木工一覧

トチ狂う。 (2)

Dsc_0011 先日、輪島屋善仁の山下さんが営業に寄ってくれた。輪島屋善仁は、いまだに行商がメインの最も優れた漆器の製造、販売会社だ。

今回は、金もなく、無駄足を踏ませてしまった。ゴメ~ン!!

山下さんに、「現在製作している、栃の仏壇の木地が狂う」と愚痴っていると「そりゃ~、トチ狂うと言いますでしょう」とのこと。そうだったのか~!

Dsc_0009 栃では、座卓のような分厚いものを作ることが多かったので、あんまり実感がなかったのですね。

この栃、2寸に製材して、天日で2年、倉庫で4年保管していたものだが、人工乾燥していたら、もっと狂わなかったのでしょうか?

おかげで、荒取りから、仕上げまで3度に分けて様子を見ながら削っていくという手間を強いられています。写真のように組んでしまえば、大きく動くことはありません。しかし、裏板用に15ミリで製材していた材は、反って使い物にならなくなり20㎜でやり直しました。

漆で仕上げると、少し派手かましれません。かなり、おとなしく、上品な杢を選んでいますが。

Dsc_0011_edited1 ところで組立機、なにやかやと重宝しています。仮組にも便利です。出来れば、分解機も欲しいです。今はジャッキを使ったりしています。

写真は本番です。私の場合、あり組の箱は、しばらくしてから、クランプは外して放置します。クランプするとどうしても板が内側に反ってしまうので正確な直角が測れないし、妙な力がかかってしまう恐れがあります。

プレス機なら問題ないでしょう。すぐにクランプを外しても、あり組の場合はさほど問題もなく、ガチガチに組み上がります。


やっと出来!!

Dsc_007700051ずっと悪戦苦闘していたコレクションボックスが出来ました。この形状は、はじめに材料ありきで出来ました。昔あるところに、丁度の広さのケヤキ板がありました。しかし厚く、さりとて2枚に割ると薄すぎるので、このような形状に挑戦してみました。

私らしくないかもしれないし、成功しているかどうかもわかりません。しかし、挑戦は良いことですし、進歩をもたらします。でも、挑戦は採算取れないので、時々にしたいのだ~!!

蝶番は、局面に取り付けたのでは開閉できないので、同一平面に座繰りしてから嵌め込んでいます。今回、はっきりわかりましたが、金具は全体の雰囲気を決める重要なファクターですが、結局手間も、本体と同等とは言いませんが、同じくらい要ります。それなりの覚悟が必要です。(お客さんからもっと、お金をもらわんといかん。)

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どうも、ロウ付けが上手くいかないと思っていましたら、老眼でフラックスが融けた瞬間を見極められないのだと、気が付きました。裸眼、近視のメガネ、溶接ゴーグル、これらを単独、もしくは組み合わせて使わなくてはならないので大変です。

でも今回、金工に目立った進歩がありました。苦労はするもんですな~。本日から工房は金工室から木工室に戻っています。


鍛金作業

Dsc_00080001_1 現在制作しているコレクションボックスの蝶番が曲面に取り付くため、ぴったり曲げるのに苦労していました。なんとか、自力でごまかせましょうが、ここは次の仏壇の金具のこともあり、曲げの基本を習うために、造形師の藤田君を訪ねた。

彼は鍛金が得意のようだが、彫塑もするし大工仕事も出来るので、時々手伝ってもらっている。今回、初めて仕事場にお邪魔したが、ウ~ン、やっぱり道具が一杯いるんだな~。

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鉄の角材を削って、叩き出すため雌型を作っているところ。しかし、この方法では、上下で形状が違うため、片側2枚分の型しかできなく、手間がかかり過ぎるのでやめる。でも、少量だったら堅木で代用することも出来、使えそうだ。

Dsc_00190003_1 結局、さほど特殊な道具を使うことなく叩き出して曲げてしまう。ハンマーは何種類か揃えなくてはならないな。先に心棒の入るパイプ部分を作ってしまったのが失敗のようだった。何事も経験じゃ。

今回は大変良い経験になりましたが、本業は木工ですので、こんな所で足踏みしているわけにいかず、とっとと品物を仕上げて、次の仕事をしなければ飯が食えません。職人はつらいジョ~!!

かといって、外注するほど予算はなく、微妙な部分は自分でやるしかありません。でも暑すぎてそんなに頑張れません。


本当はこっちが好き。

Dsc_0012 久々に、木工の話題です。でも、内容は金工です。

蝶番などの金物を作る鉄板がなくなったので、高知市内の北村商事へ買い出しに行きました。

今回は、0.8、1、1.2、1.6ミリ厚の鉄板を買った。先に事務所で支払いを済ませ、指定された番号のゲートへ車で行き積み込んでもらう。広い。そして、私の鉄板は薄い。そして、鉄は高くなった。高過ぎじゃ~!!

