木工一覧

李朝、曲面バンダジ

Dsc_0054今月は、反った板を使ったバンダジを作っている。

前回の曲面を使った棚に、扉が付くわけで、困難を極めている。

長さ方向にも、幅方向にも曲がっているので達が悪い。

しかも、全部がセットになっているので、失敗は許されない。でも何とか出来そう。

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これは、貫通ホゾノ出っ張りを避けて、クランプするための治具。

ルーターマシンがあるとホントに便利だ。機械の精度がいいので、切れるビットとそうでないのがすぐわかる。見てのとうり、バリも出ません。使ったのは普通のストレートビットです。

Dsc_0062 こんな風にして使います。曲がって全体に圧がかかる。逆に普通の平らな板の場合は、治具を曲げて作っておきます。

しかし、こりゃー華奢に作り過ぎた。たたかないと、センターが入って行かなかった。

もう一息ですが、新しいものを作るのは、カッタルイもんですね。切り損ねたら終わりやし。木工の難儀な部分です。


木材人工乾燥場

今日は、昔からのお客さんが来てスプーン10本と盆を買ってくれた。それから大物も買ってもらえそう。滅多にないことだ、有難い。まあ、いつまでも霞を食って生きていられないしな。諦めていた、新しいサーフボードを注文しようかな。

Dsc_003465_2 火曜日に木材乾燥場に”虫のお住みになっている”山桜を持ち込みました。

以前はよく利用していましたが、ここ数年ご無沙汰でした。

今回は、乾燥ではなく、温度を上げて虫を殺す釜に入れてもらいます。ちょうど“相乗り”出来る釜がありました。検疫の厳しいアメリカなんかに輸出する材を入れるそうです。

Dsc_0029 このように、レールが引かれていて台車にホークで積み込めるようになっています。

時々、ボクサーも利用するそうです。減量は出来ますが命もありません。

Dsc_0027 途中、仁淀川の河口をチェックしました。

平日の朝の10時に40人もサーフしていました。みんな、どんな仕事してるんでしょうね?

人のことは言えんけど。


銘木解体 3

急に寒くなってきて、なんだか秋がないような、いやな感じだ。

Dsc_0007 銘木解体も佳境に入る。今日は、腐りの入っていた両端をさばいた。なんとか一人で持てる重さです。

Dsc_0009昔、やたら外国製の機械をほめそやす人がいたけど、挽き割は国産バンドソーの独壇場だ。高速、正確でスムーズに仕事が進む。

写真の材の濃い部分が“焼け”で、菌が入ってスカスカになっています。

Dsc_000631 これが残った材。全体の3割以下。

今年は、高価な薪が出来ました。現金燃してるようなもんですね。

Dsc_001333 でも、残った材には杢が出ています。

これで、茶箱やらなんやら、細工物を作るんですが、そう売れるもんじゃないしな。でも作っといても場所を取らないのがせめてもの救いです。

Dsc_0020 例えば、この材なら刳り物の箱が出来ます。写真で見てもわかるように、杢が出るのは表面から5㎝位の深さまでです。

3日かかって、解体は終わりました。この作業は頭も使うので疲れます。

虫を殺すための乾燥釜の手配も済んで一段落です。


銘木解体 2

Dsc_00023125 台風一過の空。

なんか全然大したことなかったな。伊勢湾台風と比べるなよな。

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一昨日の山桜を車から降ろして、皮を除いたり、使い方の算段をしていました。

工房で見ると流石に大きいです。

Dsc_0031 虫くいがあり、しかも、まだ生きている・・・ちゅうか、成虫になって飛び出していない。

早めに樹皮を取り除かなかったのも原因の一つです。

そのうち清げなカミキリ虫が出現するのですが、作り手にとっては厄介です。

人工乾燥で殺すしかないと思う。せっかく、自然乾燥で仕上がっているのに仕方がないだろうな。

丸々テーブルトップとして使えるのは、4枚のうち2枚かな。この買い物は失敗じゃった。でもいいんです。ギャンブルみたいなもんで、大穴を当てたこともあり ますから。

Dsc_0015 ちょっと変わった”杢”も発生しています。

”ミミズ杢“ ”血管浮き出た杢”・・・・じゃあ高く売れないので“ヒマラヤの気高き峰々杢”とでもしましょうか。

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普段なら発表しませんが、今日は50歳の誕生日です。信長じゃないけど50年は生きた。

