木工一覧

イスの座刳りをする。

今日も木工の話ですう。地味ですう。特に女性には面白くないと思われますが、まだしばらく続きますう。

Dsc_00170001 しつこいようですが、予算が厳しいので、イスに座刳りをするのはためらわれた。でも、先のテーブルがシンプルだし、うちも商売ですから、予算がないといって、お客様に喜ばれないようなものを作るわけにいかない。

一丁やったるか。ここは、気合の入れ所かもしれない。一方、座面と地摺りの裏側はナイフマークもとらずに、軽くペーパーをかけるだけとした。

12枚もあるので自作の倣い加工機を使う。

まず、雛形を作る。球面のようだが、後ろがぐっと深くなっている。30分くらいで出来た。う~ん、何事も精進ですね。だんだん速く、上手くなります。それにつれて、道具も増えるけど。

Dsc_00350002 倣い加工機、ほぼ、完璧。

セットするのに1時間くらいかかるけど(自分でも忘れている)1枚の加工は10分弱です。

今回、反り台鉋か槍鉋で仕上げようと思っていましたが、十分カッコいいので、そのまま、ペーパーを軽くかけただけにすることにした。楽や~!・・・・でもやっぱり、12枚はしんどい。

Dsc_00490003_2 しかし、この機械、役立つな~。自画自賛。量産には機械が欠かせませんね。

でも、お客様に聞かれたら「ノミでコツコツ彫りましたわ~。ほんまに難儀でしたわ~。この次は、美味しい仕事頼みまっせ~」ということにする。

何で商売の話になると関西弁になるんでしょう?


テーブル出来ました。

といっても、大分前に出来ていました。今はイスに取り掛かっています。

Dsc_00020001 半分の3台でもこんな感じ。もちろん、さかさまですよ。

今日も、木工やってる人用のブログです。

ちょっと、お恥ずかしい構造ですが、予算がきびしいもので・・・・・。

ところで、通常は、蟻ザンのそり止めを入れますが、予算のない場合、ネジ止めの簡単なものを使います。あまり、当てにならないので最近は全く使いません。

今回は、更に大胆に、そり止めを入れないことにしました。楽だし。実は、十分乾燥した天板が、あまり曲がったことがないのです。せっかくの綺麗な天板にネジを打ち込むのも嫌だし。不細工だし。お客様も長い付き合いですし、問題が出れば対応すればいいのです。我ながら良い考えじゃ。

ところで、ヒノキでの木工は、なんか全然別のジャンルのような気がします。それだけ、いつも使っている広葉樹と違うのです。

チップソーがチーズを切るように滑らかに進んでいったり、ドリルビットがスムーズに切片を跳ね上げているのを見ると、我々の道具は、この木のために調整されているのだと感じます。しかも、ヒノキはトリーマーで面取りしても、さほどつぶれたりしません。楽で~す。

それから、ヒノキは薪ストーブで燃やしても、軽い割には油があって、よく燃えます。

なんか一言、落ちを入れたいのですが、ないので、こもまま終わりとします。


ヒノキに漆を塗る

齋田さん、ヒノキには漆を塗っております。さほど、大変でもありませんでした。

Dsc_00160001_2 オスモカラーという、ドイツ製の塗料を取り寄せて、手板に塗ってみましたが、パッとせず、拭き漆に決定。

ある意味、デザインに手抜きがあるので、漆で存在感を上げる必要があるのだ。

でも、やっぱり天板6枚、脚24本に漆を塗るのはつらい。腰が痛いです。拭き漆という作業は、意外に重労働で、夏場ならエアコンを入れていても、汗が噴出しますし、冬場ならシャツ1枚でも平気です。結構、頭も使うので余計に発熱するのかもしれません。

それでも漆仕上げをするのは、材料が劇的に変化するし、塗り重ねるごとに重厚さをましてゆくのを、まのあたりにするからでしょう。そうでなければ、こんな地味な仕事は御免です。

通常、うちの場合、6回は塗るのですが、今回は業務用ということもあり、拭き残しを多めにして、3回ですましました。多少のムラも気にしません。

このように多量の仕事をこなすのには、ヘラ使いに習熟しておらねばならず、年季がいります。

また、今回のように分解した状態で塗るか、接着剤を塗って組みあげてから塗るか、ケースバイケースで決めなくてはなりません。

今日のブログは、ちょっと専門的になりました。


図面を引く

今回、本格的なイスの三面図を描いた。初めてのことではないだろうか。

だいたい、イスは複雑というか、微妙なので、実際に作りながら、決定することが多い。

それは、どうも私のせっかちな性分と関係があるのだろう。Dsc_00090001

しかし、今回限られた予算で作らなければならないため、分かりやすい構造にした。図面を引くと、各部品のサイズや、ホゾ穴の位置や角度が正確に出てくるのだ。これは、楽だ。

