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木の靴べら

昨夜は、高級居酒屋で、当社のお得意様のK社長に御馳走になった。こういうのは、貧乏木工家の役得やね。しかし、どうも場末の赤ちょうちんに慣れ親しんでいる者には、居心地が悪く、遠慮もあって・・・・・・・いっぱい飲みました。

6時から飲み始めて、社長と別れて、一人で「ノア」に顔を出して家に帰ったのは2時だったような。明日はまた6時から花見だ。

Dsc_0036 お得意様から靴べらを頼まれた。このところやる気がないし、二日酔いなんで、ちょっと、新しいことにチャレンジする。

椿の木を半割にして作る。椿なら柄を相当細くできる。

作り始めると、もとよりそのまま請求するつもりはないが、面倒で「こりゃー高くつくわ」

しかし、そこはプロ、3本目に取り掛かると、ツボが分かってきて、意外に商売になるかも。

Dsc_0044 普通の板材でもできるかもしれない。柄の部分に旋盤が使えたら楽だな。

しかし、どうも本格的な革靴に縁のない私は、ちょっとピンとこないのである。

でも、違いのわかるビジネスマンが、匠の技なる靴べらでピカピカの革靴をセットし、今日の戦場に出発する。クゥ~!イイカモ、イイカモ。


待ち人来たらず。

Dsc_0008 ここ、2,3日展示場の掃除をしていました。個展の準備でもあるんですが、東京からお客様が来るというので、花も生けました。

Dsc_0014 どうです、李氏朝鮮の両班(やんばん)の住居みたいでしょう。

それにしても、デジカメはきれいに撮れるな。ニコンD60です。

Dsc_0009 しかし、お客様は来ず。すっぽかされたわけです。クッソー!!この件は後日ご報告します。

まあ、でも、拭き掃除も良く出来ました。

Dsc_0013 モモも怒っています。というのはウソです。モモはいつでもスマイルです。


残り物で・・・・。

Dsc_0088 今日は昨日の残り物ですみません。弁当のおかずみたいに。

ソメイヨシノは満開ですが、山の桜は、葉桜になりつつあり、山道をにぎあわせていました。

今日も体調は悪く、お昼にウトウトしていると先ほど食べたものがさっぱり思い出せません。ついにボケたか!朝飯は思い出せるのに・・・・・・・目が覚めると、朝飯食って2度寝をしていたのでした。


植物の神秘 2

一昨日、裏の加茂山に登った時に、シダ植物の新芽が面白かった。こんなときに限って、デジカメを持ってない。冬の山は、さほどモチーフはないが、春山は、なかなか被写体が多いことがわかった。

今日は、わざわざ体調も良くないのに、中腹まで登り撮影した。小箱に螺鈿をする時の意匠に使えそうだ。

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どうです、為になるでしょう。コブコブの所から、葉っぱが出て来ます。よく見るとコブコブはクリクリ巻いていて、その先に、もう一丁クリクリがあるようです。すごいですね。

ちゃんと仕事してるんかな。


初海外通販!!

昨日、モモと山に登ったせいか、今日は妙に風邪気味で仕事を休みました。

Dsc_000366 昨日、初めての海外通販で注文した品が届きました。木工旋盤の部品です。

もともとオーストラリアの木工旋盤なんでオーストラリアの販売店に頼みました。意外に簡単でしたが、ツールレストがなくて、結局一月近くかかりました。他の方のブログをみるとそのくらい待たされるのは普通みたいですね。

全部Vicmarcの製品で、本日のレートで合計¥32000、送料¥7500、関税¥900でした。国内で買う場合の半額です。こりゃ~、この手のものは恐れずに海外通販ですね。

ちなみに、この前、急いでたんでオフコーポでミニウッドガーバーを¥18000も出して買ったんですが、実はカービング用品で有名なArbortechはオーストラリアの会社で、やはり半額で買えます。重量物でなかったら送料もしれています・・・・と思います。

