木工一覧

高杯に挑戦する。

Dsc_00114 昨年、仏壇の制作で、仏具の高杯を試みて、何とか満足なものが出来たので、以前より念願だった大きな高杯に挑戦しようとしています。

天板の直径が38㎝なのでほとんど、膳とか卓に近いです。3ピース構造です。

こういう大きさでは材料も貴重なので、いつになく慎重に図面を引いて、段取りを考えます。

Dsc_00036 3台位、いっぺんに作りますが、その前に練習で丼でも挽くつもりです。

ストックしておいた端材が役に立ちます。練習といってもプロですから、立派に仕上げてお金にしなくてはなりません。エライ!‼ 

Dsc_00256 やや大作の場合は、外堀から埋めるように仕事を進めます。

斎田さんのブログに影響されたわけではないのですが、旋盤用の刃物を研ぐ、グラインダーに改造を加えています。

久々に電気溶接機を使いましたが、体が覚えていました。そのまま、バチバチやりましたがグラインダーも壊れませんでした。 

明日にでも、発表出来るかと思います。全然大したことないけど。


仕事納め。

本日も仕事していました。今月は大分休んだため。というか、年末年始はすることもないし。大掃除もすんだし。

Dsc_00071 群馬県のお客様に頼まれていたテレビ台出来ました。

なんてことのないデザインですが、まあいいかな。

中にも小さな足があるのは、液晶テレビが意外に重く、垂れてくるのを防ぐためです。もっとも、私が乗ってもビクともしないんですが。

次世代のテレビはうんと軽いか、壁掛けですので、外れるようネジ止めにしています。

Dsc_0009 目込みのタモでしたので、2回塗りで漆を500gも吸い込みました。

うちの拭き漆は2回塗りと6回塗りがあるんですが、2回だと、枯れた感じで、木製品の好きな方から御指定を受けることが多いです。

楽は楽ですがムラになり易く、技術的には難易度が高いです。木地への漆の吸い込みは2回で止まります。後は、表面に重ねていくことになります。

今回は、棚の間を塗るのに専用のヘラを作りました。それでもやっぱり二の腕がかぶれてカイカイになりました。

白磁と粉引の杯は九州の小川哲男先生の作です。わたしも、これから友人宅へ飲み納めに出かけます。皆様、よいお年を。


仕事もしています。

よく更新するなー。くせになってるなー。リバウンドがきそう。

Dsc_00111 テレビ台の仮組をしました。”李朝飾棚”とでも呼んだ方がお客さんからお金を一杯貰えるかな。

拭き漆で仕上げるんですが、見てのとおり、隙間が狭いので、組む前に、部品の状態で(接着面にはマスキングして)塗装を済ませておく計画でした。普通、パーツの状態で拭き漆する方が圧倒的に楽です。

でも、こりゃ~後で側面を面一に組み上げる方がもっと大変そうじゃ。

2222 結局、組んでしまいました。

箱を組むのは道具もいるし、秘伝の技も使わなくてはならないんでっせ。どこがじゃ~!!

あ~、この棚の間に拭き漆していると、袖がめくれて、手首に漆が付いてカイカイになるんじゃろーなー。

ちょっと憂鬱だが、それも仕事だ。


黒田辰秋のオタク。

私は、黒田辰秋のオタクです。追っかけ?日本の木工界では巨人ですし、外国とはレベル的に比較になりません。仕事の下にあるものが深いんですね。日本は木の文化の国じゃしね。

2000年に愛知県豊田市で開かれた展覧会にも行きましたし、飾棚のある、京都の「鍵善」でお菓子を買ったりしています。

Honn 出版されている本は、大体持っているのではないでしょうか。

一番下は、サイン入りの限定豪華本。川端康成や武者小路実篤等の凄いメンバーが文章を寄せています。ただし、肝心の写真が「絶対、俺が撮る!!」と言っていた土門拳が倒れてしまったので、ショボイです。豊田市美術館が図録を出したので、資料的な価値は低くなりました。

一番上の本は、珍しい1977年に熊谷守一と「二人展」をやった時の図録です。

棗は、商売が良かったころに手に入れました。久々に取り出してみると、やっぱ落ち着くわ~。ウ~ン、損のない買い物じゃった。この棗については、また後ほど。

その割には、重厚な辰秋の作りが、私の製品に反映されていないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、まあ、時代も違うし、性格が軽薄だし。それはそれです。

