美しいものには・・・・

ハイエースの8ナンバー化の改造をやっていますが、案外大変です。普段使わない木ネジやべニアも使っていますが、これはこれで別の技術が要ります。べニアはすぐささくれるし、全然面白くありません。

ベット設備については、杉のフローリングの床があるのに、やっぱり作らないといけないようです。友人たちは、マジックで描いといたら、とか水糸張っといたらとか、無責任なことを言っています。どうやら、それなりの構造物がいるようです。コンパネや絨毯を敷いただけではだめなようです。

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この前の続きのYチェアーの話です。特に面白い話ではないので興味のない方は読まない方がいいです。

この椅子が弱いことの、もう一つの原因は前脚と後脚をつなぐ構造材が2本であることでしょう。ペーパーコードを張る部分と貫。これは致命的だと思います。

座面に紐を張るタイプの軸組み構造の椅子では、貫は殆どの場合2本以上です。多くの資料が載っている“UPPER CANADIAN FURNITURE” を見ても、通常は2本、肘付きだと3本、ロッキングチェアーになると4本、都合5本の構造材でつながっています。

Yチェアーの貫はその分、太く作ってあるんですが、貫の場合、太く作ったらいいというもんではないんです。全体に柔構造でありますから、細い貫2本が絶対に効きます。でも、そうなったら下半分が平凡な印象になりますが。

ウェグナーはこの件で製作ともめて、工場の床に寝っ転がって駄々をこねたそうです・・・・当然ウソです。でも、この部分は相当もめたと思います。

ただ、前回書いたように、乾燥がもっとしっかりしており、ホゾの精度がよければ、相当いけると思います。どちらにしても、子供のギッコン、バッタンに耐えられる椅子ではありません。

どうも、落ちが見当たりません。使用にあたっては、座面の張り替えのことも頭に入れておかなければなりません。結構維持費がかかりますよ。美しいものにはそれなりにリスクがあるんですね。

フェラーリやシャコタンは腹するしな・・・・・・・・うまく落ちたかな。


Yチェア張り替え ,完了。

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ここ2,3日に本業以外のことで非常にに忙しいです。ウチは本当に暇な工房なので、珍しいことです。あと、ハイエースの車検が終われば、雑用はすべて終了します。もう一息!

Yチェアの張り替えは、なかなか奥が深いです。いつも100点満点とはいきません、でも段々巧くなっていきます。頭はボケているんですが、手は勝手に動きます。この調子だと痴呆になっても張り替えは出来るかもしれません。

このくらい編んだところで、12枚のクッション材を挿入するのですが、その後はかなり編みにくくなり注意が必要です。

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パーンと張りがあるのが確認出来ると思います。実際やや膨らんでいます。音もパンパンします。座っても座面の落ち込みは殆どなく、異次元の座り心地です。

ハイブリッド座編みと言いたいところですが、前にも書きました通り、古くは馬の尻尾の毛などを詰めて行われてきたことです。なぜPPモブラー社が行わないのか不思議ですが、矢張り手間がかかるのと、座面の張り直しも重要な収入源と考えられていて、早くダメになった方が儲かるんでしょうね。

腰痛持ちの方にはお薦めです。

*ブログの最後に青いチッチャなものが付くようになりました。何かな?


キッチン、だいぶ出来。

今日もよく働いて疲れたので、崇高なYチェアーの話は明日にします。風邪はどうやら治ったみたいです。

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ミニキッチンの製作の様子です。本当に沢山の道具が必要です。特に重要なのはハタガネ・クランプ。大は小を兼ねるわけにはいかなくて、多種多様のものが必要です。

通常の家具製作では使わない、エア釘打ち機も重宝します。今回はかなり本格的なのであまり出番がありませんでした。

下に空間があるのは、タイヤハウスをクリアーするためです。

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本当にちょっとしたキッチンになってしまいました。BOXやランタンが正確にビルトインされます。二つのポリタンクは給水と排水用です。

材は楠です。昔はショウノウの原料になっていましたから、クールミントガムみたいな強い臭いがします。寝られるかなと心配していますが、段々おさまってくると思います。ヒノキも候補にあがりましたが、流石に雰囲気が違うのではと考えました。

商品ではないので、塗装はしません。


体調悪くても、

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乗りかけた船、ハイエースのキャンピングカー登録に向けた改造始まっています。右のオマルは登録にはあんまり関係ないけど・・・。でもすぐれものなので、後で特集します。

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今回は、電動ポンプで水も出るようにしなくてはなりません。シンクは見ての通り漏斗を利用しています。ヨット用の小型シンクはとても高いんです。洒落た植木鉢を利用しようとも考えましたが、機能性を重視することにしました。

