木工家専用一覧

トチ狂う

昨日のブログ「極」の字に横棒が抜けていました。もうパソコンなしに漢字は書けません。実際人前で字を書くときは超緊張しますね。

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縮み杢と斑(ふ)の入った栃。同時に二つの杢が入ったのは高知の銘木屋は嫌います。しつこくなるからな。

漆を塗ったらどうなるか分かりませんが、手板で見分はせずそのまま仕上げます。

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栃狂うと言いますが、手押し鉋で何回削っても曲がっています。きりがないので適当な所で止めます。

更に都合の悪いことに、斑の黒い部分に“金喰い”が居るらしく、交換した刃7枚全て切れなくなりました。新品の刃じゃないと縮み杢はバチバチ飛ぶし。

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加工にはレーザーを使う予定ですが・・・・・

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何で~!ズレてるんかの~?

もう初めからやり直した方が早い。でも2回目はずっと早く出来るし、練習になります。こうやって試行錯誤しながらじゃないと結局ソフトは使いこなせないのでしょう。

手間も材料も必要な猫足。

もう最近ひどいニュースばかりで取り上げる気も起こりませんね。どうなるんでしょうね?

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今日は自身の忘備録としての記事。ググってみたら「忘備録」には「自身の」という意味は含まれていた。本来は「備忘録」なのだそうです。

猫足の切り出し方法: まず2面に墨付けしておいて、1面を切断。バラバラにならないよう、材は余裕を持った太さがあった方が良い。その方がバンドソーの送りもスムーズ。

切断したパーツを丁寧にテープで貼り付けて、もう一面の加工をします。

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2/3程が焚き物になります。贅沢なスタイルですね。だから貴族の館で使われたんだろうニャ~。

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暖かくはある。


木工中級技術

新しい自主製作が佳境を迎えていますが、それは事情によりUP出来ません。まあ、何でもかんでも載せるのもどうかと思う・・・・・と言うのは「お前に言われたくない。」と言われそう。

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この角材を木ネジで直角に継ぐのは意外に難しくて木工中級技術なんですよ。
今日はその簡単なやり方をそっと教えます。1000人に一人くらい役に立つだろう。

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まず、直角に気を付けて皿付きのドリルをもむ。

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相手の木口にボンドを付けて20分ほど放置します。ただ木口が正確に出てないと困難です。

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ボンドだけでそこそこ強度はあります。まあ、仮止め程度です。

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上の錐できっちり下穴を開けてからインパクトで揉みます。

これが案外一番簡単で確実なDIYだと思います。

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このように接着してから仕事をすればズレなくて結局能率が良いです。


反り

本日は手元の温度計で36℃オーバー。ゆるゆる仕事を進めないと死んでしまいます。

トランプはオバマの在職中、「ゴルフのし過ぎ!」とかこき下ろしといて、自分は倍も休暇を取っているという。結局、この人は罷免されても普通に元の商売に戻るのでしょう。困った人を選んだものです。
 
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10年ぶり位に作った李朝文机ですが、また依頼がありました。こういう不思議なことは良く起こります。
 
天板を取るのに、厚板を挽割ったら反りました。内部応力のせいだと思います。
前回のも反りましたが、3日も放置したら戻りました。今回は・・・・・余計に反った。分からんものですね。最悪なのは手押し鉋盤で削っても削っても反りが取れないケース。結局、既定の厚さを下回ってしまう。炙って直す方法もありますが、そこまでするサイズでもないし。
幸い平面が綺麗に出た。
 
本当にこの暑さではのんびりやらないと参ってしまいます。

始末した。

今日もよく働きました。
昨日は勢いでやっつけたが、本日はボチボチと。体がもちません。作業中に首の筋を違えそうになる。昼寝中にわき腹と足をつりました。
 
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昨日、20センチだった割れがここまで拡がっていた。さっさと2枚に割る。
 
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昨日、Oさんと降ろした材で幅広の物は
全く持ち上がらなかった。持って持てないことはないだろうが腰が壊れます。芯に近い板はバンドソーで割りました。
割れ止めのボンドを塗る。この台車が大活躍。
 
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皮は出来れば剝いでおいた方が良い。矢張り、魚でも獣でも
皮と身の間が美味いせいか、虫もこの部分に入りますから。
山火事に対応してか、皮は薪ストーブでも燃えにくいのでゴミに出します。
 
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朴はこのように赤身と白身のコントラストが少ないのが良材です。そして赤身が黒ずんでない事が重要。
 
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平積より立てた方が一般に乾きよいと言います。反りやすいけど「リン」と接する部分が傷んだりしません。一般の方には分からなくてすみません。
 
厚さ2寸で乾燥まで2年。それまでは生きていますが、この材を全部使いきることはないと思う。早めに引退して南の島で暮らしたい。

大工の製本

今日もパソコンと機械とにらめっこ。健康に悪いし腹も空かんし酒も旨くない。
 
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最近は何でも取説がWEBだったりしますよね。アナログ人間の私はレーザープリンターで印刷して製本します。滅多にある事ではない。
でも、これではすぐ破けてしまう。
 
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そこで70枚まで止められる大型ホッチキスを買おうと思いましたが高価だし出番もそんなにない。
そこでエアタッカーを使うことを思い付きました。
 
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桐材の木口を控えにして打ち込んでマイナスドライバーで外します。
 
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槌で叩いて止めます。これだと100枚以上でもOKです。
 
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こんな感じで出来上がり。
今回は大工さんで製本が必要な方という、ごくレアなケースで
一般の方は参考にならなかったと思います。手動のタッカーでもそこそこいけると思います。

ベンチのクレーム

 
オバマ大統領の広島訪問を受けての安部ちゃんのインタビュー、久々に人間的な表情を見せていました。悪い人じゃないんでしょうけど、馬鹿だからしょうがない。
広島訪問はアメリカでもデリケートな問題で賛否両論と言いますが「原爆の人体実験」をやったのですから無理もないな。
 
三菱の燃費偽装、自己申告だとは知りませんでした。他のメーカーもどうなんじゃろ?
 
