪しは小さな金物によるところが大きい。せっかく手間隙かけた製品が台無しになる可能性もある。

3、これでも元はデザイナーをしていたのですが、当時はデザインそのものがお金になったわけで、職人の今は、労働が金になるのです。図面に向かっている時間はカウントされないのです。迅速に考え、取り掛かり、失敗は許されません。厳しい商売。

まあ、幾つかの定番的な意匠が完成すればもっと楽かもしれません。いやだ、いやだと言いながら、挑戦するのはやっぱり好きなのでしょうか。

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この、2台のなんと名前をつけてよいかわからない、銭箱のような(置床にもなる)ものも、金具を付けて完成です。放り込んであるのは蓋と脚です。


マイ ホビー

私の使っている木工旋盤(西洋轆轤)による加工は、二つに分けられる。ウインザーチェアーの脚や、背もたれのスピンドルを挽く丸棒加工と、皿やお椀を挽く鉢物加工である。

どちらも相当に難しく年季がいる。また、片方が上手くなっても、片方は使用する刃物も違い、別の技術が必要だ。ゼロからのスタートとは言わないが、それに近い。

Dscn05920001 近所にロクロ師がいれば、する気もなっかたのだが、必要にせまられて、泣く泣くはじめたのだ。当然椅子の脚などの棒加工の方である。

初めて回転する材料にバイトをあてたとき、木がばらばらとちぎれて、前途の多難さを思い知った。しかも、ちょっと力を入れすぎるとロックといって、突きこんでしまい、固定した材料が吹き飛んだりする。怪我もしました。

もう、棒は数百本、数千本と削りましたんで、かなり上手ですよ。今度イチローにバットをプレゼントしようと思っているくらい・・・・・・・・・なんかそっちの方が儲かりそう。

ところで、2年ほど前から、暇なときに鉢物加工もはじめた。もっぱら薪にしていた端材を使う。これは本当に趣味の領域だ。でも、だんだん上手くなるんですね~。これが。

教えてくれる人もいないので、外国のビデオが先生だ。カナダでもっと勉強しとくんだったなあ。まあ、結局は自分でやるしかないのですが。

Dsc_00130001 いまのところ、お父さんが日曜大工で本棚作るみたいで、とても新鮮です。器が自分で出来るのは、やっぱりうれしい。

適当にやってますが、同じものを5つとなると、これはプロの領域でちょっと難しい。一番上は蕎麦猪口、下はスパ皿です。

これに、後、漆を塗ってゆくのも楽しみです・・・・・・本当は、なんだかんだで、結局は金にかえてやろうと思っているのですが。


修正

Dsc_00010001 修正という言葉が適当かどうかわからないが、ダイニングテーブルの脚の先が、カミキリムシの穴のあったせいで、変色していた。腐っていると問題だが、そうでもないので、そのまま塗装すると非常に目立ってしまった。

これを放っておくと、ずっと気になるし、商談のときは、お客様が気づかぬうちから、懺悔し、値引き態勢に入ってしまう。

ルーターとノミでかきとり、埋木する。同じ木片を使うのがミソだ。

Dsc_00120001 ほらわからなくなったでしょう。結構大手の木工所の製品でもよく見ると、失敗した箇所を埋木していることがある。ムクの材料だから出来ることだ。

人間国宝の黒田辰秋のダイニングセットを見たことがあるが、間違って鋸を入れた跡があった。「アチャ~!」なんて言ってたか知らん。このあたりが上手いんだな。この人は。あんまり完璧だと疲れるでしょう。Dsc_00050001

話は、全く変わりますが、ツバメは巣立ちの季節です。半分以上空き家になっています。こんなデッカイ雛たちにえさをやる親の苦労は大変なもんですね。


一人膳

本日よりホームページ、リニューアルしました。内容は殆ど変わらないのですが。徐々に製品を増やしていきます。

Dsc_00980001 一人膳作りました。材料は栗。たまたま、そんな板があったので。二つ作りました。ムシも喰っている。

先日の梓の展覧会に出したのに売れなかったな~。酒飲みにはたまらんでしょうに。

直径50cm高さ9cm 拭きうるし仕上げ。一度錆うるしを入れています。¥105,000(税込)

下手な木工旋盤が良い味を出しています。脚の形状はオリジナルですが、似たような骨董があればごめんなさい。

Dsc_00660001 裏返すと、妙にカニみたい。もう一つは3本脚です。こちらの方が、安定するようです。

こんな形の脚も、刃物で、割合難なく削れます。やっぱり年季はつむものです。でも16年かかりました。

能力のある若者が、フリーターなんぞで時間を潰しているのは日本の大きな損失です。小説家になるなら、キャリアを重ねているといえるかもしれませんが。そんなに小説家はいらんし。


鳥獣戯画

Dsc_00650001首都圏のお客様から、丸テーブルを頼まれた。遠方だと打ち合わせは慎重になる。何度か写真をやり取りする。

しかも、ウサギが好きなので、お任せするので、鳥獣戯画のなかから、見繕って何点か、どこかに彫り込んで欲しいとの事。ウ~ン・・・・・・

「私はスーパーマンじゃありませんで~」しかし、偶然、彫刻科を卒業している。やらにゃいくまい。

線彫りでは味気ないので、レリーフとした。また、効果をあげるためにオイル仕上げでなく、漆塗りとした。

一年ほど前、仏壇を作った際、仏像も彫ってみようと買っていた彫刻刀が役に立った。こういうものは道具が仕事をするのであって、彫刻刀の場合は小が大を兼ねるのです。

Dsc_00150001何とか出来た。仕上がった材料にブッツケ本番というわけにはいかないので、端材で練習しました。かといって一週間も練習するわけにもいかず、辛いところです。

蛙に投げ飛ばされた ウサギの口から「プハッ」と出てるのは私のアドリブです。目にはアワビを使っています。

なんでもそうだと思うのですが、お客様の無理難題は、大きなチャンスです。実際のところ今回も、こういうスタイルもありかなと思いました。

Dsc_00100001 なんか、全体像も兎っぽいですね。

ところで、ホームページの改修は、水面下でボチボチ進んでいますが、完成は五月の中旬になるのでは考えています。別に大して変わりませんが。


兼用テーブル

Dscn0812 数年前に、座卓を買って頂いたお客様から、新居にどうも座卓を置くスペースがないので、とりあえず天板を利用してテーブルに作り変えてもらえないかという依頼があった。

しかも、また座卓で使うかもしれないので、分解できるように。

ウーン、そもそも座卓として作ったもんなんで・・・・・・デザインのポリシーからして・・・・・・「座卓もテーブルもオーダーしてもらわんと困ります!!」なんて事は言えませんね。

やってみりゃー何とか出来た。若いお客様は合理的で賢いのかもしれない。

ところで、最近は宴会もテーブルが多くなりました。中高年は膝が痛いようで。私も腰痛なのですが、やっぱり座卓も良いです。寝ながら酒が飲めるし。昔のギリシャ人みたい。

Dsc_0040 庭も春めいてきました。目の前の加茂山の山桜は散って、ソメイヨシノが満開です。明日は花見か。