木工一覧

蓮華

今日も、一般の方には面白くもない木工の話です。

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座の裏面はこのようになっています。先が尖がっているほうが、造形的にはつじつまが合わせやすいです。お釈迦様が座っている蓮華座みたいです。ハスの花びらです。自然の造形物は完成されているということでしょうか。

実は、裏面も倣い加工機を使ってみましたが、失敗しました。薄過ぎてわずかなズレが悲惨な結末を呼びます。裏はさほどの労力ではないので、手持ち式の機械と鉋で仕上げます。

しかし、私はついつい機械に頼ってしまい、削り過ぎてしまいます。汗をなるべくかきたくないのです。そして、冷や汗が・・・・・。失敗をリカバーするのは大事ですが、鉋で地道に加工するのはやってみると、大した労働ではありません。自戒の念を込めてここに記しておきます。

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表側は昼ごろに5枚完成しました。この作業は憔悴します。粘土細工みたいに付けたり取ったり出来ませんからね。

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裏面を加工するとこんな感じ。サイドの曲面がセクシーです。もうひとつだけど。

実は、ここの加工が一番大変です。なだらかに変化する曲面はアラが見えやすく手が抜けません。

座板削りも場数を踏めば、割合楽です。ずっと落ちを考えていたんですが思い付きませんでした。お風呂にはいります。


マイナーチェンジ

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このバイオリンチェアーは、当社の製品では割合お高いにもかかわらず、ボチボチ売れます。私にしては凝ったデザインです。名古屋の個展に向けて4脚ほど作ることにしました。一度に30脚も作るところもあるそうですが、うちでは6脚位が限界です・・・・でも簡単な椅子なら12脚は出来ます。

実は、ひな形まで売ってしまったので、お客さんの所から借りてきました。今度返しに行く時、商品持っていって、なんか買ってもらおう。

この椅子は、日色ともゑさんが買ってくれた、最初のバイオリンチェアーじゃなくて、第二世代です。今回は更に改良を加えることにしました。上の写真のように後ろから見るとカッコいいんですが・・・・・・

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斜め後方からもいい感じです。

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前方からだと、座の部分がモッサリして、緊張感がイマイチ。ついでに全体に微妙な改良を加えることにしました。

他の椅子達にも毎回、同様の改良を加えていますが、大量生産ではないので、金銭的見返りがないのが難儀なところです。本当にバカバカしいと思います。

◎名古屋「トータク」での個展、ギャラリーの都合により1週間遅れの4月17日(土)~25日(日)となりましたので、よろしくお願いします。


後悔先に立たず

本日は、朝から原木市場に出かけた。お目当ての朴(ホウ)は他県から買い付けの製材業者が来ていて、大分高値で、競り落とすことが出来なかった。安いもんですから、その気になればいけたのですが、在庫もあり無理をする必要はないと判断しました。その方が「高知は面白い木が一杯ありますね~」と感心していました。

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後悔はその事じゃないのです。銘木商のAさんが持っているケヤキのことなのです。長さは5mくらい、半割りにした材で直径はほんの50㎝というところでしょうか。大きいわけではないのです。軽く表面を削ってあるんですが、細かい花弁のような上品な杢が出ています。ケヤキを20年近く見てきた私ですが、しびれます。

最初に見たのは5年以上前です。恐ろしく高額で買えるような代物ではないのですが、市場から姿を消した後も忘れられず、聞けば倉庫に保管してあるということでした。その後2度ほど人を介して探りを入れてもらったのですが、どうも簡単に手放す気はないようでした。この不景気だし、最後には俺の所に来るかなと、高をくくっていました。

その辺に転がっている木を、高額商品に仕立てるのを得意としている、詐欺まがいの私ですが、矢張り、ここぞという時には、銘木もいるんです。李朝の小箱を作るなら、一生使えそうです。

それで、今日は意を決してAさんに相談を持ちかけました。そしたら「 あ~、あれは鴨居に使った、いいのが取れたわ!」 ガーン!!もう何年も見てないけど、頭の中では製材の仕方まで考えていたんです。その後、反対側の材も製材所から出て来て、高値で転売したとおっしゃっていました・・・・・・・グ~!

