18点ほどの、こじんまりとした展示ですが、十分楽しめました。
運慶の弟子の作という大日如来坐像は非常に洗練されていて、よくぞ鎌倉期から高知の小さなお堂に残されていたものだと思う。私がルパン3世なら一番に頂きたい。
地物の仏像もちょっと不細工ではあるが、なかなかに味わい深かったです。図録等なかったのが残念ですが、規模からいえばしょうがないか。日曜までですがもう一遍行ってみたいな。
すぐ隣の八王寺は今日がお祭りみたいでテキヤが準備をしていました。
銀杏も色づき始めました。
今日は仕事をしましたが、風邪は完全に治ってないです。腰も痛いのじゃ。
本日はマニアックな刃物の話です。
中央にあるのが塗師刀です。上の小刀と比べると、大きさがわかります。ドスの先が折れたような刃物ですが片刃です。
これは左利き用にあつらえたものです。他の刃物は、右勝手と左勝手と両方いるのですが、塗師刀は漆塗りに使うヘラを削るためのものですから一本でいいんです。刃渡りが長いのは矢張り、引きながら削るからでしょう。普通の人には意味がわからないと思いますが。
10年近く前に買ったんですが、一度も使っていません。私の場合、さっさとベルトサンダーで削ってしまうから出番がないんです。漆を使う者には必須の道具と思ったんですが、木工家は鉋を使ってもいいし、小刀でも代用できます。もったいないので、出刃包丁の代わりにしようと考えています。
でも、この刃物は一度だけ役立ちました。
以前、私の工房の隣は町有地で、バス会社に待機所として貸していました。問題だったのは住宅地なのにバスがずっとエンジンをかけっぱなしで停車していたことです。運転手はもとより、会社にも注意しましたが一向に改善されません。バス会社なんて民意が低いですね。私としては、泣き寝入りは出来ず名案を考えました。
アホになって、塗師刀で棒をスパスパ削りながら運転席に駆け寄って、
「おんちゃん、エンジン止めや~。」とやさしく言いました。(目はちょっと白目?)
これは効きました。一度で誰一人アイドリングはしなくなりました。ちゃんと”申し送り”出来てるジャン。
*この塗師刀は、漆用品店で注文した三木の刃物です。高かったのにホームセンターで2000円で買った小刀と同じ商標が付いていました。相当のマージンが入ってる訳で馬鹿くさいですね。現在は三条の刃物屋に直接注文しています。安いです。下の刳り小刀は左久作。その刃物屋が”気に入らないから”と安くしてくれました。硬いけど切れますが・・・・・私は刃物にそんなに頓着しません。
風邪をひきました。写真のダイニングチェアーが、あと一回の塗装を残して出来上がったので、ホッとしたのかもしれません。しかし、このくらいで情けないです。
実は、ここ2週間ほど腰痛もひどいです。季節の変わり目だからか?高知のサーファーの80%が腰痛を訴えていますので、そうかもしれません。本日は、試しに薪ストーブに点火しています。Tシャツからストーブへ、体感的には秋がないような印象ですね。妙な季節感です。
前回までの椅子に比べて、座面がゆったり、背も高くなっています。逆に笠木の曲率は強くなり、包み込まれるような印象です。大型化に伴い、スピンドルが一本増えています。ダイニングチェアーというより万能型の椅子です。
ちょっとずつ変化していますが、シェーカーらしさはなくなりましたね。座面は厚いですが、栗なので意外に軽量です。
本日は、寝て過ごしましたが、次は仏像を彫らなければならないので、趣味と実益を兼ねて、その方面の本を見てました。実は、この一ヶ月はその準備でもありました。年末の大仕事、出来るじゃろうか?
