黒田辰秋のオタク。

私は、黒田辰秋のオタクです。追っかけ?日本の木工界では巨人ですし、外国とはレベル的に比較になりません。仕事の下にあるものが深いんですね。日本は木の文化の国じゃしね。

2000年に愛知県豊田市で開かれた展覧会にも行きましたし、飾棚のある、京都の「鍵善」でお菓子を買ったりしています。

Honn 出版されている本は、大体持っているのではないでしょうか。

一番下は、サイン入りの限定豪華本。川端康成や武者小路実篤等の凄いメンバーが文章を寄せています。ただし、肝心の写真が「絶対、俺が撮る!!」と言っていた土門拳が倒れてしまったので、ショボイです。豊田市美術館が図録を出したので、資料的な価値は低くなりました。

一番上の本は、珍しい1977年に熊谷守一と「二人展」をやった時の図録です。

棗は、商売が良かったころに手に入れました。久々に取り出してみると、やっぱ落ち着くわ~。ウ~ン、損のない買い物じゃった。この棗については、また後ほど。

その割には、重厚な辰秋の作りが、私の製品に反映されていないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、まあ、時代も違うし、性格が軽薄だし。それはそれです。

しかし、黒田辰秋は私にとって一番習うことの多い、工芸作家です。


ハイエースのエアヒーター(FF暖房)

今日は、両親の年賀状をパソコンで作っていたので、ついでにブログも更新しよう。

エアヒータは車の燃料を燃やすストーブで、エンジンをかけなくていいし、燃料消費もごくわずかで、車中泊の心強い味方だ。車の中は、明け方湿気で冷え込むので、南国高知といえども10月から5月までお世話になる。

「あんた~、その金で何泊ビジネスホテルに泊まれるの?」と言ったおばさんがいましたが、そういう問題じゃないし・・・・・少しは考えましたが。ニュージャパンヨットで購入。

Honntai これが本体。左の太いパイプから車内の空気を取り込んで、暖めた空気を右のパイプで車内に循環させる。

小さいパイプは、バーナーを燃やす吸気と排気だ。この作業は車外で行われ、車内はクリーンです。

取り付けブラケットは既製品ですが、不細工だったので、自分で加工しました。

金属の排気パイプが取り付け部分で急に曲がっているのがチューナーとしては残念なところですが、高温になるので近くのパイプやコードに影響を与えないため仕方ありません。まあ、レーサーのエンジン組むわけじゃないですから。

Haikisairennsa 赤い矢印が排気サイレンサー。排気は車外に出ます。青い矢印は、オプションで付けた吸気サイレンサー。ちょっと静かになります。

Kyuukihaiki 車内はこんな感じ。最初はタービンが回り始めるので、ジェット機と同じ音がしてうるさいですが、徐々に静かになります。でも、吸排気口の近くは矢張りうるさい。私は音に異常に神経質です。効率は落ちるでしょうが、パイプを長くすれば静かになると思います。

まあ、エンジンかけるのとは比べ物になりませんが。上にあるのがスイッチです。なかなかお利口で吸排気口が塞がったりすると、自動で停止します。

Batteryタービンや燃料ポンプを作動させるのに電気を使います。 2,3泊程度なら問題ないでしょうが、長いとサブバッテリーが必要です。あれば、パソコンや読書灯が使えて便利です。

この車は、とても重量バランスが悪いので、重いものは後ろに設置。衝突の際はドエライ凶器になるので、床の鉄板にケースごとボルトで固定しています。

床に穴を開けたり、燃料タンクからパイプを引いたり、DIY上級コースです。それと、自動車整備関係に友人がいないと厳しいです。私は丁寧に仕上げて4日かかりました。自分で取り付けるのはお勧めできませんし、やってもらった方が、結局安上がりでしょうな。

20年乗るつもりなら、設置しても元は取れます。

*大型トラックや本格キャンピングカーのように設置場所と睡眠をとる場所が離れていれば問題はないでしょうが、吸排気口の近くで寝るのは少しうるさいです。離れれば問題ないです。静かにするにはパイプを長くするとか工夫がいると思います。


山中の居酒屋「やまぶき」

このところ、海にも行かず仕事をしていたし、一段落したこともあって「やまぶき」に出かけた。断熱したハイエースの耐寒テストでもあったのだが、残念ながらとても暖かい夜だった。

Saba 新鮮な清水サバが、なんでこんな山の中で食べられるか不思議だ。

元々、客の少ない山吹だが、最近は、さらに少ないそうだ。でも、亭主は気にしている様子は全くない。

なんとも、落ち着くところだ。

Oden

濁り酒とおでんで〆ることに。お腹も丁度いい按配です。

店を出て50メートル、一車線の道路が、すれ違い用に広がっているところに止めた車に戻る。通行する車はほぼ皆無。まだ、10時半だが、寝ることにする。

夜半、あまりの雨音に目が覚める。時計を見ると、まだ3時。屋根に、断熱防音加工をしたのに静かじゃないじゃん!稲光もしてきた。

耳を澄ますと、絶対普通じゃない音がする。何か引きずっている音だったり、獣の歩く音・・・・・。昔の旅人は、そりゃー妖怪も見るわな。ここは、境界線から山の領分に入ってしまっている。でも車中泊は、とても快適。

