紺屋の白袴 2

一階の作業場に機械が増えたこともあって、整理棚を2台作っていました。

横切り盤のそばの棚は、カラーボックスですましておりましたが、矢張りこれはいけません。作業場とはいえ妙にテンションが下がってしまいます。自分で作るより、これほど安いものはないんですが・・・・・・・・。

Dsc_00190001_1 ”紺屋の白袴”で手間も材料もかからないように、しかし見栄えはそこそこ、これが案外難しいのです。

今回、木工家の作る、簡易棚の決定的な工法を考え出しました。残念ながら日曜大工では、道具いりますし、技術的にも不可能です。

  1. 1、裏板と棚板は、厚さ7mm前後のムク板を使います。棚板は鉋をかけると刃物がちびますので、鉋をかけなくてもいいです。厚さもまちまちでも結構です。

2、ボンドをつけて、棚板と裏板をハタガネでとめておきます。10分ほどで十分。

3、側板は5mmほどのベニアを使い、裏板と底板にボンドをつけて、、仕上げ釘打ち機でとめていきます。その際、ムクの裏板は長くて薄いので、反っているかもしれませんが、ベニア側に沿わして下さい。

これで、簡単、割と丈夫な棚が出来ます。釘が効くように、片方にムク材を使うのがミソです。ハタガネが裏板1枚に2本いりますので、ボンドが乾く間に、他の仕事をするのがコツでしょうか。ボンドはもちろんたっぷり付けてください。はみ出しても怒られませんから。


DMを作る

今日は、来月の高知大丸の個展のDMを作っていました。

私はデザインは出来ますが、Macで版下を作る程、パソコンが得意じゃないので、操作はプロにやってもらいます。

でも、今回で15回目ですから、デザインのスタイルは、大体決まっていて、写真と日付を入れ替えるだけです。とはいっても、写真の修整やら、ロゴの拡大縮小とか、私とMac使いの長年の経験がものをいうわけで、そんなには簡単じゃないです。

それから、写真は3年前までは、友人のスタジオに、わざわざ持ち込んで撮影してもらっていたのですが、最近はデジカメの発達で、マイスタジオで済ませても遜色なくなりました。(完全な白バックの撮影などは無理ですが)今回はベニア板にキャンプ用のアルミシートを貼ってレフ板を作りました。昨年より、カメラはニコンD40です。軽くて安くて、性能も私には十分です。

物撮りも、何回もやってますと、上手くなって来ます。でも、ちゃんとした写真を撮るとなると、これはこれで大変で、時間もかかります。それでも、ポジフィルムで撮っていた頃を考えると、労力と経費はは5分の1くらいでしょうか。

印刷屋へ版下を送るのも、以前はポジフィルムを同封していたのが、すぐにディスクのみとなり、今は電話回線で送れます。便利じゃ~。

パソコン関係の投資も、私の場合、結構元を取るようになって来ました。


OK牧場

気付きませんでしたが、ブログをはじめて一周年と成りました。別に目出度くもありませんが。

実は、ここ2,3日、風邪気味で寝込んでおりました。ブログを見ると、昨年も同じ。まさか、毎年同じパーターンを繰り返しているんじゃないだろーな?俺は植物か!

ところで、先日の角鑿盤の後日談なんですが、機械屋にその出所についてたずねると、「そこは、角鑿なんか、めったに使う仕事じゃないから、機械の状態は本当にいいです」と妙なことを言うもんで、

「じゃ~何屋さんで~?」と聞いても、のらりくらりかわすので問い詰めると、「棺桶屋」っだって。「なんだ~」  全然OK牧場!!

ウチのスポンサーがよく言ってました、「職に貴賎はない」って。私だって頼まれれば作りますよ。でも、ホームページには載せにくいな。松竹梅ありますなんて・・・・・・・。

誰だって、一度はお世話になるもんですし・・・・・・・でも、一度使った棺桶を、「テーブルに作りなおしてくれ~」なんて言われたら嫌だな。(あり得ないか?)

