木工一覧

帯鋸仕上げの棚

Dsc_003033 帯鋸仕上げの棚、完成しました。今は真黒だけれども、徐々に色は薄くなってきます。長年の使用でどう変わるか楽しみです。

板の厚さが1㎜前後、それぞれ違うので、ホゾは全部現物合わせです。

この厄介な作り方も3台めになると比較的スムーズに事が進みました。

Dsc_001464 今回は、一つ増やして3枚ホゾにしました。中央のホゾは意匠的な意味もあります。

当然手間はかかりますが、こういう部分を効率優先にすると、後々後悔します。

Dsc_001965 アリ組も1枚増やして6枚としました。なんでも場数を踏むと苦にならなくなります。

帯鋸仕上げは、椀の千筋仕上げのように、筋の部分に漆が溜まるので丈夫です・・・・・・・・・・・ということにしておこう。

これは、もう発送して、今日は別の製品を仕上げました。本年、仕事終わり!

酒ばっかり飲んでるわけじゃないで。今年は12月だけ忙しかったな。

明日は一泊するつもりで海に行きたいのですが、波はフラットなのだそうです。


糸鋸木工

どういう訳か、当工房は年も押し詰まってから忙しくなっています。

Dsc_0022 現在、ノコギリ仕上げの棚を製作しています。

この棚のホゾ加工に糸鋸を多用しています。特に穴30ケツ、アリ組10枚を糸鋸で開けました。

棚板の厚さがまちまちなので、全て現物合わせです。わりあい気持ち良く作業できます。

Dsc_0012 このような場合、当然一回では回りませんが、刃を45度に捩じることによって2回で切り抜く事が出来ます。普通に人には意味がわからないと思いますが。いや、糸鋸を相当使う人にしかわかりません。

