仏像の制作一覧

位牌の製作 3

終日雨。令和になるといってもピンと来ません。

天皇陛下はクソ政治家や公務員よりずっと働くよな。ご苦労様でした・・・・って俺の言う事じゃないですけど。

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製作には色々道具を作ることから始めます。

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今回、将棋の駒の作り方が書かれた本は参考になった。この本は30年ほど前、漫画家の永島慎二さんから直接頂いたもの。

「漆芸の伝統技法」は大変分かりにくい。漆芸に関する本は何冊か持っているがどれも分かりにくい!秘技なのか?分かり易いのを書いたら売れると思うけど・・・・・いや買う人はいないよな。

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何とか出来ました。

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少し盛り上がっております。

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逆光で一枚。

先日、東京からお客さんが取りに来られました。難儀な仕事でした。

位牌というよりは仏壇に近い気がしますが、専門的には矢張り位牌なのだそうです。

技術的に習得するものは多かったが、それを生かすことは今後あるかどうか?

 


位牌の製作 2

急に暖かくなったので体調がすぐれません、出入りの機械屋も同じことを言っていた。

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位牌の文字を入れるのに使用する道具。蒔絵筆は流石に使い易い。

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左上の拡大鏡はモノタロウの「大阪魂」というブランド。難波のど根性見せてもらおうかい!と注文したら、まんま中国製でした。

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これだもんな。アマゾンでも売ってるし、アリババならもっと安いだろう。右下の拡大鏡は日本製です。割といいかも。

しかし、左目が軽度の緑内障、中度の白内障で細かい仕事はつらいです。

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手板で何度も練習した。ピンセットは自作。

漆が乾く寸前に箔を落とすわけですが、漆を盛り上げると、薄い周辺部は速く乾き、中央の厚みのある部分は乾いていません。どうもこれでは無理。専門書にも大変困難と書いてあった。

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何とかこの位は出来ましたが・・・・・・

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思い切って擦り落として、拭き漆からやり直すことに。

上から金粉を撒く、金漆でそのまま描く等考えられますが、今回はレジンを使ってみようと思います。


位牌の製作 1

本日はTシャツ・短パンで仕事をした。本当に春がない。5月から11月まで猛暑という噂もある。

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何と位牌の発注があった。物がモノだけにご本人の許可を貰ってUPしている。

数点デザインを考えて見て頂いて宝珠の形に決定。普通の位牌ではないから。20年ほど前に手に入れたケヤキの骨木。

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芯と芯を固定して挽く。こういうのは普通ないでしょうね。

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慣れない形でスキューチゼルを久しぶりに使ったらロックさせて焦りました。心臓に悪いけどこの刃物じゃないと綺麗に削り出せない。

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まあ、こんなものかな。なんとのうアレに似ていますが、その後何度も削り直しました。

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『七世父母霊位』はググってみて下さい。

レーザー加工機で治具を作って印字したがこれは失敗。文字間がおかしい。元々平面にしか使用できませんから。

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工夫して何とか出来た。拭き漆をして錆を入れた。

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将棋の「盛り上げ駒」と同じやり方で文字を浮かび上げて箔押しをするつもりです。

もう大分先まで進んでいますが今日はここまで。


御本尊を納める。

昨日、無事御本尊を納めることが出来ました。施主様にはお代のほかに、ご祝儀やお酒まで頂きました。しかもその辺の酒ではなく、御当地、司牡丹の「自由は土佐の山間より」超辛口でした。気配りが嬉しいですね。

今回、商売としては厳しいものでしたが、勉強させてもらってご祝儀まで頂いて、幸せなことです。そのかわり、私もプロとして恥ずかしくないレベルの仕事はしたんです。

Gohonnzonn3tai 栃の拭き漆と桂の木地は良く合いました。仏壇と御本尊の作者が同じというのは稀有な例と思います。

ブログなので簡単に仏像の制作で感じたこと・・・・・

1、仏像は何らかの呪術的目的でつくられたのではないかという気がしました。プロテスタントとカソリックが血みどろの戦いをしているように、宗派間の対立とかあったんじゃないでしょうか。

