Yチェア張替え一覧

国内Yチェアーの真実、か?

たまにしか来ないYチェアの張り替えをまたしていました。

なぜに忙しい時に集中するのか?しかし、当てにならない個展の売り上げよりも目先の金の方が大事です。

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意外に大儀なのは古いコードの除去。ハサミを研いでもすぐ切れなくなる。長年のホコリも溜まっていて、マスクをしての作業となります。

ヘアピンなどが出てきたことはありますが、札は出ません。ちなみに古本屋の密かな楽しみはへそくりが挟んであることらしい。

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一脚、ガタついているということで、解体治具でばらしました。

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なんじゃ~!このホゾ先の形状は?

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貫2本、4か所全てのホゾ先がベルトサンダーで欠き取られていました。

これでは、前後に揺れるのも無理はありません。

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これは以前、修理したもの。個体差はありますが、大体こんなに先細りになっています。

以下は、あくまで私の想像です。

Yチェアーを輸入するにあたって、完成品では空気を運ぶようなものですから、恐らくパーツで送られてくると思います。

それを、簡単に組み立てられるよう、木工にドシロートの日本の代理店が、ホゾ先を削ってしまったのでしょう。強度上、肝心要の部分をです。

日本で買った殆どのYチェアーにホゾの緩みがあり、デンマークやアメリカから持ち帰ったYチェアーが全く問題がないことに得心がいきました。

長年の謎が解けたぜ!

Yチェアーのガタつきは構造上の欠陥と思っていたのですがそうではありませんでした。

また、脚の先端の形状が一脚の中でもまちまちなのは、日本で脚を短くして適当に加工するからでしょうね。

家具の輸入代理店なんて、しっかりした経営基盤がないので所詮こんなものなんだろうな。

当社に持ち込まれるのは、10年前後経ったものが多いですが、今でもこんなことしているのかな?

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流石にこれでは、再接着してもすぐに元に戻ります。

木片を張り付けて補修することにしました。お代は輸入代理店に請求してやろうかな。

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小刀で削り出して完成。

全く、呆れるというより怒りを感じます。

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さあ、精出して個展の準備じゃ。

*このお客様からメールがありました。以下原文のまま。

 本日Yチェア届きました.ありがとうございます.

 大変満足しております.14年前に買った当初からひもが緩かったので,買った直後に販売店に持って行って直してもらったのですが,戻ってきてもほとんどゆるいままでした.今回吉良様に直していただいて,これほど座りごこちのいい椅子だったのだと初めて知りました.中敷きのおかげもあるのかも知れませんが,とにかく感激しております.

 ホームページも見せていただきました.大工事だったのですね.生まれ変わらせていただいて,感謝しております.

 個展前のご多用の時期にもかかわらず,とてもきれいに直していただきまして,ありがとうございました.

 個展のご成功を心よりお祈り申し上げます.

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補足:Yチェアの編み方では、後で修正することは出来ません。全部初めからやり直さなければなりません。それから大手輸入代理店に縁あってお聞きしたところ、日本で組み立てるのではなくて完成品で輸入されるそうです。ますます謎です。


Yチェアの修理

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張替えで預かったYチェアーの一脚が・・・・

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こりゃ、いかんわね~。

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断面も広いしエポキシで大丈夫やろ。

俺が乗ってもビクともしない。

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洗浄、オイル塗装も終わり、

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2脚完成。

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件の椅子も3脚目に完成!あれ、ラインが変だな?

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アチャー!やっぱり座編みは凄い力が加わるんですね。エポキシ接着剤も万能じゃないな。

なんとか再度、解体出来たのが幸いです。貫を新たに作って一からやり直しです。

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標準のカバ材がなかったので、より頑丈なハードメイプルで修理しました。

また一つ勉強になりました。


深読み?