Dsc_0003 今回購入したVM120(左)とVM100の大きさの違い。かなりでかいです。

レバーやネジに至るまで大きさが異なります。二回りでかい。

最初の写真の左下にあるのが、チャックを国によって仕様の違う主軸に取り付けるインサートです。この部品もチャックの大きさに応じて大きく作られていて、主軸に合わないと、そのチャックは使えません。

昨日の齏田さんのブログを見ていたので、悪い予感を感じつつもチェック。ありゃ~?妙に・・・・合わないような・・・・・・。旋盤の日本語の取説にはM30×3.5と明記されてるので、その仕様で注文したのですが、現在使っているVM100のインサートには1と1/4×8の刻印が。こりゃいかんわ。長谷川さん、どうよ。 (すみません、関係者にしかわかりません)

インサートは¥1800くらいですので、航空運賃を考えると送り返すのも、新たに注文するのも、とどっちもどっちです。 まあ、想定内のトラブルですね。

*海外通販には大した英語力はいらないと思いますが、パソコンでローマ字入力に慣れたものが、英語を入力しようとすると、ゴッチャになって気が狂いそうになります。スペルは手が覚えているんですね。以前、友人あてた手紙は手書きしたものを、画像で送りました。もう、俺の頭は英語はイカン。

以前、アメリカ人の木工家クリフトンと京都を訪ねたとき、俺のことをどう思っているのか、英語でペラペラ話しかけてきて、半分も理解できないは、神社仏閣は見ないかんはで、脳がぶっ壊れるところだった。2日ほど後遺症が残りました。


植物の神秘

Dsc_000866 先日のブログに登場した、ムサシアブミです。逆さにすれば確かに、馬具のアブミに似ています。

この内部はどうなっているのか、気になった人も多いと思い調べてみました。

包丁で外側を半分に割りました。

Dsc_001266 なんか、見てはいけないものを見てしまったような・・・・・・。

根元の部分で受粉するのではないでしょうか。やっぱり虫が手助けするのでしょうか。

臭いで誘うのでしょうか。私は鼻がよくないのでわかりません。

花弁にあたる?外側のカバーは色付きと半透明のストライプで、色付き部分の内側は濃い紫、外側は緑です。すごいね。

虫達も、世の男どもと同じように、怪しげな雰囲気に誘われて、我から飛び込んでしまうのかも知れません。別に食虫植物ではありませんが。

この花は、実がなると、また新たな変身をします。お楽しみに。


棚ぼた

Dsc_0004突然ですが私は潜り漁をします。

二股のモリは海用。先端は同じですが、柄の長さが穴突き用は短いです。

中央は淡水魚用です。どれも地元の山サ製で岩を突いても曲がりません、折れません。

一番下は、漁師からプレゼントされたアワビやサザエをひっかける道具。お墨付きを貰ったようなものですが、漁師の商品に手を出すのは気が引けて、10年以上たつのに使ったことはありません。

潜りの話は尽きないのですが、今日はそんな話ではありません。

先日、近所のお得意様が来て「娘のダイビング道具、もう使わないから貰ってくれないか。一度しか使ってないし、捨てようと思っているけど」

素潜りの道具は持ってるし「そりゃ~、大月の施設にでも寄付したらどうですか」とこちらもつれない返事。ダイビングの道具は”生もの”でちゃんと手入れをしてないと使えないのだ。でも、バックを開けると上等の道具で、まあ頂いておくことに。

しばらく、工房の片隅にほこりにまみれていたが、チェックしてみると、レギュレーターやジャケットはバカ高いイタリア製のブランド品で、しかもタグが付いたままだ。ヒィ~、お宝じゃ!!

使った形跡のあるのは、マスクとフィンだけであとは新品でした。○○ちゃんは、男らしい性格と聞いていたが、なるほど本当じゃ。稼ぎはいいけど、暇のない職業なんです。

マスクとフィンは使わせてもらうけど、後は大切に・・・・・・処分させて頂きます。

このお得意様には、道具を頂いたお礼に?「通い盆」を売りつけたのじゃった。後で、申し訳ないのでスプーン2本プレゼントしました。○○ちゃんにも、2人目が出来たそうなので、なんか贈らんといかんかな。