群馬県からおいでのお客様を、桂浜にご案内しました。私も十年以上も来てないので、御上りさんの気分です。まず、地元の人は行くことはありません。
みやげ物屋が何軒もあって、別世界って感じです。竜馬の銅像と小さな浜があるだけなんですが、観光地ってこんなもんなんでしょうね。
ちょうど、銅像の横に櫓を立てて、「竜馬の目線で太平洋を眺めよう」という毎年恒例のイベントをしていた。非常にくだらないと思っていたけど登ってみると結構面白く、人気でした。
ここが、桂浜。遠足で良く来ました。昨日も、小学生が来ていました。
仲秋の名月の日には、浜にござを引いて、御馳走に大酒を食らう集まりがあります。何人も海に飛び込んで亡くなっています。というのはウソです。私も一度参加したいです。
この日の太平洋はウソのようなベタなぎで、ちょっと寂しかったです。
明日は、はるばる群馬県から、ご夫婦のお客様がおいでなので、午後からショールームの掃除をしていた。お客様が来るのは、大体ふた月に1組ぐらいだろうか。来ればなんだか買ってもらえるので、一人でやってる工房としては、冷やかしの相手をするより、むしろ効率が良い。もともとは、倉庫のつもりで建てたんですから十分です。
それまでは、毎年個展の2,3ヶ月前になると、チークオイルや漆の半乾きの家具と寝食を共にし、すっかり脳と鼻をやられてしまった。今考えてもゾッとするな。皆さん、健康が第一ですよ~!
夜の、ショールームはいい感じです。写真で見れば・・・・でも、ネズミの糞の掃除が大変でした。どこから入ってくるのかわかりません。親指位の穴があればOKだそうです。常連さんじゃ。フンばっかり残していくなよ。
しかし、よく売れ残ったもんだ。でも、これくらいはないと、お客さんが来ても面白くないしな。
明日の夜の部は、私が段取りすることになっているので、楽しみだな。イッヒッヒッ。
日曜日は、写真のH君と前日に連絡をとって、早朝6時から二人で入野松原に出かけた。
若いころは、相乗りは当たり前だったんですが、最近はしない。みんなそれぞれに予定が出来て・・・・・大した用事じゃないのにね。
相乗りは、大正解。日曜の朝は、雨のパラつく曇天で、約束していなかったら、二人とも家でゴロゴロしていたでしょう。
モモも、久々に野生に返って大喜び。こいつは一週間を知っているのか、週末になるとピッタリ、マークされる・・・・・帰ると、つれない。
「どぉー?」
「カニカニ」
(意味がわからん)
昼飯に、 O塾長がニコニコ市で北山鮮魚店の刺身セットを買ってくる。マグロと、アジで380円。クッソ~!!
午後も波乗りして、帰りに、私もニコニコ市で矢張り、北山鮮魚店のマグロのハランボ買う。380円!!
晩酌に、輪島屋の朱卓に根来の皿に盛り付けて司牡丹で一杯やりました。
醤油は、甘くてとろみが付いていて、これがまたいいんですな~。半分はすしで食えば良かったな。胃袋も充実した休日でした。
家でゴロゴロしているのとは大分違いました。

シェーカースタイルの椅子は大分出来てきました。本当に手間がかかるというか、単に仕事が遅いだけというか。
今日は、木工の旋盤加工の棒削りについてで、内容が理解でき、参考になる人は日本に数人と思われるマイナーな話です。
様子を見ていた、背もたれのスピンドルの仕上げをしました。通常一気に仕上げますが、今回試みに、2回に分けました。仕上げでサンドペーパを使うため、ずっと防塵マスクをしているのがいやだったからです。
材は山桜ですが、個体によって挽きやすさがまったく違います。
両端の直径は、切削しながら、ノギスで測ります。回転中、引っかからないよう先を丸めています。旋盤専用です。2台を養生テープで連結しておけばなお便利です。
右のパスは羽ネジでゆるみ止めをしていますが、当てにならず、ホゾには使いません。大まかな外形を測る時に使います。
時々、デジタルノギスで寸法を確認します。プロユースでは“ミツトヨ”以外のメーカーは”銭失い”になりますので気を付けてください。デジタルノギスは一度使うと止めれません。オークションにも出ています。
秋もだんだんと深まって来ました・・・・・と書きたいところですが、庭の撮影をしている間に、蚊に一杯刺されました。仕事中はいまだに、半パン、Tシャツですし。どうなっとんじゃい!
