木工一覧

和紙張り李朝三段棚

ここ数日は朝から雲が出て蒸し暑い。午後は黒い雲が拡がるのに土砂降りになりそうでならないという、なんかこう糞詰まりなお天気なのだ。

ニコンD7000が修理から帰って来た。大分部品を取り換えたようです。機種によって修理前から料金が決まっているというシステム。使い捨てコンタクトレンズほどではなくても、開発費と製造ラインに金が掛かるけど、部品そのものは安いのでしょう。それでも¥2万。もう少し出せば上等の中古ボディーが買える。そのあたりも計算ずくでしょうね。
 
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ヒノキで作った李朝三段飾り棚についでに和紙を張りました。普通は楮紙。この前のは雁皮紙。今度はミツマタです。やや黄色がかっている。拭き漆より、板はかなり厚く見えます。
 
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不思議な質感です。一層目は機械漉きの和紙を捨て貼りします。最後は矢張りドーサ液を湯煎して塗る。
 
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朱漆を入れている椀を載せてみたが、これではパッとしません。

The Wall 完成

今日も暑かった・・・・仕事もしなかったけど。ちょっと燃え尽きていた。こういう日はダラダラでよい。

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湯煎してドーサ液を作ります。暖かいうちに塗るのですが夏だからしばらくは大丈夫。
 
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パネルの水張り用の刷毛ですが、もう40年使っている。良いものは長持ちするな。
 
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取っ手は直径6ミリ。なかなか微妙な旋盤作業。
 
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デケタド~!
 
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ビョ~ビョ~ン!
 
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内寸は36mmしかないので実用性は殆どありません。
しいて言えばエビフライやカッパ巻きが収納可能です。
 
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自分でも良いのか悪いのか分からないので、部屋に上げてしばらく眺めてみることにしました。迫力はある。(・・・・・かどうか?)
シンプルな部屋に置いたらカッコいいと思うのですが、そんな部屋を持っている人が1万人に一人いるかどうか?そして家具好き。殆どゼロに近いだろうな。
 
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サイドの引き出しは深いので使いにくそう。全部に本を収納すると壊れてしまうかもしれません。
とりあえず肩の荷が下りました。
 

上張り

本日は町の健康診断に行った。係りの女性がコンビニの店員みたいな変な日本語を使うので、訂正してやったらムスッとしていた。

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上張りの和紙を「いの町紙の博物館」に買いに行く。真っ正直な和紙か、手芸用の下品なものか両極である。ちょっとオレンジがかった土染めの雁皮紙が気に入ったが、高い!高過ぎる!本体の材料代より高い!・・・・・・が、ここまで手間をかけたので思い切って買った。
 
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つなぎ目に埃が溜まらないように下から張るが大して意味はない。
 
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このころになってやっと、和紙張りのツボを思い出す。
 
下張りは機械漉きの和紙で幅広のロールになっているので一遍に張っている。しかし手漉きだとこの大きさのものはない。
 
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ちょっと変則に分割して張ったが成功したかどうか。
 
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隙間には本体と引き出し側2枚ずつ・計4枚の和紙の層が出来るのでクリアランスを1.5mm取った。実際の紙の厚さは僅かなものだがしわも出来たりするし、入らなくなったら後が面倒なので大きめにしたが正解だった。
 
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「そんなことより早よ!散歩に連れっててくれ。」
 

犬もしらばっくれる

昨日、昼飯に母屋に行くとメインディッシュは古びた塩サバだった。こりゃ食えねえ。母親も高齢で料理に力が入らない。この商売、飯だけが楽しみです。

それで、自分専用の食材で夕食の両親の分も含めて3人分のチャーハンを作りました。両親の分はテーブルの上で冷ましていた。
 
夕食時、階下に降りるとユキちゃんがいつも通り散歩の催促。「まあまあ、ご飯食べてからね。」
 
母屋に入ると母親が「昼過ぎ、台所でガチャンと音がしたので見に行ったら、ユキが椅子に乗って器をひっくり返して、チャーハンを殆ど食べてしまっていた。」
 
作業場に戻って、「オメ~!チャーハン食ったとな。」
ユキちゃん、突然両耳を後ろに収納して、超反省のポーズ。わかっとるがな。ちゃんと。
俺のところでは絶対そんなことしないのですが。しばかれるから。
 
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和紙張り作業が始まりました。もう随分手際が良くなった。
 
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糊を伸ばすのに作ったヘラ。クロス屋さんが使っていますね。
前回も制作した気がしますが、すぐ忘れるから。
 
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一枚目。厚いのを一回では上手く張れませんので2回張りです。
面倒ですが焦っても仕方ありません。
 
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この部分には当然取っ手が付きます。
 

ぬりかべ

今日は暑かった。どうやら梅雨明けですね。

不景気になると、業者や友人が訪ねてきて困ります。元々作業時間が少ないのに。本日も出入りの機械屋が寄ってくれました。「キラ君は昼間遊んで、日が暮れたら飲みゆう。」と思っているらしい。まあ、当たらずとも遠からずではありますが。でも、ひとが真面目にやりゆう時に限って訪ねて来るな。
 
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The wallの木地が大体完成しました。
D7000が入院したのでD610で撮影。フルサイズはどことなく空間に広がりがあります。
 
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左右に引き出し8杯付いています。全部で17杯。吊り引出しですので開閉はスムーズ。
当然、左右にクリアランスがないと開けられません。実用性は疑問だが、こんな家具を買う人は一般人じゃないから問題ないでしょう。
 