「ハイエース」関連に続き、最近は「Yチェア」「Yチェア 張替え」でもGoogle検索で1位を獲得している。

さぞ、張り替えの注文が多いと思われるでしょうが、実際はボチボチ。丁度いいぐらいです。

これが簡単な作業なら、年老いた父親に丸投げして全部ピンはねしてやるんですが、長いことやっている私でも体力的にも技術的にも大変な仕事です。

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今回は九州から4脚。“梱包システム”は送料がかかるけどゴミが出ません。

これからは家具の輸送にも使う予定です。

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破損個所がありました。完全に木取りのミスです。でも、綺麗にパックリ割れているので簡単に治ります。

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この4脚、全くホゾの緩みがない。以前張り替えた、アメリカ滞在中に買ったという2脚と非常に似た印象でした。

お客様に聞くと、デンマークで買ったとのこと。やっぱり。

カール・ハンセン社の日本仕様は品質が悪いような気がします。小柄な日本人なら大丈夫だと思っているのか。壊れたら、また買ってくれると思っているのか。

並行輸入品の脚を切った方がいいかもしれません。(輸入品は2㎝ほど脚長。)

勘ぐり過ぎだったら、ごめんなさいね。


ペーパーコードの強度試験

今日は木工の中でも、ごく限られた製作者にしか関係ないマイナーな話です。

Yチェアに張るペーパーコードは最近、国産品を使っていましたが、きちんと強度を調べようと高知県工業技術センターに持ち込みました。

以前は木材の乾燥や椅子の強度試験でよく御世話になっていました。

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まず、30センチの試験材の重さを計ったら、国産はデンマーク製の77%しかありませんでした。バラつきは殆どありませんでした。

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アナログメータで計るのかと思ったら、パソコンと連動していました。荷重と同時に伸び率も記録されます。

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チャッキング。測定開始!

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切れた。

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大体似たようなデータが取れたので、2本ずつで止めました。

左がデンマーク製、右が国産。強度はデンマーク製が上でした。一本で453キロに耐えます。国産の特徴は凄く伸びるということ。復元性の問題もあり、いいのか悪いのか分かりません。

単位重量当たりの強度は197と200でほぼ一致しました。つまり国産はデンマーク製の77%の強度であるということです。

デンマーク製の方が細いので、沢山張れそうに思いますが、テンションをかけた場合の太さはほぼ同じです。

さら詳しい試験も出来るそうですが、研究者じゃないし十分です。

昔お世話ななったSさんに言わすと、実用上大差ないとのことでした。両者を同じ条件で5年10年と使ってみて評価するのが確実でしょうけど。

まあ、Yチェアの張り替えはオリジナルを使うのが無難ということでしょうか。

国産ペーパーコードの“はやせ株式会社”に問い合わせると「何人かの木工家にもう10年も供給しているが耐久性や強度不足のクレームはない。」とのことでした。


Yチェア梱包システム

最近、Yチェアの張り替えが増えました。矢張りハイブリッド張替えが人気のようです。

しかし、荷物の開封や梱包は手間なものです。お客様は、もっと大変なのは言うまでもありません。ゴミも出るしな。

ほんで、NASAの協力を受け、新システムを開発しました。

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ここまでは前回と同じですが、包材は蛇腹のマットを使います。

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まず、上半分に被せます。ゴムがきつくて一人でやるのは難しい。

片方を出来るだけ奥まで被せるのがコツです。

裏返して・・・・・・

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もう一枚被せて・・・・・・可愛く紐で縛ったら完成です。

先に包材一式を宅急便で送ります。納品が済んだら同じように箱に詰めて、着払いで送り返して下さい。

往復の送料がこちら持ちなのが難ですが、中途半端な梱包より安心です。

2脚以上でしたらシステム使用料は無料です。


Yチェアの梱包

Yチェア2脚を張り替えると、入れ換わりにまた送られてきて、やっと終わったと思ったら、まだ2脚あるという。

つまり、一度に椅子がなくなると困るから、同じ包材を利用して3回往復させていたのです。実に賢いやり方ではあります。

輸送には手間要らずの「家財宅急便」を推薦していましたが、東京→高知が8千円もします。

今回はクロネコの「ヤマト便」で送る方法を説明します。

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重ねてもカックイイな。

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写真のように6か所を紐で縛れば動きません。きつく縛って下さいね。

紐の色は赤じゃなくても結構です。

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上からプチプチや毛布をかけて2ヶ所縛ります。

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裏返して縛ったら出来上がりです。

「ヤマト便」の場合、東京まで2脚で3千円くらい、契約をしていれば2千円くらいです。

張替え料金はこちらをクリック!