反省点。

Dsc_0040 普通の人は、何のことかわからないと思いますが、文机の脚が天板に4枚の貫通ホゾで組まれています。

これがちょっと失敗でした。5枚は必要ないと4枚にしたのですが、強度的には問題ないのでしょうが、見た目、どうも間延びした印象です。

結局、正直なところ5枚は面倒だったのです。ア~、手抜きはいけません。反省。

全体の手間から見れば、微々たる労力です。アリ組みの組み手の数も、手間を考えて決めてはいけません。一番いいバランスの数にしなくてはなりません。

16年もやっていても、なかなか学習は尽きないものですね。Dsc_0051

これは、使い切った漆のチューブを解体して、残った漆を取り出しているところです。

お頭を切り離して、胴体は背開きにして立てます。これで殆ど無駄なく回収できます。

漆は粘度があるようで、水のようにサラサラしています。刷毛で塗るのにも、拭き漆で伸ばすにも、拭き取るのも非常に作業性がいいです。あまり知られていませんが、これが漆が優秀な塗料である一つの理由です。


脚のデザイン

実際は、本日から漆塗りに入ってるんですが、

Dsc_0031 文机の脚の形はこうなりました。何気ないようで、実は末広がり、写真の末すぼまり、それに、それぞれに円弧状のふくらみを持たしたもの、カットの入ったもの2種。計6種類を試しました。

このような、カットは仏法臭いと言って嫌う人もいますし、確かにない方が素朴で力強いかもしれません。ただ、あまりにも素朴でありすぎるので、そこに意匠を注入するのは業師としては意義のあることだと考えます。

ずーっと、素朴でいるより次のステップアップにつながるというか、虎穴に入らずんば虎子を得ず・・・・・ちょっと違うか。まあ、失敗すればぶち壊しになりますのであながち大げさではないです。

でも、お客様がきて

「これ貰うわ。でもカットなしで仕上げて」

とおっしゃったら、当然・・・・

「御意!私もかねがね、何もしない方がいいと思ってたんです」

と言うでしょうけど。

12 左は角が腐っていましたの接ぎ木しました。木目は見事に合ってますが、色が違いました。

右はカミキリムシの穴に埋木しました。普段は楕円にしますが、初めて四角にしました。これもいいな。

どちらも、鋸目の傷も付けるという凝りようです。

初めて、Photoshop Elementsで組写真に挑戦してみました。


先に材料ありき。

次は何を作ろうかな、やる気が今一起らんな・・・・・・という時に、銘木屋の岡崎木材さんが以前より頼んでいた材を持ってきてくれた。

ケヤキの薄板で反ってカップが出来たものだ。薄板は、厚い盤を所定の厚みに挽き直したり、虫食いなどの傷を取ろうと、少しずつ薄くしていく時に出ます。そのまま器にするのもいいですが、今回のはちょっと反りが少ないので、文机を作ることにした。幅が45㎝位のを2枚頂いたので、2台作ります。脚やら貫は在庫の中から見つけた。ストックがものをいいます。

Dsc_0011 天板は厚みが1㎝位ですが、65キロの重しを載せても大丈夫でした。俺のことさ。

鋸目を削ってしまったら本当に薄くなるので、このまま漆を塗ります。

こんな材料使う奴はそういないだろうな。ここだけの話、これが案外売れるんよ。ヒッヒッヒ。

でも、軽くて強度は十分なんで案外実用的なんです。

Dsc_000255 この天板にホゾ穴を開けるのには、ヘグナーの糸鋸がいいようです。反ってる上に厚みも一定でないので、表裏から墨付けするのは困難です。

ルータマシンも試しました。RAO-151のバルブを絞ってヘッドをゆっくり降ろすと穴が開き、そのまま加工できます。定番も広くていいのですが、所詮角は丸い。

角をノミでさらうには、一か所に2回、ハンマーを打ちおろさなくてはならない。四隅で8回、表裏で16回、天板8穴と脚6穴で224回、2台で448回。糸鋸作業も楽ではないが、今のところ一番いいようです。

丸鋸だとすぐですが、糸鋸で指を切断するには、余程忍耐が要りますし。ね。念のため補足すると、糸鋸は比較的安全なんですね。