お客さんがケーキを持って来てくれた。60歳ならなんとも思わないでしょうが、50歳は複雑やな。

酒飲みですが、最後に甘いもので仕上げるのは好きです。

昨日までは”栗の渋皮煮”でしたが今日はケーキじゃ。最近、食いもんには困らんな。


銘木解体

Dsc_0005 今日は南国市の海地製材所に行ってきました。

7,8年前に買った山桜(全長4m×幅85㎝×厚さ17㎝)を家具用に腑分けしたのです。

この盤は私が買った中では一番高価で、どうも、価格に見合った使い道が見当たらず、他県の市場に投機目的で転がしていたんです。

残念ながら、不景気でますます価値は下がりました。いや、価値は別に下がってないけど、価格がね。

Dsc_0013 このほど、段取りついて、エイヤ!で挽くことに。

このクラスになると、ワクワクもしますが、憂鬱でもあります。

どんなに上手くいっても、100%成功はあり得ませんから。でも、今まで待った意味はあったかもしれません。期が熟したというか、それなりに経験を積んできたし。

実際は、今回、さほど選択肢はなく”焼け”の入った両端1mを切り離し、良質な2m材を取りました。両端からはテーブルなどの脚を取ります。

Dsc_001732 最近不景気な製材所も、久々の大径材にチビット緊張気味です。

幅60㎝程度の盤はざらにありますが、山桜の85㎝はちょっと珍しいと思います。

でも老木で多少傷みは免れません。

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縮杢が出ています。

意外に軽かった。あまり知られていませんが、ホントの銘木はケヤキなんかでも比較的軽いんです。これなら後々大狂いはしません。それに、この材は20年以上寝かされていたそうですから。

Dsc_0059_2 海地製材も記念撮影していました。

実は薄板を何枚も取ろうかと考えてもいたんですが、勇気がありませんでした。

まずまずの板が取れて、私も久々に製材の楽しさと興奮を味わいました。でも、買った時の値段で買い戻してくれるならそっちの方がいいかもな~。

どなたか、ダイニングテーブル注文しませんかね。この材なら、すぐ使えると思います。


鵜島先生の箆(ヘラ)

鵜島啓二先生は輪島の”漆塗り作家”では、角偉三郎先生と双璧をなします。しかし、玄人好みの作風で一般の方は知らないかもしれません。

5,6年前になるか、『輪島屋 善仁』の山下さんの紹介で、高知の漆器コレクターのオバサマ達と一緒に、鵜島先生を訪ねた。輪島屋は自社の製品だけでなく、鵜島先生他、地元の作家、職人の製品も売り歩いているんです。

鵜島先生は気さくな方で、こちらの質問に答えながらも、手は止まりません。ちょうど布着せをやられていました。山下さんが言うには、普通の熟練した職人の3倍仕事が速いそうです。

背筋がピッと伸びて座業で仕事をする様は、古武士のようでした。若い頃は、あまり姿勢がいいために「あいつ、なんでふんぞり返ってるんや?」と言われたそうです。

Dsc_0025 帰りしなに、箪笥の上の箱をまさぐって、一番大きい箆を全部くれました。アスナロだと思います。

「もう、大きなものは塗らないから」とのことでしたが、

「割れば小さくなりますが、いいんですか?」

「そりゃ、勿体ないだろう」とのことでした。流石、わかってらっしゃる。

分厚い箆で、全く曲がりません。どうだかな~?と思っていると「まず、使ってみなさい。」でした。いや~、はじめは面喰いますが拭き漆にはとてもいいんです。ちょっと熟練はいりますが、目から鱗でした。

次回は、じっくり教えてもらう約束をしたんですが、結局これが形見分けのようになってしまいました。2年ほど後に亡くなられたのです。ガンだったと思います。あまり検診もしていなかったようです。角先生も前後して亡くなられました。