Dsc_0023 荒取りは、コンーターマシンよりジグソーのほうが速いです。通常は雨ざらしにして錆びたものを使いますが、今回はまっさらで挑戦。

Dsc_00010001_1 金工バイスに挟んで叩きながら蝶番の形にしてゆきます。最初はコツを忘れているので上手くいきません。

ちょっと、取り付ける扉が凸面なので直径45ミリのくぼみに納まるようにします。

これから、仕上げと、着色なんですが、木工と同じで、こちらのほうが手間がかかります。

タイトルは「本当はこっちが好き」ですが、本当はどっちも嫌いです。も~こんな地味な仕事嫌じゃ~!! 山間部の温泉か、海辺のテラスでゴロゴロしたいです。


栃の白い肌 (1)

Dsc_00150001ここ2,3日、栃の仏壇の木取りをしていた。

ちょっと、写真の撮り方が悪いのですが、シンプルな仏壇でも、箱物は相当な木の量が必要になる。しかも、扉や引き出しが開け閉め出来ないとまずいので、正確な寸法、平面でないといけない。

今回、比較的狂いのない6㎝厚の板を半分に割って25㎜の主要な材料が取れた。割合無駄のない木取りができた。ちょっとした端材は高杯なんかに仕立てます。こういうときは、気分がいいい。

多くの板から、おいしい所だけ取って来るなら簡単ですが、何とか3mの板2枚で済ませました。ちょっと面白くない部分は、底板なんかにするのです。

木取りは、やればやるほど上を目指すので、楽になることはありません。このような、天然木の杢板だと尚更です。また、例えば仏壇の場合、扉が閉じていることは殆どないので、扉板に凝っても報われないなど、その器物独特の事情もあります。難儀ですな~。

ところで、栃は普通の木とは逆で、中心部分の赤身が少ないほどいいのですが、この栃には赤身が全くありません。そのような栃は、杢もいいのです。原木市場では、当然、それは丸太の木口を見ればわかるので、みんな張り込んで来ます。熾烈な競り合いに勝たなければゲット出来ません。わたしも、5年ほど前、競り負けた、家具材に丁度いいサイズの真っ白な栃のことが忘れられません。ありゃ~失敗じゃった。そんなに高くなかったのに、久々の競りに呆けていた・・・・・・・でも、妙に女っぽい木ですな~。


サービス精神!!

今日は、集中的にパソコンをいじりました。大分進歩がありました。ホームページにも何点かUPしました。そろそろ、表紙も変えるべきかな?

Dsc_00070001 これは、先日ボトルのコレクションボックスを注文していただいたお客さんに、おまけで作ったキャップです。このお客さんは、フクロウグッズも集めていて、その収納BOXも頼まれているんです。

木工なんて、はかない職業ですので、あの手この手で注文をゲットしなければ食べていけません。俺も結構、悪だわ。

「前も後も使って下さい」てなもんです。すみません、話が下品で。でも、高知県で木工を続けるのは正力、大変なんです。

ところで、このフクロウ、下手ですね~。でも、彫刻科を卒業した者が、みんな、ミケランジェロやラファエロじゃないんですよ。はっきり言って、私には才能がありませんし。

また、普通、学校では一度粘土で作ってから、木に彫るんですが、そんな暇はありません。でも、プロだから、何とか時間内に、お客様に喜んでもらえる品物を製作しなくてはなりません。まあ、そこが面白いんですが。

しかし、ほんまに下手やな。


決定!!

一ヶ月ほど前に、仏壇の大作?を頼まれていて、そんなに急ぐ仕事じゃないけど、樹種を何にするかで、悩みに悩んでいた。

在庫しているのは、ケヤキ、タモ、桂、栃、朴、栗、山桜などである。お客様との話し合いで、大分絞り込んだのだが、まだ決まらない。でも、はじめは候補に挙がらなかった栃がピッタリだとわかりました。栃と言えば、座卓というイメージがあり、気が付きませんでした。箱物に使ったことなかったけど、いい仕事になりそう。高知県の栃は極上品で白くて緻密で、県外からも買い付けに来んです。

ある程度技術が向上すると、作るのより樹種の選択のほうが難しかったりする。最適な木があっても、共木で作るのに十分な量がなかったり、木取りに無駄が出る場合は諦めなくてはならない。

