アートキャンプinしもなの郷(2)

二日目は、ペイントの授業がありました。ダンボールに描いてゆきます。その後、燻製BOXに組み立てるそうです。Dsc_0128 なんか臭くなりそう。

ぺインターは、名人が揃っています。ドキンちゃんの顔がデフォルメされているのは、お菓子の包み紙をそのまま転写したからだそうです。

Dsc_0127 彼の場合は、これは、繰り返されるモチーフの一つです。この後、同色の水性ペイントで余白を塗りました。非常に渋いアプローチです。

Dsc_0084 全然関係ないのですが、山には、地衣類というのでしょうか、目を凝らすと不思議が一杯です。ニョロニョロ。

Dsc_0047 ”しもなの郷”の食事は、素朴で、動物性蛋白質が当たり前になってしまった私たちには物足りませんが、昔の食生活を考えさせられます。

これは、昔ながらのキュウリだそう。くせがなくておいしい。右上はワサビ。

Dsc_0121 お昼は炊き込みご飯。クレソンは下の渓流から採ってきたものです・・・・・これで、十分なんですね、明治初期、外国人は日本人が粗食でよく働くのに驚嘆したそうです。

夜は、若く見える生徒たちも、実は二十歳を過ぎている子も多く、結構飲むのです。これも楽しみです。

その後、図書室(改装して畳が敷かれています)で雑魚寝するのですが「いやいやえん」とか、井上靖の「しろばんば」とか懐かしい、読みたい本が一杯あって、1週間はいられそうです。次回は朗読会をするのも面白いかもしれません。でも、久々の授業に少し疲れました。


アートキャンプinしもなの郷(1)

少し障害のある若者のアートキャンプに講師として呼ばれました。今回が2回目でわりと楽しみな仕事なのだ。殆ど、ボランティアでもOK牧場。Dsc_0048

場所は仁淀川町下名野川の廃校になった小学校を改装した宿泊施設です。

前回、私としては当然、木工(木の枝とかを使った動物作りなど)をしました。生徒たちは普段なかなか加工できない材料に夢中になっておりましたが、やはり危険で、自由に作らせる部分が少なかったので、今回は少し方向転換しました。 Dsc_0087

比較的安価で手に入る”タテズ”をばらして、校庭に立体作品を作ることにしました。

Dsc_0093_2 タコ糸でドンドン連結していきます。

Dsc_0106 二日間、計3時間ほどの制作で、校庭半分ほども拡がりました。我ながら面白い企画で、健常者にも十分楽しめます。このキャンプの授業はすべて、保護者も参加して夢中になってしまいます。私もこういう学校なら、まだ教師を続けていたかもしれません。

Dsc_0011 すぐ下の渓流にはアメゴとアユがいます。もちろん、これは水槽を写したんですが。

あすは、この続きです。


たてまえは、接待。

昨日は、関西からお客様が旅行がてらみえられて、夜は高知市内の居酒屋にご案内しました。一軒目は魚の美味しい「大吉」。皮付きのカツオは絶品でした。青のりのフライも香りがたまりません。接待のはずが、途中から、私がガンガン飲んで食べて、マイペースでした。すみませんでした。しかし、高知じゃ~、遠慮しよったら、なんちゃ~食べれんまま終わるぞね。
Dsc_0034 二軒目はどこにしようか迷ったが、単に私の都合で「ノア」に。でも、ここも高知らしといえば、高知らしいし。

そんなんで、今日はちょっと二日酔い気味。ぶらぶらしたいが、珍しく午後から仕事の予定があります。

このお客様は、昨日、朝8時からホエールウォッチングの船に乗ったそうですが、熱低と台風の影響でやや波が高く、ゲロゲロだったそうです。しかも、クジラが見られず、船長が気の毒がって6時間も走り回ってくれたそうです。おかげで、港にお迎えに上がった時は顔面蒼白でした。最後に百匹程度のイルカの群れに遭遇したそうですが、とてもそれどころじゃなかったようです。夜は、陸酔いもあって、大変だったと思います。お疲れ様でした。


木工家はなぜ貧乏なのか。

木工家が貧乏なのは、経済、市場の仕組みで決まっていることで、なにも難しいことではありません。私もそれに気づいたのは、足抜き出来なくなってからのことで、初めから分かっていれば、木工なんてしてなかったと思います。