後悔先に立たず、借金しても買っとくべきだった。Aさんは「あんなの二度とお目にかかれない、吉良君も頑張りや」と捨て台詞を残して去って行ったのでした。


体調悪くても、

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乗りかけた船、ハイエースのキャンピングカー登録に向けた改造始まっています。右のオマルは登録にはあんまり関係ないけど・・・。でもすぐれものなので、後で特集します。

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今回は、電動ポンプで水も出るようにしなくてはなりません。シンクは見ての通り漏斗を利用しています。ヨット用の小型シンクはとても高いんです。洒落た植木鉢を利用しようとも考えましたが、機能性を重視することにしました。

こんな仕事なら、体調すぐれなくても、ガンガンいくな。能率上がるし。しかも、結構いい材料使ってるしな。


Yチェアー考察 (上)

久々にYチェアーの張り替えの仕事が来た。厳しいこのご時世に貴重な現金収入だ。なんかバイトしてる感じだ。しかし、間隔が微妙に開くので、やり方をいつも忘れてしまっている。でも肝心の所は体が覚えていて、始めると後は早い。

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今回の2脚は今までで一番状態が良く、肘かけが一ヶ所外れていただけだ。すごく嬉しい。実は、Yチェアーはガタガタになったものが大半で、中には致命的な破損があって、ちょっと修理の難しいものもある。例えば、背もたれのYが折れたものなんか、積層でパーツを作り直すほどウチは暇じゃないし。あんまりひどいと、張り替えは気の乗らない仕事になってしまう。

Yチェアー信奉者には申し訳ない話になりますが、構造的に弱いのでは・・・・・という話は明日にして、長年?木工をやってきた私が感じるのは、材料の乾燥が十分おこなわれてないのでは、ということだ。

外れた部分を見ていると、長年の使用によるヘタリというより、乾燥によってスポスポになったように見受けられます。

実は、木材の人工乾燥は大変難しく、根拠があって言う訳ではないけど、日本が一番進んでいるように思います。例えば、高知県の“乾燥師”は世界で教えているし。木は一定でないので、感性とか目分量とかが必要なようです。

それから、この構造は、材料を吟味して、出来れば一つ一つのホゾをすり合わせるような精密さ、手間がが要ると思います。つまり、量産には向かないと思います。しかし、実際はPPモブラー社の中では安価な量産椅子なんのです。スーパーレジェーラ等と比べると明らかに雑な作りで、貫の部分なんかは研磨が十分でなくてザラザラしています。

「ハッ!ざまーみろ、世界の名作椅子を散々こきおろしてやったわい」

と言いつつ、考えた人も考えた人だけど、作る方も作る方だな。逆に言えば、量産椅子でここまで出来るのかと、考えさせられます。デザイナーがモデラーも兼ねてないと無理ですね。

真面目な話を書くと、時間もかかるし疲れます。


裏技?

う~ん、風邪が治らん。今、全国的に木工家のトレンドは風邪のようです。

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大した話題じゃありません。一般の方は読んでもわからないし、特にお客様は読まないようにして下さい。

これは、先日出来上がった、ちゃぶ台の幕板の部分ですが、反り台カンナのかけ方もいい加減なものですが(上側はどうせ見えない)、一番下に注目!