糸鋸作業は、危険が少なく(指一本切り落とすには、根性がいると思います)、裏側の破損がないというメリットがあります。少量生産には向いています。

Dsc_0027 これは、ホゾ先のルーター加工を失敗した部分ですが、このようにリカバリー出来ました。

木工機械の中では騒音も粉塵も少なくいい感じです。でも、冬はノコ屑を吹き飛ばす、ホースからの風が年寄りには妙に冷たく、手袋が要ります。

Dsc_00476 昨夜の子羊会は、2家族もドタキャンがあって、家庭的な雰囲気でした。持ち寄りなので問題ありません。

私は仕事に疲れてグッタリしていましたが、飲み食いは普通以上しました。


薔薇の似合う家具

昨日も今夜も飲み会で少しつらいな。セーブするべ。

Dsc_0005 本日、下駄箱の納品をすましてきました。

いい感じじゃないでしょうか。

薔薇の似合う家具を作ったのは初めてのことです。

ただ、後々、扉の裏面に和紙でも張ってキャビネットとして利用できるよう、取外し式にした脚がダサいです。

さりげなく、切り株なんかに載せるようにした方がオシャレだな。今後の課題じゃ。

兎に角、これでなんとか年が越せそうだ。

ただ、この大作のために、完全に腰痛モードに入ってしまった。桂の木は比較的軟らかいんで、裏返したり、運んだりするとき慎重にすると、てきめん腰に来るんです。

なんだか「木工商売」来年はもっと厳しそうです。


オーナメント

暇つぶしという訳じゃないけど、糸鋸でクリスマスのオーナメントを作ってみた。

Dsc_0003 そして、今年1千万円以上家具を買って頂いたお客様達に送りました。

こんなヘタクソなの逆効果という説もあるが、気は心です。

来年はもっと上手になって、これで大儲けしたいです。

*波乗り伊野チームのクリスマス会は24日7時頃からです。よろしくお願いします。酒は余分に持ってきて下さい。


新李朝、下駄箱出来た

Dsc_0038 出来ました。久々の大作?でしたので少し疲れました。

こういう製品を作るときは植木屋さんじゃないけれど、一気に作るんじゃなく、休み休み様子を見ながら作ります。

ちょとセクシーやね。

Dsc_0041 内部はシンプルなヒノキの棚板がくぎ打ちで付いています。

中央が垂れてくるのを裏板で防ぐ構造です。

もう少しワックス分の多いオイルを使った方が艶が出てメリハリがついたかもしれません。

Dsc_0051 十字は一か所くらい傾いていたりして遊びがあっても良かったかな。

でも、まあ成功していると思います。

Dsc_0048 アリ組も美しいです。

桂はやさしい感じで、艶を上げると、ちょっと“お水”っぽくなって、私の好みかもしれません。

今回で、この材料もわずかになり、もう小さなものしか作れません。


下駄箱、大分出来た。

3333 本日も比較的真面目に仕事をしました。下駄箱本体の下にすける、袴の製作です。

”止め”の補強は、いろいろなやり方があると思いますが、今回は外から見えないよう、サネを入れることにしました。

Dsc_001831 完璧じゃ。ちょっと薄いので、材は丈夫な山桜を使いました。

横切り盤は”大日”のを新品で導入したのですが、イマイチ精度が出ないので、桑原の中古に代えてもらうよう交渉中です。でも、相手の爺さんが、もう仕事もしていないのに手放してくれないそうです。

Dsc_0021 角度を付けるために切り落とした木片は、捨てないでクランピングに使います。

PIボンドを使いましたが、このボンドは粘土が高いので、サネは緩めにしておきます。

Dsc_002655 もう一息です。この下駄箱は家より長持ちすると思うので、孫子の代ではキャビネットとして使えるようにしました。

自分としては、失敗や~、と思う所が2ヶ所あるんですが、わからんやろうな。


旅の準備

18th_dm4 中野区の友人宅での個展、段々近づいて来ました。ちゅーか、明日積み込みをします。

12時間の運転はやっぱりしんどいじゃろーな。2年前の湘南より遠いぞ。

高速降りても、環八、下手したら2,3時間かかるとか。10キロそこそこなのにね。

Dsc_0011 荷造りは何度やってもかったるい。宇和島の梱包がそのままだから、随分と楽ですが。

考えてみれば、小さな“引っ越し”をしているようなものですから、仕方ないでのすが。

九州の「西岡大秦」さんなんかは、クレーンが要るような家具を作っていますから、個展は5年に一度のイベントだそうです。最近は、助っ人の村人に声をかけても蜘蛛の子を散らすようにいなくなるのだとか。

ところで、今回は友人宅だからいいようなものの、都会は自家用車で乗り込むには不向きだと思います。でも、やるしかないのだ。プロだもの。


商売のわるい話

今日の話は、気分悪くなりますので、読まないほうがいいと思います………そう書くと120%人が読むと思うけど。

先の宇和島での個展の最中にメールをもらった。神戸の女性のお客様で「ホームページにあるケヤキベンチ頂きたいのだが、¥15万を¥10万にしてもらえないか?しかも送料無料の着払いで。家のしつらえに丁度いいのですが」とか書かれていた。ちと、強引と思ったが、そのベンチは唯一の在庫(売れ残っている)で、私の製品にしては重い感じがして、自分としては気に入らないものなのです。こういうご時世だし、渡りに船だと思いました。なんとか年が越せるかな、ウッシッシ!

ただ、どういう訳か私のモバイルパソコンは受信が出来ても、送信が出来ず返事が出せませんでした。画廊のパソコンを使わしてもらうほどのこととも思いませんでした。着払いか…………代引きは手続きが面倒なのでやってないし、どうすればいいかな、なんて能天気に考えて過ごしました。

3日ほどして、家に戻ると6件の留守電があり、最初の3件は“伊野署”からのものでした。実は、個展の直前、万引き2人組を捕まえてしまい、その調書のことでした。後の3件はそのお客さまからの催促でした。今思えば、ちょっといやな感じがしないでもなかったです。

翌朝「その条件でOKです。念のためベンチの写真を何点か撮って送ります」と返事をしました。その返答がこれです。(原文のまま)

       

メールお頂きましてありがとうございました。

直接にお話して決めようと思っていたのですが、急拠Panasinicのマッサージソファを購入することに決めました。

お騒がせいたし、申し訳ありませんでした。       ☆●●●●☆

………………殺す。  これほど、神経を逆撫でする断り方ってあるのかな?パナソニックはわざわざ英字変換しているし、綴り間違ってるしな、しかも名前の両側に☆だぜ!?