しかし、黒田辰秋は私にとって一番習うことの多い、工芸作家です。


塗師刀(ヌシガタナ)

今日は仕事をしましたが、風邪は完全に治ってないです。腰も痛いのじゃ。

本日はマニアックな刃物の話です。

Dsc_0019 中央にあるのが塗師刀です。上の小刀と比べると、大きさがわかります。ドスの先が折れたような刃物ですが片刃です。

これは左利き用にあつらえたものです。他の刃物は、右勝手と左勝手と両方いるのですが、塗師刀は漆塗りに使うヘラを削るためのものですから一本でいいんです。刃渡りが長いのは矢張り、引きながら削るからでしょう。普通の人には意味がわからないと思いますが。

10年近く前に買ったんですが、一度も使っていません。私の場合、さっさとベルトサンダーで削ってしまうから出番がないんです。漆を使う者には必須の道具と思ったんですが、木工家は鉋を使ってもいいし、小刀でも代用できます。もったいないので、出刃包丁の代わりにしようと考えています。

でも、この刃物は一度だけ役立ちました。

以前、私の工房の隣は町有地で、バス会社に待機所として貸していました。問題だったのは住宅地なのにバスがずっとエンジンをかけっぱなしで停車していたことです。運転手はもとより、会社にも注意しましたが一向に改善されません。バス会社なんて民意が低いですね。私としては、泣き寝入りは出来ず名案を考えました。

アホになって、塗師刀で棒をスパスパ削りながら運転席に駆け寄って、

「おんちゃん、エンジン止めや~。」とやさしく言いました。(目はちょっと白目?)

これは効きました。一度で誰一人アイドリングはしなくなりました。ちゃんと”申し送り”出来てるジャン。

*この塗師刀は、漆用品店で注文した三木の刃物です。高かったのにホームセンターで2000円で買った小刀と同じ商標が付いていました。相当のマージンが入ってる訳で馬鹿くさいですね。現在は三条の刃物屋に直接注文しています。安いです。下の刳り小刀は左久作。その刃物屋が”気に入らないから”と安くしてくれました。硬いけど切れますが・・・・・私は刃物にそんなに頓着しません。


シェーカー椅子、ほぼ完成。

Dsc_0016 風邪をひきました。写真のダイニングチェアーが、あと一回の塗装を残して出来上がったので、ホッとしたのかもしれません。しかし、このくらいで情けないです。

実は、ここ2週間ほど腰痛もひどいです。季節の変わり目だからか?高知のサーファーの80%が腰痛を訴えていますので、そうかもしれません。本日は、試しに薪ストーブに点火しています。Tシャツからストーブへ、体感的には秋がないような印象ですね。妙な季節感です。

Dsc_0009 前回までの椅子に比べて、座面がゆったり、背も高くなっています。逆に笠木の曲率は強くなり、包み込まれるような印象です。大型化に伴い、スピンドルが一本増えています。ダイニングチェアーというより万能型の椅子です。

ちょっとずつ変化していますが、シェーカーらしさはなくなりましたね。座面は厚いですが、栗なので意外に軽量です。

本日は、寝て過ごしましたが、次は仏像を彫らなければならないので、趣味と実益を兼ねて、その方面の本を見てました。実は、この一ヶ月はその準備でもありました。年末の大仕事、出来るじゃろうか?


夜は素敵。

明日は、はるばる群馬県から、ご夫婦のお客様がおいでなので、午後からショールームの掃除をしていた。お客様が来るのは、大体ふた月に1組ぐらいだろうか。来ればなんだか買ってもらえるので、一人でやってる工房としては、冷やかしの相手をするより、むしろ効率が良い。もともとは、倉庫のつもりで建てたんですから十分です。

それまでは、毎年個展の2,3ヶ月前になると、チークオイルや漆の半乾きの家具と寝食を共にし、すっかり脳と鼻をやられてしまった。今考えてもゾッとするな。皆さん、健康が第一ですよ~!