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和紙張りで仕上げるのでサンプルを検討した。和紙張りは拭き漆より手間が掛かるし、材料代も塗り漆の倍くらいかかります。でも、木地のサンディングは適当でよい。
 
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猫ものびていた。
 

休日に仕事

本日は雷も鳴るので海に行かず。パドルボードのパドルはカーボンで出来ているので避雷針になります。こういう日は仕事をして、平日に遊ぶ。

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李朝文机が出来上がった。
 
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ニコンD7000はこのように異物が映り込むようになりました。
他の不都合も含めて修理に出すことに。2回目。デジタル機器は金食い虫ですけど、それ以上に稼いでいるので仕方がない。
 
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The wall も進んでいます。
 
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引出し作るの手間かかるな。
 
杉は私の技術では鉋もペーパーもかからないし、すぐ欠けるは、凹むやらで厄介な材ですが、なんとのう優しい感じです。
 

錆入れ

原発の裁判、「絶対安全」と言っておいて「想定外」はおかしいじゃろ。でも、どこの国でもそうかもしれないけど、お偉方が罪に問われることは少ない。

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李朝文机の注文がありました。
 
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設計は14年前です。今回見直すと天板のピン角が気になります。
 
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画像ソフトで丸くして、お客様に見てもらいましたが「部屋の雰囲気からするとピン角が良い。」とのこと。俺は丸い方が可愛くて好きだな。
 
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拭き漆をした後、錆入れをしました。家具屋などでは、いきなり錆入れをするところもあるらしい。合理的ではありますが良くはないと思う。
 
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錆を落とします。これで導管が埋まります。宮家の結婚祝いならこの、作業を数回繰り返して完全にフラットに仕上げますが、普通はそんな面倒なことはしません。
 
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その後、一回目の拭き漆を済ませた状態。次に慎重にサンディングして、漆を重ねてゆきます。簡単に済ませても十分面倒くさいです。
 
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The wallにも脚が付いた。
 

黒田辰秋の円卓 その後

蒸せますがそれほどでもない。でも、工房はエアコンをかけています。

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難儀して仕上げた辰秋の円卓ですが、使いもしないのに部屋にデンと置かれています。
 
何処にいても目に入りますが、やっぱいいわ~!
存在感はあるけど嫌味がない。気持ちがいいんです。
 
考えてみたら自作の家具はベットとパソコンの前の椅子しかないな。
デスクなんかもちゃんとしたものを作ったらグッと雰囲気が良くなるんだろう。
 
ところでこの円卓は天板が反っていたのですが、辰秋の作品にはそういうものが多く見られます。造形は名人でしたが材の乾燥には疎かったようです。
これは多分、辰秋クラスの名人ともなれば京都の銘木屋で金に糸目をつけずに何十年と寝かした材を買えたからでしょう。多分丸太買いして製材して乾かすなんてやった事がないのではないでしょうか。黒沢監督の別荘の丸テーブルもナラの生材で苦労しています。
 
上の円卓も木取り的にはかなり無理があります。狂いにくいヒノキを使ったとしても。次回はこれで初宴会したらUPします。

The Wall

まだまだ涼しい日が続いております。快適ですけど大丈夫なのか?

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新作の組み立て。木工を本格的に学んだわけではないのでやり方が分からない。
一遍に組むとボンドの拭き取りとか大変そうなので片側だけ。リブは垂直を確認して圧着はしません。PIボンドで一晩置く。
 
このまま乱暴に持ち上げると割れそうなので・・・・・
 
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12時間硬化のエポキシで正面板を接着。圧着のため階下に降ろします。
 
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一人でやっとこさなのに・・・・・
 
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便利な機械ですが、いちいちセッティングが大変です。同じものを量産するには向いていますが。パワーはないのでホゾは緩めでないと入って行かない。
 
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エポキシは完全硬化するとガラスのように固くなって刃物を痛めるので適当に固まったら外して必要な加工を済ませます。
 
これに脚を付けたら本体完成です。ひとます中断して注文仕事にかかります。
 

黒田辰秋の円卓の修理 その5

共謀罪法案可決しましたがどうなるんじゃろ?国民もこのままなすがままになるのか?
 
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韓国旅行の前の話ですが、円卓・仕上げの朱塗の準備。
デジタル測りが役に立ちます。
 
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少量の漆を加えて銀朱を練りに練ります。Fron YouTube。
練り棒も3種類作りました。
 
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まったりとしてきました。しかし、何分練るかは出ていなかった。多分全然練りが足りません。
この作業、素人には絶対無理です。あちこち漆だらけになると思います。
 
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漉して埃を取り除きます。
 
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しかし、いくら埃を取ってもこの作業場では塗った端から浮遊する埃が付着します。無駄な作業でした。まあ、どうせ研ぎ出すからいいけど。本当は塗りっぱなしが好きなんですけど。
 
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研いでから拭き漆で仕上げ。
裏面も塗り直した。辰秋のサインはマスキングしておいた。
 
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根来風。まあ、失敗作じゃな。
はっきり言って、めんどくさくなった。手間が掛かり過ぎます。
時間が経てば透けてきて、もっと朱が際立つとは思います。
 
とりあえず中塗りとしては上出来なので、このまま使ってその気になったらまた塗ればよい。割れが入ってガタガタだった状態からは無事再生しました。