極悪非道な木工家にも、少しは良心というものがあって、たまには心を悩ますことがある。
写真は、現在製作しているダイニングテーブルの脚の部分だ。
4本足から2本足のこのタイプになって、一度も4本足を作ることなく、続いている。
脚は、部材の強度と正確な仕口が命だ。
そこで、この材料、シオジなんですが、重さが1,6kg、比重が0,45しかないんです。う~ん、やっぱり軽すぎや。せっかく、ここまで作ったのに~!普通に使う分には問題ないのでしょうが、もしも、地震とか非常の場合を考えると心もとない。(家がペシャンコになった場合はどちらにしても運を天に任せて下さい) それに、イスの脚と干渉するので、柔らかいと傷が付きやすいのです。
じゃあ、なんで、はなからそんな軽い材をと思われるかもしれませんが、このような分厚い材はあまりストックがないのです。本日は、秘蔵の盤から切り出して、作り直していました。いつまでもクヨクヨすりより良かったです。
このような、目の詰まった軽い材は、ヌカ目といって、狂いがないので精密な指物に向いています。それを柱に木取っていたのは、周りにキズがあったとか、そんな理由だったと記憶しています。
* よく、「ケヤキですか。それなら丈夫ですね~。重いでしょう?」なんて言われますが、とんでもない。ケヤキやシオジといった木は個体差が大きく、軽いものと、目が粗く重いものでは比重は倍も違います。使い方も全然違ってきます。山桜のように比重が殆ど変わらない木もあります。不思議です。