Yチェア解体治具

私のブログの読者はダントツ圧倒的に東京都が多いです。何故かは分かりません。2位は英語圏です。これもよく分からない。

今月半ばに、家具の修理やらで上京しますが、直接会って家具の発注をしたい人がいれば連絡して下さい・・・・・・いないとは思いますが。

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クッション入りの張り替えが人気なのか、ぼつぼつYチェアが持ち込まれます。今回は京都から。

7割方は前後にガタがきているので、解体修理をします。外れにくいホゾをハンマーで叩くのもなんですから、治具を工夫しました。(俺のじゃないし。)

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この軽四用のジャッキは、安価で使い道が多いです。

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矢張り、ホゾ先よりホゾ穴が深い。今回は3~7ミリの範囲で、前回よりはましですけど。

きっとホゾ先の長さがまちまちで深めの穴を開けているんだろうと思います。

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ペーパーコードの“ハヤセ株式会社”に「なんとか直接販売してくれないか?」と連絡したら、直販ショップが出来ていました。知らなかった。

静岡の販売店の半値以下です。有難い。

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今度のペーパーコードは異常に綺麗に張れます・・・・・と言っても誰でも出来るわけではありません。

コツがありますが・・・・・・・・・・・言えん。

でも、数をこなせばアホでも出来ることは私が実証しています。


Yチェアの修理

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6脚あるYチェアのうち一つだけ、前後にカクカクするので修理してほしいと依頼があった。

座編みはまだ十分綺麗でしたが、バッサリやってくれとのこと。

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うーん、このホゾ先の形状はいけませんな~。

前にメーカーで張り替えた時にいい加減な修理をしたのか、最初からなのか?

木片を張り付けて、ホゾ先を再度削り出す方法もありますが、そんなに暇じゃないしな。PIボンドをタップリ充填する方法をとりました。

しかし、この個体だけなのか、ホゾ穴がホゾ先より10ミリも深い。難義です。

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前にも書きましたが、上の座面のホゾは細過ぎます。

下の貫のホゾは幅があり過ぎて、材の収縮の影響を受けます。ここを2本の細い貫でつないであれば、Yチェアの故障はぐっと減ると思います。

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ガチガチに組上がりました。

後脚は複雑なラインで曲がっているように見えますが・・・・・・・

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2次曲面なんですね~。

45°に捻ることで深みのある表情を作っているのですね。伊達ではないぞ、ウェグナー!

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ついでに、実家で使っている椅子4脚も修理しました。

このタイプの脚は丈夫なのですが、流石に杉では無理があります。でも20年使っています。これで、後10年は大丈夫でしょう。

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昨年張り替えたスツール。これも内部にクッションが入っています。


ペーパーコード付く?

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お客さんが少ないのでスツールのペーパーコードを張っていました。

実はこのスツール、あるマイナーな筋から「ペーパーコードの使い道はないか?」と頼まれ、やむなくデザインしたんですが、軽くていいので急遽商品に加えました。

ところで、本日の天気ですが、短パン、Tシャツで作業していても、汗だくになりました。

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妙なことはあるもんで、お昼に高知市のお客さんから、ウェグナー・デザインのスツールが張り替えで持ち込まれる。

恐ろしい偶然。

明日あたり、なんか大当たりがあるといいのですが。

しかし、世の中がそのような仕組みでないことは、50年超の人生でよく承知しております。


Yチェア張り替え

このところ、昼間は雑用が多く、夜は飲みに出ていたので、懐は寂しくなるばかりなのじゃ。

もうそろそろ、ブログもいつものペースになるかな?

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久々にYチェアの張り替えをしました。財政厳しい折、貴重な現金収入です。

しかし、久々にやった一脚目は気に入らなくて、計5脚張ったら、手が腫れあがりました。

それでも、張り替えは無心になれて、割と楽しいんですが、荷物をほどいたり、再梱包したりめんどくさいです。お金を稼ぐのは何にしても大変ですね。

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4脚分のクッション。

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紐の結び目は、なるだけ1番下の層に来るようにしないと、クッション材が入りません。

一ヶ所、失敗やな。

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このように、このタイプの座編みには、緩衝材を入れるのが普通なんですが・・・・・面倒なんでしょうね。

座面は、ガチガチに仕上がります。こんなことなら、もっと早く頼めば良かったと、お客さんからメールが来ました。