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集塵テーブル兼バキュームマウント

現在、小さな盆を作っていて、それを迅速にサンディングするのに、何かいい方法がないか考えていた。材料を押さえる方の右手が腱鞘炎で痛いのだ。Dsc_0015

そいで、作ってみました。集塵テーブル兼バキュームマウント。

オフコーポの集塵フードがアリ組で付いています。カッコイイわ~。(マネすんなよ)2馬力の集塵機につないでいます。

台はリフターテーブルなんで、最適の高さにセットできます。

Dsc_003322 中はこんな感じ。歪まないように柱を立てました。宮殿みたい。

穴は丁寧に上下から開けました。3年に一度、出番があるラジアルボール盤が活躍しました。

Dsc_0018 このように、穴を塞いで、スベリ止めのシートを使えば動きません。回転サンダーで、小物やパーツをガンガン高速で仕上げていくのに活躍しそうです。

今日出来たばっかりなんで、使い勝手はわかりません。

現在のところ、欠点は電気代がかかるのと、風切り音が少しうるさい・・・・でしょうか。

まあ、一日で出来ますし、立ててしまえば場所もとりません。数をこなすプロには使い道があるかもしれません。ちなみに穴のピッチは40ミリ、直径は15ミリです。碁盤の目じゃなく、45度に傾けて配置するとオシャレです。


木工と陶芸の経済

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塗漆のスプーン、先日補修も全部終わりました。うわー、宝の山じゃ。目方的には単価は高いぞ。

ところで、以前陶芸家達とグループ展をした折、磁器でレンゲを作っている人がいた。なかなか、目の付けどころがいいと思った。絵が入って¥2500なり。その方は、私よりも一回り若く、経験は7,8年だという。結構売れていた。

陶芸は道具なんて、窯と土練機と轆轤があればいいんでっせ。後は、紐とか棒とか道に落ちているもので十分だ。土だってその辺から掘ってくればいいしな。まあ、そんな重労働するより買った方が安いけど。それに比べて木工の機械ときたら際限ないし、小さな彫刻刀でも最低3000円はする上、何十本もいるのだ。

レンゲは型に押しつけて作るのだろう。素焼して、釉かけて、また焼いて。どれも一瞬の作業だ。私も、焼き物の絵付けを頼まれたことがあるのだが、下手でも勢いのある方がいい、慎重に上手に描いたものなんて焼き上がると見られたもんじゃないんですよ。

木のスプーンの場合、木地作りの大変さはあえて省くが、塗りの工程だけでも、下地2回、刷毛塗りは、半分ずつ行うので6回、その間に研磨が3回だから、都合11工程だ。そいで¥4500なり。漆は高いし、漆刷毛一本が何万円もする。しかも、そう売れない。ひがむわな~。

まあ、自分で選んだ道だからしょうがないけど、これはねえ、中学に入ったとき部活を選ぶんだけど、絶対モテるはずのない卓球部なんかにちゃんと入部する奴がいるのと同じなんでしょうねえ。

スプーン作りの大変さを少しでも理解してもらうため、個展の時は、写真のような木地作りの工程を展示することもある。

商品は5,6本並べて、その下にプライスカードを置いてるんですが、しょうがないことかもしれないけど「全部でこのお値段ですか?」と聞いてくる客が一回の個展で一人はいる。腹が立つより、気が抜けるので、

最近は4,500(一本)と書くようにしている。

しかし、陶芸も最近はなかなか売れないみたいで、備前焼なんて岡山県で作家が300人もいるらしく、そりゃ大変じゃ~!! 案外、木工もいいのかも。でも、売れっ子になって、やっと人並み以下の生活がゲット出来る…………というのは寂しいな。

 


「きんこん土佐日記」

001321地元ネタですみませんが、高知新聞に連載している4コマ漫画「きんこん土佐日記」の村岡マサヒロさんの個展が近所のギャラリー『コパ』で開催されています。25日(水)まで。

この漫画は、地方紙としてはズ抜けています。いや、全国紙と比べても遜色ないどころか、爽やかさでは上です。

今回の展示はショボイけど、ご本人が常駐しているというサービスぶりです。エライ!! お茶まで入れてくれました。

「きんこん土佐日記」の短編は全国版の月刊誌にも1年半にわたって掲載されたそうですが、土佐弁がイマイチ理解されなかったことも多かったそうです。

毎日、はずれのない漫画を描く村岡さんですが、どうもここんとこ低調です。そのことを言うと「ここに詰めておりまして~」とのこと。なるほど~!!まあ、ファンサービスも大事ですな。

