・・・・・ことは滅多にございません。だってそれほど注文はないんですもの。
その1
2年ほど前、AV棚の依頼がありました。送られてきたファイルにはロックがかかっていた。暗証番号を聞いて開くと詳細な図面が何枚もあった。壁面一杯の大きさでビス穴まで指定してある。近所の工務店に頼めばよいのに何故私に???
「こりゃ~、¥200万はかかりますよ。」「一部合板でも良い。」扉とかは節約のため自分で作るそうだ。それはプロでも難しい部分です。
初めからまともに取り合わなかったが、案の定立ち消えとなった。
その2
これは最も質が悪いタイプ。2回経験。「一遍で気に入りました!」とか言って、ネットに出してある商品のサイズ違いの制作を依頼してくる。私のは微妙なバランスで出来ているので修正は簡単ではない。そこだけ変更しても妙なものになってしまいます。
メールでやり取りしても、ああでもない、こうでもない。「これ以上タダでは出来んので、手付を入れて下さい。」というと、即お断りのメールが。
思うにこういう方はあちこちの作家に同じことをしている確信犯だと思います。作家は殆どがカツカツなので安易に断れません。遊び相手に丁度良いのでしょう。
その3
李朝棚の別注で上記のようなやり取りをして、ちゃんと手付を頂いた夫婦もおりました。お金持ちのようでした。しかし、専門家でもないのに細かい注文が多い。こちらはちょっとでもお客様に喜んでもらおうと、より手間のかかる仕口で作ったりしますが、細かい事を言われるとどうしてよいか分からなくなるし、全然楽しくない。
「仕上りの色を見たいので数種の材で手板を作って下さい。」そんなん、それぞれ6回拭き漆して色が落ち着くには3ヶ月かかるぞね。
我々の時給は諸経費を引くとコンビニ並です。こんなの相手していたら赤字です。痛み分けということで数度の図面の制作費として¥3万貰って後は返金しました。
まあ、殆どはお任せで、納品後にご祝儀まで用意して下さる有難いお客様です。