あんまり、雨音がうるさいので、まだ真っ暗い5時に家路についたら、凄い土砂降りでした。帰ると、雷の鳴る夜は、私の股の間でしか寝られない、犬・モモちゃんが「どこいっとったんや!」と飛び出してきた。

でも、面白かったな。また行こう。


大日如来の行方。

先日の「古仏との対話」展で、話題になった大日如来像のことが朝日新聞高知版で取り上げられていた。Sinnbunnkiji

紙面にあるように、須崎市の小さなお堂に祭られていたのだが、運慶の息子の湛慶の工房作と確認され、今後防犯面でどうするか、問題になっている。

先にザザビーズで落札された運慶の大日如来が13億というから(今だったら、グッとリーズナブルと思いますが)こちらはちょっと小さいが、1億位はするんじゃないか?俺も欲しいぜ。

この、ちょっと小さいところも、コレクターにはたまらんでしょうな~。しかし、こんな像を私物化するような、了見の狭い人間のところに連れて行かれたら、如来様も可哀そうでしょうな~。

私は、こうなることはわかっていたが、展示会が悪いというのではなく、人の世は面白いな~と。「無名のままが良かった」という地元の人もいるそうだが、これだけの品物はすぐ目を付けられます。今回、評価されて事前に対策がとられる方がいいです。

Nyorai1 大分レベルは落ちますが、私の造像もお大師様が出来、最後の如来様にかかっています。

写真の像は、どうも気に入らないところが出てきて、新たに作り直しています。まあ、そんなに悪くはないのでとっときます。

本日、施主様がみえられて、気に入って頂けたので、一安心。

明日は、乗っかる、蓮華座を作ります。これも大変。それから銀版で装飾をしてやっと完成です。


カシキ砦

Photo 仁淀川を、我家からさらに、6,7キロ上流に上ると鹿敷(カシキ)はある。

そこに、夜な夜な荒くれ者たちが集う砦があるという・・・・いやあるんですが。

川のものと言えば、アユは言うに及ばず、ナマズ、ウナギ、ゴリ、手長エビ、スッポンなど。

山のものと言えば、猪、鹿、熊、ハクビシン、各種鳥類。(熊はウソです。ハクビシンも獲ったらいかん)いろいろな野の料理(焼いて塩をつけるだけかも)で酒盛りが行われているらしい。

獲物が獲れた晩には、豪勢にかがり火が焚かれるという。私も参加してみたいのだが、なかなかに危ないらしい。元々、夏に近所の酒飲みが、涼しい河原で晩酌をしたのが最初だそうです。

Kasiki 収納の箪笥なんかも備え付けてあって、古くなったら、大水の時に流してしまうそうだ。大胆じゃ。でも、今年は台風は来ず。

しかし、よく見ると小さなユンボまであって、猪の蒸し焼きでもするつもりなのか。


沢田マンション

沢田マンションは高知のその筋の人では知らない人がない偉大な建築物です。今では全国的に有名になったといってもいいでしょう。なんと専門書が2冊出もています。

キラニュース№12でも紹介しています。

ご夫婦で、すべて独力で建てられたと聞いています。木の造作物を作るための製材部屋や木工所もあると聞きいてます。

Photo 軽トラで3階まで上がれてしまう便利な構造です。

各戸のベランダが通路として繋がっているというか、部屋の前が道というか、住民同士風通しがいいです。

屋上のクレーンはまだ現役と思われ、右端の塔は手製の昇降機です。(エレベーターとも言う)

オーナーの住む、屋上には空中庭園ならぬ、空中”田んぼ”があるそうで、収穫時には餅をついて住民一同、祭りに興じるそうです。

御世辞抜きに素晴らしい建物です。違法建築で、市職員の調査時には住民がコンクリートブロックを落すという噂ですが、建築基準法以前から始まった建物であるというのが本当のところらしいです。

しかし、シャブコン使ったり、鉄筋を間引いたりしていないでしょうから、地震後に案外残っているのは沢田マンションかもしれませんね。

ボチボチ空き室も出るそうで、是非住んでみたいが、家もあるし、そこまで酔狂は出来ません。はす向かいのヤマダ電機に行った時に、ちょっとのぞいてみる位です。


ルーターマシンROA-151のセンターピン

Photo 今日は久々に木工機械のブログです。

中古で買った庄田のルーターマシンには18㎜という中途半端なセンターピンしか付いておらず、直径12、20、40、50㎜のものを注文した。差し迫った用事はないのだが、木工では先へ先へ段取りを進めていかなければなりません。

