桑原の角鑿盤

Dsc_00100002_1_2 昨日の続きです。いきなり本題に入ります。

十年以上お世話になった、篠田の角鑿盤より2回りくらい小さいです。台をすけました。

凛とした佇まいですね。

最大の特徴は、レバーにスプリングがなく、どの位置でも止まります。最近、この機能が欲しくて、なんとか工夫できないもんかと考えていたところでした。

レバーは重さがある割に、ごくスムーズに動きます。

後ろの分銅が邪魔ですが、階段部分にうまく逃せました。

Dsc_00130003_2 もう一つ変わっているのはこの部分。このネジ、結構遊びがあるのに、最後は真綿で首を絞めるように効きます。しかも、加減できます。刃物のカネを出すのがすぐです。この方法なら構造も簡単なのに各社真似できないのは、秘密があるのでしょう。ただ、長年使っていると傷むらしいです。刃物の筒の挿入も超精密と思いきや意外にも緩いです。

Dsc_00150004_2 スパナ1本で押さえが外せます。頻繁に脱着する私には嬉しいことです。ハンドルは動きが軽く、慣性でシュルシュル回ります。小さいのに異様にストロークが長いです。材料の締込みも絶妙です。

Dsc_00170005_2 搬入を手伝いに来てくれた、元建具職人はここの造りが凄いと言っていました。私にはわかりませんが、テーブルは恐ろしく軽く昇降します。

Dsc_00030001_2_2 この、ナットの美しさを見よ!!

ボルト類は、小さいのもまで全部ハイスだと思います。

Dsc_00050001_1_2 無造作に掘ってみました。軽い。

ホゾ穴ってこんなに綺麗だったんだ。

「ホゾ穴さん、こんにちは。」って感じ。

ナマクラが正宗に変わった。刃物は同じなのに。

篠田の角鑿のどこがいけなかったのでしょう?角鑿仕事が好きになりそうです。

この機械には、ちゃんと生年月日が刻まれていて、私が4歳の時に誕生しています。44年前。なんかタイムスリップしてきたみたい。現在の桑原より作り込みに凄みを感じます。余談ですが、オイル給油カップが16箇所もあります。ギネス級です。

ほとんど使ってなかったそうです。昨日、床の間に飾りたいと書きましたが、神棚に上げたいくらいです。初めての掘り出し物でした。全国の木工ファンの妬みを買いそうです。

コメント

  1. 齋田 より:

    ホゾ穴って、こんなに綺麗に掘れるものなんですね。
    うちの角鑿盤ではこんな綺麗な穴にはなりません。
    ちょっとショックです。

    桑原の角鑿、桑原の角鑿、欲しい!

  2. kira より:

    私の前の角鑿は、刃物を斜めに付き込んでいたのでしょうかねえ?

    独学ですので、角鑿はこんなもんだと思っていましたから、点検もしませんでした。

    小さなホゾに、複雑な仕口をするのは、案外強度が落ちて、無意味だと思っていましたが、これなら可能です。

    桑原は昇降盤も横切りもホゾ取も、他社にはない機能があって、正確です。

  3.  はじめてコメントします。私のとこの角ノミは1979年製の常磐工業のものでごくオーソドックスな機械です。桑原の角ノミと比べると基本仕様が見劣りするし、前の使用者の使い方が荒かったのかすこしガタがきています。それでも穴をあけた時の精度は喜良さんのと同じくらいには出ているので、ちょっとだけ安心しました。もちろん自分なりにあちこち調整したからですが。
     齋田さん、たぶんですが他の木工機械と同様にきちんと手を入れ刃も研いでやれば現行のままでも大丈夫かもしれませんよ。

  4. kira より:

    コメントありがとうございます。実は、大江さんの角鑿の記述を読んでまして、そろそろ、いじってみようかと思っていた矢先でした。ネットは有難いもんですね。

    どちらにしろ、材料押さえの部分に相当ガタがきていました。押し込むと材の片側が浮くし、それなりに工夫していたのですが。

    この時代の鉄は相当良いと思いますので、この機械はあと、何人かに受け継がれてゆくでしょう。

  5. 木工房オーツー:大江進 より:

     角ノミではありませんが、一つおききしたいことがあります。ルーターマシンですが、喜良さんが少し前に入手されたルーターは庄田の高周波ルーターのROA-115あたりの機種でしょうか? じつは今地元の機械屋さんから中古のルーターの話がきていて、一つはベースが上下するタイプのRO-116で、もう一つがヘッド上下でモーター直結式のROA-115です。後者のほうが値段はずっと高いのですが、支払い条件によってはひょっとすると導入の可能性がないわけではありません。喜良さんのルーターですが、もしその後実際に使用されていましたら、ぜひその使用感を教えていただきたいのです。急ぎませんのでよろしくお願いします。

  6. kira より:

    115は151の間違いだと思います。私のは、たぶん最終型でまんまNCのヘッドが付いています。これは、中空になっていて最上部に集塵ホースを取り付けて冷却もするようになっています。よって、でかくて、刃先が見えにくく、我々のような職種には、向きません。一体で塗装されていますが、最下部は外れると思うのでやってみようと思います。少し前の型がいいと思います。ただ、最終型ははインバーター付です。

    かなり使える機械なので、予算が許せば151がいいと思います。静かですし、昇降がエアーで楽です。壊れる要素が少ないです。うちでは、いきなり主役級の機械になっています。相当使い道があります。怖くもないです。

    116タイプのものは、昨年新同品が20万でオークションに出ていました。すぐ売れたようです。新品は100万くらいだそうです。ウチのは50万でした。焦らなくても151もボツボツ出るみたいです。

  7. 木工房オーツー:大江進 より:

     さっそくのお返事ありがとうございます。そうですかROA-115ではなくROA-151なんですね。どうりで検索してもみつからないわけです。ではもうすこし詳しい仕様などを確認してみて、よさそうだったら交渉してみることにします。