木工一覧

新年の原木市場

今日は、久々に仁井田の丸太の市場に出かけた。もう、材料は焼くほどあるし、金もないので、どちらかというと、忘れられないように顔見せです。

ホントに買うのであれば、何回も下見をして、作戦を練る必要があります。

Dsc_0036 木材をいかだや船で運んだ名残で、大きな市場は大抵、海沿いにある。

海はやっぱりいいな~。手前の大きな船は何を運ぶんだろう。パナマ船籍でバリ・ハイと書いてある。

Dsc_0034

いざというときは、これに乗り込むんですな。グリコのオマケみたいですがちょっと欲しいような気もします。

Dsc_0046 不況の影響で活気も今二つ。

売れないから、いい木を山から切り出さないし。

Dsc_0051 これは、有名な柳瀬杉です。杉の丸太の売買もなかなか奥深いものがあります。

クラシック音楽は「バッハに始まり、バッハに終わる」なんて言いますが、建築材は「杉に始まり、杉に終わる」そうです。

”ドライログ”とは、旬のいい時に切り倒し、枝を付けたまま放置して乾燥させたものをいいます。昔は当たり前にやっていたことでしょうが。

当然、あと後、虫も入りにくく、いいことずくめです。

Dsc_0055 市場では昼に、お弁当が出ます。蕎麦かうどんも付きます。

昔は豪華な幕の内弁当でしたが、最近はちょっとショボイです。

もっと昔は、皿鉢料理に酒も付いたそうです。旦那衆の商売だったんですな。


悲願の高杯、出来。

今年は盛大に薪をくべているので、ついになくなり、昨夜は秘蔵の端材を燃やしていた。いいんです、いつかは処分しなくてはならないし、次から次へ出てくるもんですから。

Dsc_000233 悲願だった高杯の木地が出来ました。

やっぱり、かなり難しかったです。後は大分楽に出来るだろうけど。

いろいろな刃物やチャックを総動員しました。道具が仕事するというか、教えてくれるというか。

Dsc_00176 部材をつないだ境界線にはあえてラインを入れました。

台の方に良い杢が出ているのが問題です。一杯やるには少し背が高いか。

拭き漆で仕上げて、早く使ってみたいもんだ。安定性はとてもいいです。

やれやれ、ホッとした。

でも、カッコイイ高杯デザインしても、銭にもならん、女にももてんのはつらいな。


心身ともに疲れる、慣れない木工旋盤。

Dsc_00039 今日は高杯の天板を削っていました。

道具を工夫しながらですので、一日かかって一枚。しかも「失敗や」と思うような出来でしたが、そこはプロ、なんとか合格点にもってきました。でも、明日挽いたものより明らかに見劣りするようでしたら、ほかします。

50㎝の栗を挽いたことがあるけど全然楽勝だったのにな。

Dsc_000122 何年も前に買った、ドリルチャックを初めて使いました。

ドリルが動かず、材料が回転して削れていく光景は、気持ち悪いです。故障で止まったエスカレーターに乗った時、一瞬クラっとするのに似ています。

このドリルチャックは保管中、オフコーポのセールに出ていて、少なからずショックを受けました。ひょっとして、ボール盤ともテーパーは同じなんじゃろか?今頃気付いたけど。


気の抜けない、息抜き。

木工旋盤はエベレスト登山に似ている。

しばらく、やらないと忘れて下手になってる。それでも、だんだん調子が上がってくる。ベースキャンプから装備を荷揚げして、また戻るみたいな。

着実に上には向かっています。雪崩や凍傷にはならないけどな。骨折とか歯が折れたというのは聞きます。

Dsc_00033 高知の栃はすごく奇麗でち密で、薄く挽けるのですが、時間も倍かかります。

上から2番目の栗を挽くと、楽勝でした。上手になったような気がします。


グラインダーの改良。

Dsc_00053_3
テレビ台出来ました。材料はホウです。通常のブックマッチングでは、ホウの場合おさまりが悪いので、白太を内側にしています。
チークオイルはホントにいつ乾くのかわかりませんね。
Dsc_0019_2
先日のグラインダーの改造ですが、ツールレストとして厚さが10㎜ほどの鉄板を溶接しました。かなり使い勝手が良くなりました。また、刃物も良く砥げます。苦手なスクレーパーの切れ味が向上しました。
Dsc_00183_3
全体像です。このままでは振動で歩く傾向にありますので、床に固定するか・・・・・・・。このグラインダーはマキタの安物で、低速タイプではないのですが、十分使えます。
Dsc_0029
大江さん、サンドペーパをかけるときだけ集塵機を回すことにしました、これはかなり有効です。
本日は、ブログ作成中、新しい”インターネット エクスプローラー”が使用不能になり、Chromeで作成しました。文章も勝手が違うので省略しました。うまくいくかな。いい加減にしてほしいな。


