昨日、正午過ぎ、昼飯を食ってる最中チャイムが聞こえた。お客さんのようだ。
昼飯というのは、日がな一日、地味な労働に従事している職人にとって、侵すべからざる大切な時間で、夜の宴の次に楽しみにしているものです。
そんな訳で、不機嫌になり、いきなり「何かお探しですか?」と聞く。40歳前後の男の方でしたが興奮していたので良く覚えていません。口元は笑っていても、目はつり上がっていたと思う。以前、やはり昼飯中に訪ねて来た、さして親しくない友達が泣いて帰ったことがある。普通に話しただけなのにな。
聞けば、高知県の森林関係の小冊子を委託されている会社で、今度の号のアンケートの賞品が欲しいのだという。5000円くらいで。
ショールームに案内しながら、
『ヤバイ!工房の名前出すから、タダにしてくれなんて言われたらブチ切れそう!!』
フォトフレームがいいだろうと半ば強引に決め、幸い払ってもらえましたが、万札出してお釣りやら、領収書やら・・・・・・・。本日のメニューは中華丼に焼き魚、もう冷えてるだろうな。黙ってはいられない性分ですので、こんな時間には失礼やろー!電話を入れろよ。と穏やかに意見しました。ひどいお店に来たもんじゃね。
私もデザイン事務所をやっていた時期があるんですが、やっぱ、アポなしで正午の訪問は非常識です。今でも材料を近所の製材でちょっと賃挽きしてもらうときは、夕方動力の電源を落とす直前に行って、やってもらいます。もちろん料金は払うんですが、気配りですよね。
でも、これがダイニングテーブルなどの高額商品のお客様だったら・・・・・・・・瞬時に食事のことは頭から消えるでしょう。いやな奴だって?とんでもない、伊達や酔狂、道楽で木工やってるんじゃないんです。木工にはお金がかかるんです。
それに、社用で小物を買う人と、個人で大物を買うお客様とは私にとって全然別物です。無名の私の製品に大金を投入出来る人は、自信も、見る目もあり、胆力のある人だと思います。
まあ、そんな人は昼飯時には来ないしね。