そんな訳で、大仕事を成し遂げたようにスッキリして、昨夜は高知市内で4軒も梯子したので今日は二日酔いでした。

今回の仏壇、高杯などの仏具も挽き、出来れば如来様も彫ろうというもの、楽しみだけど出来るかな。

ところで、木工家の皆様、丸ホゾタイプの椅子の脚の先端を切りそろえるときどうされてます?トースカン?そりゃ古い。座面が水平ならずっと簡単、正確な方法があります。

Dscn06020001 写真のような直角治具を作って、座面に手で密着させ切ります。そのとき振動しないように脚の先を定番に軽く接地させて下さい。昇降盤でも出来ると思います。もちろん、背もたれをつける前がいいです。

うんと楽ですよ~。


趣味の木工

まだまだ注文が残っているのに、いつもお世話になってるサーフポイントに設置するベンチを作っていた。勿論、お金にはならないし、誰に言われたわけでもない。しかし、海でデカイ顔して波乗りするには、それなりの気遣いが必要なのだ。趣味も高じると、なんか仕事よりも大変です・・・・・・・・それに注文仕事ばっかりは疲れるじょ~!!

Dsc_00130001 長さは2,3m。座板はカミキリムシの虫食いの穴が沢山あいているシオジだ。ウーン、こうやって見るとチョッともったいなかったかも。

2階から降ろすのが大変でした。背もたれを後から組むべきでした。

専門的に言うと、大きな穴はリフターテーブルを活用して、ラジアルボール盤であけています。やっぱり手持ちより楽です。スピンドルのホゾは”フシ太郎”を使っています。

笠木への穴あけも、フライステーブルを活用してボール盤で開けています。製作には2日かかりません。座板にざっとベルトサンダーを当てただけで、塗料も防蝕剤を軽く塗っただけです。木工は、材の研磨と塗装がなければ、本当に楽です。

週末はこのベンチで海を見ながらビールをプシュッといわすのが楽しみです。でも、あいにくの梅雨空じゃ~。


掃除記三代

今日も木工家、或いは職人用のブログです。ところで、昨日は飲み過ぎました。3軒も行ったのでしょうがないか。まっ、たまにはいいやろ。

Dsc_00050001_2これらは、うちで使われてきた業務用の掃除機です。

左端は、20年以上前、まだ鉄でオブジェを作っていた頃のものです。サイレンサーがないので抜けが良く、強力なのですが、うるさくて住宅地では使えません。なんでこんなにうるさいのか不思議です。当時はうるさくないと馬力がないと思われていたとか?今回、石膏ボードで箱を作り、据置型として復活させようとしましたが、大して効果はなく無駄に時間を消費しました。コイツはもうお払い箱です。

中央は昨日まで使っていたもの、10年になりましょうか。この機種になってから、マキタはパイプを樹脂からアルミに変えたのですが、これがスポスポ抜けて非常に腹立たしかったです。冬は冷たいし。また、メインスイッチの横に強弱のスイッチがあり、紛らわしい。だいたい、この種の掃除機に「弱」はいるのでしょうか?ホースも外れやすくなってきたので、今回思い切って、ボール盤と小型横切り盤の専用集塵機にしました。ボール盤は連動スイッチが使えます。フィルターは乾式に替えてあります。

右は日立の新型です。写真ではわかりずらいのですが、空気の流れがいいように、ホースが本体に斜めに突き刺さっています。日立は、最近、ガンダムというか、有機的なデザインを取り入れていますが、あんまり成功しているとはいえません。デザインは、やっぱりマキタが一番"まし"でしょうか。目玉としては自動の乾式フィルターの塵落しが付いています。パイプは樹脂です。使い勝手はまだわかりませんが、やや重い感じはします。

なんか職人版‘暮らしの泉‘みたいになってしまいました。この他は、ベルトサンダーに日立の小型の連動式集塵機が付いています。これも少しうるさいのですが短時間ですし、集中しているのでそんなに気になりません。


初夏の庭

Dsc_00040001 庭も初夏の装いになって来ました。今が夏の盛りだったらいいのにな。

先日、組み立て機という大きな機械を入れたので、工房のレイアウトを変えています。結局、大掃除の様相を呈しております。

しかしなんですな、私も47,8歳、昔ならガーッと一気にやったもんですが中々根が続きません。

ただ、やりはじめてからの完全主義的なところは変わらなくて、余計に時間をくってしまいます。今回も、ついでに集塵システムを 改良していてドツボにハマっています。普通に掃除機かけえや~!!

Dsc_00090002 写真は咲き始めた大山蓮華です。オオヤマレンゲは、深山に咲く蓮華(ハス)によく似た花の意味だそうです。

どんな大層な花か知りませんが、つぼみはとってもキュートです。