こんな仕事なら、体調すぐれなくても、ガンガンいくな。能率上がるし。しかも、結構いい材料使ってるしな。


Yチェアー考察 (上)

久々にYチェアーの張り替えの仕事が来た。厳しいこのご時世に貴重な現金収入だ。なんかバイトしてる感じだ。しかし、間隔が微妙に開くので、やり方をいつも忘れてしまっている。でも肝心の所は体が覚えていて、始めると後は早い。

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今回の2脚は今までで一番状態が良く、肘かけが一ヶ所外れていただけだ。すごく嬉しい。実は、Yチェアーはガタガタになったものが大半で、中には致命的な破損があって、ちょっと修理の難しいものもある。例えば、背もたれのYが折れたものなんか、積層でパーツを作り直すほどウチは暇じゃないし。あんまりひどいと、張り替えは気の乗らない仕事になってしまう。

Yチェアー信奉者には申し訳ない話になりますが、構造的に弱いのでは・・・・・という話は明日にして、長年?木工をやってきた私が感じるのは、材料の乾燥が十分おこなわれてないのでは、ということだ。

外れた部分を見ていると、長年の使用によるヘタリというより、乾燥によってスポスポになったように見受けられます。

実は、木材の人工乾燥は大変難しく、根拠があって言う訳ではないけど、日本が一番進んでいるように思います。例えば、高知県の“乾燥師”は世界で教えているし。木は一定でないので、感性とか目分量とかが必要なようです。

それから、この構造は、材料を吟味して、出来れば一つ一つのホゾをすり合わせるような精密さ、手間がが要ると思います。つまり、量産には向かないと思います。しかし、実際はPPモブラー社の中では安価な量産椅子なんのです。スーパーレジェーラ等と比べると明らかに雑な作りで、貫の部分なんかは研磨が十分でなくてザラザラしています。

「ハッ!ざまーみろ、世界の名作椅子を散々こきおろしてやったわい」

と言いつつ、考えた人も考えた人だけど、作る方も作る方だな。逆に言えば、量産椅子でここまで出来るのかと、考えさせられます。デザイナーがモデラーも兼ねてないと無理ですね。

真面目な話を書くと、時間もかかるし疲れます。


裏技?

う~ん、風邪が治らん。今、全国的に木工家のトレンドは風邪のようです。

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大した話題じゃありません。一般の方は読んでもわからないし、特にお客様は読まないようにして下さい。

これは、先日出来上がった、ちゃぶ台の幕板の部分ですが、反り台カンナのかけ方もいい加減なものですが(上側はどうせ見えない)、一番下に注目!

鋸跡が取れていません。これは、バンドソーで挽き割っていた時、うっかりハチベー、それてしまったのです。この部分を取り去るには、もう一度4枚の板を自動鉋にかけて、20ミリの厚さを19ミリに落とさなければなりません。

厚みを落としたくなかったし、面倒くさいし、勿体ないのでそのまま仕上げました。どちらにしても普通は隠れる部分なので、職人の失敗を残しておくのもいいんじゃないかと考えました。

こういうのは、あってもいいんじゃないでしょうか。

裏は2回塗りで止めてしまったけど6回塗った方が良かったな。

このちゃぶ台は納品に行ったのですが、比較するため持って行った、うんと高い“円卓”をお客様が気に入ってくれて、そちらを購入されました。思う壺じゃ。ウッシッシ。

そんなに商売うまくいくのは、年に1回ぐらいです。

“思うつぼ”は、サイコロ賭博のあの壺だそうです。目が思い通りに出たというか・・・。


ハイエース8ナンバー化に暗雲が、

今日は、なんか昨日よりだるいので木工は止めて、溜まった雑用を片付けていた。その一つが散髪。4月並みの気温で良かった。

それから、高知市内の陸運事務局に車を持ち込んで、キャンピングカー登録の説明を聞きました。そしたら、また数年前より、更に条件が厳しくなっていて、ちょっと決心が揺らぎました。

流しの立ち位置の天井高さが160㎝・・・・その部分の床を剥がさんとな。

私の荷室は全面フローリングで布団を敷いて寝るんですが、ベットじゃないとまずいそうだ。「ほんで、ベットって何よ?布団じゃいかんの?」と聞くと、明らかな答えはなかった。床とは違う何らかの設備がいるそうだ。すごい抽象論だ。俺たちゃ、日本人!なんで布団が行かんのか?

