イスの脚を挽く。

今日のブログはますます専門的で、一般の人にはほとんどわかりません。すみません。でも、そうやって突き放すと気持ち良くなる人もいるので。

昨日、イスの12脚分、48本を旋盤で挽いた。ヒノキは、旋盤加工もスムーズで楽でした。Dsc_00510004

  1. 1、かんな盤を通さずに荒材のまま木取りします。これは少しでも厚く取るためと、省力化のためです。

2、横切り盤で、角を落とし、断面を八角形にしておきます。このほうが、手間はかかりますが、私は切片が飛び散るのが嫌なので、沢山挽くときは必ずします。ツールレストを一度も動かさなくてすみますし。

Dsc_00470002 3、最初に日本刀の先っぽのような刃物で円筒形にします。この刃物は慣れが要りますが、一本で破壊的な荒削りから、デリケートな仕上げまでこなせますので便利です。よく研いでいれば、槍鉋みたいな螺旋形のクズが出ます。

4、次に両端のホゾを仕上げます。精度は±0,1ミリ位です。最後にペーパーをかけて一丁上がり。3分前後です。

Dsc_00480003 使った道具。左の千枚通しのようなものは、センターに穴を押すためのもの。ノギスは旋盤用に先を丸くしています。

旋盤加工はわりと面白いけれど危険で、体調が万全でないと出来ません。ボチボチ休みながらやりますので、結局一日かかります。

ところで、昨夜は波乗り「いのチーム」の忘年会で7時から12時まで飲み続けたので、仕事の関係上セーブしていたのに、流石に二日酔いだ。

波乗り「入野ローカル」関係者の忘年会は大々的にホテルで行われていたが、最後はいつも乱闘になるので、締め出され、今年は居酒屋を借り切ってやったそうだが、やっぱり乱闘で終わったそうだ。毎年、誘いは受けるが、怖くて行けない。

明日は「ピープルスイミング」のおばさん達との忘年会だ。「2時間飲み放題だから、1分たりとも遅れたらいかんで~」なそうだ。

そう言いつつ、結局おさまりつかずに、夜中の2時まで飲んでいたことがあるような・・・・・・こちらの方が・・・・・・よっぽど恐ろしいかも。


イスの座刳りをする。

今日も木工の話ですう。地味ですう。特に女性には面白くないと思われますが、まだしばらく続きますう。

Dsc_00170001 しつこいようですが、予算が厳しいので、イスに座刳りをするのはためらわれた。でも、先のテーブルがシンプルだし、うちも商売ですから、予算がないといって、お客様に喜ばれないようなものを作るわけにいかない。

一丁やったるか。ここは、気合の入れ所かもしれない。一方、座面と地摺りの裏側はナイフマークもとらずに、軽くペーパーをかけるだけとした。

12枚もあるので自作の倣い加工機を使う。

まず、雛形を作る。球面のようだが、後ろがぐっと深くなっている。30分くらいで出来た。う~ん、何事も精進ですね。だんだん速く、上手くなります。それにつれて、道具も増えるけど。

Dsc_00350002 倣い加工機、ほぼ、完璧。

セットするのに1時間くらいかかるけど(自分でも忘れている)1枚の加工は10分弱です。

今回、反り台鉋か槍鉋で仕上げようと思っていましたが、十分カッコいいので、そのまま、ペーパーを軽くかけただけにすることにした。楽や~!・・・・でもやっぱり、12枚はしんどい。

Dsc_00490003_2 しかし、この機械、役立つな~。自画自賛。量産には機械が欠かせませんね。

でも、お客様に聞かれたら「ノミでコツコツ彫りましたわ~。ほんまに難儀でしたわ~。この次は、美味しい仕事頼みまっせ~」ということにする。

何で商売の話になると関西弁になるんでしょう?


テーブル出来ました。

といっても、大分前に出来ていました。今はイスに取り掛かっています。

Dsc_00020001 半分の3台でもこんな感じ。もちろん、さかさまですよ。

今日も、木工やってる人用のブログです。

ちょっと、お恥ずかしい構造ですが、予算がきびしいもので・・・・・。

ところで、通常は、蟻ザンのそり止めを入れますが、予算のない場合、ネジ止めの簡単なものを使います。あまり、当てにならないので最近は全く使いません。

今回は、更に大胆に、そり止めを入れないことにしました。楽だし。実は、十分乾燥した天板が、あまり曲がったことがないのです。せっかくの綺麗な天板にネジを打ち込むのも嫌だし。不細工だし。お客様も長い付き合いですし、問題が出れば対応すればいいのです。我ながら良い考えじゃ。