元の持ち主は、80過ぎたお爺さんで、棺桶もスチレンボードみたいな味気ない素材に代わったので、とうに仕事はやめて、隠居していたらしいが、道具を手放すのが寂しく、ボチボチ、なんか作っていたらしい。わかるな~。でも、足腰がおぼつかなくなったんで、とうとう、処分したそうだ。頭はシャッキというから一度尋ねてみたいな。


桑原の角鑿盤

Dsc_00100002_1_2 昨日の続きです。いきなり本題に入ります。

十年以上お世話になった、篠田の角鑿盤より2回りくらい小さいです。台をすけました。

凛とした佇まいですね。

最大の特徴は、レバーにスプリングがなく、どの位置でも止まります。最近、この機能が欲しくて、なんとか工夫できないもんかと考えていたところでした。

レバーは重さがある割に、ごくスムーズに動きます。

後ろの分銅が邪魔ですが、階段部分にうまく逃せました。

Dsc_00130003_2 もう一つ変わっているのはこの部分。このネジ、結構遊びがあるのに、最後は真綿で首を絞めるように効きます。しかも、加減できます。刃物のカネを出すのがすぐです。この方法なら構造も簡単なのに各社真似できないのは、秘密があるのでしょう。ただ、長年使っていると傷むらしいです。刃物の筒の挿入も超精密と思いきや意外にも緩いです。

Dsc_00150004_2 スパナ1本で押さえが外せます。頻繁に脱着する私には嬉しいことです。ハンドルは動きが軽く、慣性でシュルシュル回ります。小さいのに異様にストロークが長いです。材料の締込みも絶妙です。

Dsc_00170005_2 搬入を手伝いに来てくれた、元建具職人はここの造りが凄いと言っていました。私にはわかりませんが、テーブルは恐ろしく軽く昇降します。

Dsc_00030001_2_2 この、ナットの美しさを見よ!!

ボルト類は、小さいのもまで全部ハイスだと思います。

Dsc_00050001_1_2 無造作に掘ってみました。軽い。

ホゾ穴ってこんなに綺麗だったんだ。

「ホゾ穴さん、こんにちは。」って感じ。

ナマクラが正宗に変わった。刃物は同じなのに。

篠田の角鑿のどこがいけなかったのでしょう?角鑿仕事が好きになりそうです。

この機械には、ちゃんと生年月日が刻まれていて、私が4歳の時に誕生しています。44年前。なんかタイムスリップしてきたみたい。現在の桑原より作り込みに凄みを感じます。余談ですが、オイル給油カップが16箇所もあります。ギネス級です。

ほとんど使ってなかったそうです。昨日、床の間に飾りたいと書きましたが、神棚に上げたいくらいです。初めての掘り出し物でした。全国の木工ファンの妬みを買いそうです。


恐喝する。

クラフト展の出品作、本日夕方、発送しました。木工で痩せたのははじめてです。疲れました。

Dsc_00350003_2 ところで、今回はマイナーな木工のなかでも、さらにマニアックな機械メーカーの話です。

桑原といいます。技術力が突出していまして、正確で使いやすい機械です。(値段も突出しています)

他社の営業マンが「ウチのは桑原タイプですから」なんて胸を張って言うくらいですから。

ここの鋳物は数年間、屋外に放置して、狂いを出し切って、加工されます。デルタ等、アメリカ製の機械のガタが10とすれば、国産機は3くらい、桑原は1でしょうか。しかも鋳物の質が良くて、長年使っても磨耗しにくいです。安全対策にも気を使っています。

そんな桑原も、不況のあおりを受けて、数年前に廃業してしまいました。日本のものづくりの原点のような会社がなくなるのは残念なことです。

桑原の製品は中古市場でも引っ張りだこで、私も手押し鉋盤と自動鉋盤を使っています。ちなみに自動の定価は380万だそうです。

先日、出入りの機械屋が来て話し込んでいると「桑原の角鑿盤(四角い穴を開けるドリル盤のようなもの)が出たので、大工のところに持っていく」とポロッと言ったんです。

「ハア~? ウチの桑原あんたが入れたんやろ~。何考えてんの、その大工ととウチとどっちが大事なんじゃい!」とまで言った覚えはありませんが、先方との話は煮詰まってなかったらしく、早速現物を見に行きました。

それが、実に驚くべきマシンでした。しかも8万でいいと。下取りして、5万だって~!!

先ほど、その機械屋から電話があり、「整備したら、すごくいいので、色を付けてくれ」ですと。OK!OK!でもアンタ見る目ないね~。

今度、そのインプレッションを書きます。

しかし、木工関係者以外には、ただの汚い鉄の塊です。私は床の間に飾っておきたいくらいですが。


ほぼ完成。

例の、クラフト展に向けての製品、ほぼ完成しました。

あと一回、拭き漆をするだけです。

私は、漆に強いほうではなく、棚の奥まで塗っていると、必然あちこちに付着しますので、今はカイカイです。もちろん使い捨ての二トリル手袋をはめていますが、多少は付いてしまいます。

Dsc_00190001 ここまでしか、今は見せられません。

そう、螺旋構造になっているんです。

かつてないデザインだと思います。

使いにくいし。

昨夜、念のため「螺旋」「棚」で検索しますと、楽天の安物家具にあったんですよ。はっきり言って、血の気が引きました。この1ヵ月の苦労はなんだったのか!!