鋸跡が取れていません。これは、バンドソーで挽き割っていた時、うっかりハチベー、それてしまったのです。この部分を取り去るには、もう一度4枚の板を自動鉋にかけて、20ミリの厚さを19ミリに落とさなければなりません。

厚みを落としたくなかったし、面倒くさいし、勿体ないのでそのまま仕上げました。どちらにしても普通は隠れる部分なので、職人の失敗を残しておくのもいいんじゃないかと考えました。

こういうのは、あってもいいんじゃないでしょうか。

裏は2回塗りで止めてしまったけど6回塗った方が良かったな。

このちゃぶ台は納品に行ったのですが、比較するため持って行った、うんと高い“円卓”をお客様が気に入ってくれて、そちらを購入されました。思う壺じゃ。ウッシッシ。

そんなに商売うまくいくのは、年に1回ぐらいです。

“思うつぼ”は、サイコロ賭博のあの壺だそうです。目が思い通りに出たというか・・・。


ちゃぶ台完成。

水曜日にプールに行ったら、えらく水が冷たく感じられた。じつは、それからまた風邪をひいてしまった。気合いが足らないとしか言いようがない。寝込むほどではないので、ずっと仕事をしている。

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ちゃぶ台、完成しました。今度作るときには、またノウハウを忘れていると思います。一応、パソコンに記憶させておこう。

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ヒノキは時々使うけど、いいもんですね。軽いので、追求すれば新しい形の家具が生まれる可能性があります。既存の西洋家具は堅木を材料として考えられたものですから。

ところで、冬場は3日も風呂に入らないと、一生風呂なんかなくてもいいような気になりますね。でももう、風邪も飽きたので、今夜はひとっ風呂浴びて「やまぶき」にでも出掛けるかな。


ちゃぶ台

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そうなんです、先日の謎のパーツはちゃぶ台の脚をキュッと固定するための板なんです・・・・・と言っても若い人にはわかりませんでしょうが。

ちゃぶ台の製作は3台目なんですが、記憶力が悪い上に、間隔が微妙に開くので、勘所を忘れてしまいます。今回も前回の図面を見ながら苦労しました。実際、構造は難しいんです。

最初に作った時は、古物屋からわざわざ買ってきて研究しました。そのちゃぶ台がどうも見当たらないのは、女の子に猫なで声でせがまれてやったのかな。男にタダでくれてやるはずはないしな。

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今回はヒノキで作りました。初回の拭き漆の直後はこんなか感じです。

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乾くと色が濃くなります。それから3カ月もすると随分薄くなります。上のものほどではないのですが。

ヒノキは鉋のナグリ仕上げが良く合います。チューカ、このやり方が慣れると、ごまかしがきいて便利です。


李朝曲面バンダジ出来ました。

Dsc_0027p 曲面バンダジやっと出来ました。

スッキリしていい感じなんですが、どうも私の木工は苦心の跡が見えないというか、軽薄というか、性格が出ています。

先日友人が来て「なんじゃこりゃ!曲がっちゅう!どうやって作った?」(竜馬伝の放送もあり、今年は土佐弁を多用していきたいと思います)と、びっくりしていました。でも、感性のない普通の人が見ても気が付かないと思います。まあ、そういう人は木工品なんか買わないので問題はありませんが。

Dsc_0014p スッキリしたバンダジとは裏腹に、工房はグチャグチャニなっております。完全に金工室と化しております。本日、片付けて木工室に戻すのに半日かかりました。

Dsc_0020p 電気溶接の“お面”ともしばらくサヨナラです。実際は後ろに見えるホースのアセチレンと酸素を使うことが多いです。

今日は、海に行きたかったんですが、大事をとって止めにしました。「やまぶき」にでも出掛けるか。


忘却の彼方に

Dsc_003666 今日は一日、マスターしたはずのロウ付けが巧くゆかず、悪戦苦闘していました。

普通、そのようなノウハウはパソコンに詳細に、場合によっては写真入りで記録していますが、ありませんでした。

終了間際に思い出し、ワードに、赤で、大書きしてやりました。まあ、もう忘れることはないだろうけど。体が覚えたわ。

Dsc_0033 こうなると、木工やら金工やらわからんわね。あまりにも手を広げ過ぎて、メモリーが足らん。

今度、銀行をやるか。