2008年02月07日一覧

桑原の角鑿盤

Dsc_00100002_1_2 昨日の続きです。いきなり本題に入ります。

十年以上お世話になった、篠田の角鑿盤より2回りくらい小さいです。台をすけました。

凛とした佇まいですね。

最大の特徴は、レバーにスプリングがなく、どの位置でも止まります。最近、この機能が欲しくて、なんとか工夫できないもんかと考えていたところでした。

レバーは重さがある割に、ごくスムーズに動きます。

後ろの分銅が邪魔ですが、階段部分にうまく逃せました。

Dsc_00130003_2 もう一つ変わっているのはこの部分。このネジ、結構遊びがあるのに、最後は真綿で首を絞めるように効きます。しかも、加減できます。刃物のカネを出すのがすぐです。この方法なら構造も簡単なのに各社真似できないのは、秘密があるのでしょう。ただ、長年使っていると傷むらしいです。刃物の筒の挿入も超精密と思いきや意外にも緩いです。

Dsc_00150004_2 スパナ1本で押さえが外せます。頻繁に脱着する私には嬉しいことです。ハンドルは動きが軽く、慣性でシュルシュル回ります。小さいのに異様にストロークが長いです。材料の締込みも絶妙です。

Dsc_00170005_2 搬入を手伝いに来てくれた、元建具職人はここの造りが凄いと言っていました。私にはわかりませんが、テーブルは恐ろしく軽く昇降します。

Dsc_00030001_2_2 この、ナットの美しさを見よ!!

ボルト類は、小さいのもまで全部ハイスだと思います。

Dsc_00050001_1_2 無造作に掘ってみました。軽い。

ホゾ穴ってこんなに綺麗だったんだ。

「ホゾ穴さん、こんにちは。」って感じ。

ナマクラが正宗に変わった。刃物は同じなのに。

篠田の角鑿のどこがいけなかったのでしょう?角鑿仕事が好きになりそうです。

この機械には、ちゃんと生年月日が刻まれていて、私が4歳の時に誕生しています。44年前。なんかタイムスリップしてきたみたい。現在の桑原より作り込みに凄みを感じます。余談ですが、オイル給油カップが16箇所もあります。ギネス級です。

ほとんど使ってなかったそうです。昨日、床の間に飾りたいと書きましたが、神棚に上げたいくらいです。初めての掘り出し物でした。全国の木工ファンの妬みを買いそうです。