ところで、ヒノキでの木工は、なんか全然別のジャンルのような気がします。それだけ、いつも使っている広葉樹と違うのです。

チップソーがチーズを切るように滑らかに進んでいったり、ドリルビットがスムーズに切片を跳ね上げているのを見ると、我々の道具は、この木のために調整されているのだと感じます。しかも、ヒノキはトリーマーで面取りしても、さほどつぶれたりしません。楽で~す。

それから、ヒノキは薪ストーブで燃やしても、軽い割には油があって、よく燃えます。

なんか一言、落ちを入れたいのですが、ないので、こもまま終わりとします。


ジビエ料理

Dsc_00140001 これは、鹿の背ロースとヘレです。

ジビエ料理とは、野生の鳥獣の肉を使った料理だそうです。

猟の開けたこの時期、その恩恵にあずかることが多いです。

本来、高級料理であり、もっと味わって食べるべきかもしれませんが、ワインをがぶ飲みして、旨い旨いとバクバク食います。

鹿肉は、淡白で初めての方は、ちょっと物足りないと思われるかもしれませんが、段々よくなってきます。

Dsc_00040001_1 これは、昨夜の猪のすき焼。

日本酒が合います。

火照って、昨夜は布団を明け方まで蹴っ飛ばして寝ていました。

殺生好きの友達がいてよっかった!

(しかし、彼らは別に残虐なわけではなく、自然の事は人一倍気にかけているのです。)

このところ、体重が増加気味で、本来なら今朝の食事は、牛乳だけでも良かったのに、昨夜の両親の忘年会の残り物があり、りんごとバナナとサラダを食べた後、刺身定食、ご飯大盛となってしまった・・・・・・今の時期、青物以外の刺身は一晩置いても全然OKです・・・・恐ろしい。


ヒノキに漆を塗る

齋田さん、ヒノキには漆を塗っております。さほど、大変でもありませんでした。

Dsc_00160001_2 オスモカラーという、ドイツ製の塗料を取り寄せて、手板に塗ってみましたが、パッとせず、拭き漆に決定。

ある意味、デザインに手抜きがあるので、漆で存在感を上げる必要があるのだ。

でも、やっぱり天板6枚、脚24本に漆を塗るのはつらい。腰が痛いです。拭き漆という作業は、意外に重労働で、夏場ならエアコンを入れていても、汗が噴出しますし、冬場ならシャツ1枚でも平気です。結構、頭も使うので余計に発熱するのかもしれません。

それでも漆仕上げをするのは、材料が劇的に変化するし、塗り重ねるごとに重厚さをましてゆくのを、まのあたりにするからでしょう。そうでなければ、こんな地味な仕事は御免です。

通常、うちの場合、6回は塗るのですが、今回は業務用ということもあり、拭き残しを多めにして、3回ですましました。多少のムラも気にしません。

このように多量の仕事をこなすのには、ヘラ使いに習熟しておらねばならず、年季がいります。

また、今回のように分解した状態で塗るか、接着剤を塗って組みあげてから塗るか、ケースバイケースで決めなくてはなりません。

今日のブログは、ちょっと専門的になりました。


図面を引く

今回、本格的なイスの三面図を描いた。初めてのことではないだろうか。

だいたい、イスは複雑というか、微妙なので、実際に作りながら、決定することが多い。

それは、どうも私のせっかちな性分と関係があるのだろう。Dsc_00090001

しかし、今回限られた予算で作らなければならないため、分かりやすい構造にした。図面を引くと、各部品のサイズや、ホゾ穴の位置や角度が正確に出てくるのだ。これは、楽だ。

脚のホゾ組みも、扱い慣れた丸ホゾとした。また、仕上げが楽なように直線を多用した。その分、部材を厚めにとって、ヒノキのたっぷりとした量感で見せるようにした。

「部材を厚めにとって」と言っても、実は市場で買ってきたヒノキの厚みを、そのまま合理的に利用しているだけだ。しかし、実際扱いやすい厚みである。長年ヒノキと対話してこうなったのでしょう。

とりあえず、これで一脚作って、様子を見て一気に残りを仕上げる。

好きなことのみでやっていければよいが、ビジネスはそうもいかんのですね。誰かに手伝ってもらえればいいのですが、各作業、微妙に難しく、危険で・・・・漆はかぶれるし・・・・。

* ところで、「字の綺麗な人は、大物になれない」というように、図面の上手と、デザインの良し悪しは関係がありません。でも、現在なら、アナログ人間の私としては悔しいですが、イラストレーターを使ってスマートに描くのが速いし、便利だと思います。