Dsc_0070 夜の、ショールームはいい感じです。写真で見れば・・・・でも、ネズミの糞の掃除が大変でした。どこから入ってくるのかわかりません。親指位の穴があればOKだそうです。常連さんじゃ。フンばっかり残していくなよ。

しかし、よく売れ残ったもんだ。でも、これくらいはないと、お客さんが来ても面白くないしな。

明日の夜の部は、私が段取りすることになっているので、楽しみだな。イッヒッヒッ。


大失敗。

Dsc_0020 昨日のことです。連休の疲労はあるものの、気分的にはスッキリと仕事をしていました。

手前は座刳りマシンによる加工の終わった座板です。失敗は上の四枚のうちの一番手前です。表裏が逆になっています。側面に角度が付いていますのでリバーシブルではないのです。

この失敗を見つけた時は頭が真っ白になりましたが、幸い6枚中1枚でした。私の場合、たいていの失敗は埋木したりしてリカバーしますが、これはちょっと、どうしようもないです。

手間的にはさほどでもありませんが、栗の厚板なんか売ってるところは近くにはありません。幸い、在庫はまだ沢山ありました。

元々、集中力を欠く状態で仕事をしていましたが、さらにボケる事態に陥ったのは、サーファーのMちゃんが、先日私が撮影したライディングをCDに焼いてくれ~!と訪ねて来たことです。電話をもらった時、悪い予感はしました。Mちゃんは凄く薄着なんです。案の定、ノースリーブにミニスカートで現れ、帰りに車に乗る時はパンツ丸見えでした。見るな~!!

Dsc_00061 のぼせました。まあ、ちょっと失敗したけれど、長期的には「元気」になったかも!?

人生にはいろんなことがありますね。


気分を変えて。

Dsc_0031_2 どうも調子が悪いので、気分転換に、昨夜は、キャンピングカーで行く居酒屋 ”やまぶき” に出かけました。おいしかった。 朝はスッキリ。

でも昨夜は雨で、木立の下に駐車したんで、いろいろなものが落ちて来る音で、トトロ気分でした。車体がデカイと結露することもなく家で寝るのと変わらないです。いっそのこと、敷布団を持ち込もうと考えましたが、世帯臭くなりますし・・・・・場所も取るし・・・・・ホームレスみたいだし、やめました。

今日は、椅子の座刳りです。今度のシェーカースタイルのダイニングチェアーはストイックなタイプではなく、やや、リラックスできるようにするため、座をやや大きくして、座刳りの形状を変えます。その型作りから始めます。

しかし、一から始めるのではなく、別のダイニングチェアーの型を流用することにしました。

Dsc_0046 座刳りマシン。何度やってもこの機械をセットするのは大変です。

前回まで、グラインダーに直接取り付けていた集塵ホースを、切り離しました。微妙な力加減を重視するためですが、集塵口を時々移動する必要があり、一長一短です。

箱物はそうでもないんですが、椅子、特にウィンザー系は微妙なものがあり、乗ってくるまで時間がかかります。まとめて作り置きすると、さらに時間が空くので、忘れてしまいそうだし、厄介です。一般的に、箱物と脚物を作る職人は分かれているそうです。


続、木工旋盤。

Dsc_0006 昨日の続きです。こんな感じで仕事をしています。ペーパーをかけるときに粉じんが出ますので、ずっと防塵マスクをして作業します。

よく、集塵ダクトを付けてる写真を見ますが、音と振動は重要な情報源ですので集塵機を回す気にはなりません。

写真の山桜の35㎝のスピンドルなら難なく削れますが、60㎝になるといくら手を添えてもうまくいきません。柾目のタモなら大丈夫ですが。

Dsc_0014 左の3本は”レコード”のセットもので、カナダで買ったイギリス製。バイトは、イギリスで買えば一番安いんでしょうな。右端のでっかいガウジはオフコーポで買った格安品。脚の粗挽きに活躍します。しかし、なんとなく見劣りはしますので、お金のある人はブランド品がいいでしょう。

今回、脚とスピンドル、荒と仕上げ削りで、回転数をこまめに調整しましたが、確かに適正回転数があるようです。回転が合うと、ガウジでも連続したカンナくずがニョロニョロ出ます。となると、やっぱりインバーターは便利ということですね。

しかし、もう歳だから、あれもこれも作るんじゃなくて、ジャンルを絞り込んだ方が楽かな~。調子が出るまで時間がかかり過ぎます。