2、ちょっと、矛盾しますが彫っていると、慈悲の心とか、なんとか感じますね。先週テレビでマザー・テレサをやっていましたが、今までになく共感しました。単に年取って涙もろくなっただけかも。

で、いまだにハマっていて、小説読むのは置いといて、仏像関係を勉強しています。土門拳の「古寺巡礼」は写真もさることながら、文章にも力があり読みごたえがあります。

でも、仕事は家具作りの方が楽みたいです。


最後の仕上げ。

Photo 仏像の製作、本日でやっと終わりました。長かったな。あんた、ほんまによう頑張ったねえ。でも、アホやねえと自分に言いたい。これはねえ、技術とか才能じゃのうて、気持だけでここまでもって来たんですよ。

先日、テレビでダイエットを成功させるため、自分の体をブログで公表し続けた男性の話をやってましたが、私も似たようなものでした。

ブログと施主様がいなければ出来ませんでした。ちょっと、いきなりハードルが高過ぎたわ。

それでも、多少不満はあるものの、上出来じゃ。銀のブレスレットの幅は、2mm弱です。何に使うか知らないけれど、ビーズショップにあった、軸径0,5㎜のピンを加工して止めました。

Photo_2 冠を作るの図。6面と思っていたら、5面でした。

まず、紙で作って、図柄を考えます。銀板は0,3ミリしかないので流石に、ヘグナーの糸鋸でもバタつきます。秘伝の方法を開発しました。言えん。

銀ロウで溶接は簡単でした。プロパンバーナーを使用。このバーナは火口が極小で大失敗だと思っていましたが、ここで活躍。やっぱ道具が仕事するぜ。

制作も佳境に入ると、左上のタクシーの運転手さんの手袋をしての作業になります。

後は納品。きれいに仏壇に収まればいいがな。


彫刻の仕事。

御本尊の製作、大分出来ました。あと、銀で大日如来様の装飾をして完成です。よくもまあ、こんな仕事を引き受けたもんだ。しかし、背に腹は代えられないもので。

Gohonnzonn お大師様の椅子は、4,5㎜のほぞで、組んでいます。ここだけ、家具の仕事じゃ!!

Tou 今回使った刀はこの位。小さなものが多いし、もっと小さな刀があと数本要ることがわかりました。

電動彫刻刀は木口面を切る時重宝します。オートマックは、フレキシブルシャフトが重くて意味ないじゃん。天井から吊らないと。専業でガンガンいく人にはいいと思いますが。流石にパワーはリョウビのオモチャとは違います。

Gurainnda 荒取りに、奥まった場所に使った工具。一番下のトリーマーと言うか、商品名ミニグラインダーが活躍しました。

大変な思いをしましたが、良い経験でした。スキルUP出来たと思います。

早く、普通の木工がしたいです。

でも、年取ったらこんな仕事も頭に入れておかなければ。


大日如来の行方。

先日の「古仏との対話」展で、話題になった大日如来像のことが朝日新聞高知版で取り上げられていた。Sinnbunnkiji

紙面にあるように、須崎市の小さなお堂に祭られていたのだが、運慶の息子の湛慶の工房作と確認され、今後防犯面でどうするか、問題になっている。

先にザザビーズで落札された運慶の大日如来が13億というから(今だったら、グッとリーズナブルと思いますが)こちらはちょっと小さいが、1億位はするんじゃないか?俺も欲しいぜ。

この、ちょっと小さいところも、コレクターにはたまらんでしょうな~。しかし、こんな像を私物化するような、了見の狭い人間のところに連れて行かれたら、如来様も可哀そうでしょうな~。

私は、こうなることはわかっていたが、展示会が悪いというのではなく、人の世は面白いな~と。「無名のままが良かった」という地元の人もいるそうだが、これだけの品物はすぐ目を付けられます。今回、評価されて事前に対策がとられる方がいいです。