脚のホゾ組みも、扱い慣れた丸ホゾとした。また、仕上げが楽なように直線を多用した。その分、部材を厚めにとって、ヒノキのたっぷりとした量感で見せるようにした。

「部材を厚めにとって」と言っても、実は市場で買ってきたヒノキの厚みを、そのまま合理的に利用しているだけだ。しかし、実際扱いやすい厚みである。長年ヒノキと対話してこうなったのでしょう。

とりあえず、これで一脚作って、様子を見て一気に残りを仕上げる。

好きなことのみでやっていければよいが、ビジネスはそうもいかんのですね。誰かに手伝ってもらえればいいのですが、各作業、微妙に難しく、危険で・・・・漆はかぶれるし・・・・。

* ところで、「字の綺麗な人は、大物になれない」というように、図面の上手と、デザインの良し悪しは関係がありません。でも、現在なら、アナログ人間の私としては悔しいですが、イラストレーターを使ってスマートに描くのが速いし、便利だと思います。


テーブル その2

Dsc_00040001テーブル6台の製作は段々いやになってきた。元々、量産する工房ではないのである。

例えば、テーブルの脚は、24本もあって、そう考えるだけで、しんどい。実際、飽きるので、うっかりミスも多い。

しかし、男一匹、引き受けた以上は、ヤラネバナラネバ。でも、約束の製作過程をブログで追っていくのは、あんまり面白くないので、程々にします。

Dsc_00110003_2 本日は、午後より、タモの盤を買いに池川町の仲林さんの製材所に行く。約1時間のドライブだ。池川町は桃源郷のようで大好きだ。

昔は、紙の原料となるコウゾで栄えたらしく、河沿いの、ごく小さな町なのに居酒屋が多い。前の河原にテントを張って、居酒屋巡りをしようという話がある。

Dsc_00190004 以前は、遊郭だった建物が残っていたが、今はどうだろう。お姉さんはいたりして。映画館も2つもあったそうだ。

目的のタモは、幅が狭いところで65cm位、やや目が粗く、アテているので大胆にもテーブルの脚材として小割にしてもらった。軽くなりました。腰も痛いし。

我々は、広いものはついつい、テーブルや座卓の天板として、製材することが多く、えてして、脚材が不足するのです。

Dsc_00070002 注目は、このキュートなフォークリフト。

電動で音もなく進みます。もう売ってないそうです。


座卓出来ました。

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ヒノキのテーブルを作りつつ、注文の座卓の拭き漆が終わり、組み立てました。

このタモの座卓は定番品でわりと人気があります。天板が洋テーブル用の薄めの板で出来ていて、しかも下側の角を取っているので、よけい薄く見えます。

各部の角を丸めていますが、なぜか緊張感は失われていません。(自画自賛!?)洋室にも合います。実際、今回は洋室で使われるようです。

Dsc_00150001 こんな感じで、漆を塗った後、囲いをして、脱水機にかけた湿った布で覆い、乾かします。

手前に見えるのは、ヒノキに漆を塗ったらの・・・テスト中の手板。

昨夜は、東京からはるばる従兄弟が来ていたので、温泉入って、飲みに行って、またちょっと二日酔い。

ところで杉本君、今年の波乗りの忘年会は、おまんくのすぐ近くやき、こんといかんで。ひとのブログ見て、笑いよったちいかんで。


ヒノキを削る

ほとんど、本業の木工に関する記事の少ない私のブログですが、今回出来るかどうかわかりませんが、テーブルの完成までを追ってみようと思います。

ヒノキを削ると、工房に始終ヒノキのいい香りがたちこめます。しかし、一番強烈なのは、昔、樟脳の原料になった楠(クスノキ)です。生クスノキは箪笥の中のあの香りより、はるかに甘く、クールミントガムを噛んでるような感じ。かなり酔います。檜もやっぱり、甘いですよ。

ヒノキは、食わず嫌いで、使ったことがなかったのですが、数年前に材料持込で依頼を受けてテーブルとベンチを作ると意外に良かったので、たまに使うようになった。Dsc_00010001

