漆塗りのスプーンの製作、最後にアクシデントがありました。順調に推移してきた漆塗りでしたが、上塗りの残りの半分、最後の最後で失敗しました。
これは、快適な波乗りをもたらした、異常な気温の上昇のせいです。土曜日、室温の上昇に伴い、漆室(むろ)の温度も20度近くになっていることは分かっていましたが、通常温度が上がれば、湿度は下がるのであまり気にとめていませんでした。
ところがどっこい、温度が上がると、室の木からどんどん水分が排出されるみたいで、様子を見るために扉を引くと”モアッ”という蒸気が!「こりゃいかん!!」と思いましたが後の祭りで、速過ぎる乾燥で出来る”皺”が出ていました。しかも、乾燥が早いと、漆のまったりとした艶がなく、なんかすごく安っぽい感じになるのです。
なぜか、黒漆は、セーフでした。高湿度の状態が短かったのと、やや古くなっていた漆が幸いしたようです。
普通の人が見てもわからないかもしれませんが、そこは気分の問題で、50本をやり直すことに。
この砥ぎ出しは時間がかかります。失敗のつけは大きいのじゃ。本日、ようやっと最後の塗りが終わりました。明日、室を開けるまではわからないけど。
まあ、こうやって失敗して学んでいくんですね。今回の塗漆の進歩は大きかったです。
コメント
無事リカバリーできたのですね
よかったよかった
「アクシデントのない仕事は仕事ではない」
byべあちゃん
しまいにはなぐられそうですね・・うひひ
昔、3か月もかけて、車のステアリングを200もデザインしたのに、企画自体がぽしゃったこともあったな。
でも、木工は実材ですから、うっかりミスが莫大な損失を生むこともあるんでっせ。