恐る恐るページを進むと、セーフ!普通の螺旋階段状の棚でした。「螺旋CDケース」もありましたが、これも大丈夫・・・・・・・・・・先に調べとけ~!

無修正の生写真が見られるのは来月になりそうです。


クランプ

例のクラフト展に向けた製作続いています。今回はクランプ。引っ張るな~。一般の方には面白くないかも。

Dsc_00100002 用意した自作のクランプです。

反っているのは全体にトルクをかけるためです。また、段々になっているのは、貫通ホゾの先端を逃げるためです。

先日、鍛金をやってる友人にバイトで来てもらって、組み立てました。

二人でボンドを付けながら、クランプしてゆく。阿吽の呼吸で、3時間ほどであらかた組み上がりました。意外に早かったな~。でも、あんまり冗談言ってる余裕はありませんでした。

実は、棚を作っているんです。しかし、模型ではそうでもなかったのに、予想以上に背が高くて、かわいくない・・・・・・・・・・・一時間ほど悩んだ末、のこぎりで、ズコズコ切断。

ホゾ穴を掘り返し、棚に直接ホゾを刻んだ。リフター作業台がなかったら出来ませんでした。

半日をロスしたが、直して良かったな。

次の段階の写真をここで入れようかと思いましたが、全部わかってしまうので今日はここでおしまい。とてもつまらないブログだったと思います。御免なさい。


焦る。

公募展に向けた制作、進行中です。今、こんな状態。

Dsc_00030001

しかし、締め切りまで、後1週間。

「間に合うんかい!!」

木工の場合、下ごしらえが終わると、急速に進行することが多いのですが、今回は未知の部分が多過ぎます。

漆で、仕上げようと思っていますので、上手くいって、ギリギリ。

最悪、大阪まで、自分で搬入しようかとも思いましたが、当てにならないもんに金も手間もそんなにかけられません。

一応、模型では確認済みですが、組みあがるまでどうなるかわかりません。初めて箱物に挑戦するような気分です。失敗したら今年は諦めます。

今日も、大失敗があったのですが、まずお茶を入れて、気持ちを落ち着けてから、ネバーギブアップの精神で、なんとか最小限の損害で食い止めました。

そんな訳で、今夜の水泳はお休みです。でも、酒は別です。今夜は屋台で軽くやって、緊張をときほぐすことにします。では・・・・・・・・・。

*写真の番号は深い意味があるのではなく、単に順序を間違えただけです。


ご無沙汰していました。宴会つづきだったもので。

「もう酒はいやじゃ~」でも、夕方になったら気分もかわるんでしょうな~。

Dsc_00180002_1_2 おとといの雲です。

カズノコみたいな形をしていました。

写真ではイマイチですかね。

今、ちょっと忙しいのは、朝日現代クラフト展に出品する木工品を製作しているからなのです。

この公募展は地味なんですが、一等賞金200万ですので、結構、中堅木工家も出品していて情けないかぎりです。私も数年前出しましたが、平入選でした。木工商売としては出品料も含めて、大変な赤字です。

元々、この公募展のテーマは「斬新なクラフト」であって、非常に矛盾している訳です。まあ、それでも今回、その「傾向と対策」を考えました。

私、これでも、20年ほど前は、公募展の賞金稼ぎをしていまして、通算60万程頂いています。しかも、打率は三割位。だから、今は前回のリベンジに向けて、集中しているところなのです。

もちろん、時期が来ましたら、結果にかかわらず、ブログに公開します。

   


テレビ台できました。

Dsc_00300003 昨年より頼まれていた、テレビ台が出来て、宅急便で送りました。便利な世の中ですね。

今日、お客様からお礼の電話がありました。

木工家は貧乏だけど御代を貰って、お礼まで頂いて、わりといい商売かもしれん。

このテレビ台、横幅は1600で、板厚18mmですけど、頑丈な組み手を使ってあるので、私がのっても大丈夫でした。一応、ソットのりました。

このところ、テレビ台の注文があります。といっても、一昨年より4件目。そのうち、フィルムみたいなテレビになるでしょうから、こんな使い回しの出来るものを勧めています。

ところで、うちのアナログハイビジョンテレビは10年目となりましたが、昨年末でNHKのアナログハイビジョン放送が、地上アナログ放送に先駆けて終わったので、仕方なくチューナー付きレコーダーを買いました。NHKは一体何を考えているのやら・・・・・・。でも、BS-iで高知県仁淀村出身の吉田類の「酒場放浪記」が見られるようになって嬉しい。番組録画予約も簡単になったし。

本も読まなくてはならないし、テレビも見なくてはいけませんので、本業の木工はどうなるのでしょう。