金具の製作

Dscn0717 多摩美の彫刻を卒業してからも、一番熱心にやっていたのは金属彫刻で、金具の付いた家具の制作をやっと始められた時には、本領発揮!と喜び勇んだのだった。

しかし、これが大変なことで、何が大変といっても、デザインを考えなければいけないことだ。本当は、それが楽しみだったのだが・・・・・・・・・・・つまり、汗水垂らして働くのではなく、クーラーの効いた部屋で、たまには頭脳労働をと・・・・・・・ところが、

1、長いこと、素材を生かした自然な造形を心がけてきたので、金物のように人間の意図でどうにでもなる意匠というか図案を考えるのは異質で、脳が拒絶する。

2、金具の取り付けは一発勝負だし、品物の良し悪しは小さな金物によるところが大きい。せっかく手間隙かけた製品が台無しになる可能性もある。

3、これでも元はデザイナーをしていたのですが、当時はデザインそのものがお金になったわけで、職人の今は、労働が金になるのです。図面に向かっている時間はカウントされないのです。迅速に考え、取り掛かり、失敗は許されません。厳しい商売。

まあ、幾つかの定番的な意匠が完成すればもっと楽かもしれません。いやだ、いやだと言いながら、挑戦するのはやっぱり好きなのでしょうか。

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この、2台のなんと名前をつけてよいかわからない、銭箱のような(置床にもなる)ものも、金具を付けて完成です。放り込んであるのは蓋と脚です。