塗りの準備

今日も一般の人にはわからない木工家専用のブログです。

木のスプーンの塗りの準備をしています。納期がぎりぎりなので、先へ先へ段取りを進めなくてはなりません。今回は久々に漆風呂を使うので、1週間前から湿を打って調子を出すようにしています。

Dsc_000955 これは、手持ちの呂色漆を乾くかどうかチェックした手板です。古いものもありますが、大丈夫なようです。漆はあんまり古くなると乾かなくなるんです。

以前、京都のS商店から国産赤呂を買って、チェックをせずに使ったところ、乾きません。かといって拭き取ることも出来ず、漆芸家に泣きついたところ”膿む”といって、どうしようもない状態だから廃棄するのが一番いいとのこと。残酷じゃ~!諦めきれずにいろいろ試みましたがだめでした。スプーン全部に塗ってしまったので30万円ほどの損害でした。思いつきで店を替えたのが間違いでした。文句も言ってないけど、ここに発表しておきます。チェックしなかった私も失敗です。漆仕事に関しては全て”急がば回れ”で進めなくてはなりません。

拭き漆の漆がどうも乾かないと思ったら、漆自体が悪いことも多いです。また、純国産漆と書かれて出回っている漆もブレンド品みたいですね。ブツの純度が低いな・・・・・・・とセンター街の怪しいイラン人も言っていました。

私は、今は信頼できる闇のルートを確保していますが、普通の人が漆を求めても良いものは得にくいと思います。Dsc_0002323

木地が出来ました。納期に自信がなく、70本しか出来ませんでした。

無理をしたので爪と肉が剥離しそうです。腱鞘炎もひどい。

今回は塗り漆なので、木地は少しいい加減です。