木工家専用一覧

アリ組の留め

今日も暑かった。

板の上下にルーターでアリ組のオスを掘るのだが・・・・・・支点と作用点の関係でこれではグラグラした。

台に乗って作業するが、これでも今一。

リフターテーブルを最大まで上げると随分作業がしやすくなった。

当初、30㎜の切削を2回に分けてやってみたが、スパイラル・ラフィングビットでもスムーズでない。安全を考慮して矢張り3回に分けて切削。

端っこ4カ所は別に留(45度)にしなくても良いだろうけど(随分と手間がかかります)、まあそこは木工家の矜持とでも言いましょうか・・・・どうせ暇だし。

手間をかけるのが木工の本質であるとは思う。でも次の人生ではこんな辛気臭い仕事はしたくない・・・・そうは言っても案外仕事は辛気臭いものかも。


ラッキーだった。

早朝は14℃と肌寒い位ですが、日中は短パンにTシャツです。

栃の幅750・長さ2200の一枚板がありました。格安でしたが腐っていて使えないと思ったいました。センターテーブルの注文がありダメ元で引っ張り出してきた。

最初はやっぱりダメか・・・・・刃物もちびるので、判断は早くしなければなりません。でも木表は良好な状態。

脚部には腐りが見られますが、もう少し削れば消えるだろう。

実は反りもあるので3分割して鉋盤にかけました。接着すると分からなくなります。

裏には問題があるけど、拭き漆仕上げなので気にならないと思う。

こういうラッキーな木取りが出来ることは大変珍しい。得した気分になりますね。

Yチェアのオイル仕上げが済んだので明日は張替えです。


吸い付きアリ組

本日は力仕事をしたら汗だくになった。

この小机のサイズ違いの注文を受けた。

正倉院の宝物のレプリカです・・・・だったと思います。「しあじしき」といったと記憶していますが、どの本に出ていたのか忘れました。ググっても出て来ません。

天板と脚は「吸い付きアリ」という技法で組みます。

アリの幅が広過ぎて乾燥で緩みそうですけど、製材して40年経っているから大丈夫だろう。本物もこうなっているし。

しょっちゅうやっていたら問題ないと思うのですが、たまにやると失敗します。精度が0.1㎜単位です。

今回も最初は失敗。上手くいかない時は、必ず原因があります。

ここまで来れば後は比較的簡単です。

  


反り板のアリ組テーブル 3

増税メガネが涙ながらに会見をしていたが、どこまで安っぽいんでしょうかね。ほんま町会議員クラスですね。東大卒でも、今時官僚になるのはかなり出来の悪い人たちでしょうから、日本は本当にどこに行くのか?

妙な減税措置とか給付金、なんか通販みたいです。それに伴う労力も大変だろうな。消費税下げるのが簡単だろうに。

テーブル脚のCUTは「喉チンコ」型が不評なので(個人的に)オーソドックスな形に変更。

木地の状態では分かりにくいので、照明を当てて確認。

ついでに薄板座卓も製作中です。

これも反っているので現物合わせで墨付け。

墨線さえ明瞭に引けておれば完璧に収まります。


汚れ落とし

また退屈な製作が始まった。

反り板のデスクのケヤキは汚れやタンニンのシミが浮いている。

これをたわしや研磨布で擦って洗い流します。しかし、気を付けないと木が膨張してアリ組が合わなくなります。

厄介なのは割れ止めの接着剤の跡。どうもこれは普通の白ボンドでない。

蒸気で加熱したり、あの手この手で除去を試みます。

ブラックライトを当てると残っている部分は白く光る。漆は頑強な塗料ですが、異物が残っていると乾きません。

捨て板で実験したら、この位なら乾いた。

接着完了。

喉ちんこのような飾り面を入れてみました。


反り板のあり組テーブル

室温が15℃を境に寒く感じるのでストーブを点火。オジイになったら段々上がるのだろうか?

本日は自分用の備忘録です。殆どの方には分かりません。

反り板のアリ組は難しい。前回のやり方を忘れている。基準面を作ることが大切です。

反りには頓着せず一定の角度で切り込みます。両テーブルスライド鋸がないと難しい。

このように加工できますが、切れ込み深さは全部違うので面倒。

糸鋸で不要な部分を切り取る。

鋸刃は90度ねじってあります。上手くコントロール出来ないが、ノミで修正して、隙間はパテで埋めよう。

メス側の加工のために線引きします。今日はここまで。


幅広板の平面出し

夕方やっと雨が上がった。

本日は木工家専用です。

今回ブックマッチングで使うケヤキ。幅470×2000。

僅かに反っていますが、どうやって基準面を出そうか?500の自動鉋に通らない場合は、片側電動カンナで横擦りして大体の平面を出して工場に持ち込みます。

ルーターで治具を作って平面を出しても良かったが、かったるいし鉋盤に通るので・・・・・

倉庫に2寸角のヒノキがあった。横切盤を定盤とする。

メルトガンとクサビを用意。

隙間に接着してゆきます。

腹に当たると痛いのでジグソーで切る。

柱の反対側(裏)も数カ所止めておくと落っこちない。

この状態で自動鉋へ。慎重に1mmずつ極低速で削ります。たわむ可能性と集塵が詰まるから。しかし、往復するのに一人で持てる限界の重さ。そういう意味ではルーターを使った方が楽。

