Yチェア張替え一覧

スプレーガン

本日はデスクワーク。

5月に湘南で7年振りに個展をするのでDMのデザインを考え、午後はシェルチェアーの脚の取り付け位置や角度を図面で検討しました。

たまにデスクワークをすると、ちっともはかどらないし疲れます。

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Yチェア張替えのお客様から厄介な注文。

引っ越して、部屋の雰囲気が変わるので塗り替えてくれとのこと。塗料は用意するという。

「そりゃ、うんと高く付きますぜ!」・・・・・・でも、やってくれとのこと。

パテ埋めして、洗浄・研磨が終わる。

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スプレーガンはオブジェの製作で使っていましたが、もう15年も触ってない。

相手が細いので手前のスプレーガンを新調した。マイクロタイプ。

なんと調色して送られてきた塗料は水性タイプ。最近、プロユースでも環境にやさしく、施工者にもダメージの少ない水性塗料は注目されているらしい。実際、ホームセンターで売られているペンキは今や水性タイプが殆どです。

でも、粘度が高くてガン拭きは厄介です。メーカーに聞くと薄めないで下さいと言うが、そのままだとノズルに塗料が全く降りません。

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薄め過ぎると塗料は垂れるし、口径の細いマイクロタイプは無駄じゃったか。

2度拭きして、何とか純白のプライマー塗装完了。

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上塗りはもっと塗りやすかった。これも2度塗りして完璧や。

しばし、リビングに運んでで眺めました。

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ボロボロだった椅子が新品同様に。

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もう2脚はベージュに。わがままなお客さんだな。

こんなことしている場合じゃないのですが。

水性塗料はガンの洗浄に使うのがシンナーじゃなくて水でいいのですから確かに楽な部分はありますね。シンナー吸う人にはガッカリな塗料ですけど。

でも耐久性は不明です。

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アルバイトも楽じゃない。

相変わらずYチェアは送られてきます。

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「なんで板座に代えられたんですか?」

「猫がペーパーコードであんまり爪を研ぐものですから。」3匹看取ったから、元に戻して欲しいとのこと。

しかし、Yチェアはペーパーコードが内側に引き締めることで強度を得ている部分もありますから、この改造は良くはないです。同様にコードがあんまり緩々になったまま、使うのもいけません。

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やっぱりホゾは緩んでいてバラバラになりました。

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こういう素人修理が一番厄介です。接着剤が溜まっています。

このままではホゾが奥まで入りません。

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慎重にドリルで掘って、最後は手作業です。

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組み立てます。

手間も時間もかかるのにお客さんからは「(料金が)高い!」って言われます・・・・・・まあ、言われたことはありませんが、多分そう思っている。

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その後、洗浄、オイル仕上げして、やっと、ここから張替えが始まります。


Yチェアの塗り替え

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先月から預かっていたYチェア。もう、処分しようかと思っていたそうです。

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6脚の内、5脚がお犬様にかじられていた。

通常、解体して新たに貫を削り出しますが、こんなのに限って、ホゾはビクともしません。

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しょうがないのでロックのポリパテで補修しました。

オブジェを作っていた頃、習熟したポリパテ。硬化は5分と短いですが、使うのにはコツが必要です。

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完全に硬化する前に、ナイフで荒取りをしておきます。

それでも、3回くらいは付けたり削ったり。

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キレイになるもんやね。

元々、全部クリアーラッカー仕上げだったようです。

クリアー仕上げは、目止めが効いて、汚れが浸み込みにくいようです。

嫌な仕事じゃないけど、ウ~ン・・・・・・・困ったな。


役得

明日からまた雨だそうです。

おかげで暑さはさほどでもないが、湿度はメーター振り切れてます。工房は除湿連続運転です。

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Yチェアを張り替えた岡山のお客さんから特産のマスカットを頂いた。

6脚張ったら色々やり取りもあるので、情もわくのでしょう。花火大会の時、皆で美味しく頂きました。

以前はヨックモックのシガーロールを頂いた。この時は返却の梱包材をしばらくそのままにしておいたので、一ヶ月も気が付かず。お菓子でよかった。お刺身だったら大変なことになっていただろう。

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これはCH47というタイプ。基本的にYチェア以外張り替えませんが、近所の方に頼まれれば致し方ありません。まだ4脚あるというので「おいおい、やりましょう。」と。

不景気な折、仕事があるのは有難いことですが、本当は家具製作が本業ですので、よろしくお願いします。

張り替えのお客様が家具販売に繋がったことはまだありません。でも、「近くで個展の折には是非連絡を。」と言われたことはあります。


Yチェアのコピー(リプロダクト・ジェネリック)

回復の兆しのあった腰痛ですが、今朝の寒さで悪化。不安です。

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以前、バッサリやった本物新品Yチェアー。右は中国製コピー商品。

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実は「日経デザイン」の編集者に頼まれたものです。

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「銘品分解」というコーナーで、本物と中国製コピー商品を比べたのです。

分解して送るのかと思ったら、わざわざ高知まで編集者が来られました。

実際は流石に新品は分解装置でも外れず、バンドソーで切断しました。

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外見は、偽物はラインが生っぽいものの、まずまずの出来で2万円なら上出来と思っていましたが、分解すると内容は酷いものでした。