う~ん、でも、この箆は鵜島先生の代わりに、よく教えてくれたわ。

Dsc_00223 これは、現在使っているヘラの一部です。

螺旋飾棚なんかは全部の面が捻じれているので、どうしても弾力のある薄い箆が必要です。

短いものは、棚を塗るのに使います。

なんでも、手広くやっているときりがないですね。


新李朝三段棚

Dsc_001066  新李朝三段棚出来ました。勝手に“新李朝”とは我ながらいい根性してるは。

もう少し、考えてディスプレイしたらいいんじゃないのか?今度やり直そう。

慌てて、半袖で拭き漆をしたことがあって、かなりカイカイです。

HPも見て下さい。


李朝棚

今日、ブログのアクセス解析を見たら、妙な曲線を描いていて、朝4時に30人もアクセスしていた。調べると、全部”中国”からのアクセスでした。

来月には、俺の家具が100円ショップに並ぶかもな。せめて、300円商品で売り出してくれ。

Dsc_0022 この李朝の棚、何の変哲もないように見えますが、実は凄くバカバカしい試みをしています。

ヒント・・・・・ホウキとチリ取り・・・・・・・・は関係ありません。

Dsc_0015 実は、ナチュラルベンディングで反ったり、曲がったりした板を使っています。平らな板は一切使っていません。

側板も棚板も曲がっているので、接合面は3次曲面になります。

Dsc_0021 このようにヘリが凸面であれば、普通の毛引きが使えますが、凹面だと写真のような治具がいります。

Dsc_0035 ほぞ穴は、全部現物合わせです。ヘグナーの糸鋸が活躍します。

慣れたら、さほど、手間暇かかりません・・・・・・・もとい!本当は凄く手間がかかります。

Dsc_0005 全体が歪んでいるので、直角を見る場合、スコヤは全く当てになりません。

このような巨大な差金?を使います。

割合簡単に出来たのは、枝の家具を作っていたからか?

しかし、表裏に鉋をかける技は秘伝です。特に凹面は厄介です。こればっかりは企業秘密です。


ベンチを届ける。

Dsc_0081 今日は、午後からベンチを届けに行っていました。スッキリといい感じに収まりました。やっぱり俺はセンスがいいわ~。

この家は、高台というか、丘陵の中腹にあって、上下は水田です。風が抜けて涼しいです。高知といえどもこのようなロケーションは滅多にありません。

冬は多少寒いでしょが、これからの日本の家屋は、夏の暑さにターゲット絞って建てないといけません。

元々、日本の家屋はそうなんでしょうが……高床式にするとか、屋根は芭蕉の葉でふくとか。

それから、我が家みたいに鉄筋のビルなら、窓をバカみたいに多くとると、暑くて寒いです。少しの窓でも十分明るいし、風も抜けます。絵を掛けるスペースも出来ます。予算も少なくて済みます。

私は、3階の住居部の道路側(北側)の窓は、騒音対策もあって、ベランダへの扉を残してコンパネで塞いでしまいました。大工さんに聞くと、石膏ボードがいいそうです。タイガー!窓が少ないと、部屋のレイアウトがしやすいですよ。冷暖房も効くしな。

妙に話がそれました。このお宅からの眺めが抜群なのですが、写真を撮ることを忘れました。金が入ったので、今日は「やまぶき」に行くかな。


曲げ木の椅子

民主党の大勝も、どうなる事やら。でも随分若返ったのがいいんではないかと、同級生と話したことでした。共産党は伸びんかったな~。

Dsc_0021isu ナチュラルベンディングチェアー仕上がりました。

重量は2400gで座板を使った椅子としては、まずまず軽量です。穴に手を掛けて、持ち運びが容易です。

体重62キロの私では、心配した座板のたわみも感じられません。勿論、脚立代わりに上に乗っても大丈夫です。

Dsc_0001isuhozo ホゾは、時計のように正確です。苦節17年の努力も無駄ではなかったようです。

座板の曲面の仕上げに、反台鉋を使ったため、脚や貫も鉋をあてて仕上げています。だから、ナンチャッテ手作り風です。

今回、拭き漆仕上げですが、オイル仕上げもいいかもしれません。

17年もわき目も振らず、木工道に精進しているとボチボチ新商品が出来るもんですね。でも、量産には向かんな。