陸運事務局の方たちは荒くれと思いきや、親切でやさしかった。それだけに手ごわそう。

本格的キャンピングカー以外は締め出したい意向だろう。金持ち優遇ですね。家具職人だから、やって出来ないことではないんですが、メリットはあるかな。

トラックや乗用車の高速道路料金の区分のもまだわからないしな。もう1年待ってみるかな。政治家が馬鹿だと、本当に下々の者は苦労します。

紙袋に4億円入れて運ぶ人がシロなのは、どう考えてもおかしいですね。堅気の人間は400万でも現金は持ち歩きません。いつも思うんですが、なんでそれほど金が欲しいんでしょうかね?そんだったらビルゲイツを目指せばいいんじゃないでしょうか。俺も1兆円だったら欲しいけど、一国の権力者があんなチッコイ土地をゲットするのに策をめぐらすなんて情けなさ過ぎます。

政治に全身全霊を捧げて良いかじ取りをしたら、食うには困らないし、賞賛の雨アラレ、多分女も寄ってくる・・・・?そんだけで十分お腹一杯になると思うんですが・・・・・・俺の欲がなさ過ぎか・・・・・今までついてなかったからな。


トグルクランプの使い道

昨夜「やまぶき」で鯨の刺身を食ってきたのに、風邪は良くなりません。飲み過ぎたか・・・?

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昨年、オークションで買ったトグルクランプ、出番がなかったのですが、良い使い道を発見しました。

この金工バイスは木工を始める前、金属彫刻をやっていたときに買ったものですが、重さが20キロ以上ある大きなものです。木殺しに使うことが多いのですが、何かと重宝しています。

長時間使う時は、リフターテーブルに移動して、より楽な姿勢、短い動線で使うようにしています。よって、ボルトで固定しておらず、大きなクイックバイスでその都度挟みます。ただ、この定位置は挟みにくく、大きなレバーが下の棚の邪魔になっていました。

そこで、2台のトグルクランプを使ってみました・・・・完璧や。頭は使いようじゃ。

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ERONのバイスはあと2台ありますが、結構信頼出来るようです。バイスは動かさなければ、でかければデカイほどいいと思います。

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大分片付きました。私の適当な木工で、一番重宝しているのは右から2番目のベルトサンダーだと思います。これも、木工を始める前からの付き合いです。一番古株かもしれません。連動している集塵機は非常にうるさく、なんとかならないものかと・・・・あきらめております。

それから、下に見える洗面器は二日酔いの朝に役立つんじゃなくて、小さなパーツの仕上げなどに右から左へと移すのに使います。スピードこそ命です。


ちゃぶ台完成。

水曜日にプールに行ったら、えらく水が冷たく感じられた。じつは、それからまた風邪をひいてしまった。気合いが足らないとしか言いようがない。寝込むほどではないので、ずっと仕事をしている。

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ちゃぶ台、完成しました。今度作るときには、またノウハウを忘れていると思います。一応、パソコンに記憶させておこう。

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ヒノキは時々使うけど、いいもんですね。軽いので、追求すれば新しい形の家具が生まれる可能性があります。既存の西洋家具は堅木を材料として考えられたものですから。

ところで、冬場は3日も風呂に入らないと、一生風呂なんかなくてもいいような気になりますね。でももう、風邪も飽きたので、今夜はひとっ風呂浴びて「やまぶき」にでも出掛けるかな。


コンターマシン

金属用バンドソー(コンターマシン)を新調した。以前の100Vマシンもさほど不都合はなかったが、懐200ミリは流石に使いにくいし、なにより不細工だった。

Dsc_0004r_5 オークションで競り落としたですが、中古なのに使われた形跡がない。まさかメーカーが社員に給料代わりに引き取らせてるんじゃないだろうな?実は先月も同じのが出ていたんです。 

時代は急激に変わっています。2年前に買った100Vマシンに比べると、3倍も大きいし、溶接機やインバータも付いています。それが同じような値段で買えてしまうんです。恐ろしいですね。デフレスパイラルやな。

本当はネットで見つけた静岡のショップの3点プーリーの“アンドソー”の新古品が欲しかったのですが、先の個展で東京に行った帰りに電話すると、すでに売れていました。いいものはこんな時代でも動くんですね。即断即決や!アンドソーはボディカバーに至るまで総鋳物で振動が少なく精度が出るんです。ただ、3点プーリーは車輪の直径が小さいので、鋸を曲げない2点プーリーの方が本筋であるそうです。(詳しくは知らない)

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この機械には厚物を挽く場合の自動送り装置が付いている。たまには便利かも。しかし、切断スピードは前のとそう変わらず、残念です。ただ、疲れが違うような気はします。

溶接機が付いているので、インカの木工用バンドソーの刃もこれからはロールで買って安上がりです。中抜きも出来ます。

千葉県から福山通運で高知営業所止め、1万円で送られてきましたが、荷主のショップが送る手立てがないというので、こちらでパレットを製作して宅急便で送りました。今、丁度いい高さの台になっています。でも、2階に上げてもらうのにレッカー代が3万円でした。

道具道楽ですね。