高杯に挑戦する。

Dsc_00114 昨年、仏壇の制作で、仏具の高杯を試みて、何とか満足なものが出来たので、以前より念願だった大きな高杯に挑戦しようとしています。

天板の直径が38㎝なのでほとんど、膳とか卓に近いです。3ピース構造です。

こういう大きさでは材料も貴重なので、いつになく慎重に図面を引いて、段取りを考えます。

Dsc_00036 3台位、いっぺんに作りますが、その前に練習で丼でも挽くつもりです。

ストックしておいた端材が役に立ちます。練習といってもプロですから、立派に仕上げてお金にしなくてはなりません。エライ!‼ 

Dsc_00256 やや大作の場合は、外堀から埋めるように仕事を進めます。

斎田さんのブログに影響されたわけではないのですが、旋盤用の刃物を研ぐ、グラインダーに改造を加えています。

久々に電気溶接機を使いましたが、体が覚えていました。そのまま、バチバチやりましたがグラインダーも壊れませんでした。 

明日にでも、発表出来るかと思います。全然大したことないけど。


仕事納め。

本日も仕事していました。今月は大分休んだため。というか、年末年始はすることもないし。大掃除もすんだし。

Dsc_00071 群馬県のお客様に頼まれていたテレビ台出来ました。

なんてことのないデザインですが、まあいいかな。

中にも小さな足があるのは、液晶テレビが意外に重く、垂れてくるのを防ぐためです。もっとも、私が乗ってもビクともしないんですが。

次世代のテレビはうんと軽いか、壁掛けですので、外れるようネジ止めにしています。

Dsc_0009 目込みのタモでしたので、2回塗りで漆を500gも吸い込みました。

うちの拭き漆は2回塗りと6回塗りがあるんですが、2回だと、枯れた感じで、木製品の好きな方から御指定を受けることが多いです。

楽は楽ですがムラになり易く、技術的には難易度が高いです。木地への漆の吸い込みは2回で止まります。後は、表面に重ねていくことになります。

今回は、棚の間を塗るのに専用のヘラを作りました。それでもやっぱり二の腕がかぶれてカイカイになりました。

白磁と粉引の杯は九州の小川哲男先生の作です。わたしも、これから友人宅へ飲み納めに出かけます。皆様、よいお年を。


仕事もしています。

よく更新するなー。くせになってるなー。リバウンドがきそう。

Dsc_00111 テレビ台の仮組をしました。”李朝飾棚”とでも呼んだ方がお客さんからお金を一杯貰えるかな。

拭き漆で仕上げるんですが、見てのとおり、隙間が狭いので、組む前に、部品の状態で(接着面にはマスキングして)塗装を済ませておく計画でした。普通、パーツの状態で拭き漆する方が圧倒的に楽です。

でも、こりゃ~後で側面を面一に組み上げる方がもっと大変そうじゃ。

2222 結局、組んでしまいました。

箱を組むのは道具もいるし、秘伝の技も使わなくてはならないんでっせ。どこがじゃ~!!

あ~、この棚の間に拭き漆していると、袖がめくれて、手首に漆が付いてカイカイになるんじゃろーなー。

ちょっと憂鬱だが、それも仕事だ。


黒田辰秋のオタク。

私は、黒田辰秋のオタクです。追っかけ?日本の木工界では巨人ですし、外国とはレベル的に比較になりません。仕事の下にあるものが深いんですね。日本は木の文化の国じゃしね。

2000年に愛知県豊田市で開かれた展覧会にも行きましたし、飾棚のある、京都の「鍵善」でお菓子を買ったりしています。

Honn 出版されている本は、大体持っているのではないでしょうか。

一番下は、サイン入りの限定豪華本。川端康成や武者小路実篤等の凄いメンバーが文章を寄せています。ただし、肝心の写真が「絶対、俺が撮る!!」と言っていた土門拳が倒れてしまったので、ショボイです。豊田市美術館が図録を出したので、資料的な価値は低くなりました。

一番上の本は、珍しい1977年に熊谷守一と「二人展」をやった時の図録です。

棗は、商売が良かったころに手に入れました。久々に取り出してみると、やっぱ落ち着くわ~。ウ~ン、損のない買い物じゃった。この棗については、また後ほど。

その割には、重厚な辰秋の作りが、私の製品に反映されていないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、まあ、時代も違うし、性格が軽薄だし。それはそれです。

しかし、黒田辰秋は私にとって一番習うことの多い、工芸作家です。


塗師刀(ヌシガタナ)

今日は仕事をしましたが、風邪は完全に治ってないです。腰も痛いのじゃ。

本日はマニアックな刃物の話です。

Dsc_0019 中央にあるのが塗師刀です。上の小刀と比べると、大きさがわかります。ドスの先が折れたような刃物ですが片刃です。

これは左利き用にあつらえたものです。他の刃物は、右勝手と左勝手と両方いるのですが、塗師刀は漆塗りに使うヘラを削るためのものですから一本でいいんです。刃渡りが長いのは矢張り、引きながら削るからでしょう。普通の人には意味がわからないと思いますが。

10年近く前に買ったんですが、一度も使っていません。私の場合、さっさとベルトサンダーで削ってしまうから出番がないんです。漆を使う者には必須の道具と思ったんですが、木工家は鉋を使ってもいいし、小刀でも代用できます。もったいないので、出刃包丁の代わりにしようと考えています。

でも、この刃物は一度だけ役立ちました。

以前、私の工房の隣は町有地で、バス会社に待機所として貸していました。問題だったのは住宅地なのにバスがずっとエンジンをかけっぱなしで停車していたことです。運転手はもとより、会社にも注意しましたが一向に改善されません。バス会社なんて民意が低いですね。私としては、泣き寝入りは出来ず名案を考えました。

アホになって、塗師刀で棒をスパスパ削りながら運転席に駆け寄って、

「おんちゃん、エンジン止めや~。」とやさしく言いました。(目はちょっと白目?)

これは効きました。一度で誰一人アイドリングはしなくなりました。ちゃんと”申し送り”出来てるジャン。

*この塗師刀は、漆用品店で注文した三木の刃物です。高かったのにホームセンターで2000円で買った小刀と同じ商標が付いていました。相当のマージンが入ってる訳で馬鹿くさいですね。現在は三条の刃物屋に直接注文しています。安いです。下の刳り小刀は左久作。その刃物屋が”気に入らないから”と安くしてくれました。硬いけど切れますが・・・・・私は刃物にそんなに頓着しません。