「木のスプーンの制作」一覧
試行錯誤
なるだけ工程を省きたいから。
ゆるゆると、
悲しいスプーンの制作
300円、MAX500円と思われていたのでしょう。厭になりますね。
15年目に、
昨日、そう頑張って波乗りしたわけでもないのに、今日はしんどかった。もう、年だな。
亡くなった輪島塗の鵜島先生のお弟子さんに塗りを頼んでいたスプーンがやっと出来上がりました。半年以上かったぞなもし。
カッケー!プロの塗りはやっぱり違う。俺にとっちゃ~フェラーリみたいなもんだな。
15年前、先生に塗りを頼んだところ「そんなシロートの物が塗れるか!」と言われてから、やっとリベンジできました。
通常、輪島塗は、一回塗るごとに研ぎ出して平滑に仕上げるのですが、鵜島先生の塗りは一回で限界まで厚く塗ります。
厚く塗りすぎると、内部はいつまで経っても乾かないので、見極めが職人芸です。少々の刷毛目もかまわず塗り重ねます。
最後に上塗りをかけて研ぎ出すと、中塗りの色が出てきます。剛健で普段使いの器には良いと思います。
流石に小さなスプーンでは「鵜島塗り」は大人しく仕上がっておりますが、いい感じです。
というか、弟子の余門さんの繊細な性格が出ているのかもしれません。
使うのはちょっと勿体ない。
今回は輪島屋さんのご好意で試作してもらったのですが、うんと注文があれば発注出来ると思います。
場数を踏む。
台風11号やばそうですね。過去のデータ的にも。
本日スプーンの製作完了。45本。
今回は塗り漆の余裕がなかったので拭き漆で仕上げました。
やってみたら難点2つ。
1、通常、朴材を使いますが今回は塗りがないので強度のある山桜を選択。やっぱり硬い。
2、拭き漆だとごまかしが効かないので、木地の精度を2段階位上げる必要がある。
上の写真で一部仕上がっているのは、試しに最後までやってみたもの。
やっぱり馬鹿でも段々上手くなってゆくものですね。
今回は工程を完全マニュアル化しました。ベルトサンダーの粗・細を効果的に使いました。
機械で出来ることは全て機械でやりました。腱鞘炎にならないように、手研磨も必ず保持具に載せて行いました。
上から、初期、2年前、今回。進歩の跡が見られます。
特に商売上意味はありません。ボーナスの査定が上がるわけでもないし。
和紙の古いカレンダーを利用して、
パッケージングもしました。贈答品ですから・
注文主が話が分かる人なので、自由に腕が振るえます。
箱に詰めて完了。
左の圧着器のチューニング法がやっと分かった。
刷毛塗りは難しい。
スプーンも出来ています。
スプーンに仕上げのペーパー掛けをするとき、保持している方の腕の肘や手首が必ず腱鞘炎になるので、バイスに挟むか、一点を作業台に付けるようにします。これから。
錠前作り他、色々な作業をする私ですが、拭き漆はともかく、塗り漆だけは外注した方がいいように思います。
粉を混ぜて色漆を作ったり、ヘラ使い、刷毛の調整など、技術的なこともさることながら、急には出来なくて、また少量では効率が悪いのが塗り漆です。
漆風呂をいい状態に持っていくには、1週間以上かかるし、湿度管理は微妙で湿度計はあくまで目安です。微妙な感覚は、半年経つと忘れています。色漆をチョビット作るのは無駄が多くなります。刷毛を使えるように、保管用の油をぬぐって、灯油で洗って、しまう時は、また同じ作業が必要です。
漆塗りを2,3カ月続けるならば元は取れますが。ほんで、漆塗りは分業なんですね。完璧に出来るなら、これで飯が食えるのですから。
でも、外注する金がねえしな。うんと注文があれば、外注出来るんだがな。
塗り漆の困難さと比べれば、鉋の調整なんてアホみたいなもんですね。
*スプーンのように細長いものは、どうしても漆が垂れてくるので、回転風呂を作らないといけないようです。
*あれほど、乾かなかった呂色漆ですが、シーズンになると良く乾きますね。風呂のデータは同じなのに、不思議なものです。