拭き漆の回数

昨日は夕方川SUPトレーニング。向かい風の中、必死で漕いだがフルスーツでも汗にならなかった。

翌朝はすぐに起きられません。でも今朝は何ともなかった。晩酌で食べたカツオとニンニクが効いているのだろうか?血圧も上が100であった。まあ、弱い降圧剤飲んでますけど。

本日のブログはお客様への説明用です。

立てかけてあるのが現在制作中の文机の天板。2回塗ったもの。手前は2年ほど前に作った6回塗り。

この写真で差は分かりにくい。同じ山桜です。

色味は塗りたてが赤黒く焼けていますが、時間が経つと漆は透明に近くなり、同じになります。

これでも差はよく分からない。

立てかけたら一目瞭然!右の2回塗りはマット調です。

これはこれでカッコいい!

5.6回塗るとしっとり落ち着いて縮み杢などが浮き出てきます。

以前にも書きましたが、拭き漆は1回目で7,2回目で3の漆が木地に吸い込まれます。以後は表面にコーティングする感じで回を重ねます。全体に塗って、丁寧に拭き取ります。恐らく、表面に残るのは米粒くらいの量です。車のワックスがけと同じです。

1回目は大量の漆が必要ですし、ムラになりやすいので気を使います。最初のころはヘラを使っていましたが、手早くしないと溜まりの部分が濃くなるので現在はタンポ刷りです。

吸い込みがなくなる3回以降は楽に作業できます。3回塗り、4回塗りですと妙に中途半端な状態で仕上げとしてはあり得ないです。木地の状態を見て5,6回塗ります。面倒になったらやめるのかも。神器などでは千回・万回塗る場合もあるといいます。

昔から玄人筋では拭き漆は2回で十分ではないかという声がありました・・・・が、矢張り高く売るには6回塗って立派に仕上げないといけないかもとか。確かに高級感は出ます。お茶をする方も2回塗りを支持される方は多い。(塗り漆は別です。)塗を重ねて”こうべった”感じになるのが嫌なそうです。

”こうべる”① 人の機嫌をとり、ことば巧みにしゃべる。② 高慢なことを言う。
土佐弁ではおしゃれする”・”ちょっと気取る”から名付けたオリジナル品種です。

ただ、2回塗りはムラが出やすいし、ごまかしが効きません。

今回は2回塗りがいい感じなのでお客様に聞いてみようと思います。耐久性も変わらず、10年毎日使ったら手油もしみ込んで判別は付かないと思います。