昨日、旋盤加工中、若いカップルがショールームを見せて欲しいとやって来ました。仕事中ですし、
「何かお探しですか?」と聞くと
「特にない」とのこと。
「予約をしてからお出でて下さい」とお断りしました。
お客様じゃなくても、私は若者の訪問に対して冷淡ではないんですが、この兄さんは、ずっと”楊枝”をくわえたまましゃべっていたんです。まあ、俺の顔には威厳も含蓄もないけど。
木枯らし紋次朗であれば、同じヤクザ家業、渡世の義理がありますから、ないがしろには出来ません。しかし、本物の紋次朗なら、事前にその筋からつなぎがあるはずです。無宿渡世の掟は案外厳しいもんなんですよ。
時々、こんな若者が来ます。カップルが多いです。子供もいたりして。親が悪いんでしょうが、こんな調子じゃあ、いい職には就けないと思うし、自営業も無理でしょう。山奥で自給自足するしかないぞ!
ちょっと、意見してやろうかと思いましたが、旋盤加工は非常にデリケートで危険な作業です。平常心が大事です。俺も他人のことより、わが身が可愛い年になったか・・・・・・・。
知り合いのデザイナーのFちゃんに「まあ、俺はもうイラストレータを使えるけんど、まあバイトに来て~。一人でチンタラやるのも寂しいし~。」と偉そうに言ったんですが、パスを上手に使っての背景の切り抜きや、秒殺のレイアウトの技を見ると「ヒィ~!!御見それしました。やっぱり、餅は餅屋じゃ~!」と反省したのでした。もっとも、ラフは出来ていたので2時間そこそこで完成しました。右の案でいきます。
今回、自費で全国紙に掲載するのですが、来るべき恐慌に備えて、まだ息のあるうちに営業を強化しているのです。酒ばっかり飲んでるわけじゃないんですよ。私はペコペコ出来ない性格なので、他人をあてにするよりこういうやり方が向いています。それと、あまりにも貧乏が長かったため、金を残す習慣がありません。
木工家が自費で広告を出すなんて聞いたことがないので、効果のほどはわかりませんが、面白い試みだと思います。出版社には申し訳ないし、矛盾しているようですが、一番の目的は、ホームページにアクセスしてもらうことです。ネット社会の発達によって、評論家やマスコミとは関係なく、素の個人が、自立したお客様に評価される世の中が来つつあるような気がします。
やっと座板が完成しました。ここからは大分楽です。一枚失敗したので2枚追加して、計7脚の完成を目指します。
背もたれのスピンドルは座面の大型化に伴い、一本多くしましたが、どうなることやら。普通なら一脚試作するところですが、今回はぶっつけ本番です。
これは、脚のほぞ先のみ絶対乾燥させる装置です。中に投光機が入っています。
最近は使わないことも多いのですが、脚を加工して、すぐ組む時は必要です。 平気で0.3~0.5ミリも痩せてスポスポになります。この脚には、貫きを入れる穴を開けるのでほぞ先のみの乾燥となります。絶乾後は割れやすいので先に木殺しを済ませておきます。
貫の付いた脚の場合、ほぞは少し緩めです。でないと組み込めません。手で簡単に入り、逆さにしても落ちないくらいがベストです。
試しに一脚組んでみました。完璧でした。
椅子の製作もも、だんだん冶具も増えて、上手く、速くなっていきますが、体力は下降線をたどり、頭はぼけてくるので、これからどうなるんじゃろ~?心配です。
やっぱり、製作する品物の種類を絞るべきでしょうか。