木工家の良心

極悪非道な木工家にも、少しは良心というものがあって、たまには心を悩ますことがある。Dsc_00200001

写真は、現在製作しているダイニングテーブルの脚の部分だ。

4本足から2本足のこのタイプになって、一度も4本足を作ることなく、続いている。

脚は、部材の強度と正確な仕口が命だ。

そこで、この材料、シオジなんですが、重さが1,6kg、比重が0,45しかないんです。う~ん、やっぱり軽すぎや。せっかく、ここまで作ったのに~!普通に使う分には問題ないのでしょうが、もしも、地震とか非常の場合を考えると心もとない。(家がペシャンコになった場合はどちらにしても運を天に任せて下さい) それに、イスの脚と干渉するので、柔らかいと傷が付きやすいのです。

じゃあ、なんで、はなからそんな軽い材をと思われるかもしれませんが、このような分厚い材はあまりストックがないのです。本日は、秘蔵の盤から切り出して、作り直していました。いつまでもクヨクヨすりより良かったです。

このような、目の詰まった軽い材は、ヌカ目といって、狂いがないので精密な指物に向いています。それを柱に木取っていたのは、周りにキズがあったとか、そんな理由だったと記憶しています。

* よく、「ケヤキですか。それなら丈夫ですね~。重いでしょう?」なんて言われますが、とんでもない。ケヤキやシオジといった木は個体差が大きく、軽いものと、目が粗く重いものでは比重は倍も違います。使い方も全然違ってきます。山桜のように比重が殆ど変わらない木もあります。不思議です。

コメント

  1.  忙しいところすみませんが、写真にも写っているテーブルリフターの寸法などを教えてくださいませんか? いま私も入れようと思っているテーブルリフターは中古ですが、テーブルサイズはいくつかあるということなので、いちばん使いやすい大きさ・仕様のものを購入したいと思っています。業者の保管倉庫が近ければ自分で直接見に行って確かめればいいのですが、県外でちょっと離れていて簡単には行けないので。よろしくお願いします。

  2. kira より:

    テーブルサイズとかは当HPに載っておりますので、参考にして下さい。このサイズが多いようですし、普通の家具を作るには丁度いいとおもいます。

    もっと大きくても、別段不都合はないようにも思えます。小さいのは困ると思います。

    いずれにしろ、自作の天板は、機械より大きく作る必要があります。

  3.  一度どこかで見たと思ったのですが、吉良さんのHPでしたか。これは失礼しました。再度拝見しましたが、たいへん参考になります。中古の機械は選択肢が狭いので、なかなか自分の希望にぴったりというのは難しいですね。新品に比べればずっと安いとはいえ、「安物買いの銭失い」にならないように慎重に選びたいと思っています。