モノマガジン

モノマガジンという雑誌、ありましたね。あれのパクリです。たまに、自慢のグッズ、便利道具なんかを紹介しようと思いたちました。

しかし、パクリの語源も知らないし、グッズの正確な意味も分かりません。いい加減なもんです。でもブログだから許される~。

Dsc_00070001_2 今回は、薪ストーブです。最初の頃にも一度紹介しました。

これは、木工家の特権で、焚くものはどっさりあります。

恥ずかしながら、一人身なので冬の寒さはこたえます。でもこれがあると、暖か~、で全然平気です。犬もいるし。だから一人なのかも。(いかんな~)

今回は、洗濯物も片付けずに侘しさを表現してみました。

先ほど、ハンターから日曜日に撃った鹿を食いに来んかと、お誘いがありました。ワイン持って行かなくちゃ~。鹿には、ワインとパンがあいます。昨日も屋台に行っていたのに。明日も飲み会なのに。肝臓を休ませないと・・・・・・・でも絶対飲む話は断れません。

「酒飲みは故あらば飲み、故なくも飲む」 セルバンテス


テーブル その2

Dsc_00040001テーブル6台の製作は段々いやになってきた。元々、量産する工房ではないのである。

例えば、テーブルの脚は、24本もあって、そう考えるだけで、しんどい。実際、飽きるので、うっかりミスも多い。

しかし、男一匹、引き受けた以上は、ヤラネバナラネバ。でも、約束の製作過程をブログで追っていくのは、あんまり面白くないので、程々にします。

Dsc_00110003_2 本日は、午後より、タモの盤を買いに池川町の仲林さんの製材所に行く。約1時間のドライブだ。池川町は桃源郷のようで大好きだ。

昔は、紙の原料となるコウゾで栄えたらしく、河沿いの、ごく小さな町なのに居酒屋が多い。前の河原にテントを張って、居酒屋巡りをしようという話がある。

Dsc_00190004 以前は、遊郭だった建物が残っていたが、今はどうだろう。お姉さんはいたりして。映画館も2つもあったそうだ。

目的のタモは、幅が狭いところで65cm位、やや目が粗く、アテているので大胆にもテーブルの脚材として小割にしてもらった。軽くなりました。腰も痛いし。

我々は、広いものはついつい、テーブルや座卓の天板として、製材することが多く、えてして、脚材が不足するのです。

Dsc_00070002 注目は、このキュートなフォークリフト。

電動で音もなく進みます。もう売ってないそうです。


座卓出来ました。

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ヒノキのテーブルを作りつつ、注文の座卓の拭き漆が終わり、組み立てました。

このタモの座卓は定番品でわりと人気があります。天板が洋テーブル用の薄めの板で出来ていて、しかも下側の角を取っているので、よけい薄く見えます。

各部の角を丸めていますが、なぜか緊張感は失われていません。(自画自賛!?)洋室にも合います。実際、今回は洋室で使われるようです。

Dsc_00150001 こんな感じで、漆を塗った後、囲いをして、脱水機にかけた湿った布で覆い、乾かします。

手前に見えるのは、ヒノキに漆を塗ったらの・・・テスト中の手板。

昨夜は、東京からはるばる従兄弟が来ていたので、温泉入って、飲みに行って、またちょっと二日酔い。

ところで杉本君、今年の波乗りの忘年会は、おまんくのすぐ近くやき、こんといかんで。ひとのブログ見て、笑いよったちいかんで。


ヒノキを削る

ほとんど、本業の木工に関する記事の少ない私のブログですが、今回出来るかどうかわかりませんが、テーブルの完成までを追ってみようと思います。

ヒノキを削ると、工房に始終ヒノキのいい香りがたちこめます。しかし、一番強烈なのは、昔、樟脳の原料になった楠(クスノキ)です。生クスノキは箪笥の中のあの香りより、はるかに甘く、クールミントガムを噛んでるような感じ。かなり酔います。檜もやっぱり、甘いですよ。

ヒノキは、食わず嫌いで、使ったことがなかったのですが、数年前に材料持込で依頼を受けてテーブルとベンチを作ると意外に良かったので、たまに使うようになった。Dsc_00010001

これは、テーブルトップの製作。4枚の板を剥ぎ合わせている。都合、2枚分。プロの方から見れば、「模様合わせが下手やな~」と思うかもしれませんが、これは裏です。

適度に柔らかくて、軽くて製作するにも楽だ。

人間国宝の黒田辰秋が「檜は魚で言うなら、鯛。木材の王様」と言っているように、加工が容易でやさしげな割には、確かに存在感もあります。

ただ、檜や杉を使っている木造住宅のなかでは「似たも~の同士なの~よ」ってな感じで面白くありませんし、どうやっても和風っぽくなってしまいます。

よって、檜の研究はもう少し後にしようと考えていたのでした。   

つづく