木工は、まず作業場がいります。材料は高いです。手道具、電動工具など道具も際限なく必要です。私の場合ショールームも建てており、毎月のローンの支払いは勿論のこと、三相200Vの電気代他、2軒の家庭用電気代がいります。倉庫も借りているので家賃がいります。これでは、少々稼いでも残ることはありません。このように、木工の場合経費がかかり過ぎるのです。その都度、材料を仕入れるとか、山奥の廃校などを利用すれば大分違うかもしれませんが。

工芸の分野で一番貧乏なのは“織り”と聞きます。人間国宝の方でも、マックでバイトするより時給が少ないかもしれません。そして、2番目が木工らしいです。

経費がかかれば、その分高値で売ればよいと考えられるでしょうが、それが出来ない理由があります。ひとつは、なぜか、経費も手間もかかったものほど付加価値がつかないという、芸術界の常識があります。焼き物なんて元は土でっせ、名画の絵の具代なんて、たかがしれてます。しかもすぐ出来ちゃうんですよ。このように、人間はあやふやな、元手のかかっていないものほど、大金を出すように出来ています。私も金があったら欲しいけど。黒田辰秋の木を刳って作った小箱が大体、¥600万。加藤唐九朗の茶碗も同じくらいの値段です。刳り物の箱なんてコツコツやらなければならないですが、茶碗なんて、いい物ほど瞬時に出来ます。逆に付加価値のつかない最たるものは大工さんでしょうか、いくらいい仕事をしても時給ですからね。

もう一つの理由は、これは直に美術商から聞いた話ですが、工芸品が付加価値を生むには、数千点以上の数が流通しないと難しいそうです。やさしく言えばブランド化でしょうか。「うちには、○○先生の皿が3枚もあるざまーすよ!」「なんの、うちなんか猫の皿まで○○先生ざま~すのよ!!」てな具合です。(赤塚不二夫世代じゃないとわかりません)木工家が一年に作れる数なんて本当にしれています。そこを、弟子をたくさん取ることによってクリアーした木工家もおります。しかし、そうなると経営者としての自覚も要りますし、気ままな二日酔いなんて出来なくなるのです。

同世代の陶芸家や、弟子取ってる漆芸家が高級外車に乗っているのを見るとちょっと羨ましいけど、わびしくもあります。「もっと、勉強に使えよ!」私は貧乏すが割と満ち足りています。この辺が木工の面白いところでもあります。 


難破船

Dsc_0002 これは何でしょう?

実は、先の仏壇の金具作りの時、事前に鉄の銀ロウ溶接を練習した残骸です。

広い鉄板と小さな部品を同時に赤めるのはかなり難しいんですよ。でも、コレ難破船みたいで、いい雰囲気出してます。

今度暇なときに、拭き漆の小箱に、小さな動物のつまみの付いた鉄の蓋をつける・・・・・なんていいんじゃないでしょうか。うううっ・・・・・木工家は台所が厳しいので、簡単に出来て金になる、魔法の商品の開発に余念がないのだ。


裏方の道具

今回は、製品の加工にはに直接使われない、裏方の電動工具の1部を紹介します。

Dsc_00161 先日話題にのぼった、ホビールーター。はみ出た銀ロウ落しに、2番目のルーターが重宝します。

その下のペンシルタイプは、まず実用にはなりません。漆の表面を装飾するとかには使えます。4000円だったので問題ないです。いつか出番があるかもしれません。

一番下は、電動彫刻刀です。本格的な機械もありますが、とりあえずこれで十分です。もっといえば、電動は必要ないけど、たまに便利な時があります。

Dsc_00171 これは、まだ一般的でなかった、25年ほど前、オブジェの制作のために買ったメルトガン。最近は使う機会が減ったけど。梱包や仮止め等、あると便利です。パワーのないものは実用に向きません。こいつは業務用で故障知らずです。

Dsc_0022 エア工具です。仕上げくぎ打ち機は、直接家具に使うことはありませんが、工房の棚やDIY、治具作りに必要です。出番は多いです。

右は、ホッチキスのような針が出ます。革や布を固定するのに重宝します。槌で打ち込めばいいようなものですが、1人で引っ張りつつ固定しなければならない場合は、圧倒的に便利です。