写真の50㎜は現世で使うことはあるのかしらん。軸径は16mm。

ところで、庄田から届いたセンターピンはどれも錆や傷のある在庫品で、しかも旋盤初心者が作ったと思われ、形にしまりがなく、ガタはないものの気分が悪い。ルーターマシンが置かれている現状を垣間見た気がした。

Photo_2ついでに機械屋が、NC用の軸径20㎜の兼房のラフィングビットを見せてくれたが、カッコいい。これだけ太けりゃビビらないでしょう。

12㎜だとこんな感じ。繊細な加工しか出来ません。

今回、インチサイズのスリーブも注文するつもりでしたが、15,000円もするそうで、諦めました。16㎜のスリーブはオークションで3,000円で手に入ったので、高過ぎると思います。

まっ、頑張って使わなきゃ。

Photo_3 現在制作している仏像の装飾に使う銀板、銀線、ネットで手に入れました便利な世の中ですね。

右上は100円ショップで見つけてきたビーズ細工用の材料、なんでも工夫しないと。

仏像の制作もやっと先が見えてきました。良かった、良かった。


仏像とパソコンとデジカメ。

現在、弘法大師の制作に取り掛かっています。こんな服?袈裟?着たオッサンは近所にいないので困ります。お寺さんにでも行ってみようかとも思いましたが、何とか想像力でカバーすることにします。

Photo 最初にクレイモデルを作ります。考えてみれば、粘土で出来ないものが、木彫で出来るはずはなく、雛形をきちんと作るのが早道です。

それから実際に彫りだすのですが、木から大まかな形を切りだすのにパソコンが活躍します。

まず、歪まないようにデジカメの望遠レンズで前後左右、上からも撮影します。フォトショップで加工し、実際の寸法にプリントアウトします。それを材料に写し取って、写真のバンドソーで切断すれば、正確な荒取りが出来ます。

といいつつ、なるだけ楽をしようと、ギリギリの木取りをして失敗しました。”急がば回れ!”ですね。

結構スリムに作っても、撮影して平面になっちまうと、デブ~って感じです。テレビに出ると太って見えるというのはこのせいですね。


なんとか、不動明王。

Dsc_0008_3 頑張って制作してきた不動明王、何とか形になりました。素朴ではあるが、心がこもっているからいいのだ。ということにしておくのだ。というわけで、施主様許されよ!

俺も結構、根気良くなったもんだ。その点は感心する。でも、施主様と話をしたり、ブログに出さなかったら、投げ出していたと思います。まあ、なんでもトライしてみるもんですね。

我身を写真に撮って気が付いたんですが、木刀を持って、このポーズをとると、体は凄く捩じれるんですね。剣なら尚更でしょう。しかし、運慶の像も直立気味です。立派に見せるための造形で、あり得ないと思います。

しかも向かって右に傾いている像ばかりなんですが、実際は上体は左に傾くんです。俺の体が異常なんだろうか?でもそうなると、非常に不細工なんで、鏡をカメラの後ろに置いて修正、逆反りしました。

桂という木は、彫刻しやすいんですが、やや軽いので細かいものにはどうかしらと思ったんですが、順目に刃物を当てていくと、実にしっとりとした味わいになります。もちろん、サンドペーパーは使いません。そんな事をすると白くなってしまいます。

Dsc_0012 岩座に火焔光という光背を固定して、そこに本体を取り付けました。

彫刻刀と小刀は沢山要ります。そしてギンギンに研げてないといけません。そんなに力は入れないので怪我をすることはないようです。


初物。

Dsc_0032今年も猟が解禁になり、鹿肉のご相伴にあずかりました。 いの町のディアハンターこと、O塾長宅にて。

モモのロースト。毎度のことですが、今回は冷凍したストックではない分、おいしいです。

Dsc_0041 ワインもボンジョビーヌーボーといきたかったのですが、高いし旨くもないので、チリワイン。濁り酒の猪口は、鵜島先生作の根来です。

Dsc_0033 鹿料理には合いませんが、O塾長宅は、和定食とラーメンの「大田食堂」をやっていて、結構な御通しが出ます。こっちの方が美味いかも。

Dsc_0045 鹿のステーキ、黒イチジク添え。シカは甘いソースにも合いますね。御馳走様でした。

本人たちは好きでやってることとはいえ、シカ猟は大変です。

ライフルによる遠距離射撃が多いのですが、谷超えのショットの場合、鹿を谷に降ろして、今度は道まで担ぎ揚げなければなりません。半日かかることもしばしばだそうです。大きな個体はその場で解体します。

家に帰っても、シカ肉は筋が多く、食べれるように御世話するとヘトヘトなるそうです。

美味いもんを食べようと思うと、ゆるくないわけです。ありがたいこっちゃ。

幸い、このシカは林道にいたところをズドンとやったそうです。安らかに眠られよ。