2年前にも、これと殆ど同じパターンのメールのやり取りがありました。まあ、こういう人達は、これまでも、これからもそういう人生を送っていくんだろうけど、人を巻き込むなよな。流石の私も、こういう人達に文句を言うのは控えます。


商売のいい話。

こういう、世の中になれば『木工商売』も作ることより売ることに力を入れないとやっていけないような気がします。所詮、木工なんて4本の手足があれば、誰でも出来ますから。実際、デパートでの個展の時も、じっと品定めしている母ちゃんの横で、旦那が「俺が作ってやるから」と、ささやいているのを何度も聞いています。

以下は、ちょっと自慢話。今年の5月のグループ展『名古屋の木工家ウイーク』での販売は、何のツテもなく、バンバン売れるという噂とは逆に、最悪の事態も予想されました。そこで、地元高知のお客様の1人が名古屋出身であることを思い出し、図々しいとは思いながらも、無沙汰を詫びて、友人知人にDMを送ってくれまいかと頼みに行きました。

Aちゃんは快諾してくれたが、結局誰も来なかったので、絶対に忘れていたのだと思います。ま、そんなわけで、予想通り売り上げゼロを達成したのでした。名古屋には、飲みに行ったんですからいいんですが。

でも、その時の営業のお陰か、先月Aちゃんはスプーンの補充に寄ってくれました。今月は玄関周りを改装したとかで、バンダジやら何やら買ってくれました。更に、そこに置いてある下駄箱を「こりゃ~、ひでーわ」なんて言っていると、新しいのを注文してくれました。ただし「すぐ作ってくれ~」と言って、土間で大の字になって手足をバタバタさせるので、東京の個展に持って行く予定だった“曲面バンダジ”はお預けです。金具のデザインを考える余裕が出来てかえってよかったかもしれません。

でも、下駄箱は1週間やそこらで出来るのかな?あんまり早いとお金貰いにくいしな。困ったな。今日はパソコンでデザインしながら、桂の木の荒木取りをしていました。同時進行でやらないと間に合いません。桂は直径1m以上の大径木で、急ぎの仕事でも狂いがなく、使えます。

成果のなかった名古屋のグループ展が意外な形で注文に結び付きました。商売も、努力すれば報われることもあるんですね。これから、しがない木工家は、やれることは全部やって、何とか生きていけるっ、ちゅー世の中になると思います。明日は、逆に、悲惨な商売のお話をしてみたいと思います。


デザインは疲れる。

Dsc_00095 久々に仕事に復帰していました。でも、どうも最近仕事がはかどらないんです。年というもんじゃろーか?

反った板を使ったバンダジ、塗装が終わりました。2台いっぺんに作っています。

Dsc_0022 いつものことながら、金具のデザインに苦労しています。

今回は、せっかくモダンな感じに出来てきたので、李朝らしくない、シンプルな意匠も考えています。(写真はクラシックなもの)

本来、意匠のデザインは時間もかかり、単独の仕事として請け負えば、相当のデザイン料が貰えます。

そこを、私どもはタダでやらなくてはなりません。まあ、凄い意匠を思い付けば、使い回すことも可能ですので、頑張り所ではあるのですが・・・・・・実作業でへとへとになり、いつ思いつくともわからない、意匠デザインのために机に向うのはしんどいですね。

酒も飲まずに、夜なべすればいいんでしょうが、それもつらいな。でも、金具で出来が決まるからな。そう思うと、余計億劫になるな。