ペーパーコードの強度試験

今日は木工の中でも、ごく限られた製作者にしか関係ないマイナーな話です。

Yチェアに張るペーパーコードは最近、国産品を使っていましたが、きちんと強度を調べようと高知県工業技術センターに持ち込みました。

以前は木材の乾燥や椅子の強度試験でよく御世話になっていました。

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まず、30センチの試験材の重さを計ったら、国産はデンマーク製の77%しかありませんでした。バラつきは殆どありませんでした。

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アナログメータで計るのかと思ったら、パソコンと連動していました。荷重と同時に伸び率も記録されます。

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チャッキング。測定開始!

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切れた。

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大体似たようなデータが取れたので、2本ずつで止めました。

左がデンマーク製、右が国産。強度はデンマーク製が上でした。一本で453キロに耐えます。国産の特徴は凄く伸びるということ。復元性の問題もあり、いいのか悪いのか分かりません。

単位重量当たりの強度は197と200でほぼ一致しました。つまり国産はデンマーク製の77%の強度であるということです。

デンマーク製の方が細いので、沢山張れそうに思いますが、テンションをかけた場合の太さはほぼ同じです。

さら詳しい試験も出来るそうですが、研究者じゃないし十分です。

昔お世話ななったSさんに言わすと、実用上大差ないとのことでした。両者を同じ条件で5年10年と使ってみて評価するのが確実でしょうけど。

まあ、Yチェアの張り替えはオリジナルを使うのが無難ということでしょうか。

国産ペーパーコードの“はやせ株式会社”に問い合わせると「何人かの木工家にもう10年も供給しているが耐久性や強度不足のクレームはない。」とのことでした。