Nyorai1 大分レベルは落ちますが、私の造像もお大師様が出来、最後の如来様にかかっています。

写真の像は、どうも気に入らないところが出てきて、新たに作り直しています。まあ、そんなに悪くはないのでとっときます。

本日、施主様がみえられて、気に入って頂けたので、一安心。

明日は、乗っかる、蓮華座を作ります。これも大変。それから銀版で装飾をしてやっと完成です。


仏像とパソコンとデジカメ。

現在、弘法大師の制作に取り掛かっています。こんな服?袈裟?着たオッサンは近所にいないので困ります。お寺さんにでも行ってみようかとも思いましたが、何とか想像力でカバーすることにします。

Photo 最初にクレイモデルを作ります。考えてみれば、粘土で出来ないものが、木彫で出来るはずはなく、雛形をきちんと作るのが早道です。

それから実際に彫りだすのですが、木から大まかな形を切りだすのにパソコンが活躍します。

まず、歪まないようにデジカメの望遠レンズで前後左右、上からも撮影します。フォトショップで加工し、実際の寸法にプリントアウトします。それを材料に写し取って、写真のバンドソーで切断すれば、正確な荒取りが出来ます。

といいつつ、なるだけ楽をしようと、ギリギリの木取りをして失敗しました。”急がば回れ!”ですね。

結構スリムに作っても、撮影して平面になっちまうと、デブ~って感じです。テレビに出ると太って見えるというのはこのせいですね。


なんとか、不動明王。

Dsc_0008_3 頑張って制作してきた不動明王、何とか形になりました。素朴ではあるが、心がこもっているからいいのだ。ということにしておくのだ。というわけで、施主様許されよ!

俺も結構、根気良くなったもんだ。その点は感心する。でも、施主様と話をしたり、ブログに出さなかったら、投げ出していたと思います。まあ、なんでもトライしてみるもんですね。

我身を写真に撮って気が付いたんですが、木刀を持って、このポーズをとると、体は凄く捩じれるんですね。剣なら尚更でしょう。しかし、運慶の像も直立気味です。立派に見せるための造形で、あり得ないと思います。

しかも向かって右に傾いている像ばかりなんですが、実際は上体は左に傾くんです。俺の体が異常なんだろうか?でもそうなると、非常に不細工なんで、鏡をカメラの後ろに置いて修正、逆反りしました。

桂という木は、彫刻しやすいんですが、やや軽いので細かいものにはどうかしらと思ったんですが、順目に刃物を当てていくと、実にしっとりとした味わいになります。もちろん、サンドペーパーは使いません。そんな事をすると白くなってしまいます。

Dsc_0012 岩座に火焔光という光背を固定して、そこに本体を取り付けました。

彫刻刀と小刀は沢山要ります。そしてギンギンに研げてないといけません。そんなに力は入れないので怪我をすることはないようです。


恥ずかしい制作手法。

Dsc_0024 仏像の制作、苦労しております。

苦節30年、人体は日々見ていますが、細部とかは矢張りモデルなくしては困難です。そこで、仕方なくセルフタイマーで恥ずかしい自分の写真を撮って、参考にしています。

ヒィ~!!こんなことなら、波乗りに行った時に、若者にモデルを頼むんだった。でも、誤解を生むかも。

御本尊の大日如来は後回しにして、不動明王から始めていますが、難しいです。特に顔が。

小さいので、どう刀を使っていいかわかりません。造形というより技術の問題です。デフォルメもしなくちゃいけないだろうし・・・・・・。それから、キリがないというか、仕事をどこで終わりにしたらいいかわかりません。あくまで、ビジネスであるという側面もあるしな・・・・。

どこかで、見切らねばならないのだ~! でも、その方が上達するかも。運慶も快慶も商売だったんですからね。

Dsc_0002 新たな訪問者獲得のために、恥ずかしい写真も載せておきます。拡大は出来ません。

不動明王は左手に煩悩を縛る縄を持っています。

同年輩では腹は出てない方だと思います。これほど、ガニ股に足を開かなくてもいいと思いますが。それなりに緊張しています。