これじゃ~、飾り物としてしか使えない。ペーパーコードを張る貫なんて、見えなくなるからでしょうか、材質は悪いし、細い。強力に張っていたら折れてしまいそうです。

ここまで作り込んで、この手抜きは理解に苦しみます。座るつもりならコピー商品は買ってはいけませんよ。

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文面には何度か私の名前も登場します。

最近、マスコミに仕事を頂く事がボチボチありますが、これも真面目にブログを更新しているからです。写真や内容がしっかりしているからだと思います。本来の仕事に繋がらないのが残念な所です。

業界本の「日経デザイン」は定期購読のみで本屋さんには置いていません。

●でもネットに出ていました。 その一 、その二 。

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何でも。

駆け込み需要じゃあるまいに、当社は珍しく忙しいです。

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首都圏から送られてきたウィンザーチェアーの張り替え4脚。

紐が太いので5㎜のペーパーコードを取り寄せるも、オリジナルはイグサ紐であることが判明。

強度的にはペーパーコードが勝ると思いますが、ペーパーコードは使ってゆくと汚くなる一方です。自然素材のイグサ紐は良い色艶になるのですね。お客様第一でイグサ紐を捜しました。

「イグサロープ」で検索すると東京のショップ一店しかヒットせず。しょうがないので¥2400×2巻きを発注。

その後、試しに「イグサ縄」で検索したら、九州のショップは一巻き¥800でした。多分同じ物。ガーン!恐らくここが製造元で、東京のショップは仕入れているのでしょう。まだまだ、ネット検索初心者じゃ。

恐らくこの仕事、利益は生まないと思いますが経験が無駄になることはありません。


乱心

先日は、

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ジグソーで、

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新品・未使用のYチェアーをバラバラにしました。

“その筋”からの依頼で、詳細はほとぼりが冷めるまで言えん。


動物からの虐待

長いことYチェアーの張り替えをやっていると、色々あります。

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去年持ち込まれた2脚は猫の爪の研ぎ場と化していました。しかし、フレームには傷一つなし。

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正月に張り替えたのは、お犬様の餌食でした。

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やるもんですね。

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前脚の先端はこのようなお姿に。面倒なので短く切り揃えようと思ったのですが、5センチ以上低くなるので椅子としての機能を果たさなくなります。

*上3枚、フルサイズ一眼の描写力は矢張り違う。

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こうして、

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まあ、通常の使用では問題ないと思います。

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同じ、ナラ材で修復。

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なんとか体裁は整いました。

どこもペットには甘いのですね。子供がこんなことしたらお仕置きされますが。

うちのモモちゃんも3歳までは相当やりましたが、本気で怒る人はいませんでした。


Yチェアの仕様変更

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最近Yチェアの張り替えが多いので、オーク材のものを追加した。

どうもすぐ、「ミイラ取りがミイラになる。」傾向があるようだ。ちょっと意味が違う?

しかし、すぐフォルムが変ったことに気が付きました。

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新品はアームの傾斜がきついのです。大分違うな。

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Yの部分はかなり立っています。付け根から全体がお辞儀したような塩梅です。

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座面の大きさにも多少変更がありますが、背もたれが立ったために、この長さが旧タイプより25㎜短くなりました。

座った感じは当然旧タイプの方がゆったりしています。まあ、気にしなければ分かりません。どちらが良いとは言えません。使い方によります。

Yの部材は矢張り破損が多いのか、厚さ8㎜→9㎜になっております。

しかし、問題は最初のアームの傾斜です。ニュータイプはシャープでカッコいいんですが、旧型の方が断然落ち着いた印象です。長く見ていると旧型の方が良い。

ウェグナーに断りもせず、こんな変更をしていいのだろうか?まあ、俺には関係ないけど。

*最近張り替えたYチェアもニュータイプでしたから、仕様変更は5年以上前からだと思います。


YチェアのY

なぜかYチェアの座面の張り替えは重なるもので、今月は16脚が持ち込まれる。流石に飽きた。朝起きると手がむくんでいる。

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殆どのお客様はここまで使うか~!というくらいボロボロになって持ち込みますが、これは汚れてはいるもののまだまだ大丈夫。

でも、左の椅子は背もたれのYが折れてありませんでした。

ところで、この椅子の正式名称は“ウィシュボーン(Y字型の鳥の鎖骨)チェアー”です。

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いやな感じですね。

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穴の角度をきちんと調べてドリルで揉む。

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最近、遠近両用眼鏡を外すことが増えてきたな。

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刃物を駆使してホジクリ完了。

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背もたれのYは2次曲面と思っていたら、当然3次曲面でした。治具から取り出して別枠で乾燥させる。

アイロン曲げ木を使いましたが、純正はラミネート曲げです。まあいいやろ。この部分、売ってくれるのかな?だとしたら無駄なことをしました。

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完成。両端は胴付になっていて、面倒なことこの上ない。

しかも上端は6㎜、下端は7㎜。

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割れていました。見ると強度不足の部材が使われている。Yチェアはこういうことがよくあります。量産品だからしょうがないでしょうけど。

お決まりのカバやメープルじゃなく、この部分にのみタモが使われています。この組み合わせは普通に見られますが理由は分かりません。

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張替えも完了。完璧じゃ。

このお客様は、「Yの部分はもうなくてもいい。」と仰ったのですが、なかったらすぐ壊れるがな。¥15000で割に合わない修復を我から望んで申し出るあたり、人間の不思議を感じますね。

お客さんは「そんなにすんの!?」と言ってましたけど。普通の方がそう思うのも無理はありません。

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