先日、猪猟に同行していたら、人が足りなくて、無理やり銃を持たされて、出てきた獲物を仕留めるように言われた。強引な話だ。免許もないのにな。追い込み猟では勢子の方が技術がいるらしい。
ちょうど、尾根筋に囲まれた袋小路で待ち伏せた。シダが生い茂って薄暗い。しばらくすると、まだ若い狐がひょろひょろと現れた。追い立てられて疲れている。しまった、狐は撃つんかいな、聞いてなかった。しゃくって弾を送り込んで一発目を放つと、至近距離なのに地面が吹き飛んだ。なむさん、ピョンピョン逃げ回る狐に、2発目を発射する。首筋に命中して血がしぶいた。
しばらく、くるくる回っていた狐もばったりと倒れた。抱き起こすと、もう暴れることもなく、ぐったりとしている。甘えるような眼でこちらを見るのだった。「ごん、お前だったのか。」横顔がみつみる聖櫃に包まれていく。
俺は、こいつを皮はいで、食えるんか・・・・・・・・夢でよかった。