7/24日追記 こんなクソ重い物を動かす場合は、加工が済んだら一旦定盤を下げて材料を押し戻し、再セットするのが良いと今気が付きました。

平面が出たら反対側も。革スキなどで簡単に外れます。

ほぼ完ぺき。桑原の自動鉋は幅一杯でもスムーズです。でも最後は引っ張ったりもする。

接着後サンディングまで進む。

やっぱいいもんだなブックマッチングのテーブル板。注文はないんですけど。まだ一組あるのでどなたかオーダーしてください。


オイル仕上げは、

少し暖かくなって来ましたか?

第二弾の張り替えが到着。予定よりも2脚多い。ブラックの主はリフォーム中で3ヶ月ほど預かります。時々あります。当然保管料は頂きます。

長いことやって来ましたがブラック塗装の故障は極めて少ないです。クリアー塗装も少ないです。故障はほぼ木地と言えるソープ仕上げのもの。石鹸で洗ってそのまま浸み込ませます。

ブラック塗装は塗膜が厚く、木地を覆います。湿度に対して木の動きは少ないのが壊れない原因と思われます。塗装には手間が掛かりますが、メーカーの利点としては強度に問題がないけれどシミや変色のある材が使えます。

オイル仕上げは木の呼吸を妨げないなどと言われますが、デパートなどで個展をすると木口から急激に乾いて割れることがあります。一方、樹脂を染み込ませている拭き漆はまだ割れたことはありません。

もうデパートで展示することはないと思いますが、その際は木口に養生テープを張っておくと良いでしょう。

接合部分は膨張と収縮を繰り返すことによって接着剤も切れて来ます。ホゾのオスに十分な乾燥と木殺しが出来ていれば長年耐えると思いますが、Yチェアはそこまでの処理はしていません。仕上げも最低限です。チャイニーズチェアーの1/5の価格帯の普及品です。

いずれにしろオイル仕上げは塗装も楽だし、木地の自然な感じを楽しめますが、耐久性とか強度には問題ありです。


大晦日まで、

怠けていた分を取り戻さなければならないのでずっと仕事です。

現在せっせとテレビの録画をしています。正月はNHKでさえもクソ下らん番組ばかりで困りますもの。

残す部分に印をする。

やっぱり便利な両テーブルスライド。

この後、糸鋸で切断。(ここから先日のブログに続きます。)

レーザー加工機がなくても何とかなりますが時間はかかる。板幅の伸縮は平気で0.5㎜以上ありますので、置き場所によっては全く篏合が合わなくなります。材自体も通しであれば全く問題ないのですが、板目柾目をある程度揃えてないと泣きを見ます。

板厚は10㎜なので大径材を使わないと反って何ともなりません。


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昨日、今朝と氷点下。結氷を確認。

九分九厘まで出来上がっていたテーブルだが・・・・・・

最初の漆で接着剤の残りが確認できた。

使用したボンドはこれ。加熱曲げに試用してみたのだが、結果は×。耐熱性が高いと書いてあったが、PIボンドより遥かに劣る。オープンタイムが長いので今回の組手には良いかと。

2回、3回と漆をかけるとボンドの拭き残しがあらわになる白ボンドより良いと最初は思った。しかし、きっちりサンディングしても出た!

紫外線ライトでボンドが除去されたことを確認しても出ます。

3度目は天板も鉋を使って削り落とした。

でもダメだった。遠目には確認できませんがお客様には出せません。気を取り直して新たに2台制作することに。

タイトボンドは低粘度ですので含浸するのでしょう。溶剤で拭いてもダメでした。実験したらゴリラグルや他のアメリカ製のボンドも同じような傾向が見られました。漆は想定していないのでしょう。ただ、接着の時に完全に水拭きすれば問題ないようです。

私は接着時間に余裕がない時は水拭きはしません。強度も多少落ちると思うし、ブラシでこすると実は広範囲に飛散っていていることがあります。

再制作は進んでいます。僅かな改良も加えて失敗は無駄にはなりませんが、この歳になって勉強はもう嫌。