はじめてお目にかかりましたが、家がごく近所なので一緒に飲みに行きたいもんですね。


「ローリングサンダー」

昨夜の夢の話に関連して・・・・昔読んだ「ローリングサンダー」という、アメリカインディアンのホピ族の長というか、ヒーラーというか、メディスンマンというか、呪術師というか、そういう立場の人を取材した本があった。よこなぐりの雷の日に生まれたんだろうな。確かに、現地は雷はとても多い。驚いていると、日本の地震と同じだと笑われた。

ローリングサンダーが言うには(よく覚えてないけど)鹿狩りに行く時、殺される鹿はあらかじめ決まっていて、鹿もそれを十分承知している。車を止めて銃をかまえると、小高い所に姿を現すのだそうだ。

その話を、いの町のディアハンターことO塾長にすると、一笑に付すと思っていたが、

「猟とはそういうもんなのよ~。」という意外な反応。

「ふーん。」そんなイージーなハンティングはやってないくせに。でもなんかわかるような、気もせんでもない・・・・・か。野生に生きる命を奪いに行くのだから、奇妙なことも起こるらしい。

まあ、この本は、多分に白人ライターの神秘的なものへのロマンチシズムがみてとれるが、私は好きです。でも、今の世の中を見ると正義とか超能力とか精霊とかいうのは、微弱な力しかないんですね。

でも、不思議とか、永遠を感じて心が癒されことはありますね。

*関連記事が、私のエッセイNO,7の”カナダ再訪“にあります。


ごんぎつね

先日、猪猟に同行していたら、人が足りなくて、無理やり銃を持たされて、出てきた獲物を仕留めるように言われた。強引な話だ。免許もないのにな。追い込み猟では勢子の方が技術がいるらしい。

ちょうど、尾根筋に囲まれた袋小路で待ち伏せた。シダが生い茂って薄暗い。しばらくすると、まだ若い狐がひょろひょろと現れた。追い立てられて疲れている。しまった、狐は撃つんかいな、聞いてなかった。しゃくって弾を送り込んで一発目を放つと、至近距離なのに地面が吹き飛んだ。なむさん、ピョンピョン逃げ回る狐に、2発目を発射する。首筋に命中して血がしぶいた。

Dsc_0088_2 しばらく、くるくる回っていた狐もばったりと倒れた。抱き起こすと、もう暴れることもなく、ぐったりとしている。甘えるような眼でこちらを見るのだった。「ごん、お前だったのか。」横顔がみつみる聖櫃に包まれていく。

俺は、こいつを皮はいで、食えるんか・・・・・・・・夢でよかった。


最後にアクシデント発生。

漆塗りのスプーンの製作、最後にアクシデントがありました。順調に推移してきた漆塗りでしたが、上塗りの残りの半分、最後の最後で失敗しました。

これは、快適な波乗りをもたらした、異常な気温の上昇のせいです。土曜日、室温の上昇に伴い、漆室(むろ)の温度も20度近くになっていることは分かっていましたが、通常温度が上がれば、湿度は下がるのであまり気にとめていませんでした。

ところがどっこい、温度が上がると、室の木からどんどん水分が排出されるみたいで、様子を見るために扉を引くと”モアッ”という蒸気が!「こりゃいかん!!」と思いましたが後の祭りで、速過ぎる乾燥で出来る”皺”が出ていました。しかも、乾燥が早いと、漆のまったりとした艶がなく、なんかすごく安っぽい感じになるのです。Dsc_00123333

なぜか、黒漆は、セーフでした。高湿度の状態が短かったのと、やや古くなっていた漆が幸いしたようです。

普通の人が見てもわからないかもしれませんが、そこは気分の問題で、50本をやり直すことに。

この砥ぎ出しは時間がかかります。失敗のつけは大きいのじゃ。本日、ようやっと最後の塗りが終わりました。明日、室を開けるまではわからないけど。

まあ、こうやって失敗して学んでいくんですね。今回の塗漆の進歩は大きかったです。


もはや夏か!

