十年以上お世話になった、篠田の角鑿盤より2回りくらい小さいです。台をすけました。
凛とした佇まいですね。
最大の特徴は、レバーにスプリングがなく、どの位置でも止まります。最近、この機能が欲しくて、なんとか工夫できないもんかと考えていたところでした。
レバーは重さがある割に、ごくスムーズに動きます。
後ろの分銅が邪魔ですが、階段部分にうまく逃せました。
もう一つ変わっているのはこの部分。このネジ、結構遊びがあるのに、最後は真綿で首を絞めるように効きます。しかも、加減できます。刃物のカネを出すのがすぐです。この方法なら構造も簡単なのに各社真似できないのは、秘密があるのでしょう。ただ、長年使っていると傷むらしいです。刃物の筒の挿入も超精密と思いきや意外にも緩いです。
スパナ1本で押さえが外せます。頻繁に脱着する私には嬉しいことです。ハンドルは動きが軽く、慣性でシュルシュル回ります。小さいのに異様にストロークが長いです。材料の締込みも絶妙です。
搬入を手伝いに来てくれた、元建具職人はここの造りが凄いと言っていました。私にはわかりませんが、テーブルは恐ろしく軽く昇降します。
ボルト類は、小さいのもまで全部ハイスだと思います。
ホゾ穴ってこんなに綺麗だったんだ。
「ホゾ穴さん、こんにちは。」って感じ。
ナマクラが正宗に変わった。刃物は同じなのに。
篠田の角鑿のどこがいけなかったのでしょう?角鑿仕事が好きになりそうです。
この機械には、ちゃんと生年月日が刻まれていて、私が4歳の時に誕生しています。44年前。なんかタイムスリップしてきたみたい。現在の桑原より作り込みに凄みを感じます。余談ですが、オイル給油カップが16箇所もあります。ギネス級です。
ほとんど使ってなかったそうです。昨日、床の間に飾りたいと書きましたが、神棚に上げたいくらいです。初めての掘り出し物でした。全国の木工ファンの妬みを買いそうです。