舛添がプライムニュースに出ていたのをチラッと見ましたが、兵庫の号泣県議によく似ていました。散髪代まで経費で落とすとはセコ過ぎです。
 
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話はグッとスケールが小さくなります。
6年前にベンチを納めたお客さんから「背もたれからカキッ!」て音がすると連絡がありました。
 
「まさか座ってないでしょうね。」
「毎日便利に使っています。」
「それは困りますぅ~。」
 
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強度を出すために、両端のスピンドルはオフセットされています。
また、表情に立体感が出てカッコいい。
 
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今回、この部分に非常に強い力が加わると実感!
ここん家は丘陵地帯にあり高乾燥なので徐々に緩くなったのでしょう。上の接合が外れていました。ホゾは十分長くとっていたのですが。
両端のスピンドルは3割増しの太さですがホテルなどに設置する場合は不安です。もう一本増やすなどした方が良いでしょう。
 
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このようなタイプだとしなりますが、かえって丈夫かも。
 
瞬間接着剤を持って修理に伺ったのですが、存外精密に出来ていて、隙間が全くなく接着剤が入りません。しょうがないので持ち帰り、低粘度でシャブシャブの接着剤を浸透させました。
 
半日の手間。6年も経っているので修理代を請求してもいいようなものですが、中々出来ません。木工は甚だ損な商売ですね。
 

新旧比較

風邪気味でしたが、根性で持ちこたえています。

でも、昨日から扇風機を回したいような陽気です。

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右は15年ほど前に作ったT型チェアー。

別に手抜きしたわけじゃなくて、和食店用に納めましたので、素朴で民芸的なデザインにしております。

このほど、別の店で使われることになり、修理し汚れを落として塗り直しました。

左の現行品は10年ほど前からこの姿です。

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何も知らなかった頃の貫通ホゾ。クサビ入り。クソ木工雑誌の影響です。

十分な厚みがあれば、貫通ホゾは百害あって一利なし。特にクサビは胴付じゃないと意味がありませんし、穴も臼にしなくてはなりません。

実際、何脚かはホゾが突き出ていました。

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この脚の形状は凹んで見えて、造形的に難あり。

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このように外側に膨らんでいるのが○。

穴開けの角度が急になり難易度は増しますが。

『石の上にも3年』ちょっとずつ進化してゆきます。


フェイスワーク

今日の話は一般の方には分かりません。

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T型チェアーの在庫がなくなったので製作中です。端材で都合11脚の予定です。

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座面の窪みを削り出します。いや、削り取るか?

このようなワークの形状は危険です。気を付けないと。

チャックは大きなものを使うほど、振動が出ません。

ツールレストはワーク近付け過ぎてもいけません。適当な距離を置かないとスムーズに刃物を動かせません。

それよりもツールレストの高さが大事なようです。

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使う刃物はボールガウジとスクレーパー。

私は棒削りは得意なのですが、フェイスワークは中級クラスです。

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柔らかいタモではスクレイパーで仕上げようとすると、慎重にやっても“むしくれ”てしまいます。傷は結構深い。

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刃先に“返り”を付けるとかなり改善します。

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ボールガウジだと切れは良い。刃物をよく研ぐのと振動を抑えるのがコツです。

しかし、私の技術ではスムーズな曲面は無理。ただ、この位ならペーパーで簡単に修正出来ます。水拭きした後の毛羽立ちも僅かです。

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硬いカエデの場合、スクレーパーでもスムーズな鉋屑が出て、そのまま仕上げにかかれます。

どちらの刃物もそれなりに使い道があります。色々な刃物を使うのが木工旋盤の楽しいところです。

しかし、轆轤作業自体が金を生むわけではないので深入りは禁物です。


木取り

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椿も盛りを迎えております。初冬の淋しい庭に彩をくれます。

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他の仕事もあるので、食器棚の木取りをのんびりやっています。

これが中々難しいのですよ。

問題のある箇所をバンバン外していくと材料が足りなくなってしまいます。

それにいい所だけだとのっぺりした印象になります。

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こういう部分は使ったほうが面白い。でも、表面に使うかどうか?

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多少の干割れは接着剤を流し込んで補修。

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腐れや傷は一編に切り落とさないでちょっとずつ様子を見ます。

杢も合わさなければいけないし、引き戸に使う部材は無傷が欲しい。木取りは木工上級コースです。

どうやら、棚板や裏板は取れそうにありません。それでも、杉やヒノキで間に合わせるわけにはいかんやろな~。

*材木は普通、半割にしたり、分解していくと多少は狂うものですが、マホガニー全然狂いませんね。良材と言われる理由の一つでしょう。