なんとか、スプーンの製作も見通しがついたので、土曜の午後から一泊の予定で入野松原に出かける。2月だというのに、車の冷房を入れる。夏でもあまり使わないのに。

Dsc_0027 大潮か、こんなに潮が引くのを見たことない。

Dsc_0073 波は肩くらいで、チューブにもなり、新年”お初”の体にこたえる。

Dsc_0052 井の岬温泉で体を温め、居酒屋「8の字」のいつものパターンだ。

疲れていたし、飲むより食う。9時に就眠。それもちょっと辛い・・・・・最初は2時に目が覚める。

Dsc_0092 翌朝も波は良い。しかし、調子はイマイチ。

この時期、夜明けからサーファーが海に入ってるなんてかつてないことだ。昨夜も全然寒くなかったしな。

岸で、子供があんまりうるさいので、見ると裸で何人も泳いでいた。沖縄も海開きはまだだと思うけど。どうなっとんじゃい。

ちょっと、怖いな。


砥ぎ、磨ぎ。

今日は、雨で暖かった。まだ2月。夏が恐ろしいな。

Dsc_001722 スプーンに手でサンドペーパーをかけるのは、木地にも勿論かけるが、塗装の段階では、捨て塗りで1回、中塗りで2回かける。

今朝は、上塗り前の最後の研ぎをしていた。一番念入りにする。とはいっても「手作り品」なので、そこそこでいいのだ。便利な言葉じゃ。ただ、70本にかけると指がつる。

塗るごとに、研ぐごとに形が決まってくるので、わりに楽しい作業ですが、楽しんでいられないのがプロの厳しいところです。

その後、黒、ベンガラ朱、呂色と3タイプに分けて、柄の方だけに上塗りをしました。呂色は、失敗がないように新しい漆を使ったら、意外に色が濃く、ちょっと問題です。まあ、使っているうちに透けて来ます。

今回は、厚く塗り過ぎて、或いは室の湿度が高過ぎて出来るシワも殆どなく上出来です。修練は積むもんですね。自己流でも何とかなるもんですね。まだ明日、残りの半分が残っているんじゃが。

Dsc_0002222 全然関係ないけど、我が、いの町のショッピングモールの夜景。割と都会やね~。

本屋もあって便利ですが、殆ど立ち読みの人ばかりで、買ってる人は少ない。レストランもガラガラだし、この厳しい時代いつまで続くのか?

結局、最後は身の丈に合ったものになるんでしょうな。


塗りは続く。

今日は、スプーンを塗っている最中に、友人の石彫家が訪ねてきて塗りながら話をし、終って飯を食い、それからまた、話し込んで仕事がいまいち進まなかった。お互い、孤独な稼業なので、たまに会うと話は尽きない。

一点の金額が、数千万からの人の話は羨ましくもあるが、スプーン塗ってるのまんざら捨てたもんじゃない気もする。聞けば、モニュメント等の受注はビジネスというか、政治力というか、いろいろ私など及びもつかないことがあるみたいですね。運搬の特殊車両代も1日100万円とかで、スケールが違います。

2年前までは、市町村合併とかで、予算上使い切らなくてはならない金が一杯あって、バカみたいに仕事が来たそうです。でも、今は全然ないとか。この人なんかは、お利口なんで、とっくに見越して、新たなビジネスの種をまいており、悠々自適です。

Dsc_0008333 ちょっとショボイけど、スプーンの塗りは進行中です。

こうやって片方ずつ塗っていきます。自己流のやり方です。輪島屋なんかは、柄を長く作っておいて一気に塗り、後でポキット折って、お尻を仕上げるようです。

一日、一回しか塗れないので、午後は別の仕事をします。

Dsc_0054 あんまり、根を詰めるのも良くないので、昨日は久々に裏山にモモと上がっていました。

モモも14歳でだんだんUPに耐えられなくなってきています。でも、可愛いのは同じです。


漆刷毛

今日のは木工家向けにみえて、実はお客さん向けのブログです。

Dsc_0003 塗漆は写真のような刷毛を使います。

通し刷毛といって、中に女の人の髪の毛が通っています。それを、チビてきたら、鉛筆のように削り出して使います。

その時、穂先の形も整えなければなりません。私のはもう相当変形しています。テープを巻いているのは折れたんじゃなくて、かなり力が要るんで、指が痛くなるためです。

以前は拭き漆でやっていましたが、塗膜がないので半年もするとスプーンの先端が剥げて木地が見えてきます。口にするもんだし、耐久性がないと困るので、今はもっぱら塗漆です。

仏像の製作から、ロクロ加工までそれなりにこなしますが、塗り漆だけは厄介です。本職のように常に続けてないと、不都合なことが多いのです。刷毛や漆をスタンバイさせたり、しまうのも大変手間なので、本当は、一日中続けられる量の製品が欲しいのです。

漆の乾き具合の調整やら、ゴミ対策は本職でないと困難です。ウチには塗漆専用の部屋はありませんから、どうしてもゴミが混ざってしまいます。

大概の事は「奥さん、これが手作りの味でっせ~!!」という、私ですがこればっかりはね~。「そのうち取れます」としか言いようがありません。漆芸家に笑われたら「オメーに、こんだけ下手に塗れるか?」と言ってやります。

それでも、最近は大分上手くなっています。

落ちのないブログですいません。ちょっと、しんどいのじゃ。納期のない仕事は普通引き受けないし、すべて余裕で仕事を進めるのがポリシーですが・・・・・・背に腹は代えられんのじゃ。