電動工具は際限なくいるので、いっそのこと手道具だけで加工した方が、収支は勝るかもしれません。大きな怪我もないでしょうし。でも、汗かくの嫌だしな。


波はフラット。

土曜の夕方に到着した入野海岸。波はインサイドで割れるだけで、ほとんどフラット。今年最悪のコンディションだ。それでも、何とかセットに乗る。今夜、美味しく飲むために、沖にある岩礁「小島」をパドルで一周して来る。幸い、夜は涼しかったが、蚊が車に入り込んでいた。

Dsc_0018 今朝の波はちょっとましだったが、良かったのは朝6時から30分間だけ。「早起きは3文の得」でした。

海から岸を見ると、入野海岸に産み付けられた海亀の卵を人工的に孵化させて、ちょっと大きくなったのを、子供たちが放流していた。いきなり、たった一匹で生きてゆくんでしょうね。

これは、なぜかバケツに一匹。大きく育てて食うとか言ってましたが、真偽のほどはわかりません。川にいる普通のカメに比べると頭が異様にでかいです。


アリラン

Dsc_00031 食いもんネタが続きます。でも、木工は食べること、飲むことが直接かかわって来ますので、これも大切な修行なんです。酒を飲まない陶芸家の酒器なんてシャレになりません。

昨夜は、ピープルスイミングの定例の飲み会。朝倉の韓国料理「アリラン」右上は懐かしいデンプ。

Dsc_00102 石鍋を掻き混ぜているのが御主人。パワフルです。おばさん達は怖いです。

Dsc_00052 パスタみたいなのはお餅です。

ここは、高知大学の前にあるのでとても庶民的なお店で、客が絶えません。でも、、このメンバーが飲み食いするといつも追加料金が発生して、決して安くあがらないんです。交通費とかも考えると、私は少々高くても本当に美味しいお店にいきたいんですが。生きているうちに食える回数は決まってるし・・・・・・・・てなわけで、次回は「やまぶき」になりそうです。


鮪づくし懐石

古くからのお客様が経営する”ホテル奈半利”にお呼ばれして、鮪づくし懐石、秋バージョンの試食をさせてもらった。半分くらい紹介します。

Dsc_0016 お造り。やっぱり南マグロは旨い!大間の鮪なんて目じゃないのだ。このホテルは、母体がマグロ事業なので大安心です。酒なしでこれを食うのはもったいないです。勿論私は、どんどんやります。社長の前でも、酒だの焼酎だの遠慮なく注文できるのは高知のいいところDsc_0024です。

小鉢。果物と鮪の木の実和え。箸休めにGOOD。

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寿し。左下は太刀魚を炙ったもの。

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土瓶蒸し。ビンチョウ鮪のツミレが入っております。これも、酒が進みます。

Dsc_0027 デザートも可愛くって良かったです。私は、甘いのもOKですが、日本のケーキは甘さを控えすぎていて全然だめです。やっぱり甘いものは甘くないと。

ホテルの安いコース料理なんか、カッコつけてるだけで、食材が「ほっかほっか弁当」と同じだったりして、ラーメン屋でチャーハンでも食った方がよっぽど良かったなんてことが多いですが、”ホテル奈半利”は食材の良さでも定評があります。これで¥6000はお得だと思います。高知の方は是非いらして下さい。全然気取ってないのも好きです。

私はタダで、お酒もガバガバ飲めて、お腹一杯になって幸せ。でも、この料理なら毎日でもいけそう。


納品(10)

やっと、本日、仏壇を納品してきました。肩の荷がおりました。連載10回目ですが、単なる偶然です。

11111_2 扉を閉めるとオブジェみたいでカッコいいんですが、実際はめったに閉じることはないと思われます。写真をちゃんと撮りたかったのですが、時間がありませんでした。漆はもっと薄くなってきますので、金具とのコントラストは強くなります。

お客様も大変喜んでくれ、果物とご祝儀まで頂きました。ありがとうございました。

仏壇の注文は2回目ですが、”あの世とこの世を行き来する”せいか、疲れます。ただ単に金額が張るせいかも・・・・・・・。

Dsc_0099 部屋にも納まりが良くてホッとしました。

でも、今回の仕事、これで終わりではないんです。御本尊の大日如来と左右に控える不動明王と弘法大師も作ることになっているんです。しかし、これには安請け合いの私も自信がなく、うまくいかなかったら納品できませんとことわっています。勿論、仏具屋さんで売っているような精密な彫りは出来ません。他の仕事が一段落したら取り掛かります。

今日は屋台で一杯やります。