これは、テーブルトップの製作。4枚の板を剥ぎ合わせている。都合、2枚分。プロの方から見れば、「模様合わせが下手やな~」と思うかもしれませんが、これは裏です。

適度に柔らかくて、軽くて製作するにも楽だ。

人間国宝の黒田辰秋が「檜は魚で言うなら、鯛。木材の王様」と言っているように、加工が容易でやさしげな割には、確かに存在感もあります。

ただ、檜や杉を使っている木造住宅のなかでは「似たも~の同士なの~よ」ってな感じで面白くありませんし、どうやっても和風っぽくなってしまいます。

よって、檜の研究はもう少し後にしようと考えていたのでした。   

つづく


ヒノキを買う

店舗用にテーブル6、イス12の発注があった。この不景気にいい事と思うなかれ。予算がチョー厳しいのだ。

私は、注文を断ったことは、ほとんどないのだが、普通なら無理な相談だ。でも、ここの社長には、駆け出しの頃からから世話になっていてノーとは言えないのです。

そんなんで、私の秘蔵の乾燥材は使えないので、市場にヒノキを買いに行った。実は、針葉樹のヒノキについては詳しくなく、事情を説明して探してもらう。

無節のものは、高価な上に面白みがないので、節ありの短い半端モノを買った。

Dsc_00630002 どうせ、これだけでは足りないので、とりあえず、使ってみよう。

短尺の節ありヒノキって安いんですね。これでは林業は大変です。

しかし、いくら材料を安くあげても手間は同じなので、実はあまり意味がないのです。

量産するのはコストダウンにつながると思われがちですが、うちのような工房はそのような設備をしておらず、逆に能率が落ちることもあります。

デザインをシンプルにして・・・・・・なんとかやらねばならねば。

無理難題を引き受けると、意外に収穫も多いものです。仕事ですから前向きにならないと・・・・・・・・。でも、やっぱり体調悪いな~。


お知らせ

先日、お客様より電話があって、我が”開かずのショールーム”を見たいという。妙に言葉が違うと思って、聞くと埼玉県からだという。

どうやらホームーページをみたらしい。有難いやら、恐縮するやら、インターネットって凄い?!

後日、わざわざ埼玉県からおいでになったわけですが、高知の観光旅行も兼ねていらっしゃた。

こちらも、面識がなく、事前に、立ち入った事も聞けないので、打ち合わせ後、次の目的地へ車でお連れしたのと、昼飯にご案内しただけだった。しかも昼飯はおごってもらった・・・・情けない。

高知は、お客好きです。高知でお客と言えば、宴会という意味もあります。例えば2泊3日で来られるなら、1日は朝から夜の部までお任せ下さい。Dsc_00130008

そんなの、面倒だという方でも、おいしい店ぐらいは紹介させて下さい。こればっかりはネットではまだまだ。

あまり高級店は知りませんが(というか、ない。)
季節ごと、お好みに合わせて考えて見ます。

「家具を買うつもりは全くないけど、観光案内だけお願い出来る?」と言う方は・・・・・場合によってはやりましょう。これでも、一度だけですが海外旅行のコンダクターをやったことがあります。

友人の工芸作家達が高知で個展をするときは、夜は3次会までやります。これはもう、ただ自分が飲みたいだけなのですが。だから、全然気にしなくていいのが高知県人のいいところです。もちろん、お酒を飲まれない方にも、それなりに対応します。

「吉良修の木工」からのお知らせでした。


アセチレンを充填する

Dsc_00180001 金具のロウ付けをするのに、プロパンバーナーでは、やはり温度が上がらず、久々に酸素とアセチレンを充填した。

アセチレンはなんと15年ぶりだった。こんなユーザーいない。以前は、金属彫刻をやっていたので、頻繁に使っていたのですが。

使ってみると、やっぱり使いやすい。さっさと充填するべきだった。

ただ、アセチレンと酸素は、ボンベの開閉に中々厄介な決まりがあり、特に私の場合、ボンベは1階、火口は2階にあるので余計大変だ。しかも、妙に危険そうだし。(実際はプロパンガスも十分危険ですが)そんな訳で縁遠くなっていたのだ。

今回より、面倒なので作業期間中は元栓を締めないようにした。本当はいけませんが。

Dsc_00190002_2 ところで、いつも不思議に思うのは、酸素は土佐酸素、アセチレンは高知溶材と別会社になっていることだ。

同じ敷地で、一軒の社屋なのに、壁で仕切られていて、支払いも領収書も別々です。

何か、混ざり合っては不吉であると言うようなジンクスでもあるのでしょうかね。合コンも禁止だったりして。他府県も同じようなシステムでしょうか?

政治家やら防衛省やら業者やら、どろどろに交じり合ってますが。